リストラと戦争のオバマ打倒を 「挙国一致」を叫ぶ
大リストラと戦争激化のオバマ反革命政権打倒を
米帝救済へ「挙国一致」を叫ぶ
第1章 労働者への宣戦布告
1月20日の米オバマ新政権の登場は、アメリカと世界の階級闘争がいよいよ決定的な局面に突入したことを意味する。オバマは大統領就任演説で、崩壊のふちに立つアメリカ帝国主義の救済と延命を自己の唯一・最大の使命として押し出した。オバマ演説の核心は、資本主義を救うために労働者階級はあらゆる犠牲を引き受け、耐え忍べというものだ。そして「共産主義に立ち向かう」と、プロレタリア革命への全面敵対を宣言したのである。
それは、アメリカと世界の労働者階級及び被抑圧民族人民に対する、真っ向からの宣戦布告である。その本質は、世界金融大恐慌下での世界革命情勢の急速な成熟に追いつめられた米帝の、最末期の絶望的なあがきだ。日帝を始めとする世界のブルジョアジーも今やこぞってオバマを礼賛し、オバマにすがりついて、“労資が一丸となって大資本の救済に全力を挙げれば現在の恐慌から脱出できる”などという、ウソとペテンに満ちたオバマの主張を大合唱している。
これに渾身の怒りを込めて、労働者階級の一大決起をたたきつけよう。資本主義はもうとっくに終わっている! 大恐慌からの回復方法などどこにもない。あるのは社会全体の崩壊と戦争という、一層の破局に向かって突き進むことだけだ。労働者人民の未来を切り開くただひとつの道は、この大恐慌をプロレタリア世界革命に転化することだ。オバマ反革命政権打倒! 死にひんした資本主義・帝国主義の最後のあがきを、闘う労働者階級の国際的団結の力で打ち倒し、世界革命勝利への巨大な扉を押し開こう。
第2章 階級対立激化に恐怖
米帝はオバマの就任式を、オバマのもとでの「挙国一致」体制をつくりだす大々的なセレモニーとして演出した。米帝が今や国家存亡の危機に直面しているとし、全人民は他の一切を投げ打ってアメリカという国家のためにひとつになれ、と絶叫した。つまり、アメリカの金融大独占ブルジョアジーとその国家を救うために、労働者階級は自らの階級的利害を捨てて、ブルジョアジーの立場に階級移行し、必要なすべての犠牲を喜んで甘受せよと要求したのである。
オバマが就任演説で強調した「新たな責任の時代」「奉仕の精神」とは、このこと以外の何ものでもない。だが、これはアメリカ社会がすでに非和解的な対立と分裂の真っただ中に入っていることを示すものだ。世界金融大恐慌の全面爆発の中で、賃金奴隷制の上に成り立つ資本主義社会の根本矛盾が暴きだされ、労働者階級と資本家階級は互いに生きるか死ぬかの激突に入った。だからこそオバマと米帝は、プロレタリア革命に恐怖して、これを何がなんでも阻むために愛国主義と階級間の「融和」を声高に叫んでいる。
実際に今、オバマの言う「アメリカはひとつ」の名のもとで何が起きているのか。シティグループや自動車のビッグ3など大銀行・大企業の救済に、巨額の国家資金(労働者人民からしぼりとった金だ!)が湯水のように次から次へと注ぎ込まれている。その一方で、労働者には激しい首切り・リストラの嵐が襲いかかっている。1月26日はわずか1日で7万5千人の解雇が発表され、CNNテレビは「血まみれの月曜日」と伝えた。
米の失業者はすでに1110万人を超え、ますます急増の一途をたどっている。さらに飢餓水準以下の低賃金の強制、住宅からの追い出し、医療や年金の剥奪(はくだつ)などが無慈悲に横行しているのだ。
すなわち、現に起きているのは階級間の戦争だ! アメリカ階級闘争が1930年代的な革命と反革命との激突に突入し始めている中で、危機を深める米帝の大ブルジョアジーが、この階級戦争に勝ちぬく「最後の選択」として政権の座に抜擢(ばってき)したのがオバマである。オバマ政権の反革命的正体はこの一点に凝縮されている。
第3章 ガザ攻撃推進許すな
オバマ政権はこの階級戦争と並んで、侵略戦争攻撃をも決定的に激化させようとしている。
オバマは1月22日、就任後初の外交演説で、ガザでの大虐殺には一言も触れず、「米国はイスラエルの自衛権を支持するとはっきりさせておきたい」と述べ、イスラエルのガザ攻撃を公然と支持した。これだけでも絶対に許せない。そして今、「中東和平」の一切の前提はハマスの解体にあるとし、ガザの封鎖を一層強化し、イスラエルとともに再度の侵攻と虐殺の機会をうかがっている。
また、「イラク撤兵」の公約は「16カ月以内」に先送りし、アフガニスタンへの3万人増派を全力で推進するとした。現在のアフガン駐留米軍3万4千人を一挙に倍増する数だ。ブッシュ政権の国防長官ゲーツをそのまま留任させ、イラクとアフガニスタンでの敗勢を巻き返そうと必死になっている。ブッシュの「ハードパワー」に代わる「スマートパワー」を自称するが、その実態は侵略戦争のより卑劣で、もっと陰険かつ残虐で、一層破産的な推進と拡大となるのは間違いない。
第4章 革命情勢の成熟へ
こうしたオバマ政権の登場とその攻撃は、最初から破産している。オバマの唯一の武器は大言壮語とペテンで人民に幻想をふりまくことだ。そして右足を帝国主義ブルジョアジーに置き、左足をAFL—CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)を始めとした体制内の労働運動やリベラル派勢力に置くことで、その両者から超越した装いをとって、実際にはブルジョアジーの階級的利害をとことん貫くことにある。
だが世界大恐慌と世界革命情勢の進展は、オバマを早晩、そんなアクロバットを演じる余裕などないところにたたき込む。オバマの破産は、アメリカ革命への決定的情勢を一気に成熟させるものとなる。
オバマは「グリーン・ニューディール」などと称して1930年代にルーズベルトがとった政策の再現をうたい、それが大恐慌からの脱出を可能にする魔法のつえであるかのように触れ回っている。2年間で8250億㌦もの巨額の公共投資によって、「300万人〜400万人の雇用を創出する」と豪語している。だがそもそも、ルーズベルトのニューディール政策は1929年大恐慌からの米経済の全面的な回復を導くことはできず、結局は第2次大戦への突入を不可避としたのである。まして今日の米帝は当時と違い、莫大な借金を抱えて本質的にはすでに破産した国家だ。オバマの突進が、ドル大暴落と米帝の完全な没落、破局への最後の引き金を引くのは明白だ。
アメリカの闘う労働者階級は、昨年5・1メーデーの港湾封鎖を闘いぬいた米西海岸の労働者を先頭に、オバマとの全面対決を断固として掲げて新たな闘いに続々と立ち上がっている。1月10日、サンフランシスコを始め全米で、体制内指導部の制動を突き破って闘われたガザ攻撃弾劾のデモはその突破口だ。この闘いに連帯し、世界革命へ向けての日本の労働者階級の猛然たる進撃をかちとろう。3・20全世界一斉デモを、オバマ打倒・国際反戦闘争への総決起の日として闘おう。