2009年1月26日

市東行政訴訟 市東さん県追及 “2・3初弁論に結集しよう”

週刊『前進』06頁(2376号5面3)(2009/01/26)

市東行政訴訟 市東さん先頭に県追及
 “2・3農地死守裁判初弁論に結集しよう”

 1月20日、三里塚反対同盟の市東孝雄さんが千葉県を提訴した農地強奪阻止行政訴訟の第6回口頭弁論が、千葉地裁で開かれた。反対同盟農民を先頭に80人を超す労働者・学生・市民が支援、傍聴に駆けつけ、ともに闘った。
 この日は、原告代理人である弁護団によって「土地収用法で取り上げることができなかった農地を農地法で取り上げることは、憲法違反」とあらためて突きつける準備書面8と、被告千葉県の釈明に対する具体的全面的反論を展開した準備書面9が提出され、法廷で読み上げられた。
 空港公団(空港会社の前身)は1988年に、反対同盟の最先頭で闘っていた市東東市さん(孝雄さんの父)が耕す耕作地を地主からこっそり買収し、15年間もその事実をひた隠しにしてきた。旧地主は何食わぬ顔で市東家から地代を受け取っていた。こんな詐欺行為が明るみに出た上で、現に耕している農民に向かって「出ていけ」だと? 恥を知れ!
 成田空港建設はまさに違法・脱法の数々で進められ、今また空港会社が農民の権利を奪い農業を破壊する暴挙に手を染めていることが容赦なく明らかにされ、それにお墨付きを与える被告・千葉県を追いつめた。
 終了後に記者会見と報告集会が開かれ、市東孝雄さんが、「私の土地をめぐる三つ目の裁判が起こされました。2月3日がその第1回です。これは今日の行政訴訟と裏表の関係にあります。2月3日、裁判所の周りをいっぱいにするような、大勢の傍聴をみなさんにお願いします」と、いつにも増して気迫を込めて訴えた。葉山岳夫弁護士は「耕す者に権利があるというのが農地法の大原則」と断言し、裁判の内容や今後の見通しを述べた。(次回は4月21日)
 北原鉱治事務局長は、「農民の土地を取り上げる前例をここでつくらせるわけにはいかない」と勝利への一層の奮起を促した。これにこたえ、動労千葉執行委員の関道利さん、市東さんの農地取り上げに反対する会の井村弘子さん、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さん、関西実行委の松原康彦さんが、決意を明らかにした。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。「2・3は今年1年の行方を決めるような裁判闘争だ。これまで三里塚では“空港をつくるため”と正義も理屈もない違法がまかりとおってきた。収用法をかけられ、騒特法、成田用水、成田治安法……国家の総体制をあげた攻撃だった。そして今度は農地法で土地を取ろうという。絶対に許してはならない! このあまりにもひどい裁判を徹底的に闘って、その実態を民衆に知らせよう。市東さんの決意にこたえ、代執行を粉砕する陣形をつくりだそう」と訴え、2・3への全力決起を呼びかけた。