2009年1月26日

JP労組指導部打倒し09春闘—物ダメ・ストライキへ 革共同全逓委員会

週刊『前進』06頁(2376号3面2)(2009/01/26)

破綻深める郵政民営化
 JP労組体制内指導部打倒し09春闘—物ダメ・ストライキへ
 革共同全逓委員会

 全国で闘う労働者のみなさん! イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への侵略戦争を怒りを込めて弾劾しよう。無差別虐殺の張本人は、米帝・ブッシュやオバマだ。それはアメリカ帝国主義の生き残りをかけた中東石油支配をめぐる侵略戦争である。ついに資本主義が大崩壊を始めた。「資本主義社会は終わりだ!」と全世界の労働者の闘いが始まっている。資本家と、それを支える体制内労働運動指導部を打ち倒し、09春闘を「生きさせろ!」ゼネストの路線で闘おう! 闘う全逓労働者は、4大産別職場の先頭で断固として物ダメ・ストライキを切り開こう! 

 第1章 労働強化・首切り・労災激増

 世界金融大恐慌が爆発する中で、民営郵政はより矛盾を深め破綻が深刻さを増している。国債の3分の1を買い支えてきた郵貯・簡保(合計315兆円)の信用が揺らぎ、残高も急激に減少している。
 職場では、1万5千人の欠員で出発した民営郵政の絶対的矛盾が、極端な労働強化となって噴き出している。郵政資本はこの上さらに、他の運輸・通信資本との競合で、2万4千人規模の要員削減を強行する計画だ。
 とくに青年労働者に民営化の矛盾は集中して襲いかかっている。民営化過程で6万人を超える本務者を削減し、全国でゆうメイトなどの非正規雇用労働者が20万人を超える状態をつくり出したにもかかわらず、そのゆうメイトを雇い止めで首にしなければ生き残れない絶対的矛盾に陥っている。これが民営郵政の現実なのだ。
 現場の矛盾は爆発している。すさまじい労働強化による誤配・遅配が続出し、事故や労働災害が激増している。ビル丸ごと郵便物が届かないという空前の破綻状態まで生まれた。資本の論理が一切の「民営」郵政では、郵便事業自体が成り立たないことが証明されたのだ。
 さらに道州制攻撃と同じ資産の強奪攻撃が郵政民営化の実態としてあらわになっている。昨年12月26日、日本郵政は「かんぽの宿」70施設をオリックス子会社のオリックス不動産に一括譲渡する契約を結んだ。資本が郵政事業をことごとく食い物にするということだ。世界金融大恐慌の到来の中で公的なものをすべて奪いつくし、資本のみが生き残ろうというのだ。
 こうした惨状は、御用組合・JP労組中央が闘いを放棄したのみならず、積極的に資本に協力し始めたことで劇的に進行している。
 しかし彼らのもくろみは必ず破綻する。現場労働者は、もはや「闘わなければ生きていけない」のだ。動労千葉派の労働者の非妥協的な闘いをとおして、「今こそ団結し、御用組合幹部を打倒し、闘う労働組合を甦(よみがえ)らせよう」との機運が急速に広がっている。職場支配権を現場労働者が奪い返すことはまったく可能なのだ。経団連・御手洗と連合・高木の「労使一丸」春闘を粉砕し、今こそ全国の郵政職場で物ダメ・ストライキをたたきつけよう。

 第1節 資本家の支配を終わらすときだ

 トヨタ、日産、ソニー、パナソニックなど、名だたる大企業を先頭に「派遣労働者の首切り」が爆発的に広がっている。労働者を残酷なまでの低賃金と、いつでも首を切れる無権利状態にたたきこんでボロもうけしてきた資本家たちが、不況でモノが売れなくなった瞬間、すべての生産を担ってきた労働者を大量に路頭に放り出している。その一方で、政府は大銀行や大資本を税金で救済する方策を練っている。冗談ではない! 彼らは自分たちが支配階級として生き残ることしか考えていないのだ。
 春闘に向けて、経団連・御手洗は「不況だから首切りも賃下げも我慢せよ」「賃上げなど論外」「ワークシェアリング(大幅賃下げ!)も」と、労働者の闘いに敵意をむき出しにしている。連合・高木やJP労組中央もこれに完全に屈服した。支配階級がふりまくこの反動的イデオロギーを今こそ粉砕しなければならない。
 大恐慌だからこそ、世界の労働者が団結して、大幅賃上げを要求してストライキで闘うのだ。資本家の支配に終止符を打つために立ちあがる歴史的瞬間が訪れている。300年にわたって労働者を搾取し、戦争にかりたててきた資本主義の時代がついに終わったのだ。
 低賃金で朝から晩まで働きに働いてきた大量の労働者が、不況になったら使い捨てられる。これが資本主義だ。果てしない競争と生産の拡大で富は圧倒的に蓄積されているのに、大量の失業者が生まれる。これはまさに資本主義の破綻なのだ。土地や機械、大工場などの生産手段を一握りの資本家が私的に独占しているからこうなる。
 資本家は一銭の富も生産しない。大企業の巨大な生産設備も製品も、郵政事業の巨大なシステムも莫大な利益も、すべて労働者が生みだしたものだ。「会社あっての労働者」という言いぐさは大うそだ。生産手段は本来、労働者が生きるための社会的共有財産だ。今こそすべての生産手段を奪い返し、階級のない共同社会を築くために闘う時なのである。労働組合の路線と闘う方針こそが問われている。
 アメリカの労働者たちは「もうけを独り占めにしてきた銀行や大資本を救うな! やつらは監獄行きだ」とウォール街でデモに立ちあがった。資本家どもをゴミ箱にたたき込んで、労働者が人間らしく生きられる社会をつくろう! これが労働者のスローガンだ。

 第2章 動労千葉のように闘おう!

 闘いの指針は、世界に先駆けて新自由主義—国鉄分割・民営化=20万人首切り攻撃と唯一真っ向から「絶対反対」で闘い抜き、今日まで闘う団結を維持してきた動労千葉の闘いにある。動労千葉はこの大恐慌下の今春闘に向かって「第2次国鉄決戦」を宣言、4大産別の全国の職場に先駆けてストライキで闘う体制を構築している。今や現場の青年労働者が続々と動労千葉に加入している。この闘いとともに、職場、産別を超えて全国の労働者のゼネスト決起を闘い取ることが労働者階級の勝利の道だ。
 かつての国鉄分割・民営化を引き継ぎ、小泉政権が郵政民営化を強行し、そして今、自民党も民主党も推進している「道州制」が新自由主義攻撃の仕上げだと言われている。それはあらゆるものを資本が食いつくし、闘う労働組合を一掃するための攻撃だ。国鉄の時と同じ手法で、自治体・教育労働者など全国360万人の公務員をいったん全員解雇し、その一部だけを選別して再雇用するのが道州制攻撃の核心的な狙いだ。いまこそ動労千葉のように闘うことが、すべての労働者にとって死活的なのだ。

 第3章 「労使一丸」体制を打ち破れ

 2月に連合JP労組の中央委員会が開かれる。その中身は昨年12月に日本経団連が出した「経営労働政策委員会報告」とまったく同じだ。そのタイトルは「労使一丸で難局をのりこえよう」である。
 何と中央委員会では、ベア要求は一切行わない方針を決めるという。
 世界大恐慌で失業者があふれているのに、一切の闘いを放棄しろというのがJP労組中央(連合)の方針なのだ。
 3兆円以上の剰余金を貯めこんだキヤノンが、派遣切りの先頭に立って「苦渋の選択で雇用調整」(御手洗)などとのたまっている。ソニーは「雇用ではなく利益を出すことが使命」と言い放っている。「賃労働と資本の非和解性」を敵の側から宣言しているのだ。
 ところが、これに対する連合の「見解」(12月16日)は「信頼に裏打ちされた労使関係」「内需喚起を促す」と資本の救済を後押しし、「財界の指導力を」などと、破産した資本家たちをもちあげている。経団連と手を組んで労働者の怒りを抑え込もうというのが運動方針なのだ。
 また1月15日に開かれた経団連と連合の首脳懇談会で発表された「労使共同宣言」は、「労使一丸」で賃下げと大量の首切りを進めることをうたい、そのための「セーフティーネット(安全網)」の整備などという議論を開陳した。
 JP労組中央も経団連と同じ主張だ。2月中央委では、成果主義賃金=賃下げ、JPエクスプレスへの出向、日逓への一社統合(1月)と子会社化(3月)、非正規の雇い止め容認、2万4千人削減などの攻撃すべてを妥結・丸のみし、現場組合員の利益を売り渡そうとしている。JP労組中央の「生産性向上運動」の行き着く先は、戦前の「産業報国会」の道だ。
 JP労組中央の思想は国鉄1047名解雇撤回闘争を裏切った4者4団体派とまったく同じだ。「労働者はニンジンをぶら下げなければ闘わない」「結局会社に従うんだ」と労働者を蔑視し、労働者階級が資本主義を打倒し、自己解放を実現していく主体であることを否定するのだ。全逓戦線においても体制内労働運動、4者4団体的思想・路線との闘いが攻防の環だ。
 私たち労働者は闘わなければ生きられない。資本家の手先となった連合JP労組中央を現場労働者の力で引きずりおろそう。「生きさせろ!」は派遣労働者だけの声ではない。郵政職場でも「生きさせろ!」の怒りの声が全国を覆っている。
 春闘「生きさせろ!」ゼネストを全国の郵政職場で切り開こう! 青年労働者はその先頭に立とう。動労千葉が主催する「1047名解雇撤回! 09春闘勝利」の2・16労働者総決起集会に結集しよう。