2009年1月26日

道州制攻撃をぶっとばせ 360万人いったん全員解雇に 革共同自治体委

週刊『前進』06頁(2376号2面1)(2009/01/26)

道州制攻撃をぶっとばせ
 360万人いったん全員解雇に 労働組合を甦らせ総反撃を
 革共同自治体労働者委員会

 世界金融大恐慌下で、「生きさせろ!」の闘いが資本の支配を打ち倒す革命の時代が始まった。非正規雇用労働者2000万人を先頭に、解雇撤回・職よこせの闘いが一斉に火を噴こうとしている。公務員360万人全員解雇、自治労・日教組壊滅の道州制・民営化攻撃との決戦はこうした情勢下で闘われる。国鉄1047名解雇撤回の動労千葉春闘ストライキを先頭に「生きさせろ!」ゼネストへ闘おう。体制内指導部をぶっとばし、職場から闘いをまき起こそう。4大産別の労働者、自治体労働者は、6000万労働者の先頭で民営化・道州制決戦を闘おう。

 第1章 自治労・日教組の壊滅を狙う反革命クーデター

 労働者の闘いに恐れおののく日帝ブルジョアジーは、闘いをたたきつぶす絶望的な攻撃にうって出てきた。道州制攻撃は、労働者の反乱に恐怖する反革命クーデターだ。
 道州制導入は、破綻した新自由主義を極限まで推し進めるきわめて暴力的な攻撃だ。警察と自衛隊を除く国と地方の公務員360万人をいったん全員解雇し、民営化のルツボにたたき込んで自治労・日教組を壊滅させ、労働組合運動総体を根絶する。これが最大の狙いだ。
 道州制は、これまで行われてきた「退職不補充」や「特例転職」といった手法とはまったく違う、生首の飛ぶ全員解雇攻撃である。22年前の国鉄分割・民営化時には40万人全員解雇・選別再雇用の攻撃が行われた。それをもはるかに超える「明治維新以来の統治形態の根本的転換」=「究極の構造改革」としてかけられる一大階級戦争だ。破産した戦後体制を一変させてむき出しのブルジョア独裁に代え、改憲と戦争国家化に突き進む道州制との闘いは、公務員のみならず6000万労働者の未来のかかった階級決戦である。
 金融大恐慌下で道州制攻撃は一気に加速している。「関西から日本を変える」「関西州」構想をぶち上げる橋下大阪府知事が道州制攻撃の先兵となって登場し、激しい攻防となっている。日本経団連は「国の債務800兆円すべてを地方に移管すべし」(道州制第2次提言)と主張し、御手洗ら経済3団体代表は年頭のあいさつで「日本再生のための道州制導入」を口々に唱え、麻生政権は今通常国会にも「道州制推進基本法案」を提出しようとしている。

 第2章 「民営化絶対反対」を貫く職場の闘いが道州制崩す

 資本主義の根本的な矛盾の爆発を戦後の47都道府県制や「中央集権体制」、「官僚主義」の問題にねじ曲げ、あたかも「地域主権」の道州制導入で国家の危機を打開できるかのようなデマをあおって強行しようというのだ。支配階級の分裂と日帝政治委員会の崩壊のなかで、ブルジョアジーの鬱積(うっせき)した極反動エネルギーが道州制攻撃として噴出している。
 自民党を離党した渡辺喜美衆院議員は、無所属の江田憲司衆院議員と組み、政府の道州制ビジョン懇談会座長の江口克彦PHP総合研究所社長や国鉄分割・民営化時に「国鉄労働者国賊」キャンペーンの旗振り役を果たした屋山太郎とともに「脱官僚」「地域主権」を掲げた「危機打開の国民運動」にうって出ようとしている。日本経団連の「ポスト御手洗」(2010年5月改選)は、日本経団連道州制推進委員会委員長の中村邦夫パナソニック会長が本命となっている。道州制とは、最末期を迎えた日帝ブルジョアジー・日本経団連による絶望的な攻撃なのだ。道州制・民営化攻撃との闘いは、国鉄1047名解雇撤回闘争と一体である。
 国鉄分割・民営化攻撃に対し、動労千葉は全組合員の首をかけた2波のストライキに決起して団結を守りぬき、今日まで続く1047名解雇撤回闘争の出発点を切り開いた。民営化絶対反対を貫く動労千葉の闘いが、安全問題、要員問題の爆発、労働者支配の破綻に至ったJR資本を追いつめ、青年労働者の決起と新規加入を次々とかちとっている。解雇撤回・民営化絶対反対を闘いぬくことは、全労働者の闘いの階級的原則であり、勝利の道である。国鉄分割民営化攻撃をうち破った動労千葉の09春闘ストライキに続こう。
 道州制との闘いは、国・自治体丸ごと民営化との決戦だ。本来なら市場原理にさらしてはならない教育、医療、福祉などの公的領域に踏み込む民営化攻撃は、社会の根幹を破壊する絶対的矛盾を抱えている。「市場化テスト」によって自治体のほとんどの事業が民営化か廃止できるとされ、現に社会保険庁解体、銚子市民病院閉鎖として分限解雇攻撃が始まっている。民営化・非正規職化をめぐる職場の攻防こそ、道州制攻撃との最大の激突点だ。今や全国の自治体職場の4割に達した非正規職や民間の労働者と一つになって闘うことが決定的である。
 今国会に、地方公務員法改悪案が出され、人事評価制度の法的強制が狙われている。人事評価制度・査定給を強制して職場の労働者を競争原理のもとに組み敷き、労働者分断と労組解体の攻撃に全力をあげてきている。しかし職場では、人減らしによって業務自体が成り立たなくなっている。病気休職したり、早期退職する同僚が続出している。労働者の誇りすら奪う攻撃の中で、いたるところに怒りが渦巻いている。もうがまんの限界だ。自治体労働者が「生きさせろ!」の闘いの先頭で職場から闘いをまき起こしたとき、民営化・道州制攻撃は粉砕できる。わが路線として確立した道州制粉砕・丸ごと民営化絶対反対、人事評価制度粉砕・査定給導入阻止を猛然と闘おう。

 第3章 道州制導入に全面賛成の連合自治労本部打倒せよ

 1月15日、日本経団連と連合の「雇用安定・創出にむけた労使共同宣言」が発表された。「雇用確保へ労使一丸」とわめき、首切りをあくまで実行することを前提とした上で、その後に起こる労働者の決起を「救済」の名で圧殺する「労使共同宣言」だ。この「労使一丸」の論理こそ、4者4団体路線ではないか。金融恐慌が爆発し大量解雇との闘いがまき起こっている情勢下で動労千葉を排除し、国鉄1047名闘争から「解雇撤回」を引き降ろして「和解・救済を求める」運動にねじ曲げることなど断じて許されない。この4者4団体が行き着いた先が、昨秋10・24国鉄集会での機動隊導入であった。「生きさせろ!」の反乱が爆発する情勢において、体制内労働運動の立場に立ち続けることは資本主義体制の最悪の擁護者、救済者に転落するということなのだ。
 連合の中心労組である自治労は、こうした革命の時代に民営化・道州制推進の先兵として登場している。1月29、30日に開催される自治労第137回中央委員会の「春闘方針」案は、その最たるものだ。政府の地方分権改革推進委員会勧告や日本経団連の道州制提言とうり二つの表現で「地方分権改革の基盤となる地方税財政制度の抜本改革、地方消費税の充実強化、大幅な税財源の移譲、自治体の自己決定権の拡大」を主張するにいたった。いったいこれが労働組合の立場か。国と地方自治体の財政危機の爆発の中で、ブルジョアジーと同じ危機意識から、「地方分権改革」と「地方税財政制度改革」を自治労の春闘方針として掲げたのだ。
 さらに議案では、「緊急雇用対策として、自治体に対して、森林、福祉分野などの将来の雇用創出につながる事業の推進、離職者に対する住宅確保、相談業務を求める」とした。そもそも今日の非正規雇用労働者の大量解雇を許したのは、民主党や連合が派遣法や民営化に全面賛成したからではないか。「生きさせろ!」の闘いが爆発し労働者の怒りが資本に向かっている今そのときに、同じ労働者・労働組合として資本に対して闘うのではなく、行政当局に依存して労働者の怒りをなだめ分散させ、森林・福祉分野での新たな低賃金・非正規職労働者としての確保を求めるとは何ごとか。首を切られた労働者は救済や施しの対象ではない。闘いの主体なのだ。
 100万自治労として民営化・道州制に絶対反対し、全労働者の解雇撤回、非正規職撤廃と派遣法廃止、一律大幅賃上げ、最低賃金の一律大幅賃上げを求めるゼネストを闘うことが求められている。そのときに、資本・当局と一体となって道州制・地方分権改革に協力し、ワークシェアリング論をふりまわして労働者の闘いの火消しに回るなどもってのほかである。
 「資本主義の枠内の改革」を掲げて資本主義体制の最後の擁護者として登場し、「反対する力がない」といって現場の闘いに敵対する自治労連中央も同じだ。職場の団結の力で、腐りきった体制内指導部をぶっとばし、闘う労働組合をよみがえらせよう。

 第4章 動労千葉ストライキ先頭に09春闘—2・16集会へ

 動労千葉の呼びかける国鉄1047名解雇撤回! 09春闘勝利2・16労働者総決起集会に総結集しよう。09年決戦は、年初より世界金融大恐慌がもたらす革命的激闘として進行している。資本主義300年の歴史的終焉(しゅうえん)という革命的情勢に真っ向からきりむすび、1〜4月決戦を世界大恐慌をプロレタリア世界革命へと転化する一大飛躍点としてかちとろう。
 革命的情勢を革命に転化するには革命的行動と組織建設=党建設が必要となる。革命的労働組合と革命的労働者党建設・職場細胞建設をかぎりなく一体のものとして前進させていくことが決定的である。その基軸はマルクス主義青年労働者同盟・マルクス主義学生同盟1000人建設である。
 4大産別の労働者、自治体労働者が動労千葉春闘ストライキを先頭に1047名解雇撤回を闘い、民営化・道州制絶対反対を非妥協的に闘いぬくことが決定的だ。現場労働者の手に労働組合を取り戻し、「生きさせろ!」ゼネストに立とう。橋下大阪府知事打倒を全国の闘いとしてかちとろう。革命に敵対する4者4団体=体制内派をぶっとばし、青年労働者を先頭に第2、第3の動労千葉をつくりだそう。