2009年1月26日

オバマ反革命政権打倒を 「労使一丸」ふざけるな 2・16国鉄・春闘集会へ

週刊『前進』06頁(2376号1面1)(2009/01/26)

オバマ反革命政権打倒を
 「労使一丸」ふざけるな 2・16国鉄・春闘集会へ

 全国の職場と大学、街頭で、大恐慌と戦争に立ち向かう革命的で大胆な挑戦が次つぎと闘われている。ストや「ガザを生きさせろ!」の反戦デモに、世界の労働者・学生が立ち上がっている。世界金融大恐慌から生み出されている世界史的事態と革命情勢を、真っ正面から見すえよう。革命は「生きさせろ!」ゼネストの闘いに宿っている。動労千葉のスト決起と2・16国鉄・春闘大集会こそ09年決戦の号砲だ!

 第1章 株価の急落が就任式を痛撃

 1月20日の米新大統領オバマの就任式は、ニューヨーク市場の株価急落に痛撃された。180万人が集まった式典の「興奮」なるものも、大統領選過程とは違い、明らかに冷めていた。それは大恐慌の爆発と、アフガニスタン・イラク侵略戦争の泥沼的敗勢やパレスチナ情勢という、未曽有の体制崩壊的現実に直ちにぶち当たって破綻を深めるしかないオバマ政権の絶望的危機を、リアルに突き出した。
 就任演説でオバマは、「われわれは重大な危機にある。……争いの代わりに団結を……共産主義に勇敢に立ち向かう……どんな嵐が来ようとも耐えよう」と宣言した。
 オバマは大恐慌とアフガニスタン・イラク侵略戦争の泥沼的危機という、かつてない体制崩壊的危機の中で登場した反革命政権だ。オバマが直ちにかけてくる攻撃は、空前のリストラ・大量解雇(=労働者階級への階級戦争)であり、アフガニスタンを先頭に「テロとの戦い」という侵略戦争攻撃の激化だ。
 ニューディールを気取った大量の財政投入は、天文学的な財政赤字を一層拡大し、ドル暴落とインフレで大恐慌をさらに深刻化させる。就任演説で「チェンジ(変革)」のキーワードも封印したオバマは、危機の米金融独占ブルジョアジーの階級的利害をいよいよむき出しにしてくる。
 だが1月10日、アメリカ全土で闘われたガザ虐殺弾劾の大デモは、米労働者階級によるオバマ打倒の戦闘宣言だった。体制内指導部を突き破って決起するアメリカの闘う労働者と固く連帯し、大失業と世界戦争のオバマ反革命政権を打倒するために、全世界の労働者階級人民は今こそ団結し総決起する時だ。

 第2章 大恐慌下でさらに危機激化

 米帝の大恐慌下の経済危機はすさまじい。1月16日、前大統領ブッシュは経済報告で09年の失業率を7・7%、GDP成長率も09年前半までマイナスが続くとした。だがこれも楽観的見通しにすぎない。米失業者統計は1110万人を超え、オバマ自身がすでに就任前から「2ケタの失業率」を口にしているのだ。
 さらに、09年度の米財政赤字は1兆1860億㌦と発表したが、これには大型景気刺激策8250億㌦は含まれていない。米長期債務はすでに11兆㌦にも及ぶ。さらには自動車ビッグ3と、シティグループ、バンク・オブ・アメリカの破綻も迫っている。
 そして米帝以上の危機にあえいでいるのが日帝だ。最大の基幹産業であり、内需も輸出もリードしてきた自動車で、トヨタが2〜4月の生産を9000台〜1万台に半減する壊滅的事態である。
 さらに、ブルジョアジーが「鉄は国家なり」と言ってきた鉄鋼では、約30基の高炉のうち10基が過剰となり、JFEスチールの倉敷、新日鉄の君津などの高炉が休止するに至った。
 日帝はこの危機突破をもくろみ、田母神的クーデターの衝動が台頭し、麻生はソマリア沖海自派兵を策動している。これを断固粉砕しよう。

 第3章 国鉄1047名解雇撤回へ

 連日、「雇用不安」や「派遣切り」が報道されている。NHKを始めとしたマスコミは、労働者を「哀れな救済されるべき存在」として描くとともに、「労働組合に相談を」と報道し、連合や全労連の相談窓口や「派遣村」を紹介している。
 だがこれらはすべて、「労使一丸」(経労委報告)すなわち「体制内指導部を使った労働者支配」で危機を乗り切ろうとする日帝ブルジョアジーの選択肢の一つなのだ。体制内指導部はその先兵となって、雇用労働者から失業労働者を分断し、解雇した資本の責任を免罪し、行政への請願と救済運動に切り縮めている。同時に体制内指導部は、動労千葉派・11月集会派が「派遣村」の労働者と合流することを、必死に妨害してきた。
 なぜか? ブルジョアジーと体制内指導部が、労働者の団結とスト決起を死ぬほど恐れているからだ。こうした時に、労働者を大量解雇する資本の総本山=日本経団連への連続デモは、決定的な闘いになってきている。そして動労千葉を先頭とする国鉄1047名解雇撤回闘争こそは、大失業と闘う中軸である。分割・民営化以来二十余年の全蓄積を解き放つ決定的闘いに立とう。
 この闘いを破壊する4者4団体が、「解決金」の吹聴(ふいちょう)に奔走していることに、今や闘争団と国鉄労働者の怒りが高まっている。すでに動労千葉に次つぎと平成採の青年労働者が結集して、2月1日からのライフサイクル・第2次強制配転阻止のスト態勢に突入して闘っている。国鉄労働者と闘争団の未来もここにあるのだ。
 09春闘は、「09年3月問題」での派遣労働者への大量解雇の策動と、鉄建公団訴訟判決情勢、3・20のイラク反戦世界一斉大デモという空前の情勢の中で闘われる。
 ここで体制内指導部と資本は、「解雇」の脅しで団結破壊をしてきた点でまったく同じだ。彼らは2千万人の非正規労働者と基幹産業の正規労働者の分断と対立をあおることで、かろうじて支配を維持してきた。こうした中で2・16国鉄・春闘集会が、11月集会派と体制内労働運動との直接対決になった。この構図となったこと自身が大勝利である。これは09年階級闘争が凝縮された大決戦だ。(5面に関連論文)
 2・16大結集への決定的な武器として、今こそ、5・27臨大闘争弾圧裁判支援運動をJR職場を軸に拡大しよう。国労NIPPO物販は「5・27物販」だ。全力で広め支えぬこう。

 第4章 橋下打倒—道州制粉砕を!

 日帝ブルジョアジーは道州制攻撃にしゃにむに突き進んでいる。彼らは昨年12月の沖縄に続き、1月31日には宇都宮での「国民との対話」を打ち出した。道州制ビジョン懇談会座長の江口克彦(PHP研究所社長)などは、「県境があるから救急車が隣県に行けない。道州制なら解決する」とうそぶく。だが千葉の銚子市立病院や大阪の松原市立病院の閉鎖は、新自由主義の医療破壊の中で起こっている破綻であり、道州制の先取りなのだ。さらにまた、沖縄道州制特区は「第4次琉球処分」の攻撃だ。
 道州制では、410万人の公務員のうち、警察・自衛隊・消防を除く360万人をいったん全員解雇する。橋下が「警察OBや民間から広く採用」と言っているように、体制内指導部がごまかす「継続して雇用」はウソだ。杉並区はすでに約7千人の区職員のうち3千人が臨時職員だ。「時給740円。6時間。手取り月8万円」という自治体さえある。
 これを全体化していくのが道州制だ。だがこれは、労働者階級の反撃を想定しない、「絵に描いたモチ」でしかない。自治労、教労はもちろん、第二の郵政民営化=要員の非正規化や、医療・福祉も道州制攻撃との正面戦だ。橋下打倒—道州制粉砕へ、6大産別決戦で勝利しよう。

 第5章 「生きさせろ!」の闘う路線

 11・2から年末年始にいたる闘いは、森精機(関西合同労組技能育成センター分会)の、派遣先の職場を武器にしたスト決起に全国の労働者が励まされて、圧倒的に戦闘的にうちぬかれた。
 ここにおいて、合同一般労組が青年を軸とした怒れる労働者の決起の決定的水路となっている。また、賃金・労働強化・雇用(解雇・退職強要・倒産・内定取り消し)をめぐる闘いとともに、「解雇=ホームレス化」という、資本主義の最末期の新たな情勢の中で、「住宅問題」が急浮上している。西郡闘争を先頭に、住宅闘争を反失業闘争と一体で闘おう。
 2千万人の非正規雇用労働者の「生きさせろ!」の叫びと闘いの最前線に立つとともに、その勝敗の帰すうが4大産別決戦の前進にあることを徹底的に明確にして闘おう。ここではまた、労組交流センターの存在と闘いが決定的である。さらに街頭を「もう一つの職場」として闘おう。
 1〜4月は壮大な決戦だ。1・29第2波経団連デモに決起し、2・16集会に1000人の大結集を実現しよう。そしてオバマ打倒をも掲げた3・20全世界一斉大デモと、3月春闘スト、「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発へ進撃しよう。
 職場とキャンパスと街頭に、あらゆる闘いの場に『前進』と新版『甦(よみがえ)る労働組合』を持ち込み、拡大しよう。マル青労同・マル学同1000人建設に勝利しよう。闘う労働組合とマルクス主義を甦らせ、「生きさせろ!」ゼネスト貫徹の路線で闘おう。それが革命勝利の道だ。