2009年1月19日

“闘い広げ廃港へ” 旗開き——萩原進さんのあいさつ

週刊『前進』06頁(2375号3面2)(2009/01/19)

“闘い広げ廃港へ”
 ——萩原進さんのあいさつ

 多くの労働者が首切りやこの寒空に路頭に投げ出されている事態です。アメリカから発した金融恐慌が、ほんの2、3カ月の間に全世界を駆けめぐり、あのトヨタが2兆円の利益を出していたのが赤字に転落した。トヨタをぶっつぶせと言ってきましたが、先にギブアップされても困る。
 今や資本主義の終わりが始まったと認識していいのではないか。
 労働者は、生きることが闘いだというところまで行き着いた。おこぼれをもらって生きる時代は終わった。
 資本家に一切の責任をとらせなくてはならない。労働者人民に一食の食事を与え救済することではなく、今日の事態をつくった体制を徹底的に追及する闘いが必要だ。
 だから安易な妥協をしてはいけない。原則にのっとって闘う。
 三里塚の現状を見たとき、今年は北延伸の工事が終了するということをもって、「成田空港は完成だ」と彼らは宣伝するだろう。しかし見てください、われわれの闘いで二度も北へ北へと押しやられた。平行滑走路ではなく、暫定滑走路なんです。欠陥空港の矛盾を強制し続け、固定化し廃港に追い込む闘いを展開します。
 そういう中で市東さんの農地を守る闘いは非常に大きな位置を占めている。地番の特定が間違っており、しかも土地収用法で取れない土地を農地法で取るという。裁判自体がおかしいんじゃないかと気づくような裁判になっている。
 もう一つは軍事空港反対の闘いです。成田では昨年8月末から9月にかけて、国民保護法の名のもとに5千人規模の自衛隊、警察、各自治体、関係機関が集まって訓練がされている。また、米軍50万人が成田に移駐したときに宿舎はあるかとかを、昨年の秋までに調査している。市東さんはこの土地を守ることをもって、そのような人民の戦争への動員を阻止している。
 もう一つは、耕作する者にこそ土地の権利があるということ。それを転覆するために、今の通常国会で農地法の改悪を行おうとしている。
 戦後の農地解放とは、支配者からわれわれ農民に農地が与えられたのではない。戦後食糧難の中で、農民が決起して農地を自分のものにした。今度はこれを国のものにしようという策動がなされている。徹底的に粉砕しなくてはならない。これは3百万戸の農家を守る闘いです。
 昨日、動労千葉の旗開きに参加したら、平成採が6人に増えてみなさん喜んでおりました。
 われわれも成田や芝山の農民に限定しないで、日本の農民をどんどん獲得し、そして反対同盟に入ってもらうという組織化の闘いを進めなければならない。韓米の農民とも闘いを共有し連帯していきたい。そういう壮大な国際連帯が展開される09年だと思います。
 市東さんの裁判は、裁判という形をとった現地闘争なんですよ。この土地に手をふれたら大変なことになるぞ、という闘いです。これを絶対粗末にせず、裁判闘争を本当に準備し闘いぬこう。
 今年は丑(うし)年ですから、のっしのっしと地に足をつけ、抑えられてもつぶれない確かな方針を出していく。三里塚は、労働者を先頭にあらゆる戦線とともに闘いぬき、沖縄、関西の住民と共闘し、09年の飛躍で具体的な勝利をかちとりたいと思います。