立ち上がる「派遣村」労働者 誇りと団結取り戻そう
立ち上がる「派遣村」労働者
誇りと団結取り戻そう
トヨタの下請け部品工場で働いていた30代の派遣労働者。契約期間中にもかかわらず突然の解雇。「おれはモノかよ! 麻生におれらの気持ちが分かるはずがない。いつ切られるかと怯えて働くのはもういやだ」と吐き捨てる。怒りがマグマのように渦巻く「年越し派遣村」。
「内閣が吹っ飛ぶ」(厚労省幹部)。支配階級は震え上がった。日比谷公園に開設された「派遣村」は、向かい側が厚生労働省。政治の中枢・官庁街のど真ん中。怒れる労働者約500人があふれている。その背後には同じような怒りを持つ労働者が何十万といる。そして、目の前には首切りの張本人ども! 怒りに火がつけば、麻生政権はおろか資本主義が崩壊する。
「派遣村」は治安問題となった。恐怖にかられた政府は1月2日、厚労省の講堂を開放。5日には派遣村を都内4カ所に分散、12日には解消させた。その間、生活保護も乱発した。労働者の団結を解体し、怒りを抑えつけようと必死なのだ。
問われていることは何か。この怒りのマグマをクビを切った資本に対して徹底的に爆発させ、御手洗経団連に落とし前をつけてやることだ。なぜなら資本との非和解の闘いをとおしてこそ、労働者は誇りを取り戻し団結をつくり、賃金奴隷の鎖を引きちぎって社会の主人公となれるからだ。ストライキで闘う森精機の労働者のような職場での実力闘争が求められている。
ところが、体制内勢力は資本への怒りを政府への救済・請願へとすりかえ、労働者自身が闘う力を奪おうとしていった。その本質は、解雇撤回を投げ捨て政治和解路線に転落した4者4団体派と同じである。新しく「派遣村」に来る人も受け入れない。闘いを呼びかける労働組合は排除。1・8経団連デモへ決起する「派遣村」労働者には横やりを入れた。
しかし、「派遣村」労働者は自ら闘いに立ち上がった。「このままバラバラにされてしまっていいのか。自分たちこそが団結して行政と会社を追及し、クビを切られる労働者に呼びかけなければならない」「『派遣村』から出ろと言うのなら、ここに居座って闘う」——そういう気運が生まれていった。「派遣村」存続などを求め、仲間を募った。闘う団結が生み出されたのだ。
自分の存在と闘いが社会を動かす決定的位置にある——こう自覚した労働者は、怒りを解き放ち、誇りを取り戻し、急速に団結を組織し始める。「生きさせろ!」ゼネストで労働者がすべてを奪い返す時が来た。
(本紙・水森健介)