2009年1月12日

紹介 共産主義者159号 時代認識の深化とゼネスト論

週刊『前進』06頁(2374号6面3)(2009/01/12)

紹介 共産主義者159号
 大恐慌と闘う—時代認識の深化とゼネスト論提起

 革共同政治局1・1アピール「大恐慌をプロレタリア世界革命へ」は、そのまま『共産主義者』159号の中心テーマである。階級的労働運動路線の白熱的実践による〈闘う労働組合の再生〉〈マルクス主義の復権〉〈09年「生きさせろ!ゼネスト」〉のために本号を活用してほしい。

 第1章 革共同の世界金融大恐慌論

 巻頭論文では、米帝発の金融大恐慌が実体経済の破綻を伴う世界大恐慌、〈あとのない大恐慌〉として激化している現状がリアルに描き出されている。「現在の大恐慌は29年当時の帝国主義が延命に延命を重ねたあげくの果てに大爆発しているのであって、その根本的な矛盾の大きさは(29年恐慌とは)比較にならない」。この未曽有の事態の中で、「支配・抑圧体制を守るためだったら何をしてもいいというブルジョア独裁政治のあくどさ」に労働者階級は全世界で怒りの決起を開始した。その基軸に日韓米3国の国際連帯の飛躍的な前進がある。本論文はまさしく〈革共同の世界金融大恐慌論〉だ。大恐慌=ゼネスト時代(世界革命の時代)の到来という時代認識と〈世界単一の党建設〉の現実性がくっきりと浮かび上がってくる。
 米ボーイング社の57日間の長期ストとドイツ自動車産業の波状ストを中心に、米欧で激発する歴史的ゼネスト情勢を活写しているのが川武論文。「恐慌だからこそ闘うのだ。そして勝利するのだ」というボーイング労働者=闘うランク&ファイルの心意気がすべてを語っている。これら米欧の労働者決起は、いずれも体制内指導部の敵対を打ち破って闘いとられた。階級的労働運動路線を貫く動労千葉労働運動こそが今や世界階級闘争の主流であることを強く実感させてくれる事実だ。
 大恐慌と闘う「生きさせろ!ゼネスト」、「第2・第3の動労千葉」をつくりだす闘いの基軸は、国鉄1047名闘争−4大産別決戦であり、4者4団体路線との対決だ。北倉論文は本誌157号の菅沼論文による出色の提起を受け継ぎ、1047名闘争をつくりあげた動労千葉の闘いと国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いの意義を明らかにしている。

 第2章 賃金奴隷制の本質暴く論考

 畑田論文がマルクス『賃労働と資本』の学習に新風を送り込んだ。資本主義300年の歴史が総破産をとげ、プロレタリア革命がいよいよ現実の課題となってきた今、「賃金労働者とは何か、資本とは何か」を考えること自体がきわめて実践的な意味をもつ。畑田同志は新版『甦る労働組合』の豊かな内容を随所に織り込みながら、「資本とは支配力」、賃金とは「労働者を資本に縛りつける鎖」であること(賃金奴隷制の本質と現実)を鋭く暴き出した。まさに「マルクス主義こそ〈労働者の理論〉だ。資本家と闘う武器」なのだ。
 本号にはさらに二つの重要な闘争領域における鮮明な路線提起がある。
 ひとつは、獄中34年目を迎えた無実の星野文昭同志の奪還・第2次再審闘争についての川野論文。星野同志の闘いが「日帝・国家権力に対する〈絶対反対闘争〉であり、プロレタリア世界革命をめざした闘い」であることが路線の柱に据わった。「労働者階級の力で星野同志を奪還する」という「星野奪還闘争の根底からの見直しと階級的・路線的確立」である。収録された08年の獄中メッセージが感動的だ。星野同志と青年労働者・学生の熱い交流が奪還闘争の新たな展望を切り開いた。
 革共同反軍闘争組織委員会論文は、革命的反軍闘争の路線的確立を果たした記念碑的アピールである。「まさに階級的労働運動路線の白熱的実践、その物質化として第2、第3の動労千葉型労働運動の拠点化と全国化−全世界化、その発現としてのゼネスト−武装蜂起を主体的に切り開く闘いが、反軍闘争の核心である」。小西誠批判を軸にした反軍闘争の歴史的総括と塩川一派批判の上に、「反軍闘争を地区党の課題として推進する」実践方針の提起がある。両闘争とも、与田−塩川的な連合戦線党と戦線主義を粉砕しのりこえたことが決定的な飛躍の契機となっている。