新版『甦る労働組合』出版記念会盛大に “動労千葉が意味もつ時代”
新版『甦る労働組合』出版記念会盛大に
“動労千葉が意味もつ時代”
中野・前委員長があいさつ
大激動の09年へ団結
動労千葉・中野洋前委員長の著書、新版『甦(よみがえ)る労働組合』の出版記念会が12月23日、千葉市のDC会館で開催された。多くの動労千葉組合員、三里塚芝山連合空港反対同盟、全日建運輸連帯労組関生支部など各界から多彩な人びとがかけつけた。
開会あいさつに立った田中康宏委員長は「動労千葉は一つひとつの闘いの総括にこだわってきた。路線的に総括し、情勢との関係で総括してきた。それがこの本の中に示されている。今この本が出たことに画期的な意味がある。この時代に回答を与えられるのは労働者の団結した力だけだ」と述べた。よびかけ人の伊藤晃千葉工大教授(動労千葉労働学校講師)が「一冊、一冊、私たちが広げていこう」とお祝いの言葉を贈り、三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長の音頭で乾杯!
三里塚反対同盟の萩原進事務局次長は、1カ月前に同じ会場で『農地収奪を阻む!』の出版記念会が開かれたことに触れながら「労働運動の動労千葉と、大衆運動の三里塚が今日残って健全に闘いぬいている事実が決定的だ。われわれはいまはまだ少数派だが、圧倒的多数派をめざして闘おう」と呼びかけた。
敷地内の市東孝雄さん、関生支部の武谷新吾執行委員、顧問弁護団の葉山岳夫弁護士、鈴木達夫弁護士、入江史郎ス労自主委員長、千葉商科大教授の金元重さん(労働学校講師)、編集工房「朔」の三角忠さん、国鉄闘争に連帯する会の山下俊幸事務局長、動労水戸の石井真一委員長、千葉合同労組、全学連、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長らが次々とマイクをとった。ユーモアを交えながらの心に染み入る発言が続いた。
とりわけ、ともに時代を切り開いてきた水野正美元副委員長(勝浦市議)、布施宇一前副委員長のあいさつは圧巻だった。水野さんは「おれたちは格好良く生きたつもりはない。すごく迷い、苦しみ、のたうち回りながらみんなと一緒にやってきた。その記録だと思う。動労千葉の労働者が闘った、その先頭に中野がいた。その闘いがどんなものであったのかを、みなさんがそれなりにこの本から受け止めてくれれば、それでよし」と語った。
布施さんは「私が労働運動に首突っ込んだころ、先輩には明治・大正生まれの人がいた。”おれたちは弾の下をくぐり抜けて生きてきた。戦争も知らないお前たちが色々言っても、聞けないことは聞かないぞ”ということをずいぶん言われた。中野洋は20代のころから、そういう先輩たちをオルグする先頭に立った。それを支えていた考え方がマルクス主義だと思う。職場で実践すれば必ず壁にぶつかる。のたうち回ることのほうが多い。そういう時に読む本として、この本はもっとも適切な本だ」という言葉を贈った。
続いて繁沢敬一副委員長、佐藤正和新小岩支部長がお礼と決意を表明。平成採の青年組合員は組織拡大闘争の先頭に立つ決意を述べ、ひときわ大きな拍手を受けた。
第1章 ダイナミックで攻撃的な闘いへ
動労千葉家族会から花束と記念品を贈られ、あいさつに立った中野洋前委員長は「これはおれの本というより、おれと一緒に闘ってきた動労千葉組合員の闘いがつくり出した本。問題はこれからだ。総評解散から来年で20年ですが潮目は変わりつつある。あり得ないことが起こる情勢だ。1930年代よりももっと攻撃的でダイナミックな闘いが起こる。動労千葉のやってきた闘いが意味を持つ時代が来つつある。これからも先頭を切って世の中を変えていくために精一杯がんばりたい」とお礼の言葉を述べた。
閉会のあいさつに立った君塚正治副委員長は「いまこそ労働者が前面に出る時だ。この本の続きとして『甦った労働組合』をぜひ出していただきたい」と出版記念会を締めくくった。激動の09年にむけて団結を打ち固め、総決起を誓いあう集いになった。