2009年1月12日

派遣切りとガザ侵略に怒りのデモ 労働者の誇りと団結奪い返し解雇撤回へストライキで闘おう 経団連と連合の支配をぶっ飛ばせ

週刊『前進』06頁(2374号1面1)(2009/01/12)

派遣切りとガザ侵略に怒りのデモ
 労働者の誇りと団結奪い返し解雇撤回へストライキで闘おう
 経団連と連合の支配をぶっ飛ばせ

 「派遣切り許すな! 経団連打倒! イスラエルによるガザ空爆・パレスチナ人民虐殺弾劾!」の怒りの声が、1月3日、東京・渋谷の街に響き渡った。1月8日には経団連への大デモが、首を切られた全国の労働者の激しい怒りの最先頭で闘われた。年末年始大街宣を始め、09年はまさに「闘いの年」「行動の年」として幕を開けた。今こそ闘う労働組合とマルクス主義をよみがえらせ、大恐慌をプロレタリア世界革命へ、「生きさせろ!」のゼネストへ、断固総決起していこう。

 第1章 労働者は「救済の対象」ではなく革命の主体だ

 資本家と労働者は非和解だ。労働者階級は革命をやって、資本家階級が支配するこの社会を根底から転覆する以外に、もう生きられない。世界金融大恐慌の進展の中で、このことが日々刻々と明らかになっている。
 全世界のブルジョアジーは今や労働者から職も家も奪い、生活の糧をすべて奪って、次々と路頭に放り出している。資本主義が生き残るためには労働者は野垂れ死にせよ、というのだ。他方ではアメリカ帝国主義を先頭に、イスラエルを手先に使ったパレスチナへの新たな侵略戦争に突進し、中東石油支配のためにハマス壊滅とパレスチナ人民大虐殺を図っている。その現れこそが「派遣切り」とリストラ・解雇の嵐であり、ガザへの許し難い大空爆と侵略戦争だ。
 もう絶対にがまんできない! 怒りを行動に移そう! 敵は日本経団連とその政府だ。彼らの支配を実力で打倒するために、すべての労働者は団結して立ち上がろう。

 第1節 肝心なことは資本との闘い

 年末年始の「派遣村」の現実は今、この社会で何が起きているかを衝撃的に突き出した。膨大な労働者が突然、紙切れ一枚で解雇され住まいも奪われ、所持金も底をつき、文字どおり生存の危機に立たされている。解雇された労働者の怒りの爆発の中で、なんと厚労相・舛添や都知事・石原らが突如として、「哀れな失業者に施しを与える救済者」然として登場している。ふざけるな!
 そもそも自民党や政府や行政も、小沢・民主党や連合も、トヨタやキヤノンなど日帝・大資本の手先となって、非正規雇用化を推進してきた張本人であり共犯者ではないか。このような連中が、派遣労働者の失業が社会の治安問題に転化し始めた瞬間に、こぞって「救済が必要だ」などと言い出している。しかも最大の元凶である大資本は、何の責任も問われていない。経団連の御手洗会長(彼の年収は2億円近い!)は逆に、「派遣切り」は企業が生き残るための「苦渋の選択だ」などと開き直っている。
 今や、民主党・連合、日本共産党・全労連、社民党、全労協その他あらゆる党派と勢力が「政府による失業救済」を大合唱している。その一方で「トヨタがつぶれたら日本もつぶれる」(連合幹部)などと、肝心の資本との闘いは完全に放棄している。連合と経団連が協議しようとしている「ワークシェアリング」は、一切の犠牲を労働者に押しつけて資本を救済し、大幅賃下げを強制するものでしかない。
 経団連が昨年12月に発表した経営労働政策委員会報告は、「労使が一丸となって難局を打開しよう」と叫んでいる。「雇用より株主の利益が優先」「もっと徹底的なリストラを」(ソニー社長)ということが大資本の本音だ。それを貫徹するために連合や全労連の御用幹部を取り込んで、現場労働者の怒りの爆発を抑えることに必死になっているのである。体制内労働運動を打ち破ることなしに、解雇撤回の闘いは一歩も前進しないのだ。
 そもそも、失業者は「哀れな存在」なのか? 「救済の対象」なのか? 断じて違う! 彼らこそ、懸命に働いてこの社会を支えてきた誇りある労働者だ。社会の本当の主人公だ。現在の大恐慌は、新自由主義のもと、この労働者を人間ではなくモノとして扱い、徹底的に搾取してあくどい金もうけに走った資本家どもが、その当然の結果として引き起こしたものだ。工場からたたき出されるべきなのは、労働者ではなく資本家だ!

 第2節 体制内指導部との党派闘争

 問題の核心は、労働者の救済ではなく資本の支配を根底から打ち倒す革命だ。その最先頭に、失業した労働者が歴史変革の主体として続々と立ち上がっていくことだ。1930年代のアメリカのように、戦後革命期の日本のように! これが09年の「生きさせろ!」ゼネストの闘いだ。
 政府や議会への「お願い」や「施し」などくそくらえだ。労働者の誇りにかけて、実力闘争でこそ決着をつけよう! 今いる寮に、住宅に実力で居座ろう。工場閉鎖には労働者が工場を占拠して闘おう。たたき出すというならやってみろ! それが数十倍、数百倍の労働者の団結と決起をつくりだすことを、御手洗や麻生らに、そして腐り果てた連合などの幹部連中に、とことん思い知らせてやろうではないか。
 彼らが最も恐怖しているのは労働者の団結だ。首を切られた労働者の怒りを全労働者がわが怒りとして、あらゆる職場から、日本経団連と体制内労働運動を串刺しにして打倒する闘いに立とう。4大産別こそ、その先頭で闘おう。動労千葉を先頭とする階級的労働運動が今こそ、日本労働運動の主流に躍り出よう。

 第2章 大恐慌下で強行された新たな侵略戦争に反撃

 解雇攻撃との闘いは同時に、現在パレスチナ・ガザで始まっている、イスラエルを先兵にした帝国主義による新たな侵略戦争を阻止する闘いと一体である。今、全世界の労働者を襲っている大量首切りの嵐と、ガザで起きているパレスチナ人民大虐殺は二つにして一つのことだ。世界金融大恐慌によってひん死の危機に直面する世界の帝国主義ブルジョアジーどもは、労働者階級への階級戦争とともに、石油資源や領土略奪のための古典的な侵略戦争、被抑圧民族圧殺の戦争に、全力で突進しているのだ。
 イスラエルによるガザへの侵略攻撃は、米帝によって全面的に支えられている。この侵略戦争の最大の仕掛け人は米帝だ。金融大恐慌による米帝の没落と崩壊の危機はイスラエルにとって国家存亡の危機に直結し、またイスラエル国家の破綻は米帝による中東石油支配の大崩壊に直結する。だからこそイスラエルと米帝は、残虐なガザ侵略に突っ込んだのである。
 この侵略戦争にオバマが「沈黙の支持」を与えていることは、オバマの反労働者的正体を示している。オバマ新政権のもとで米帝とイスラエルがますます戦争の泥沼的エスカレーションにのめり込み、戦火を中東全体に無制限に拡大していくのは不可避だ。それは新たな世界戦争への点火である。フランスのサルコジを始め帝国主義各国もまた、石油資源の強奪戦に加わるために中東への介入策動を強めている。
 しかしこれは、世界革命情勢をさらに決定的に成熟させる。何よりもこの侵略戦争へのパレスチナ人民の命がけの反撃が開始され、全世界の労働者階級の連帯の決起を爆発的に呼び起こしている(記事別掲)。とりわけイスラエルの国内でアラブ人とユダヤ人の労働者が団結し、「敵同士であることをやめよう! 資本の支配を解体しよう!」と叫んでガザ攻撃弾劾のデモに決起したことは決定的なことだ。
 この侵略戦争を止め、世界を変える唯一の展望は、大恐慌をプロレタリア世界革命に転化するために闘う労働者階級の国際的団結にある。このことを決意も新たに確認し、「生きさせろ!」ゼネストの実現に向けて勝利の道を切り開こう。
 1・8の闘いに続き、1・29日本経団連デモに総決起しよう。4大産別を先頭に、職場で資本・当局と徹底的に闘い、これと結合して全国で大街宣にうって出よう。
 1・24法大闘争勝利集会(要項5面)に大結集しよう。
 第2次国鉄決戦勝利、道州制攻撃粉砕へ、2・16国鉄・春闘集会の大高揚をかちとり、動労千葉を先頭に09春闘の爆発と3・20国際反戦闘争へ、「生きさせろ!」ゼネスト爆発へ突き進もう。