青年労働者座談会 あらゆる職場にマル青労同 労働組合を甦らせ大恐慌を革命に
青年労働者座談会 あらゆる職場にマル青労同を
労働組合を甦らせて
大恐慌情勢を革命に
青年労働者座談会
花村祐作(自治体)
石尾 晶(自治体)
岡部琢海(全逓)
越智恵一(合同)
泉 崇人(合同)
南川彩花(医療)
岸谷蒼真(民間)
牧 広将(交運)
森住 遥(合同)
椎名大吾(合同)
第1章 全国で支部を建設した08年
第1節 職場で勝負し大会かちとる
「労働組合を甦らせ、世界大恐慌情勢を革命に転化しよう」「『生きさせろ!』ゼネストを先頭で切り開く、マル青労同1000人建設に突き進もう」の大方針を確立したマルクス主義青年労働者同盟第5回大会。09年の闘いの展望について青年労働者に大いに語ってもらいました。(司会・編集局)
——マル青労同第5回大会が大成功しました。
岡部 今回の大会でマル青労同は革命の指導部を生み出した。世界大恐慌で新自由主義は完全に破産した。敵の攻撃は労働者が団結して立ち上がらないことを前提にしている。大恐慌情勢は革命のチャンスだ。「労働運動の力で革命をやろう」は伊達じゃない。マル青労同の闘いが世界につうじると実感した。自分たちが実際に闘ってきた職場闘争の意義を大きい意味でとらえることができた。一人の革命家としてぶっ立つという次元を超えて、階級の指導部として相当飛躍した。
南川 そこが核心部分。階級闘争全体に責任をとる立場に立って、職場や地区で飛躍をかけてやりあってきたことがかみあっている。11・2労働者集会を頂点とする08年の地平は、特別に新しいことを始めたわけではないけど、今までと全然違う。
もっと大胆に労働者の怒りに依拠して、階級的にあおって、職場の労働者を実際に闘いのただ中に置く。そこにかける。確かに労働者がぶっ立つことはものすごいエネルギーがいる。だけど闘い始めた労働者は、隣の労働者が闘いの中で階級性や革命性を身につけていくことに確信をもっている。
そういうリーダーの集まりがマル青労同。1千人建設はものすごいスピードで行く。マル青労同は、革命家集団、階級の指導部として責任をとる。
森住 労働者の階級性、団結に依拠して闘う路線が本当にすんなり入ってきた。自分の人生をかけて闘うことは、人間らしく生きていく当たり前の行動。これなしに生きていけない。
南川 資本主義は、労働者に対して自己責任という形で犠牲を転嫁してくる。労働者の問題は労働者自身によってのみ解決される。だから革命家として責任を取る生き方は、労働者階級が自分たちに責任とることにかけきること。党派闘争は、自分の本音も生き方も全部さらけだして、団結を自分たちの手に獲得していく。
花村 それがマルクス主義。
椎名 議案も自分が書いたと思うぐらいジャストフィットした。いきなり大会当日に読んでも距離感ゼロ。
森住 自分の闘いが情勢をつくりだしたと再認識できた。成果主義や個人主義と決別して、革命家として本当に路線でぶつかった。4者4団体派ともやりあった。これで09春闘の責任をとっていく。指導部として責任をとっていこうと決意できた。
牧 世界大恐慌という革命情勢の中で4者4団体を始め自分の組合でも体制内派との党派闘争をやりきった。分岐をつくっての5700人。11・2の成功を自分のものとして考えたい。ここで空気入らないとオルグもできない。これまで自分の闘いを結構低めていた。だけどそれはやめよう。自分の組合でも闘う部分が分裂するような形になった。だから過去の勢力に頼るんじゃなくて自分たちでやると決断した。6・29サミット粉砕デモの直後に組合の仲間がマル青労同に加入した。
第1項 職場にかけ支部建設
花村 岸谷さんの職場の仲間の発言を聞くと「革命」を真っ向から提起しているよね。その仲間がもうほかの労働者にマル青労同の話をしていた。語る言葉は少ないけど魂がある。
岸谷 彼とは1年以上、マル青労同の話をしていた。3月のイラク反戦集会に行ったり、行動は一緒でもマル青労同に加盟しなかった。転機は6・29サミット粉砕デモだったんです。僕より激しくスクラムデモをやっていた。逮捕されるかと心配になったくらい。あれを一緒に闘い抜き、もう一度、マル青労同の議論がやれた。
もう1人の同志は、マル青労同が中心になって始めた労働学校で『賃労働と資本』の学習会に参加した。査定給問題から賃金を考える議論をしたことが大きい。労働学校では革命を真っ向から提起し、マル青労同の路線で勝負している。
花村 彼は労働学校に来る前から「自分は労働者だ」という意識はハッキリしていた。「労働者は賃金によって支配され、搾取されている」と議論した。賃金制度の撤廃が必要という提起がすごい衝撃だったそうです。
岸谷 この1年で一番大きい教訓は、職場で勝負と言いながら、実は職場を見てなかったことに気付いたこと。
自分は執行部の一員ですが、今までは組合の幹部の顔を見ていた。現場に不満があることに気付いていなかった。新しくマル青労同に入った同志の「組合はなぜあそこで会社と妥協するのか」という言葉を聞いて、自分が飛躍するか打倒されるかだと思った。この1年いろんなことが問われる中で俺がかけるものはなんだと考えた。やっぱり職場だった。一切ここで勝負しようと決めた。
11・2集会も、組合として取り組むことを決めて、若手で参加者をオルグして回った。青年労働者がその気になって動いた。実は職場の労働者はみんなしっかりしている。そこを見てこなかった。
第2項 動労千葉の「肯定力」
石尾 韓国・民主労総ソウル本部は、動労千葉の力を「肯定する力」と呼んでいるらしい。でも「根拠なく肯定しているんじゃないんですね」だって。それがマルクス主義的ものの見方。塩川一派や4者4団体との闘争も、労働者階級の血となり肉となり前進していくものだととらえられる。11・2集会は、大恐慌情勢に対して「資本主義をぶっとばせ」と闘った。11・2集会がなかったら、私たちも結構「暗黒の恐慌」とか言っちゃう可能性がある。ほかの党派は全部そうなっている。
岡部 ほかの党派も敵の攻撃の激しさはいくらでも書く。逆に俺たちマル青労同は、団結とか労働者に依拠しようと訴える。
牧 大恐慌に対して労働者が団結して立ち上がるという所でモノをみていくのが重要だね。
椎名 労働者は一緒、世界中の労働者は一緒と分かった。これまでも「労働者はひとつ」「世界の労働者と団結しよう」と言っていた。だけど本当にそう思えたのが11・2集会。今回は1参加者ではなく職場闘争と11・2集会を一体で闘ってきた。そしたらアメリカと韓国は遠い外国だけど、すごい近しく感じた。労働者に国境はない。
石尾 組合の団体交渉を11・2集会に向けた闘いにしようと職場を回って呼びかけた。11・2集会後に韓国に行き、ソウル本部との理念交流にも参加した。その議論の中で発言を求められた。マルクス主義と職場闘争みたいな話をした。自分の職場闘争は小さくても韓国の労働者の闘いとつながれる。マル青労同は最初からマルクス主義と職場闘争の2本柱でやってきた。やっぱりこの2本柱だと韓国に行ってあらためて思った。この2本柱がマル青労同の路線をつくってきた。
「労働者は魂を奪われてあまり闘えない」という民主労総組合員の発言に「労働者は眠らされているだけ。怒りや団結が奪われているだけ」と言った。職場で団交をやってみた実感。
第2章 ストライキを復権する時だ
第1節 派遣の解雇にストで反撃!
——11月に、国内有数の工作機械メーカーの森精機で派遣労働者が解雇に対するストライキを決行しました。全国紙でも報道されましたね。
泉 森精機のストは想像以上に反響が大きい。全国で派遣労働者の契約解除や解雇が起きている。裁判などいろんな闘い方があるけど、森精機でストで闘い抜いたことは決定的。非正規労働者だけでなくすべての労働者に闘い方を示した。
ストの過程は大変なこともあった。要求も闘う中で「非正規撤廃」になった。最初は派遣元の会社への不満が大きかった。「派遣を選んだのは自分だから仕方ない」という主張もあった。でも実際にストをやると分会員の口から自然に「非正規撤廃」などの要求がどんどん出てきた。労働者は闘いの中で階級性を獲得していく。その総括と時代認識を積極的に打ち出して団結を守って闘っていく。
越智 労働組合に入ってまだ2カ月。なぜストに立ち上がったか。一つは解雇への怒りがあった。もう一つは、たまたま誘われた組合がモノを言える組合だったということだけです。
組合活動のことを何も知らなかったから逆にストができたと思う。最初は、ストは派遣元の技能育成センターの賃金未払いを打破するための手段のひとつだった。2回目のストでちょっと変わった。今は「非正規職撤廃」を望んでいる。もちろん未払い賃金要求は当たり前のことだと思っている。
泉 派遣労働者の解雇に対してどう闘うのか。特にスト方針を決められたのは、この間のゆうメイトの闘いなど、塩川一派や4者4団体派と決別して闘ってきたことが大きい。11・2労働者集会の地平で決断した。
スト方針を分会で提起した。議論が割れたけど、越智さんが「俺はやりたい」と言ったら「延期したほうが」という雰囲気が一変した。最初は迷っていた組合員もストをやると決断した。
越智 この座談会に参加したのも、森精機の闘いを全国で広めたいから。やっぱり応援は心強い。仲間がいたからその一歩を踏み出せた。一歩を踏み出したら第2波、第3波もできた。ゼロ回答が続く限りやってやろうと思っている。森精機以外の会社でもストが起こって当たり前。全国に飛び火して、ほかの会社でもストが勃発(ぼっぱつ)すれば、それがゼネストの第一歩になるかもという思いでやっています。
森住 会社のために労働者が犠牲になっていいという考え方は許せない。派遣労働者は公表されているだけでも全国で数万人、実際はその何倍も解雇されている。労働者を徹底的に犠牲にして生き残る資本に対する怒り。労働者には力があることを森精機のストは示した。
越智 派遣だけじゃなくてIBMやソニーの正社員が首を切られる時代です。労働者も人間で血が通っているんだ。絶対にリストラはおかしい。腹が立つ。企業側は正当な理由で首を切ったと言うかもしれないけど、労働者側からすれば「何を言っているのか」。明日から生活の糧がない。そこに怒りがある。その思いだけでやっている。
第1項 雇用形態は関係ない
花村 職場で森精機を応援する署名を集めた。一緒の課題が派遣労働者にも公務員の現場にもあることに気付いた。単なる派遣法改正の署名だったらみんな書く。でも、ストライキ支持の署名で、しかも派遣先でのストです。「どうするんだ」という議論が始まった。法律では自治体労働者もスト権がないとされているしね。
越智 僕らは森精機の労働者なんです。労働者はスト権があるんです。直接雇用か派遣かは関係ないですよ。
花村 自治体労働者もかつてはストをやらなければ生きられない状況で実力ストをやってきた歴史がある。同じ課題がそこにある。だからそれで勝てるのかどうかで議論が始まった。森精機の闘いは派遣労働者だけの闘いじゃない。実力で今の社会を食い破るすべての労働者の課題だと思いました。
——第2波ストは派遣法撤廃を明確にして闘った。何かをつかんだ?
越智 正直分からない。ただ森精機の対応への怒りが大きくなった。だから焦点が森精機に行った。最初は派遣元の技能育成センターに抗議をするために組合ができた。その直後に解雇。結局は森精機の対応です。要求書を出しても団交に応じない。というより「応じる義務がない」と言い放った。逆に怒りがわいてきた。だから「派遣法撤廃」よりも「森精機つぶれてしまえ」ぐらいの勢いもある。
花村 「派遣は社員じゃない」とまで言った。
越智 その対応がどうしても納得できなかった。僕らは森精機の労働者。なんの説明もなしに派遣会社の営業マンが「契約が終わりました」という感じ。森精機には相手にされてない感じがある。だけど森精機の利益は僕ら労働者がつくってきたんですよ。なのに一言のわびもない。だったらトコトンやってやる。
全国の工場でみんなが声をあげ、闘えば確実にひっくり返る。派遣法はなくすしかない。改正は意味ない。だいたい派遣労働が合法なのがおかしい。罰せられないのは企業側にリスクがないということじゃないか。派遣労働者は、契約満了で簡単に首を切られ、退職金も払われない。そんな法律はいらない。資本家だけもうかる仕組みだ。
第2項 資本主義倒す反乱
花村 森精機の闘いは、今の資本主義を根本的にぶっ倒す、ものすごい反乱。それが森精機から始まっている。同じ怒りを多くの派遣労働者は持っている。秋葉原事件はそういう青年労働者が起こした。この労働者の怒りに火をつける闘いを森精機で始めた。壮大な展望がある。
越智 僕は、労働組合に入るまで、サラリーマンはイエスマンが一番得だと思っていた。でもそれでは食えない。黙っていたら後は死ぬしかない。
南川 私たち労働者は、「経営が危機だから労働者はがまんしろ」という支配の中で闘っている。でも、ある一点を超えた時に「経営なんかつぶしてもいい」と気付いた。経営を成り立たせるために労働者が犠牲になる関係そのものがおかしい。この社会は労働者が動かしているんだから経営を成り立たすための存在になる必要はない。
そうしたら経営の枠内でしか要求できないと思っていた労働者がガラッと変わった。団結拡大の立場に立ち切った。森精機の闘いも、私の職場の闘いも、資本主義を成り立たせる仕組みをぶっ倒す闘い。一緒なんだ。
岡部 森精機の労働者は、〈団結〉と〈労働者が闘って勝つ〉という思想を実践の中でつかみとった。マルクス主義は、本ではなく実践の中にある。労働者のものすごい怒りの中でちょっとしたきっかけで闘いが始まる。いたるところにある。俺らが見逃さないことが相当重要だと思ったね。
石尾 そこを貫くのが思想であり路線であり党。
椎名 派遣とか正社員とか全然関係ない。この工場で働いているのは俺らなんだ。そう。すげえシンプル。雇用形態は関係ない。自分の職場にも派遣労働者はいる。でも答えが出た。一緒にやればいい。確かに外注化された職場は経営が違うけど一緒に闘えばいい。
第3章 革命勝利かけ道州制粉砕へ
第1節 生きさせろ!のゼネストを
岡部 大会で道州制粉砕・橋下打倒を全労働者の課題として決戦に突入することを決定した。公務員360万人を全員解雇し、自治労・日教組を壊滅させ、4大産別—日本の労働運動全部をひっくり返す攻撃。なんの展望もないけど労働組合をつぶさなかったら、ブルジョアジーは先がない。道州制をめぐってプロレタリア革命の決戦に突入している。大党派闘争になる。「生きさせろ!」ゼネストと一体で闘う。
花村 「正規も非正規も公務員も民間も関係なく労働者はひとつなんだ」という立場で団結を職場につくるのがマル青労同だし、「生きさせろ!」ゼネストの方針。恐慌情勢を革命に転化する展望がここにある。
なぜ道州制なのか。なぜ橋下打倒か。組合の学習会で「国鉄分割・民営化と同じだ」と言うと「いやそんなことない。それは一部の主張だ」という議論になる。やっぱり世界は革命情勢だという時代認識で道州制攻撃をはっきりさせきる。組合の中で道州制・民営化絶対反対で闘う路線闘争をやりきって、闘う路線を打ち立てたい。自治体労働者、教育労働者が先頭に立って決戦を切り開く。
石尾 自治労では、誰も道州制のことなんか語っていない。こちらから「反対」と訴えない限り「道州制できない」論や「しょうがない」論に取り込まれる。
花村 体制内組合の活動家は「府民や住民のために」とか「市民の世論がないと変わらない」と言う。でもこの前、労働組合が要求書を出したら橋下は「あなたたちとは一生平行線。資本主義が変わらない限り実現できない」と言い放った。自分たちはそういう関係のもとにある。橋下とは非和解だ。公務員も賃金労働者。資本家階級と労働者は本当に非和解だと日々分かる。
職場の労働者もみんなそういう怒りを持っている。橋下打倒と道州制反対が民間も公務員も正規も非正規も含めて団結できる方針。全労働者階級の決戦としてやろう。
石尾 入って2〜3年の青年労働者が組合の代行主義を突破して職場からの闘いをおこしている。職場から団交を組織している。現場の力を取り戻していく闘いを開始している。この青年労働者たちが「このままでは食えない。賃金上げろ」という闘いをやる。賃上げストをオーソドックスにやる。「この時代に何が公務員は賃上げだ! 市民にたたかれる」という主張とバンバンやりあう。そうしなければ道州制攻撃とは闘えない。
牧 情勢は国鉄分割・民営化の80年代とは違う。世界大恐慌情勢の中で「生きさせろ!」ゼネストと道州制絶対反対の決戦が結合する大きな可能性がある。
第1項 敵も腹くくっている
石尾 だけど既存の労働組合は80年代と一緒なんだ。自治労中央は「そんなことはできない」論。たこつぼに頭を引っ込めて入っていた方がいいという感じ。労働組合が「闘えない」論をばらまいている。揚げ句の果てに「地域公共サービス労働組合連合会」。
国鉄決戦は、動労千葉が闘ったから国鉄決戦になった。道州制決戦は、われわれが闘うしか決戦たりえない。階級的労働運動路線のもとでの道州制決戦なんだよね。つまり国鉄分割・民営化との闘いを総括して、この大恐慌情勢に入っている。この決定的違い。
それは攻撃を見据えることと、何よりも本当に指導部たりえる現場労働者の決起をつくりだすこと。全労働者を路頭に迷わせる攻撃だし、向こうものるかそるか。自治体や社会保障制度を吹っ飛ばすのはそういう激しさがある。これを貫徹するために自治体労働運動を絶対にたたきつぶすという攻撃だ。敵だって国鉄のことを総括している。国鉄分割・民営化でも動労千葉や国鉄労働者の闘いはつぶれなかったんだから、敵だって腹をくくっている。
これは敗北主義的な見方ではない。そういう情勢だからわれわれが労働組合の権力を取れるということ。やっぱり敵の攻撃が激しい時に動く。
椎名 最終的には一人の首切りも許さない闘い。絶対に労働者として許せない。これが大事。
石尾 そこは当該ほど一番わからない。郵政民営化の時も攻撃の渦中にいる人たちには最後まで幻想があった。労働組合がガンガン幻想をふりまくからね。これとのイデ闘がある。
岡部 この問題は200万人の首切り。いったん解雇という意味で言えば360万人。そういうとらえ方で必死に反撃をしていく。動労千葉の勝利性のでかさを押さえることが大切だね。1047名が首を切られても20年間闘ってきたのはこの決戦のため。「生きさせろ!」ゼネストと道州制決戦を闘えるのは、4者4団体派との対決に勝ち抜いて動労千葉の勝利性を鮮明にさせたから。
第2、第3の動労千葉をこの過程でつくる。国鉄分割・民営化の時は動労千葉は孤軍奮闘した。けれども20年の闘いで反転攻勢に転じた。攻めの方針として「生きさせろ!」ゼネストがある。資本主義を打倒する方針。第5回大会で主体的準備ができた。体制内労働運動の指導部からこの方針は出てこない。しかし、青年労働者の中には怒りが絶対にある。「生きさせろ!」ゼネストと道州制粉砕決戦は2千万青年労働者の方針になった。
第2項 地域にスト拡大する
椎名 俺の地域で11・2集会に組織参加している組合が一時金闘争でストに入った。執行部に日本共産党がいるんだけど、今回のストで資本との非和解的関係も共産党の党派闘争もすべてあいまいなものをなくして勝負した。職場にマル青労同をつくることを据えてストに入った。
俺は初めてストを見た。組合事務所に行って、労働者は闘うとこんなに生き生きするのかというのを目の前で見た。見たこともない労働者が30人ぐらい楽しそうにやっている。すげえと思った。「ゼニカネのためじゃないから」と青年労働者が言っていた。労働者の誇りのためにやっている。この現場は労働者が動かしているんだと思うからこそストを闘える。
南川 労働者は資本の枠を越えて団結した時に世の中のすべてを取り戻す。労働組合はそういう存在です。だから経営は「経営がつぶれてもいいのか」と恫喝して労働者を団結させないようにする。それに対して実力闘争で団結をつくっていく。
自分の職場でも、「経営がつぶれてもいい」と答えを出すまで結構長い格闘があった。「医療労働者が賃金奴隷だ」とつかむまではものすごい苦闘があった。でもそれをつかむや否や、労働者なんだから怒って当然だとすごい勢いで決起が始まっていった。
次は実力闘争の壁。夜勤協定の問題や超勤問題で実力闘争を始めたら経営が全力でつぶしにきた。時にはへこむ時もあるけれども、1回たりとも日和らずに実力闘争を続けている。この中でどうやって仲間をつくっていくのか。それで今度は年休ストを提起した。「大衆が支持するから強いのではなくて、われわれが強い時に大衆は支持する」とレーニンが言っている。そういう情勢を切り開こうと思って年休ストをやった。たとえ年休でも資本の枠を越えてこっちの意志を貫徹していくことが実力闘争だし、やつらにとって打撃なんだ。そういう力をもったんだと自覚していくことに意味がある。
椎名 ストの後、春闘実行委員会を立ち上げて、青年労働者にマル青労同に入って欲しいと思って議論している。今度の春闘集会の中軸は、ストに入った青年労働者なんですよ。
実行委員会の討論では、まず革命情勢から入り、労働者がどんどん団結して闘っている、闘うカギはマルクス主義なんだと話している。その闘いを一番抑圧してくるのが4者4団体派や日本共産党。その中で貫徹したストだという総括を議論した。「このストを地域全部に広げよう」と提起しても青年労働者は全然引かない。
地域には組合がなくてどう闘ったらいいか分からない労働者もたくさんいる。この中でまず実行委員会に結集する労組がストに入る。そこに連帯ストでどんどんストがのっかる。そうしたらゼネストなんじゃないのか。
岸谷 春闘ストを執行委員会で提起した。僕もストライキはしたことがない。この情勢の中で賃上げ回答は出ない。ある職場では「要求はゼロ回答でもいい。組合の団結が強化されればいい」とストに入った。地域でストで闘う組合があることを知らせていく必要がある。
第4章 第2第3の動労千葉つくる
第1節 党派闘争貫き1千人建設へ
——労働運動を甦らせる闘いはマル青労同建設が核心ですね。1000人建設の決意を語って下さい。
岸谷 同志が同じ職場にいるのは最高です。職場にかけきって闘った時に同志が増えた。今後は職場の支部として一つの闘いにしていく。会議をやり、『前進』や『新版 甦る労働組合』(中野洋著)を使って読み合わせと議論をやっている。これがマル青労同の路線になっている。これで青年労働者が生き生き闘える。
椎名 もう革命とかマル青労同とあからさまに言う。今回の大会議案をつくるために俺たちは闘ってきた。これを恥ずかしがらずに言う。それでガンガン職場で闘えばなんの問題もない。職場で「革命情勢だ、ゼネストをやろう」という実行委員会のレジュメを渡した。これを今度組合でやろうと提起した。そうしたら全然OK!
牧 やっぱり大会議案の中身で勝負。職場の仲間と、ビラに自分たちの名前をのせて配るかどうかで3時間話した時、中身を低めると彼の労働者性を低めることになると思って真っ向から話した。誰彼関係なくやる。
森住 年休問題で職場の管理職と真っ正面からやりあった。分岐を職場でおこした。街頭でも青年労働者の怒りを組織して「マル青労同に入ろう」とストレートに訴えれば響く。これまでは躊躇(ちゅうちょ)していた部分があった。でもそんな情勢じゃない。2千万青年労働者がマル青労同を必要としていると本当に感じている。街頭でも職場でも青年労働者を組織したい。
南川 1枚のビラや闘争の総括、方針をめぐって仲間とやりあう。困難があって泣いたりもしたけれど、それを引き受ける道を選ぶことに喜びがある。そうやって仲間とものすごくぶつかってきた。自分は意地悪なんじゃないかとか、仲間が間違いを恐れて言葉を発しないのではとか葛藤(かっとう)してきた。でも隣の労働者との格闘の中に革命がある。今の苦闘そのものが革命。職場の労働者とビラの文言一つをめぐってやりあうことが革命。
第1項 組合権力を取るぞ!
岡部 組合権力に挑戦するという構えがあれば爆発的に行くと思う。それが岸谷さんの教訓。権力を取ると決断した瞬間にマル青労同が爆発的に増えた。これが総括の核心。組合権力を取ることとマル青労同建設は一体。
花村 僕の組合でも、すごい決起を一緒にした仲間がいる。11・2労働者集会の過程でこんな組合は変えようと選挙に立候補して本部と闘った。でもその仲間が離れている。すごい反動が来ている。仲間はみんな職場では1人。職制から呼びだしもある。プレッシャーでしぼんでいる仲間もいる。もう一度、僕らの闘いがどういう時代の中にあるのかをきちんと押さえて団結し直す。
世界中で、現場から体制内労働組合を食い破っていく闘いが始まっている。その中に僕の組合の闘いもある。だから僕は「革命をやりたい」とみんなに呼びかけた。でも「あなたの決起が決定的だ。一緒に闘って欲しい」と言い切れていなかった。革命という立場から仲間の決起をつかめていなかった。そこでまた勝負を始めている。結構かみあってきている。
石尾 この情勢で自分の組合のマル青労同を二ケタにしたい。早い時期にね。青年部も結成する。シンプルに道州制反対と賃上げ闘争でストをやる。
岡部 敵は当局と体制内執行部。民営郵政打倒の闘いは、組合権力取る闘いと同じ。JP労組と全郵政の組織統合絶対反対と民営化反対を職場で組織した。そこから転換をつくった。一部の労働者をオルグするだけではなく、現場の労働者全体に向かって、あたり構わず組織した。そういう中で今まで話したこともなかった青年労働者も闘い始めた。彼が決起した直接的な要因は、反動課長に対する激しい怒り。ちょうどかみあった。労働者は数日で変わると感じた。目的意識的に物ダメストに向かって闘う。
第2項 連合本部を倒そう
岡部 「生きさせろ!」ゼネストは一大党派闘争になる。特に日本共産党。最後の資本主義の救済者。資本主義の枠を越えて闘い始める労働者を抑圧する。ゼネストから逆規定して構えるということは党派闘争を構えるということ。その党派をぶっ倒して組合権力を取ることだ。つまり指導部をマル青労同がつくっていくということ。そういう闘いに意識的に入る。
南川 私の職場は二重権力状態になっている。私たちは自らを本物の執行部と呼んでいる。私たちが先頭に立って職場の労働者と一緒に闘う。激しい党派闘争をやりぬく。
共産党は私の職場にだけ存在しているのではない。全国組織として存在している。全国で共産党とぶつかるし処分や弾圧もある。だからこそ職場の党派闘争を引き受けていく。職場での共産党支配を打ち破ることは全国一体の闘い。職場の労働者は共産党にものすごい絶望している。共産党の呼びかける闘争のなんとつまらないことか。ここをうち破っていく。実力闘争をなんとしてもやりたい。
マル青労同の路線で職場の同志と必死になって一致する。新たに結集した同志もただちにマル青労同建設に入る。支部が団結して職場闘争や党派闘争も引き受けて闘ってきた。私たちが本物の執行部として現場で責任とる。
岡部 資本主義を支える連中が労働組合の幹部を握っている。そういう中で労働者が低められている。連合本部を打倒することが革命に直結する闘いなんだ。動労千葉は全然特別な存在ではない。連合傘下の労働者だって同じ。首切りや過労死でいつ反乱を開始してもおかしくない。だから第2、第3の動労千葉をつくることが連合本部を打倒することだ。俺たちは労働者の階級性に依拠して労働運動全体を塗り替える闘いを09年やっていく。これで一気にマル青労同1000人建設をやる。勝負するところは自分の職場だ。