2009年1月 1日

西郡住宅裁判 “追い出しと実力で闘う” 市の催告状に戦闘宣言

週刊『前進』12頁(2373号4面3)(2009/01/01)

西郡住宅裁判 “追い出しと実力で闘う”
 市の催告状に戦闘宣言

 12月11日、応能応益家賃絶対反対の供託者に八尾市から新たな催告状が送られてきた。「12月24日までに『滞納金』を直ちに支払うか来庁せよ、さもなくば明け渡しの法的処置も検討する」という脅迫状だ。供託に追いつめられた国家権力と橋下=田中(八尾市長)の焦りと悲鳴だ。
 翌12日の住宅裁判闘争は、供託者を先頭とした怒りの一日行動として闘われた。とりわけ午後3時からの差し押さえ弾劾裁判は決定的だった。
 公判を準備書面提出だけですんなり終わらせてなるものか。原告供託者の陳述で八尾市弾劾の法廷に転化しよう! 原告・弁護団・傍聴者の熱気が最初から法廷を制圧していた。稻葉重子裁判長に対して弁護士が立ちあがり「八尾市から新たな催告状が送られてきた。これに対して原告による陳述を行いたい」と発言、傍聴席からも「発言させろ」の声が飛ぶ。裁判長は「次回に」と禁止しようとしたが、弁護団は即座に催告状を書証として提出。裁判所の逃げを許さず発言許可に追い込んだ。
 原告団を代表してAさんが発言に立った。「催告状は書面による暴力だ! 供託者を脅し、動揺させ、分裂させることを狙ったものだ。供託をしていることを無視して376万円も請求している。許せない! われわれはあくまでも団結して闘う」と一言一言に怒りを込め、八尾市を糾弾した。傍聴席の拍手が鳴り止まず、裁判長の「退廷させる」という声も吹き飛んだ。大勝利だ!
 この日、午前10時からの明け渡し裁判闘争は、今回から3人の裁判官による合議となり、法廷で初めての意見陳述を被告3人を代表して岡邨洋さんが行った。「私たちにはここに住む権利がある! 追い出せるものなら追い出してみろ! 柱に体をくくりつけてでも闘いぬく!」「使い捨ての部品のように何万、何十万と労働者の首を切るなど許せるか! この社会は、私たち部落民を含む労働者がまわしているんだ! 資本家どもの政治は終わりだ! 私たちは労働者とともに『生きさせろ!』の怒りを団結にして闘いぬく」と戦闘宣言を発した。八尾市の住宅管理課職員は傍聴者の怒りに圧倒され、法廷には入れず逃げ去った。
 昼休みには、堂島公園に70人が結集して集会を行い、大阪市役所から裁判所を一周するデモを闘った。集会では、供託者、八尾北労組、八尾北命と健康を守る会、全国連杉並支部・品川支部のきょうだい、ス労自主など闘う仲間が次々と発言した。ビラが昼休みの労働者に吸い込まれるように入り、デモは共感と賛同と注目、八尾市への怒りを巻き起こした。
 いま西郡は、裁判闘争と一体で、住民追い出し阻止の実力闘争に突入している。

 第1章 “生きさせろ”の先頭に立つ

 八尾市は、西郡で唯一の花屋さんであるMさんに「12月17日までに団地を出て行け。さもなくば強制執行で追い出す」と通告してきた。犬を飼っていることまで口実に店をとられ、寒空に放り出されてたまるか。差別と闘って建てさせた住宅だ。応能応益で民営化され、たたき出されてたまるか。Mさんは供託者の絶対反対の闘いに鼓舞され、「もう住宅管理課にだまされない。ここに居座って闘う」と決起している。八尾市よ、やれるものならやってみろ。
 大恐慌下、トヨタなどの大資本は数千数万単位で労働者を首にし、住む家を奪っている。これに対して森精機で派遣労働者が2波のストライキに決起した。西郡住宅闘争は、「生きさせろ!」のストライキとともに、その先頭に立つものだ。
 西郡支部と八尾北労組は、道州制の橋下=田中打倒、応能応益家賃絶対反対、八尾北民営化絶対反対で闘いぬくぞ。
 (八尾北医療センター労組員・青木麻季)