2009年1月 1日

全国3百万学友は全世界の労働者と共に革命の戦列に “新自由主義大学”ぶち壊そう 全学連委員長 織田陽介

週刊『前進』12頁(2373号4面1)(2009/01/01)

賃金奴隷の道を拒否し学生の誇りをゼネストへ!
 全国3百万学友は全世界の労働者と共に革命の戦列に
 “新自由主義大学”ぶち壊そう
 全学連委員長 織田陽介

 全学連は08年だけで44人逮捕、20人起訴という権力の空前の弾圧に一歩も引かず、これをついに跳ね返し、学生運動の革命的爆発の途についた。織田陽介委員長のアピールを紹介します。(編集局)

 第1章 学生を〈商品〉におとしめる新自由主義

 300万の全国学友のみなさん! 6000万の労働者のみなさん! 世界金融大恐慌の進行が膨大な労働者を街頭に放り出し、万余の学生から「就職内定取り消し」で人生を奪っている。労働者が生きることもできない社会とは何か? こんな社会は絶対に変えなければならない! 09年は怒りと変革への渇望が日本中、世界中でゼネストとなって爆発する革命情勢だ。
 全学連は、金融大恐慌に脅える日本帝国主義による08年サミット弾圧、44人逮捕・20人起訴という組織絶滅攻撃を受けながら、これを団結の糧としてぶち破り、法大決戦を先頭とする全国大学での闘いを勝ち抜いてきた。そして、獄中20同志奪還への闘いの勝利の中から、「生きさせろ!」09年ゼネストを訴える。反帝国主義・反スターリン主義世界革命を爆発的に切り開く、全人民のゼネストを!
全学連は300万全国学友とともに、その最先頭に立つ!
 万単位の“派遣切り”とともに進められる学友への「内定取り消し」は絶対に許せない!
これは就職前の解雇攻撃だ。資本とともに、大学こそ責任を問われなければならない。
 資本にとって大学は、資格学校と提携して学生に資格を取らせ、学生の「労働力商品としての価値」を高めさせる場だ。そして、景気に応じて労働者の数を調整する手段でしかない。いつから大学は派遣会社になったのか! 「キャリアパワー」なる文句で競争することが学生の展望だと宣伝してきた法政大学は、こうした位置づけを開き直ってきた。しかし、こんな新自由主義大学のあり方は、学生の怒りで燃やし尽くされる時だ。
 就職危機をあおるほど多くの学生が入学する。借金をしてでも学生は学費を払う。就職難を利用した金もうけ。これが今の「大学」と「教育」の実態だ。「教育」とは、奨学金が払えなくなっても内定取り消しで就職できなくなっても「エンプロイヤビリティ(雇われる能力)がなかったお前が悪い」と、責任を学生に転嫁することなのだ。
 今、慶応大学250億円、駒沢大学154億円、立正大学148億円など、証券化商品を買って巨額の損失を出す大学が続出している。こんなことに金を使う前に、学費を払えずやめていった学生にこそ使われるべきではないのか? 奴らの金もうけのために、資本の思うがままクビを切られ、人生を奪われる。俺たちは奴隷か、それとも人間か。09年ゼネストは学生の生き方と誇りをかけた闘いだ。
 「大学理事会も政府もぶっ飛ばせ!」——授業料が払えず、3人に1人が大学を追われるサンフランシスコ州立大学の学生がストライキに立った。「大学占拠ぐらいやらないと変わらない!」——ドイツの学生は大学を占拠し、マルクスの『資本論』を読んでいる! 日本の学生も、ストライキに立つ時だ。

 第1節 資本主義打ち倒せ

 なぜ労働者や学生が生きられないのか? 資本主義社会の命脈が尽きているからだ。
 日本経団連を先頭に資本家階級は「公務員は働かない。もっと働け」と罵倒(ばとう)してきた。それが、派遣労働者や学生に対して一斉に「働くな」とは滑稽(こっけい)だ。彼らは「生産性」を言いつつ、侵略戦争の破壊と虐殺の労働にまでわれわれを就かせようとする。
 「働く」ということ、すなわち労働は、この社会の富の一切を生産し、社会を動かし発展させる原動力だ。人間が生きるために必要なものを生産する不可欠な行為だ。しかし、資本主義社会では労働は資本に従属している。社会を発展させ、人間が生きる行為が、資本家のもうける限りにおいて許される。労働力は、資本が買いそろえる原材料として商品におとしめられ、社会のすべてを動かす労働者階級が資本のもうけに従属する賃金奴隷とされている。
 ここに資本主義社会の根本的な矛盾がある。労働者が生きられない現実は、資本主義が人類史の発展の桎梏(しっこく)となった証拠だ。
 労働者階級が今「生きさせろ!」と自らの解放へ立ち上がる革命の中に、人類史を前進させる無限の可能性がある。あらゆる闘いを革命の一点に向かって進める中に唯一の根本的解決があり、唯一の人間らしい生き方が存在する。
 ぶち壊せ! 新自由主義大学のあり方すべてを! 資本主義社会を擁護するすべての価値観を! 何が「キャリアパワー」だ。何が「雇われる能力」だ。だったら雇う側、資本家階級にこの社会を運営する「能力」があるのかと問おう。「生きさせろ!」「俺たちに権力をよこせ!」——立ち上がる労働者階級とともに、学生はゼネストに立ち上がろう!

 第2章 世界の労働者とつながった11・2の地平

 世界で労働者・学生が立ち上がっている。ギリシャでは、15歳の少年が警官に射殺された事件を契機に、青年労働者と学生が各地で暴動を起こし、警官隊に火炎ビンで立ち向かっている。学生の大学ストライキが、250万人を組織する労働組合のゼネストへ発展した。暴動の火花はスペイン、デンマーク、イタリア、フランス、ドイツにまで波及した。生きる展望から誇りまで奪われた青年たちが、すべてを奪い返す怒りの炎だ。
 「国境を越えた労働者の党をつくろう!」——全世界で燃え上がる炎をひとつにする労働者たちの叫びは、11月2日、この日本の日比谷野外音楽堂で響き渡った。ベトナム帰還兵の組合員の賛成意見を突破口に、一気に可決された米ILWU(国際港湾倉庫労組)のメーデースト決議は、2万6千人の組合員のストとなって爆発し、米西海岸の港湾すべてを封鎖した。
 戦争を実力で止めるストは、イラクの労働者の連帯ストを生みだし、「体制内勢力と対決する指導部が国境を越えてつながった時に戦争を止められる」確信を生み出した。日韓米の労働者がこの地平で団結した。互いに真に信頼できる仲間と出会った感動で手を握り合った。

 第1節 反帝反スタ世界革命

 現代世界の支配構造をぶちやぶる労働者階級の革命的立場は、反帝国主義・反スターリン主義世界革命だ。
 現代は、依然として資本主義、帝国主義段階の資本主義が支配する世界だ。帝国主義を倒さない限り社会変革はあり得ず、また帝国主義の矛盾は絶えず労働者階級の怒りとなって爆発してきた。帝国主義の世界支配は、1917年のロシア革命でその一角がぶち破られ、世界史は社会主義への過渡期に突入した。だが、国際社会主義運動のスターリン主義的変質、一国社会主義への変質によって過渡期は固定化され、労働者の国際連帯闘争は裏切られた。
 しかし、スターリン主義体制は、帝国主義世界支配の動揺と、自身の体制的矛盾から逃れることはできず、労働者人民の闘いによって絶えず動揺し、91年のソ連崩壊で破産した。
 そして今、現在の世界金融大恐慌は、戦後世界体制を圧倒的な政治力、経済力、軍事力によって支えてきたアメリカ帝国主義の足元で爆発した。今や帝国主義の世界支配は音を立てて崩壊している。
 11・2の国際連帯の地平は、ロシア革命が切り開いた社会主義への世界史的過渡期を、スターリン主義の裏切りをのりこえて進む労働者階級の歴史的地平だ。反帝・反スターリン主義革命的共産主義運動の旗の下、世界の労働者階級の闘いを団結させる歴史的事業の開始だ。

 第3章 見せしめ処分ぶっ飛ばして09年の進撃を

 すべての仲間は革命に生きる決断をしよう! いざ09年の激動へ、信頼あふれる仲間とともに突入しよう!
 09年でかちとるゼネストの性格は、第一に、連合と日本帝国主義を串刺しにして死を宣告する闘いである。
 金融大恐慌は、新自由主義の破産を資本家階級に容赦なく突きつけた。日本において国鉄分割・民営化を突破口に、国労をつぶし、総評解散と連合結成によって労働組合を屈服させ、同時に労働者の権利を奪いつくしていく攻撃として新自由主義攻撃があった。しかし、食うことすらできなくなった労働者階級の怒りは、闘わない労働組合の支配で解決することなどできない。「賃下げも首切りもやる」と春闘破壊を公言する日本経団連に完全に屈服した連合幹部の姿を見よ。今や派遣労働者・全労働者の怒りで連合がぶっ飛ばされる時だ。連合によって成り立つ民主党も終わりだ。自民党・麻生の支持率は福田辞任時を下回り、政界再編も火を噴いている。日本帝国主義の政治支配全体が労働者の怒りに燃やしつくされる時なのだ。
 第二に、道州制粉砕・橋下打倒の「改憲クーデターか革命か」をかけたゼネストだ。11・2では、解雇を容認した4者4団体路線との対決を経て、ついに新たな国鉄1047名闘争が開始された。国鉄分割・民営化から連合結成の攻撃は、労働運動をつぶして改憲をやる攻撃だった。しかし動労千葉がクビをかけたストに決起し、国鉄1047名闘争が生み出された。ここに100万人の支援陣形が形成され、連合化を阻止する巨大な力となって階級関係を規定してきた。08年、新たな1047名闘争が始まったことは決定的な改憲阻止の闘いだ。
 そして、大阪府知事・橋下を先兵に始まった道州制攻撃は、戦後革命敗北の副産物としての戦後憲法体制・地方自治を、資本家階級の側から破壊するクーデターだ。同時に100万人の自治労を解体する改憲攻撃だ。全国の学生は、大阪の労働者とともに道州制粉砕・橋下打倒を掲げてゼネストを闘おう。
 第三に、この階級関係を決する全人民的な闘いの中に、学生の闘いもある。法大決戦を先頭とした全国大学のゼネストを闘おう。学生は「教育」という商品を買う「お客さん」でもなければ奴隷でもない。学生こそ大学の、教育の主人公だ。学生が破綻した支配階級の価値観に、しかも暴力的に支配されるようなことなど言語道断なのだ。
 闘う仲間への見せしめ処分をぶっ飛ばそう。処分は、学生支配の最後の手段だ。「1人の仲間も見捨てない」と団結した瞬間、学生が大学の主人公となる。処分粉砕の法大決戦を軸に、全国300万学生はゼネストに立ち上がろう!
 第四に、09年は徹底的な党派闘争の年である。とりわけ共産党やカクマルなどゴリゴリの体制内勢力との激突だ。労働者や学生の革命性を低める勢力を徹底的に解体して、反帝国主義・反スターリン主義革命的共産主義運動の旗の下に学生の団結を組織し闘う。合言葉は「法大闘争のように闘おう!」である。
 最後に、獄中の学生20人全員奪還と星野文昭同志の奪還を誓う。無期懲役という見せしめが、労働者階級の怒りの前には無力であることを、ゼネストの爆発によって国家権力に思い知らせてやろう。全学連は全学生・全労働者の最先頭で09年ゼネストを闘う。いざ闘争!