2008年12月15日

年末年始総決起から09年の勝利へ 工場閉鎖・大量解雇・賃下げに労働組合を先頭に大反撃を 360万人首切りの「道州制」つぶせ

週刊『前進』06頁(2372号1面1)(2008/12/15)

年末年始総決起から09年の勝利へ
 工場閉鎖・大量解雇・賃下げに労働組合を先頭に大反撃を
 360万人首切りの「道州制」つぶせ

 11・2全国労働者総決起集会の地平を引き継ぐ偉大な前進が次つぎとかちとられている。5日、ついに9人の学生同志の保釈奪還をかちとった。法大闘争は権力・当局を決定的に追いつめ、大恐慌と闘う学生運動の一大拠点に飛躍した。森精機の派遣労働者は解雇攻撃に2波のストライキをたたきつけ、トヨタ資本を揺るがしている。精研労組の6波80人の指名ストは、階級的労働運動の深化と実践そのものだ。12月闘争をさらに激しくぶち抜いて、年末年始「生きさせろ!」総決起へ打って出よう。青年労働者・学生を先頭に、危機深める麻生政権を打倒し、プロレタリア革命の勝利へ進撃しよう。

 第1章 大恐慌と闘う労働運動を

 今や全世界の労働者が「資本主義は終わった」と確信している。9月の「リーマン・ショック」以降のわずか3カ月で明らかになったことは、資本主義の命脈が完全に尽きたということだ。
 すさまじい信用収縮で誰も資金を貸したがらない。仕方なく各国中央銀行が資金提供に乗り出すが、もはやどうにもならない。株価の底は抜けた。世界同時大不況でモノがまったく売れない。
 とりわけ米帝国主義の破綻はすさまじい勢いで進んでいる。巨大銀行、巨大証券会社の破綻に続く米自動車大手ビッグ3の破産は米資本主義の終わりそのものだ。ブッシュ政権は大リストラと引き換えに140億㌦の資金融資を決めようとしたが、上院で廃案となった。米資本主義の終わりは、同時に世界資本主義の終わりを意味している。大恐慌がストレートに世界革命に直結する時代が到来したのだ。
 決定的なのはオバマの登場だ。オバマは、11月の非農業部門就業者数が53万人減と、34年ぶりに大幅に減少したことを受けて、「今回の景気後退で失われた雇用は200万人」「今すぐ行動が必要」と、景気対策の骨格を打ち出した。
 それは、ルーズベルトの「ニューディール政策」をまねて、大規模公共事業で250万人の雇用を創出するというものだ。だが、これは財政破綻からドル暴落を一気にたぐり寄せるようなものだ。そもそもオバマは、社会保障費や公務員の大削減を計画しており、雇用創出などまったくのペテンだ。
 オバマの経済参謀はルービン元財務長官で、クリントン政権時代に銀行と証券の垣根をなくす規制緩和を行い、サブプライムローンの詐欺商法をつくり出した張本人だ。オバマは経済閣僚のすべてをルービン人脈で固め、破綻した新自由主義をあくまで貫こうとしている。オバマはまた、体制内労組指導部を使って労働者階級の「生きさせろ」の闘いを圧殺し、階級戦争をより激しく進めようとしている。まさに労働者の敵だ。
 さらにオバマ政権は、ゲーツ国防長官(留任)、ヒラリー・クリントン国務長官のもとでアフガニスタン侵略戦争を強化し、パキスタン空爆にさえ踏み込む「戦争内閣」に他ならない。アメリカ労働者階級はオバマ打倒に必ず立ち上がる。すでに工場占拠が始まっている。「生きさせろ!」ゼネストで連帯し、プロレタリア世界革命へ突き進もう。
 11月集会の地平を発展させ、真のマルクス主義を復権する国際的に単一の労働者党をつくりだそう。体制内労働運動を徹底的に打倒して、階級的労働運動の荒々しい発展をかちとり、第2、第3の動労千葉=階級的労働運動の拠点を自らの力で打ち立てよう。

 第2章 麻生倒せ!ゼネストへ!

 大恐慌のもとで資本は減産、工場閉鎖、大量解雇、賃下げの攻撃を次つぎに進めている。引き金を引いたのが「世界一」の自動車企業トヨタだ。自動車産業の減産規模は200万台にのぼり、07年度のマツダと富士重工の2社分の販売台数が吹っ飛んだ計算だ。電機ではソニーが非正規8000人、正規8000人、計1万6000人の人員削減計画を打ち出した。来春卒業予定の大学生の就職内定取り消しが続出している。日本は「首切り列島」と化している。
 首切りを進めるブルジョアどもは「景気悪化で仕方がない」「苦渋の選択の雇用調整」(キヤノン会長の御手洗)などと居直っている。だがトヨタは減益と言ってもなお年間6千億円もの利益を見込み、株主への09年3月期の中間配当は2037億円を計画している。この中間配当を5%だけ削れば3000人の期間労働者の雇用を確保できるのだ。そもそもこの巨額のもうけは正規・非正規の労働者から搾りに搾り上げ、むしり取ったものではないか。
 景気が良いときは非正規に置き換えてもうけるだけもうけ、悪くなったらモノのように使い捨てる。突然の通告で職を奪い、寮からたたき出し、師走の寒空に放り出す。こんなことがどうして許せるだろうか!
 「俺たちはモノじゃない」「労働者の手にすべてを奪い返そう」と立ち上がった森精機で働く派遣労働者の決起は、すべての労働者の闘う方向を指し示している。直接の雇用関係にあろうがなかろうが、労働者は職場・生産点でストライキに決起し団結を拡大していくとき、勝てるのだ。精研労組の医療労働者のように、「患者のための労働者」ではなく、労働者としての生き様を貫いたとき、誇り高く団結することができるのだ。
 たった一人からでも闘いは始まる。経験なんか関係ない。「生きさせろ!」の怒りを行動に現すのみだ。2000万青年労働者の怒りとひとつになって、「生きさせろ!」ゼネストへ直ちに猛然と打って出よう。
 労働者の敵=麻生と日本経団連をぶっ倒そう。麻生政権は支持率が20%に急落し崩壊寸前だ。自民党はガタガタで、麻生にとって替わる人材もいない。労働者階級にとって絶好のチャンス到来だ。麻生よ! 賃下げ・首切りの日本経団連よ! 「生きさせろ!」ゼネストの前に震え上がるがよい。労働組合をよみがえらせ、職場・生産点を労働者の手に取り戻そう。

 第3章 道州制に延命かける日帝

 大恐慌下で道州制は日本資本主義のほとんど唯一とも言える延命策となった。道州制は公務員360万人全員いったん解雇(関西経済同友会の提言)、労働運動つぶしの大攻撃だ。麻生は次期国会に道州制基本法案を提出すると打ち出した。
 日本経団連は11月18日に公表した「道州制導入にむけた第2次提言」で、「小さな政府、民が主導の経済社会経営を目指す。そのため、官の役割をゼロベースで見直し、規制改革の推進や官業の民間開放などを徹底」せよと叫んでいる。
 資本を救済するために、“もっと広範囲で自由な搾取を”“一切の規制を撤廃し、公的分野も全部資本の競争原理に委ねよ”というのだ。
 しかも、「道州制の導入に際しては、必要な国の資産を道州に移管するとともに、債務もあわせて移管する」というのだ。800兆円もの債務を道州に移管する! 結局、新自由主義の破綻のつけを全部労働者に押しつけるということだ。
 道州制攻撃は徹底的な労働者の分断、労働組合の解体を狙うものだ。自治体における人事評価制度・査定給こそ、労働者をバラバラに分断し首切り要員をリストアップする攻撃だ。教育労働者に対する免許更新制と「不適格教員・D評価は分限免職」という攻撃もまったく同じだ。
 勝利の展望はどこにあるか。「大阪府をつぶして関西州をつくる」と道州制導入の最先頭を走る大阪府知事・橋下こそ最弱の環だ。全労働者の力で橋下を打倒しよう。
 動労千葉のように闘えば勝てる。橋下が言っていること、やっていることは国鉄分割・民営化攻撃で国鉄労働者がやられたことと同じだ。橋下は自治体労働者、教育労働者を「怠け者」呼ばわりし、民間労働者と分断しようとしている。動労千葉はこの時どうしたか。絶対反対を掲げ2波のストライキで労働者の側にヘゲモニーを奪い返した。そのストライキで力をもらった国鉄労働者が、「日本労働運動の宝」というべき1047名解雇撤回闘争を生み出したのだ。この闘いが新自由主義攻撃を阻み、ついに破綻へと追い込んだ。自治体労働者、教育労働者先頭に、すべての労働者は橋下打倒のストライキに決起しよう。
 08年決戦の最大の成果は、青年労働者・学生の階級的指導部の建設に勝利したことである。青年共産主義者を軸とした地区党建設をがんがん進め、誰も経験したことのない大恐慌情勢を革命に転化する地区党へと飛躍しよう。一時金カンパ決戦を「生きさせろ!」ゼネストの闘いとして貫徹しよう。獄中の10人の学生同志を即時奪還し、09年決戦の突撃路を切り開こう。
 職場・街頭で「生きさせろ!」の年末年始総決起を闘おう。