2008年12月 8日

日誌 2008年 11月26日〜12月2日 イラク空自に撤収命令/タイのソムチャイ政権が崩壊

週刊『前進』06頁(2371号4面4)(2008/12/08)

日誌 2008年 11月26日〜12月2日
 イラク空自に撤収命令/タイのソムチャイ政権が崩壊

●インド同時襲撃、死者125人 インド西部の商都ムンバイで、中心部にある高級ホテルや鉄道駅など10カ所で武装集団による同時襲撃事件があった。銃の乱射や手投げ弾により約125人が死亡した。武装集団はホテルで人質をとって立てこもり、治安部隊と銃撃戦を展開した。(26日)
●タイ2空港に非常事態宣言 タイのソムチャイ首相は、民主主義市民連合(PAD)の抗議活動で閉鎖された首都近郊2空港周辺に非常事態を宣言した。PADは、タクシン元首相の退陣を目的に06年に結成された。タクシン政権時代に利権から遠ざけられた旧支配層の支援を受ける。06年の軍クーデターでタクシンは追放されたが、昨年末の選挙で再び政権を握ったタクシン支持派の改憲の動きがタクシン復権を目指すものとして反政府運動を展開。(27日)
●鳥島射爆場、米側に返還の意思なし 米軍訓練区域のホテル・ホテル区域の一部解除と鳥島・久米島両射爆撃場の返還について、浜田防衛相は、「在日米軍司令部に確認したところ、米側は引き続き米軍施設区域として維持する必要があると認識しているとの回答を得た」と述べ、米側に返還の意思がないことを説明した。(27日)
●裁判員候補者への通知始まる 裁判員制度の来年5月開始に向けて、最高裁が裁判員の候補者に選ばれた約29万5千人に対して通知を発送した。裁判員候補者は前年の後半に一度に選ばれる。最高裁が設けたコールセンターには、通知を受け取った候補者から初日だけで約870件の質問や相談が殺到。半数は辞退の条件についての内容だった。(28日)
●イラク空自撤収へ 浜田防衛相は、イラクで空輸支援活動をしている航空自衛隊部隊に撤収命令を出した。サマワで展開した陸自部隊は06年7月に撤収しており、イラク復興支援特措法に基づく約5年間にわたる自衛隊の活動はすべて終了する。空自は04年3月から週5便前後、多国籍軍や国連の物資や要員を輸送。11月26日までの実績は810回、要員4万5800人、物資671㌧にのぼる。(28日)
●クラスター爆弾「全廃」と防衛相 浜田防衛相は記者会見で、政府がクラスター爆弾禁止条約署名に関連し、「クラスターという名のものは使わない」と述べた。だが防衛省の豊田報道官は「中長期的な観点から防衛大綱や中期防衛力整備計画の議論で引き続き検討しないといけない」と、将来の新型保有の可能性に含みを持たした。同条約は、クラスター爆弾の使用、生産、保有などを禁止し、原則8年以内に保有する爆弾の廃棄を義務づけている。(28日)
●田母神「(反戦地主は)国のやることを邪魔している」 田母神・前空幕長が今年1月に熊谷基地で講話した際、沖縄の反戦地主について「国のやることを邪魔しているだけ。南京大虐殺も靖国参拝もみんな一緒で、うそばかり報道される」と批判していたことが分かった。(30日)
●米国務長官にヒラリー・クリントン オバマ次期米大統領は、次期政権の外交安保チームの主な顔ぶれを正式発表。国務長官にヒラリー・クリントン上院議員を指名し、国防長官にブッシュ政権下で06年末から現職に就いているロバート・ゲーツを留任させた。(1日)
●タイ政権崩壊 昨年の総選挙での選挙違反事件をめぐり、タイの憲法裁判所は、タクシン元首相派で最大与党の国民の力党(PPP)を含む連立与党3党に解党を命じた。ソムチャイ首相ら3党の幹部計109人は5年間、公民権が停止される。ソムチャイ政権は発足から2カ月半で崩壊した。空港占拠を続けてきたPADは撤収方針を表明。(2日)