法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧1G 検察の「証拠」撤回相次ぐ
法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧1G 強権的訴訟指揮を追及
検察の「証拠」撤回相次ぐ
11月20日、法大5・29デモ弾圧裁判(第1グループ)の第5回公判が、東京地裁(稗田雅洋裁判長)で行われた。
冒頭、後藤玲子さんが退廷命令をはじめ不当な訴訟指揮への怒りを表明した。「前回公判で私たち4人と傍聴者の多数を退廷にした。その後、抗議し説明を求めた私と原田幸一郎君を再び退廷させ審理を進めた。私たちは『逃亡の恐れあり』などと言って、半年も仲間や家族・友人と隔離され自由を奪われている。しかし法廷から排除しているのは裁判長だ。前回審理がよくわからないまま私はこの場にいる。こんなふざけた訴訟指揮は断じて許されない」
さらに「なぜ山本進君だけ公務執行妨害の疑いがかけられているのか。5月29日、法大当局と公安が一体となった政治弾圧に怒り、全員が全力でこれを『妨害』した。不当逮捕を止めに入ることが犯罪とはふざけんな。分離公判を許さない」と、裁判所が山本君単独の公判開催を考えていることを厳しく批判した。
内山佳久君が証拠採用について意見を述べた。「検察官は、請求した証拠を相次いで取り下げている。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると思っているかもしれないが、自爆している。大量逮捕と長期投獄だけが政治目的だったからこそ検察立証は破綻した。勾留をいますぐやめ、デタラメな検察側の証拠を採用するな」
そして「証拠」のお粗末さを暴いた。建造物「侵入」の入り口を間違えた実況見分調書。公安刑事が早朝から長時間、学生を無差別に盗み撮りしたビデオ映像。「偽装職員」と判明したジャージ部隊・永島や、学生盗撮常習犯の職員・猪脇が撮影したビデオ。「こんなものを採用決定する裁判とは、検察と裁判官が一体となった茶番だ。すべてを撤回せよ!」
今回、証人として現れたのは、警視庁公安4課の刑事、河原崎久登だ。麹町署の公安刑事太田善昭の作成したデタラメな写真撮影報告書を撤回せざるを得なくなった検察官が追加請求したのだ。
河原崎は、5月29日に逮捕された学生の写真撮影を麹町署で行い、現像して提出したという。しかし、2〜3週間後に麹町署から写真の改竄(かいざん)を求められた。河原崎は学生の両脇に立つ2人の警官を隠すために、写真に黒い紙をのせて学生だけを再撮影した。太田は自分の報告書にこの写真をはった。5・29弾圧の下手人たちを隠すために、組織的な隠蔽(いんぺい)工作が行われた。それが河原崎の証明した事実だ。こんな捏造写真が証拠になるわけがない。
その後、証拠採用の手続きとして、実況見分調書の提示とビデオ映像の上映が行われた。ビデオ映像には、ジャージ部隊による暴行場面がはっきり映っている。一方で、5・29集会とデモに参加する学生の生き生きとした姿があふれ出した。
そして、建造物侵入デッチあげの最後の検察側証人として、清宮隆前総務部長が登場した。06年の3・14弾圧から5・29弾圧に至るまで、総務部長として学生弾圧を指揮してきた極悪人だ。現在「通信教育部事務部長」だという清宮は、ジャージ部隊とともに闘う学生の前から姿を隠そうとしている。声には力がなく「……と聞いている」などと自分の責任をごまかす証言ばかりを続ける。
検察官が「警備員の増員でデモや集会は収まったか」と問うと、清宮は「逆にかえってひどくなったと理解している」と答えた。だから「今年の4月1日、新たな警備員を入れた」というのだ。4月1日にジャージ部隊を配置したのは清宮だ。非合法の暴力部隊に学生を襲わせた責任をごまかそうとしても無駄だ。
次回12月8日の公判は、清宮への反対尋問を行う予定だ。卑劣な弾圧者の正体を暴き、その責任を問う裁判を行う。
この日、弁護団は保釈請求書を裁判所に提出した。いますぐ全員を釈放せよ。圧倒的な傍聴と保釈金カンパ闘争への決起を呼びかける。