2008年11月24日

法大弾圧裁判 5・29弾圧裁判第2G またも証拠撤回 検察立証は完全破綻

週刊『前進』06頁(2369号5面3)(2008/11/24)

法大弾圧裁判 5・29弾圧裁判第2グループ
 またも証拠撤回
 検察立証は完全破綻

 11月13日、法大5・29デモ弾圧裁判(第2グループ)の第3回公判が、東京地裁刑事第16部(後藤眞理子裁判長)で行われた。
 11月10日に釈放をかちとった富山大の武藤淳範君が傍聴に駆けつけ、被告席から歓声があがった。一挙に熱を帯びた法廷では、破綻した検察立証に対する怒りが爆発した。前回の法廷で検察官は、証拠申請していた写真報告書を取り下げた。同様に今回、法大職員の小澤雄司が撮影したとするビデオ映像を直前に取り下げた。法廷に持ち込まれる前から証拠が2回続けて撤回されるという異例の事態だ。冒頭、後藤裁判長もたまらず検察官に説明を求めた。
 検察官は「小澤証人にビデオ映像を見せたところ、本人が撮影したものでないと判明したので、取り下げた」と言う。検察官のデタラメを捕らえ、本山隆介君が断固たる意見を述べた。
 「こんな破綻した検察側立証のために、日一日と私たちの勾留が延長されている。一体どういうつもりか裁判長ははっきりさせろ。私たちは『罪証隠滅の恐れ』などといって5カ月半も勾留されている。証拠の訂正、取り消し、差し替えなどで『事件』を作っているのは検事の方じゃないか!」「しかも検察側立証はまったく争点からはずれている。こんな証人調べをやる前に法大総長・増田を呼んでこい、ということだ」「裁判所は、サンドイッチ戒護をやめさせ、被告人の防御権を保障せよ。繰り返される検察側証人の取り下げについて裁判所の見解を示せ。拘禁延長のための、デタラメかつ争点から外れた検察側証人をすべて却下せよ。政治弾圧をやめて、公訴棄却し、私たちを釈放せよ!」
 続いて、仲井祐二君が立ち上がった。その迫力に圧倒されて裁判長は制止することもできない。仲井君が上着を脱ぐと、その下はCAMSから送られた真っ赤なTシャツだ。「東京拘置所による弾圧を許せない。今日もこのTシャツを脱がせようとして、東拘職員7名が私に襲いかかり、ビデオカメラ2台で撮影していた。こんなことを許しているのもすべて裁判所の責任だ。先日、祖母が亡くなったが、不当な長期勾留によって別れの時間を奪われた。今すぐ全員を釈放せよ!」
 後藤裁判長は沈黙の後、「証人取り消しによって裁判が空転していることは遺憾」と一言つぶやいた。勾留を正当化する理由などひとつもない。「ふざけるな、今すぐ釈放しろ」と被告席と傍聴席から怒りの声がわき起こった。
 第1グループの裁判に続いて、ジャージ部隊の責任者永島博文と法大職員の猪脇和夫が登場した。ジャージ部隊が学生の首を絞める場面がビデオ上映され、「お前が歩きゃいいんだよ、早くよ」という永島の声も入っている。ジャパンプロテクションという警備会社の警備員であるにもかかわらず、法大当局はジャージを着せて「嘱託職員」と正体を偽らせた。「正当な警備業務」と永島は開き直るが、非合法の暴力行為をやらせていると法大当局は自覚していた。その腐敗と犯罪性は明らかだ。
 ビデオ盗撮の常習犯猪脇は、5・29当日も撮影をやめるよう学生から警告されていた。しかし、校舎に多数の公安刑事が突入したと見るや、警察官の後ろから大胆に撮影を開始する様子はあまりにも卑劣だ。
 こんな証人のために、裁判所は不当な勾留を続けるのか! 直ちに全員を釈放せよ。