2008年11月17日

三里塚 緊急現地闘争 空港会社が明け渡し提訴 市東さん農地強奪許さぬ

週刊『前進』06頁(2368号4面2)(2008/11/17)

三里塚 支援連が緊急現地闘争
 空港会社が明け渡し提訴 市東さんの農地強奪許さぬ

 成田市東峰で11月9日、三里塚闘争支援連絡会議の緊急現地闘争が行われた。7日、千葉地裁は市東孝雄さんに対し、成田空港会社(NAA)が提訴した農地明け渡し訴訟の期日を指定した。農地強奪裁判をいよいよ始めるという通告だ。
 絶対に許さない! 怒りに燃えて、85人の労働者や学生が市東さん宅にほど近い開拓道路に結集した。ここは、ジェット機が騒音を立てて走行しているのが間近に見える空港隣接地だ。
 司会の三里塚野戦病院の大熊寿年さんが「NAAによる農地明け渡しの提訴を絶対に許さない!」と第一声を発し、集会が始まった。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が最初にマイクを握った。「NAAに提訴の許可を与えた千葉県の堂本知事は、もともと”環境”を売り物にして当選した。だがこの人権無視、生活破壊の空港こそ最大の環境問題ではないのか! NAAによる常識を無視した詐欺的行為を弾劾する。反対同盟は市東さんの土地を責任をもって守りぬく。今日の集会を支援連が主催したことは大変素晴らしい。若者は未来を自分の手で切り開いて闘おう」と訴えた。
 続いて反対同盟の太郎良陽一さんが「市東さんの決起にこたえ、実力闘争で闘おう」とアピールした。福日労が「組対法弾圧を粉砕する」と決意を述べた。
 三多摩労組交流センターの労働者は「NAAは、市東さんが3代90年耕作してきた農地を奪い取ろうとしている。農民にとって農地は命だ。われわれは85年10・20機動隊せん滅戦の地平を押し広げて闘う。11・2労働者総決起集会は5700人の結集で大成功した。世界金融大恐慌下、日米韓労働者の国際的陣形がつくり出された。6千万労働者の怒りと結合して三里塚の勝利をかちとろう」と発言した。
 続いて関東「障害者」解放委員会が10・31自立支援法撤廃集会入り口で11・2への大結集を訴えた闘いを報告。「動労千葉全学連の闘いと固く一体となって闘う。これこそ帝国主義打倒、障害者解放、被抑圧民族解放の唯一の道だ」と決意を表した。
 全学連の倉岡雅美副委員長は「空港建設は大破産している。追いつめられているのはNAAだ。法政大でも当局と権力の弾圧に対して一歩も引かない闘いを展開している。動労千葉と反対同盟との労農連帯の発展に勝利の道がある」と闘いの方向を指し示した。
 さらに、解放派、統一委員会、蜂起派が決意表明を行い、直ちにデモに出発した。
 ジェット機走行の騒音をものともせず、大挙動員された機動隊を圧倒し、天神峰一体にシュプレヒコールをとどろかせて団結街道を北上、成田治安法によって封鎖されている現闘本部建物前を過ぎ、市東さんの畑の前に到着した。
 市東孝雄さんが農作業の最中だ。市東さんが手を休め、大きく両手を振ってデモ隊を激励した。
 国家権力の脅しと暴力に対し、労働者・農民の底力が正面からここでぶつかり合っている。「この豊かな実りをもたらす農地を奪われてなるものか」と、全員があらためて決意を固めた。