2008年11月17日

国際連帯うち固め11−12月闘争へ  オバマ登場と世界恐慌情勢をへ階級的労働運動でぶっ飛ばせ 田母神空幕長の反革命発言

週刊『前進』06頁(2368号1面1)(2008/11/17)

国際連帯うち固め11−12月闘争へ 
 オバマ登場と世界恐慌情勢をへ階級的労働運動でぶっ飛ばせ
 田母神空幕長の反革命発言

 徹底弾劾 田母神(たもがみ)前空幕長の侵略戦争正当化論文と国会での放言は、軍隊内からの反革命クーデターとも言うべき所業であり、絶対に粉砕しなければならない。また、米民主党オバマの登場は米帝の危機を一層促進し、労働者階級への攻撃を決定的に激化させるものだ。今こそ階級的労働運動の力で大反撃しよう。11・2全国労働者集会と韓国の11・9民主労総労働者大会は、世界金融大恐慌をプロレタリア世界革命で迎え撃つ階級的陣形を鮮明に登場させた。この闘いをさらに前進させるために、11〜12月に5700人の団結を打ち固め拡大する組織拡大決戦にうって出よう。『新版 甦る労働組合』(中野洋著)と『前進』は、その最良の武器だ。13日、11・2集会の銀座デモで不当逮捕された労働者の釈放をかちとった。分岐と激突で鍛えられた青年労働者・学生とともに11月−12月闘争を闘いぬき、麻生政権打倒−09春闘へ進撃しよう。

 第1章 プロレタリア革命勝利の国際的陣形

 11・2集会を核とする一連の国際連帯行動は、世界革命の路線と隊列をついに現実化した。動労千葉労働運動と3労組共闘の11月集会が、世界に通ずる路線として宣言されたのだ。民主労総の労働者は「両国間の壁を越えて団結して闘えば、資本と政権による新自由主義の壁を打ち破れると確信します。それぞれの国のバラバラの組織ではなく、ひとつの組織として新たに生まれ変われるよう、より一層組織化に向けて頑張ります」(民主労総ソウル本部のイジェヨン本部長)と決意を語った。
 アメリカの労働者は、「今日は日本人になることができました。明日は私は韓国人になり、そして世界の労働者としてひとつになります。レボリューション!」(ILWU=国際港湾倉庫労組のケナード・ウィルソンさん)、「国際的・革命的な労働者の党が必要だ」(同ジャック・ヘイマンさん)と訴えた。それぞれが、人種・民族の諸課題も含め、プロレタリア世界革命の中にすべての希望があることを、この間の闘いを踏まえて鮮明に訴えたのである。
 11・2集会はまた、誰が労働者の怒りの炎をもみ消そうとしているのかをはっきりさせ、体制内勢力との闘いが焦眉の課題であることを鮮明にした。街頭で訴えて、道行く労働者から大きな共感と反響があるのは、「会社と闘わないうちの組合役員は許せない」という声だ。また、4日の日韓自治体労働者交流会の席で、民主労総の仲間がそれにふれ、「韓国のことわざに、『寝ている人は起こせるが、眠ったふりをしている人は起こせない』というのがあります」と訴えた。
 さらに、訪韓した田中康宏動労千葉委員長がソウルで「日本も韓国もアメリカも労働運動は今、同じ壁にぶち当たっている。敵は崩壊寸前であり、労働者が闘えばうち倒すことができるチャンスだ。それなのに労働者の側が逡巡(しゅんじゅん)している。ここを突破できれば壁は越えられる。命がけのハイテックの闘いに応えられないようでは駄目だ。日本で産みの苦しみで闘って、私たちが本当の力を得よう!」と問題の核心を明らかにした。
 世界は今、革命の現実性が迫る中で、労働者階級をどの勢力・路線が獲得するのかで激動している。オバマの登場も、米帝の階級支配の全面崩壊の危機により、プロレタリア革命を予防・鎮圧するための挙国一致体制としてブルジョアジーが選択したことが核心だ。
 国鉄1047名闘争の「4者4団体」路線をめぐる対決も、労働者階級が解放の道を闘いとるのか、それとも帝国主義の攻撃に屈服してしまうのかの激突であり、それゆえに絶対あいまいにできない闘いなのだ。

 第2章 職場で街頭で世界の激動を訴えよう

 11月7日、世界に「トヨタショック」の激震が走った。91年前にロシア革命があったこの日、トヨタ株に売り注文が殺到して午前中は取引が成立せず、午後も一時ストップ安になったのだ。トヨタの08年度予想売上高は12・5%減、営業利益は前年2兆2700億円から74%減の6千億円に急減した。米帝の7〜9月期GDP速報値が0・3%下落した。米失業率も6・5%と急上昇した。9〜10月の2カ月間の就業者数は52万4千人も急減している。自動車「ビッグ3」関連での数百万人規模のリストラさえ言われ出した。米住宅着工件数は6・3%減で17年ぶりの低水準だ。10月の米新車販売も32%減で17年ぶりの低水準だが、日帝の10月新車販売は40年ぶりの低水準だ。
 このように帝国主義経済は本当に破綻しているのだ。生産が停滞し、例えば石油化学製品のナフサが原料の原油価格を下回る逆転現象さえ起こっている。鉄くず価格も4分の1に急落した。新興国経済も急収縮している。ロシアなど産油国は原油価格の急落で国家予算のメドも立たず、中国、インド、ブラジルなどの経済の破綻も急速だ。日本では企業の法人税収が急減して4〜9月期で41%減。麻生はさらに「法人税率を下げて企業を救済する。(一方で)3年後に消費税を上げる」ことで乗り切ろうとしている。すでに日本の労働者の非正規比率は4割に迫り、3人にひとりは年収300万円以下だ。その上、子どもの教育費などで労働者家族からの極限的な収奪が横行している。
 さらに麻生は、日本学生支援機構(旧日本育英会)に「奨学金返済滞納者情報を金融機関に通報。返済が9カ月以上滞ったら強制執行」を決定させた。ふざけるな! 日帝の教育予算はGDPの3・5%で、OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中29位だ。
 「金は出さずに口と手を出す」最弱の上に最低の帝国主義が日本帝国主義だ。怒りが急速に広がり、駅頭で「足なが募金」運動をしていた学生も11・2集会に結集した。それが全世界で起こっている。10月下旬、イタリア、ギリシャ、ドイツで400万人がストに入り、フランス国鉄が11月6日から実質36時間ストで仏新幹線すら7割が止まった。日本でも10月31日、国労共闘の中村幸夫運転士への不当労働行為事件の最高裁勝利判決がかちとられた。こうした、労働者の力を示す闘いを職場で街頭で訴えよう。労働者は仲間の闘いを自分への援助として感じて、もりもりと力が湧いてくる階級だ。

 第3章 麻生と橋下打倒し道州制粉砕しよう

 11月10日午後、武藤淳範(ぶとうあつのり)君が富山刑務所から元気に保釈奪還された。武藤君の奪還は、法大弾圧で獄中で闘う19人の学生の奪還の展望をもこじ開けた。武藤君の保釈金は、なんと400万円だ! 
激増する非正規教員の年収は170万円。2年間食わずに働いてもまだ足りない大金だ。
 この麻生政権の学生への態度は、すべての労働者・高齢者に対する態度とまったく同じものだ。だからこそ、この学生たちの闘いは、すべての人民と結んで、未来を切り開いているのだ。
 法大の学生たちは連日殴られながら、ついに学生の団結を守りきって勝利した。今や法大当局は「警備員を争議行為に介入させた」違法の暴露に震え上がっている。この学生たちの闘いこそ、小林多喜二の『蟹工船』の歴史を真に引き継ぎ、勝利へと導く闘いだ。今こそ日本労働者階級の底力を発揮して1億円と予想される保釈金を集めよう。19人の学生たちを年内に奪還しよう。それは必ず星野文昭同志奪還の道筋を切り開くのだ。
 4者4団体路線派の10・24集会に「11・2」が圧勝した地平に立ち、第2次国鉄決戦を基軸に、11・2集会に向かった時以上のボルテージで麻生政権打倒、橋下大阪府政打倒へ突き進もう。
 日本経団連が道州制への最終提言を発表した。道州制攻撃は警官や自衛隊員以外はいったん全員解雇するというウルトラ反動であり、その最先兵が橋下だ。11・21大阪府庁前闘争は反撃の号砲だ。実際、11・2集会は3労組に続いて70人の組合員が参加した単組を先頭に、全国で3けたの拠点職場からの結集で「1万人結集」に手をかけたのだ。
 そしてまたこの力こそが、田母神前空幕長の侵略戦争正当化発言をぶっ飛ばし、改憲攻撃を攻勢的に打ち砕く力だ。さらに11・9三里塚闘争の成功をふまえ、11・22裁判員制度廃止集会とデモ、11・29星野同志奪還全国集会から12・14国鉄闘争勝利集会に立とう。これらの闘いと一体で、すべての仲間に冬期・年末一時金カンパ闘争を訴え勝利しよう。