2008年11月10日

法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧 第2、1グループ(10月29日、11月5日)

週刊『前進』06頁(2367号6面2)(2008/11/10)

法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧 第2グループ(10月29日)、第1グループ(11月5日)

 第1章 第2グループ 「握手は不正連絡」の暴論 中島君への懲罰を徹底弾劾

 10月29日、法大5・29デモ弾圧裁判(第2グループ)の第2回公判が東京地方裁判所刑事第16部(後藤眞理子裁判長)で行われた。
 冒頭、田中藤男君が不当な重戒護について意見を表明した。「第1グループの中島敦史君が傍聴人と握手したから『不正連絡』だとされ、懲罰となったことを弾劾する!」。すると裁判官が「それは刑事15部の話。ここ、刑事第16部には関係ない!」と絶叫し発言の抑圧を試みる。しかし田中君は「裁判長、被告の意見をちゃんと聞きなさい!」と一喝し、「握手して何が悪いのか。それを『不正連絡』と言いなして『事件』をデッチあげ、東京拘置所の『秘密裁判』で処分することが許されるのか。しかも前回、裁判長は中村真之君を退廷させた。被告人を裁判に出廷させるために勾留しているのだろう。なのに、1人いなくなってもかまわないという態度は、勾留の目的が制裁だということだ。重戒護をやめ釈放しろ!」と怒りを表明した。
 続いて、坂野陽平君が立ち上がり、中村君への退廷命令と重警備・重戒護を徹底的に弾劾した。さらに「東京拘置所は今、差し入れられたTシャツを取り上げたり(団結Tシャツ)、『房内でしか着てはいけない』と制限している(CAMSのTシャツ)。不当な獄中処遇をやめさせろ。裁判員制度を推進した論功行賞として竹崎博允が最高裁長官に就任する。重警備・重戒護こそ、被告人に『悪者』というイメージを与えて有罪判決に持ち込もうとする裁判員制度導入のためのものだ。絶対許さない」と鋭い意見をたたきつけた。
 続いて、公安警察官2人の証人尋問が行われた。すでに同じ5・29裁判の第1グループで徹底的に追及された公安刑事の上田幸永と久田秋彦だ。検察官に促され、破産した証言を繰り返した。
 第1グループではもう1人、麹町署の公安刑事の太田善昭が「逮捕当日の被告人の服を特定する報告書」の作成者として証人尋問を行ったが、報告書のあまりのデタラメさが暴かれ、検察側が取り下げる事態になった。
 デッチあげ弾圧の破産と、闘う被告団の勝利は不可避だ。全員をただちに釈放せよ。

 第2章 第1グループ ジャージ部隊の正体判明 「証拠」が検察側の破綻点に

 11月5日、法大5・29デモ弾圧裁判(第1グループ)の第4回公判が東京地方裁判所刑事第15部(稗田雅洋裁判長)で行われた。稗田裁判長は開廷前に、異様な重戒護に抗議の声を上げた傍聴人にいきなり退廷命令を発した。内海佑一君が被告席から抗議すると、内海君にも退廷を命じ、これに抗議した山本進君、後藤玲子さん、原田幸一郎君、そして10人近い傍聴人を退廷させた。「逃亡の恐れあり」などと言って、6カ月も不当を強制しておきながら、命令ひとつで被告人を法廷から排除する裁判官の暴挙を断じて許さない。
 自分の決定のデタラメさに追い詰められた裁判長は、被告人を法廷にもどさざるをえなくなり、30分の休廷後、公判を再開した。しかし、原田君が退廷命令に抗議する断固たる意見表明を行ったことに対して再び退廷を命じ、後藤さんをも退廷させた。暴力のみにすがりつく姿は、学生の怒りに恐怖し追い詰められた法大当局とどこが違うのか。
 法廷では、野地川泰介君が東京拘置所による不当な懲罰攻撃に対する意見を表明した。中島敦史君に続き、野地川君にも10日間もの「閉居罰」が科せられたのだ。当初、東拘は「足をかける暴行をした」などと言いがかりをつけていたが、「握手による不正連絡」と「法廷に着用禁止のTシャツを着てきた」ことに理由が変化した。デッチあげと東拘の不当な懲罰攻撃を容認する裁判官に、まともな裁判などできるわけがない。
 検察側証人として法廷に現れたのは、5月29日にビデオ撮影を行った永島博文と猪脇和夫だ。永島への尋問をつうじて、ついに、学生にほしいままに暴力をふるってきたジャージ部隊の正体が判明した。永島はジャージ部隊の責任者であり、ジャパンプロテクションという名の警備会社の警備員だ。来年3月までの警備契約を会社が交わしているが、法大当局からは「嘱託職員」と答えるように指示され、警察でもウソの供述を行っていたことなどが判明した。
 今年の4月以来、ジャージに身を包んで学生に激しい暴行を加え続けた傭兵(ようへい)部隊と、その正体を偽らせて利用してきた法大当局の犯罪性は明白だ。しかも、法大10・17集会をかちとり、裁判闘争の前進が開始された10月以降、突然ジャージ部隊は消えた。ジャージ部隊にやらせた犯罪行為の責任が追及されることを恐れ、法大当局がもみ消しを図ったことは明白だ。
 永島が撮影したビデオには、学生の首を絞め、皮の手袋をはめた手で口をふさぎ、腕を後ろにひねり上げ関節技をきめながら学外に排除しているジャージ部隊が、はっきり映っている。そして、あろうことか撮影時に使ったSDカードの中身は消失し、証拠として提出されたSDカードには、いったんパソコンに保存してあったデータをコピーしたのだと言う。もっと都合の悪い映像を消し去ったことは明白であり、こんなものを証拠とすることはできない。
 さらに、検察側立証の破綻を決定づける事実が明らかになった。検察側は、永島、猪脇のほかに小澤なる大学職員が撮影したビデオ映像を証拠請求していたが、それが別人の撮影した映像であることを弁護側から指摘され、大あわてで請求を撤回せざるを得なくなったのだ。弾圧のためのビデオ映像が膨大にありすぎて、デッチあげ「証拠」としてもまともに管理できないぶざまさだ。
 続けて登場した猪脇は、新井拓君と友部博文君への弾圧でもビデオ撮影者として登場した人物だ。「ジャージ部隊は嘱託職員」などとウソの上塗りをする始末だ。猪脇のビデオ映像には、5・29デモが自分に接近すると、後ずさりしてすぐにスイッチを切ってしまう場面が3度も続く。不当なビデオ撮影を繰り返してきた猪脇は、学生の怒りが自分に向けられることを恐怖しているのだ。こんな映像が「証拠」であるわけがない。
 裁判所の不当な訴訟指揮などものともせず、裁判闘争は決定的な勝利を実現している。検察立証は完全に破綻している。直ちに全員を釈放せよ。
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 法大裁判に集まろう!
★11月10日(月)4・27「暴行」デッチあげ裁判
        午後1時30分開廷
★11月13日(木)5・29デモ弾圧裁判②グループ
  第3回公判 午後1時15分開廷
★11月19日(水)7・24法大弾圧裁判
  第3回公判 午後1時30分開廷
★11月20日(木)5・29デモ弾圧裁判①グループ
  第5回公判 午後1時15分開廷
★11月27日(木)5・28「暴行」デッチあげ裁判
  第5回公判 午後1時30分開廷 
★富山大ビラまき弾圧裁判(富山地裁)
  第3回公判 11月11日(火)午前10時開廷