2008年11月10日

オバマ圧勝と未曽有の米帝危機 大恐慌に世界革命で

週刊『前進』06頁(2367号5面1)(2008/11/10)

オバマ圧勝と未曽有の米帝危機
 大恐慌に世界革命で立ち向かう5700の団結の飛躍的発展を

 11・2全国労働者総決起集会は、世界金融大恐慌情勢に真っ向から立ち向かう労働者階級の国境を越えた団結としてかちとられた。新自由主義攻撃を粉砕し、プロレタリア世界革命への総進撃を開始する合図の鐘が、結集した5700人の手で高々と打ち鳴らされた。11・2は同時に、4者4団体路線を粉砕し、1047名の解雇撤回を掲げた一大国鉄集会としてかちとられた。権力・資本・体制内勢力による密集した反動と全力で闘い、分岐と激突の中できたえられた階級的労働運動の国際的な隊列が、鮮烈に登場したのだ。この5700人の団結をさらに拡大し、青年労働者を先頭に、革命情勢下の労働運動をめぐる大党派闘争に猛然と打って出よう。麻生政権打倒、09春闘勝利へ、11〜12月の闘いにさらに突き進もう。

 第1章 日米韓の国際連帯の大前進

 11・2集会は第一に、世界金融大恐慌突入という100年に一度の巨大な激動情勢の真っただ中で、それをプロレタリア世界革命で迎え撃つ国際的団結を打ち固める歴史的な集会となった。
 今日の金融大恐慌に対し労働者階級がどんな態度をとるかが、全人民の未来を決める。資本主義崩壊の時代が到来する中で、必要なのは延命を求めて必死にあがく資本家階級の救済ではなく、その延命策動と真っ向から対決し、これを労働者階級による革命へと転化することだ。11・2の日米韓労働者5700人の大結集は、大恐慌情勢に立ち向かう国際的陣形を形成するものとなった。
 11・2とそれを前後する一連の国際連帯行動で闘いとられた日米韓の闘う労働者の国際的団結は、これまでの次元をはるかに超える地平だ。韓国民主労総ソウル地域本部42人の大訪日団と、ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル10やUTLA(ロサンゼルス統一教員組合)などアメリカの闘う労働者との熱い交流は、世界革命の闘いの路線的な大前進を開いた。
 「全世界の労働者は改良主義を克服し、社会主義変革運動へ進もう」(韓国のイジェヨンさん)、「国際的・革命的な労働者の党が必要だ」(アメリカのジャック・ヘイマンさん)の発言は、動労千葉を始めとする日本の階級的労働運動との深い同志的連帯を示すものだ。革命こそが全世界の労働者の共通課題、普遍的なスローガンであり、この旗のもとに今こそ総決起することが力強く宣言された。
 11・2集会は第二に、4者4団体の屈服・転向路線との対決を徹底的に貫き、1047名の解雇撤回を真正面から掲げた第2次国鉄決戦の大集会としてかちとられた。
 今日、既成の全勢力が資本主義救済の体制内労働運動へと雪崩をうって転落している。その先頭に立っているのが国鉄1047名闘争の幕引きを策動する4者4団体だ。彼らの10・24集会か11・2かという激突の中で、4者4団体はついに解雇撤回をあくまで掲げて闘う動労千葉や国労組合員を排除するため、10・24集会に警察・機動隊を導入するところまでいきついた。これに対して11・2集会は、4者4団体路線と全面対決し、国鉄闘争の勝利と日本労働運動の再生をかけて闘いぬくことを基軸に、固い団結をかちとったのだ。
 労働戦線の大分岐と激突の中で、動労千葉派が5700人の巨大なパワーをもつ勢力となって圧倒的に登場した。11・2はそれを示した。階級的労働運動の大発展の道が切り開かれたのだ。
 11・2集会は第三に、日帝・麻生政権打倒への全労働者階級、全人民の総決起として爆発した。闘う労働組合の大隊列を中心軸に、三里塚反対同盟農民、沖縄行動団、部落大衆、障害者、在日・滞日人民、弁護士などあらゆる戦線から闘う人びとが総結集し、麻生政権と日帝ブルジョアジーの絶望的あがきを根底からふっとばす「生きさせろ!」ゼネストへの巨大な歩みを開始した。
 これらのすべてにおいて、青年労働者と学生が最先頭で闘いをリードした。資本、権力、4者4団体を始めとする体制内勢力の密集した大反動と激突し、打ち破る中から、闘う労働組合をよみがえらせる階級のゆるぎない力と団結の形成が始まった。1万人結集は実現できなかったが、5700人の団結はこのかつてない確信と高揚感に満ちあふれている。
 11・2が切り開いたこの地平を踏み固めて、09年の大闘争へ向け、直ちに一層の飛躍と挑戦を開始しよう。11〜12月闘争から09春闘に向かって猛然と進撃していこう。

 第2章 「国難」に「結束」叫ぶオバマ

 内外情勢は歴史的激動を深めている。11月4日の米大統領選挙で民主党のオバマが圧勝し、米国史上初のアフリカ系大統領が誕生した。この背後には、ブッシュ政権下の8年間に進行した新自由主義攻撃のもとでの労働者人民の未曽有の貧困と、イラク・アフガニスタン侵略戦争の泥沼的破綻、さらには金融大恐慌の爆発に対する、米国内に充満する根底的怒りがある。
 だがオバマの登場は、米帝危機を打開するものなのか。労働者階級にとって前進なのか。断じて否だ。オバマは、リーマン・ブラザーズの破綻に始まる世界金融大恐慌の本格的大爆発の中で、「国難」に対する「アメリカ国民の結束」と「統合」を叫んで権力の座をもぎとった。オバマの訴える「一つの米国」とは、米帝と資本主義救済のために労働者階級も力を合わせて挙国一致体制を築け、米帝の「国益を守れ」ということだ。米帝の歴史的没落の進行と、労働者支配の全面崩壊の危機の中で、プロレタリア革命を予防・鎮圧するための「米帝の最後の救済者」として現れた者こそオバマなのだ。
 オバマは「この世界を破壊しようとする者たちを、我々は打ち負かす」と叫んでいる。オバマの掲げる「チェンジ(変革)」が新自由主義攻撃とイラク・アフガニスタン侵略戦争の形を変えた貫徹となり、労働者階級への新たな大攻撃として襲いかかってくるのは不可避である。保護主義の台頭や、日米争闘戦もむしろ激化していくのだ。
 この中でアメリカの階級闘争は、いよいよ大流動と激突に突入する。すでに大恐慌情勢下でリストラ・首切りの嵐が吹き荒れており、これに対し現場労働者の決起による真っ向からの反撃が始まっている。米軍需産業の中枢・ボーイングで50日を超す労働者のストライキが闘われ、カリフォルニアでは体制内労働運動のボス支配を打倒して、資本と非和解に闘う医療労働者や教育労働者の闘いが発展している。
 そしてこれらの新たな階級的闘いの最先頭に、11・2で世界革命への熱烈な同志的団結を誓い合ったアメリカの闘う労働者が立っているのだ。
 さらに韓国でも、民主労総の11・9労働者大会の高揚を新たな起点として、イミョンバク政権の大民営化攻撃への総反撃の闘いが始まっている。またイタリアの数十万人の教育ゼネストを始め、新自由主義粉砕の労働者階級の巨大な実力決起がヨーロッパや全世界で巻き起こっている。
 オバマの登場は、米帝の歴史的没落と未曽有の世界危機、帝国主義間の争闘戦を、むしろさらに激化させ、世界の革命情勢を一層成熟させる。労働者階級の未来は、体制内派との徹底的な分岐と激突をとおした階級的労働運動の発展と、万国の労働者の団結の前進にかかっているのだ。

 第3章 11〜12月闘争に総力決起を

 11・2集会の階級的大高揚は、国内政治支配の絶望的な危機と世界金融大恐慌の爆発にあえぐ日帝・麻生政権を直撃した。今や麻生政権打倒へ猛然と攻め上る時が来ている。麻生の打倒は、日帝ブルジョアジーそのものを労働者階級との一大階級決戦の場に引きずり出し、日帝を打倒していく突撃路を開く。それが「生きさせろ!」のゼネストを柱とする09春闘決戦であり、そこへ向けた11〜12月の闘いだ。
 何よりも、労働運動の力で社会を変革する闘いへの、青年労働者と学生のより圧倒的な決起をかちとること、青年を先頭に闘う労働組合をよみがえらせるために闘うこと、マルクス主義を復権し、労働者階級の真の革命党を建設することだ。
 中野洋著『新版 甦る労働組合』は、階級的労働運動とマルクス主義の奪還にとって決定的武器だ。この本を、青年・学生を中心にしてあらゆる労働者人民の中に持ち込み、5700人の団結を何倍にも拡大しよう。
 第2次国鉄決戦の全国的発展を基軸に、麻生政権打倒、橋下大阪府政打倒へ進撃しよう。11・21大阪府庁前闘争に立とう。11・22裁判員制度廃止集会と銀座デモ、11・29星野同志奪還全国集会の大成功をかちとろう。三里塚闘争を不屈に発展させよう。それら一切の成果を12・14国鉄闘争勝利集会へと集約し、12・14を11・2に続く重要な大集会として闘おう。
 そして今年最後の最大の決戦として、獄中20人の学生同志の年内奪還へ総決起しよう。敵権力は卑劣にも、富山大弾圧の武藤君に400万円の高額保釈金を要求している。20人全員では8000万円から1億円だ。この許しがたい攻撃を労働者人民の力の結集で粉砕し、なんとしても1億円の保釈金を集めきろう。
 この保釈金闘争と一体の闘いとして年末一時金カンパ闘争がある。全力で闘いぬき絶対に勝利しよう。