新自由主義攻撃うち砕け 日米韓の闘う労働者が団結 呼びかけ労組からのアピール
新自由主義攻撃うち砕け 日米韓の闘う労働者が団結
4者4団体路線粉砕し 1047名解雇撤回へ
呼びかけ労組からのアピール
11・2全国労働者総決起集会の呼びかけ労組の動労千葉と連帯労組関西生コン支部から発せられた基調的なアピールを掲載します。(一部割愛。見出しは編集局。その他の発言は次号に詳報)
第1章 闘う労働組合が最前線に 国鉄千葉動力車労働組合委員長 田中康宏さん
動労千葉からは、国鉄1047名解雇撤回闘争を中心に提起します。それはこの闘いが11月集会の原点であるとともに、これからの労働運動全体の帰趨(きすう)のかかった闘いだと考えるからです。
新自由主義攻撃はこの20年余り、労働者の雇用や賃金・権利、社会保障制度や教育、地方自治、あらゆる社会的連帯や団結、農業や地球環境を破壊し、戦争を引き起こして吹き荒れ、そして破産しました。支配者たちは今、底知れぬ金融大恐慌の前に震え上がっています。起きていることは、資本主義体制の壊滅的な破綻です。
この時代に回答を与えることができるのは、労働者の団結した力だけです。
この社会のすべてを動かしているのは労働者です。労働者は歴史をつくり、社会を変革する力を持った存在です。「生きられるだけの賃金をよこせ!」——こうしたスローガンの中に、社会変革の火種が宿る時代が到来しました。
1047名闘争が重大な岐路に立っています。私たちは、動労千葉を排除し、解雇撤回要求を引き下ろして進められている「4者・4団体」による政治解決運動に反対します。政府に「詫(わ)び状」を出し、JR資本と和解してストライキも投げ捨て、政府や連合、民主党にひざまずいて「救済」を求めるような運動は絶対に間違っています。
さらに、われわれ動労千葉が解雇撤回を訴え続けていることをもって「団結まつり」への参加が拒否され、「動労千葉は永久闘争主義者だ、玉砕の道だ」という非難が組織されています。こんなことをしていたら、闘いは取り返しのつかない打撃を受け、1047名の誇りは打ち砕かれます。国労は連合派に転落し、一層激しい民営化・労組破壊攻撃が労働者を襲うことになります。22年間の闘いを自ら投げ捨てることは絶対にできません。
問題は、労働者を信頼するかどうかということであり、指導部の構えにあります。
今1047名闘争をめぐって起きていることは、労働運動がこの時代にいかなる道を進むのかをめぐる決定的な路線問題です。
国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃であり、新自由主義政策を社会全体に貫徹する決定的な突破口でした。
しかし、国鉄労働者は攻撃に屈したわけではありません。動労千葉は、首をかけて民営化反対の2波のストライキに立ち上がり、40人の不当解雇攻撃を受けながら団結を守りぬきました。そして1047名が、全国の支援の仲間たちとともに、今日まで20年を超える闘いを継続しました。それは、幹部たちの屈服にもかかわらず、長い闘いの中で培われてきた国鉄労働者の力、日本の労働者の力、戦後日本労働運動の全蓄積が凝縮して生み出した闘いでした。
時代は変わり、後退を強いられてきた労働運動がいよいよ荒々しく復権しようとしています。JRでも、安全や技術継承、労務政策の破綻という形で民営化の矛盾が噴出しています。「平成採用」の若い労働者が動労千葉に結集し始めています。この矛盾を突いて闘えば、民営化体制を突き崩して力関係を逆転し、1047名闘争の勝利をかちとることができます。
「4者・4団体」の最も犯罪的なところは、1047名闘争が20年間、必死で築き上げてきた地平を自ら投げ捨てようとしていることです。
政府や鉄道運輸機構が1047名闘争に終止符を打とうと動き出した目的は明白です。危機に揺らぐ自公反動政権は、唯一の延命の道として、公務員労働者への200万人民営化—首切り攻撃をはじめ、さらに激しい階級戦争に訴えようとしています。そのために、国鉄分割・民営化攻撃に最終的な決着をつけなければいけないと判断したのです。
1047名闘争がすべての労働者の怒りを結集する闘いの先頭に立てば、闘いは間違いなく爆発的に前進します。
私たち3労組は、国労5・27臨大弾圧粉砕闘争めぐり、弁護団の解任にまでいたった分岐についての意見の違いを超えて、1047名闘争が日本のすべての労働者の未来と権利をかけた闘いであるという点で一致して、本日の集会を呼びかけました。8被告全員の無罪を獲得しなければなりません。私たちの責任は重大です。動労千葉は、1047名闘争の当該として、JR民営化体制を打ち破って解雇撤回の勝利をかちとる日まで闘いぬきます。
われわれこそが、1047名闘争の勝利に責任を取りきる勢力として最前線に登場しましょう!
最後に、当面する課題について訴えます。
第一に、09春闘に向けて、大幅賃上げ獲得、最低賃金引き上げ、非正規職撤廃を求める怒りの声を結集することです。資本主義の断末魔のあがきが労働者への攻撃を激化させ、インフレが生活を破壊しようとしています。誰もが心の奥底で、「生きさせろ!」「ゼネストが必要だ!」と叫んでいます。
われわれがなすべきことは、「できる! 団結すれば絶対にできる!」という声をそれぞれの職場、地域にとどろかせることです。
第二に、憲法改悪阻止の大運動を組織することです。戦争を生み出す元凶は資本主義の危機です。それをとめられるのは労働者の団結した力です。ILWUの仲間たちは、イラク戦争に反対して米西海岸の全港湾をストップさせる歴史的なメーデーストに立ち上がりました。UTLAの仲間たちは、学校から募兵官をたたき出す闘いを続けています。日本でも、教育労働者、沖縄の仲間、三里塚の農民、弁護士戦線の同志たちがすばらしい闘いに立ち上がっています。この闘いに続き、反動麻生政権を倒そう。
第三に、国境を越えた労働者の団結をもっと大きく広げることです。今日この場には、誇るべき民主労総の同志たちが多く駆けつけてくれました。韓国の100万人の決起は、全世界の労働者に、労働者はけっして打ち砕かれない力を持っていることを示してくれました。新自由主義政策は全世界に、自らの墓掘り人である膨大な労働者の闘いを生み出しました。
「団結」の二文字が、労働者が生き抜くために絶対に必要なものになっています。マルクスは『共産党宣言』の最後に「万国の労働者、団結せよ!」と記しました。その深い意味が、今ほど切実に理解できる時代はありません。
職場・地域から闘いを組織しよう。闘う労働組合の全国ネットワークをつくりあげよう。国境を越えた労働者の国際連帯闘争を発展させよう。闘う労働組合を歴史の最前線に登場させよう。
第2章 団結を深めるチャンスだ 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部副委員長 高英男さん
今回の集会を開催するにあたって3労組では、例年になく事務局会議を多く開催し議論を重ねてきました。当初多くのところから開催を危ぶむ声も聞こえるほど、労働戦線での闘い方の違い、意見の違いが見えてきたのです。
だからこそ3労組は、「違いがあれば原則に立ち返り議論を進める」ことを基礎に置き、議論を進めました。すべての違いが埋まったわけではなく、歩み寄れない部分も残っていますが、この集会を何があっても開催することでは一致していました。
10年前に始まった3労組による呼びかけ集会の当初の目的は、当時、国鉄闘争において圧倒的に少数で孤立しながらも原則的で戦闘的に闘っていた動労千葉を支援することでした。
国鉄の分割・民営化攻撃が組合つぶしを目的として行われたことは、中曽根の発言でも明らかです。この国家的不当労働行為を許せば日本労働運動の根幹にかかわることであり、日本労働運動を再生させる意味でも国鉄1047名の解雇を許してはならないとして、3労組の呼びかけ集会が始まったのです。
そして3労組がそれぞれ違った闘いの中で地平を切り開いてきたことを教訓に、多くの地域や職場で闘っている仲間が結集し「闘う労働組合のネットワークをつくりだそう」という集会に位置づけてきました。
3労組も多くの違いを持っています。違いがなければ別々の労働組合でいる必要はないのです。この3労組集会の特色は、3労組がそれぞれ違う産業・職場で闘い成果を上げてきたことです。
港合同は田中機械の大争議を勝利し、「連合・JAM」と決別し、大阪南の地域を拠点として地域の砦(とりで)の役割を果たす闘いを現在も進めています。
動労千葉は、国鉄闘争において少数であってもストライキを背景に「分割・民営化」に反対して闘い抜き、千葉において拠点を築きました。
関西地区生コン支部は、関西の地において生コン産業で産業政策を武器に産業別運動を闘い抜き地平を切り開き、現在も独占セメントメーカーを相手に闘っています。
私たち3労組は、この3労組の闘いが少しでも全国の闘う仲間に勇気と元気を与える集会にしたいと考えています。この集会にはいろんな労組や市民団体が参加します。いろんな多様性を内包できる集会でなければなりません。大衆組織や大衆運動にとって「意見の違いや矛盾」は、発展の原動力として活発に議論を深めることが相互に高め合う運動につながるのです。
3労組集会を始めて10年余りの間に多くの成果を積み上げてきました。一つには春闘時に共同の決起集会を東西で開催し、春闘を戦闘的に闘うことを誓い合いました。06年の春闘時には、3労組による春闘討論集会を関西で開催し、各地で労働学校や協同相談センターの開設を呼びかけ、各地で現在もその取り組みは継続されています。
そして05年1月、私たち関西地区生コン支部にかけられた弾圧によって、武委員長以下6名の役員が逮捕・長期勾留されました。3労組共闘による戦線は、弾圧があった当日も一番に駆けつけ、私たち生コン支部への激励と家宅捜索を続ける警察権力へ抗議するなどの行動を真っ先に行ってくれました。
このように、この10年余りの取り組みで積み上げた成果・深めた団結は計り知れないものがあります。3労組は、意見の違いを認め合いながら、いかに共闘戦線を広げていけるのかを真剣に議論しました。
闘い方の違いや意見の違いが見えた時ほど、団結を深めるチャンスであり、現在の社会情勢は私たちに闘いの条件を与えています。この社会情勢に対して職場要求を基礎に果敢に闘う労働組合を全国各地でつくり出し、増大する非正規労働者を組織化し、官公労たたきを打ち破り、国鉄1047名の解雇撤回を求める闘いを進めることを、本集会参加者一人ひとりの課題としようではありませんか!
全国の闘う労働者・労働組合との団結をかちとろう!