2008年11月 3日

タクシー労働者の団結と闘い 一律大幅賃上げを! 規制緩和許さず安全輸送確立へ

週刊『前進』08頁(2366号2面3)(2008/11/03)

タクシー労働者の団結と闘い
 一律大幅賃上げを!
 差別・分断の格差賃金と対決
 規制緩和許さず安全輸送確立へ

 俺(おれ)らが車両を回しているんだ。タクシー労働者の生活危機と安全輸送の崩壊——。
 敵が労働者を殺す自由を謳歌(おうか)している。死ぬんじゃないぞ、仲間たちよ。
 小泉「構造改革」のひながたのタクシー産業は経営と労働者の利益が全面的に激突している。
 経営は、営業収入の減少に左右されずに利益を確保するために、賃下げ、賃金分配率引き下げ、累進歩合給制度など過酷な賃金制度の構築に躍起になった。そんな土壌が作られると、台数確保(増車)が権益になる。労働力を確保できれば、すぐ利益を生み出す。失業率増大がそれに拍車をかける。
 需給調整は、利益の追求という動機からは生じないので、多すぎるタクシーを減らせという現場の声を袖にする。
 タクシー労働者の現場は、賃金労働条件が極限的に悪化し、交通事故が激増し、安全輸送が破壊された。賃下げ合理化、最低賃金法違反、生活保護以下の賃金、権利侵害、生活破綻、家庭崩壊、過労死、自殺の日常化など深刻化の一途をたどる。タクシー労働者の生活危機は、涙と怒りなしには語れない。
 交運グループ共闘会議は、2001年春闘での経営の労働者殺戮(さつりく)宣言以来、長期闘争を貫徹してきた。昨年の和解条件と「労働者の労働条件改善を主目的にうたった運賃値上げ」などによって、08春闘では一部手直しが行われた。しかし、夏の一時金も大幅引き下げ、地域特性の燃料手当の回答は刺激的だった。
 以下は要求書。「大失業時代だから労働者は使い捨て、代わりはいつでもあるとの考えは許されない。生活と権利のために団結活動を行う。①一律20万円を支給する。厳しい北海道の冬を越す灯油は高騰し、諸物価の値上がりもすごい。生きるための糧が必要だ。月々の賃金は最低賃金だ。時間外労働も限界だ。飢餓賃金を補うため、暖かい冬を迎えるため、米をよこせ。灯油をよこせ。生きさせろ。②減車を行うこと。多すぎるタクシーと需給バランスの崩壊が安全輸送の崩壊、賃金・労働条件の悪化の原因だ。増車抑制にとどまらず、危急な減車に踏み込むこと。③現行の究極の格差賃金の是正を求める。08春闘で若干手直しがされたが、売り上げ激減、一時金の配分率改悪を考えると窮状は深刻だ。緊急措置が必要だ。未達成の際の格差支給を根本的に考え直すこと」
 これに対する回答は、強烈な格差支給と大幅切り下げで、世帯主2万円、独身者1万2千円である。これでは到底越冬できない。一月分の燃料代で終わりだ。
 経営は、労働者の怒りが「ひとつ」にならないように差別し分断する。それが究極の格差賃金である。
 タクシー運転者登録制度が発足した。それは、タクシー業界の危機が爆発することに恐怖し、矛盾の根本的解決から目をそらし、現場労働者に攻撃を集中する政策である。そのためのタクシー近代化センターの全国化を粉砕しよう。
 経営と労働者は非和解的だ。全世界で労働者、農民、漁民、民衆が激しく闘いを開始している。食糧暴動、ストライキ、革命。タクシー労働者の仲間たちよ! 卑劣な賃金政策と労務政策に断固として対決しよう。安全輸送を確立しよう。労働者が、お客を探し、車両を回し、売り上げを稼いでいるんだ。あいつらが責任を取らないならぶっ飛ばして、俺ら労働者がやってやろう。それを目指す団結と闘いを! 団結の究極の拡大が革命である。生きさせろ! 生きてやる!
 交運グループ共闘会議は08春闘で24時間ストを敢然と貫徹した。団結し、闘い、生き抜こう!
 労働者の団結でタクシー自由化、規制緩和、新自由主義をぶっ飛ばせ! 闘う労働者のネットワークを拡大しよう。
 (投稿/交運グループ共闘会議・渡海進司)