2008年10月27日

法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧1G 握手が「不正連絡」?!

週刊『前進』06頁(2365号6面2)(2008/10/27)

法大弾圧裁判 5・29デモ弾圧1G
 握手が「不正連絡」?!
 中島君が懲罰を弾劾

 10月22日、法大5・29デモ弾圧裁判(第1グループ)の第3回公判が、東京地裁刑事第15部(稗田雅洋裁判長)で行われた。
 冒頭、全学連副委員長の中島敦史被告(広島大学)が意見表明を要求した。中島君は、9月29日の第1回公判の終わりに「傍聴人と握手をし、不正連絡を行った」という言いがかりを東京拘置所の職員につけられた。暴力的に法廷から引きずり出された上、7日間の「閉居罰」が科された中での出廷だ。
 「閉居罰」とは、弁護人以外との面会や通信と、読書・自弁・ラジオ・日中に横になることの禁止のうえ、運動と入浴も週1回に制限される。入り口に向かってただ座り続けることを強制されるという許し難い懲罰なのだ。
 法廷に入り込んだ東拘の職員が被告人の言動をチェックし、拘置所に戻ってからデッチあげによる懲罰を科すことなど許されるわけがない。この日も、18人もの東拘職員が被告人の両脇や周囲に配置されている。
 中島君はまっすぐ裁判長を見据え、「すべての責任は、5カ月もの不当な勾留と東拘職員による重戒護を認めている裁判所にある。裁判官の指揮する法廷で起きたことで、こんな人権侵害が許されるのか。私には団結があり、革命家として不正連絡など無用だ。手を握っただけで、不正に連絡できる超能力もない。被告人の萎縮(いしゅく)を狙った悪意に満ちた暴力をやめよ。裁判への不当な介入とサンドイッチ戒護をやめさせよ。直ちに釈放せよ!」と要求した。
 森川文人弁護人も「このような戒護は必要ない。ただちにやめるべきだ」と意見を述べた。
 裁判長が「東拘職員による戒護権を認める。懲罰を阻止するための措置をとらない」と言い放つと、7人の被告人と傍聴席から怒りの声がたたきつけられた。

 第1章 検察側証人、次々「訂正」

 法廷には、3人の公安警察官が検察側証人として登場した。
 1人目の上田幸永は麹町署の公安刑事だ。法大市ケ谷キャンパスの実況見分を行い、5・29デモの状況を調書にまとめたという。しかし、検察官の主尋問に答えて最初に言ったことは、「訂正がある」だ。「学生が侵入した法大58年館の入り口を間違えて記載した」という。建造物侵入の実況見分で、肝心の「侵入」場所を間違えたというのだ。
 森川弁護人から「間違いに気づいたのはなぜか」と問われると、「捜査主任官から言われた」と答え、「正しい侵入場所は、大学職員の猪脇和夫の立ち会いであらためて聞いた」と言う。だが、そんな伝聞ばかりでは何も証明できない。
 さらに「全学連」が侵入したと説明するだけで5・29デモの参加者すら特定できない。法大生の闘いをも意図的に抹殺するデッチあげ調書だ。
 次は麹町署の公安刑事の太田善昭だ。太田は、逮捕当日の写真を使って、学生の着ていた服を特定する報告書を作成したという。あまりにもデタラメな公安刑事の報告書に、検察官も苦しまぎれの対応だ。
 検察官の主尋問は、ここでも訂正から始まった。「立証趣旨を変更し、逮捕当日に撮影された写真であることを証明したい」という。当然だ。肝心の写真が、いつ、どこで撮られたものか不明なのに「当日の服装」など特定できるわけがない。
 太田は井堀哲弁護人の質問に「撮影した状況は見ていない」と答えた。検察側の立証は完全に破綻した。
 3人目は、警視庁公安一課の久田秋彦だ。久田は、警視庁公安部の課長川島勇二の命令で、5・29デモの当日、朝7時30分から外濠校舎前の土手でビデオカメラを構えていた。撮影は昼休みデモが正門前を出発する午後1時30分ころにまで及んだ。
 西村正治弁護人が「大学に通ってくるすべての学生が撮影されている。問題だと感じなかったか」と尋問。「上司の命令どおりで、問題ない」と久田は答えた。久田は
外濠校舎入り口と正門周辺を見渡せる土手から6時間以上もひたすら学生を無差別に盗み撮りしていた。こんな違法なビデオ映像など断じて認められない。
 公安刑事どものデッチあげた「証拠」のデタラメぶりは許し難い。次回は、ビデオ撮影を行った法大職員、永島博文、小澤雄司、猪脇和夫が出廷する。学生への人権侵害をやめさせ、弾圧をとことん粉砕しよう!