2008年10月13日

三里塚反対同盟の闘争宣言

週刊『前進』06頁(2363号4面2)(2008/10/13)

三里塚反対同盟の闘争宣言

 第1章 青年の未来をかけ空港絶対反対貫く 事務局長 北原鉱治さん

 私たちは43年間、成田空港絶対反対を貫いてきた。43年間も「ごね得」をやってる人がいますか? 物をくれとか、金をくれとか、そんな要求をしたことは一切ない。だから三里塚の闘いがここにあるのです。
 成田空港には、「有事」の際にアジア防衛のためという名目で米軍50万人が配置されることがすでに明らかにされています。戦争へと歩む準備が進められている。
 これからの時代を背負う若い人びとの将来を考えたときに、成田空港絶対反対の闘いを貫かなくてはならない。
 今、労働者は安心して職場で働けますか? あの秋葉原で青年が起こした事件は、誰かが彼のそばにいて肩をたたいてやれれば、ああいう事態にはならなかったんじゃないかと、悔やまれてならない。
 この三里塚の大地に立ってほしい。ここに自らの力で未来を開く闘いがある。今日の集会を第一歩として元気に闘ってもらいたい。そして世の中を変える準備をしよう。

 第2章 畑が私の闘争現場一歩も引かない! 敷地内 市東孝雄さん

 空港会社が契約解除を通告してきたのが一昨年の7月。それから2年間、二つの裁判を闘ってきました。ひとつは空港会社が私を「不法耕作」として訴えた民事訴訟、もうひとつは千葉県の解除許可決定取り消しの行政訴訟です。また新たに10月12日をもって農地取り上げの裁判が起こされようとしています。
 私はこれを法廷だけの闘いだとは思っていません。三里塚43年の歴史は、力による農地強奪の歴史、法律も正義もありません。うそとだましの土地買収、そして力ずくで工事は続行。これが国とNAAのやり方です。
 だから私は一歩も引きません。畑をつくることが実力闘争です。畑は私の闘争現場です。この先、向こうが畑に手をかけた時点で、私は実力阻止の闘いをします。
 これは全国の反戦闘争や住民闘争の人たちにとっても意義のある闘いだと思っています。
 全国からここに集まったみなさん、「反対する会」の方々の支援があり、群馬でも新たに「守る会」が設立されました。本当に勇気づけられています。自分の生きる権利をかちとるために、これからもどんどん闘っていきたいと思います。
 ともに闘いましょう!

 第3章 現地攻防・裁判闘う北延伸を許さない 基調報告 萩原進さん

 安倍・福田が政権を投げ出して、小泉が逃亡し、麻生内閣が発足した。そして中山が本音で話をして反発を受けてやめた。麻生は、日本を回ってみんなの意見を聞くんだと言っている。だが、民衆が怒っている現実はわざわざ回らなくても誰でも知っているだろう。労働者が、農民が、そして老人や「障害者」が生きられない、殺される。そんな社会をつくったのはだれか! こうした中で自民党政権が右傾化・反動化・強権化していくのは間違いない。
 この間4人の農林大臣が任期をまっとうできずに辞めた。それだけ農業問題は今むずかしい。防衛族の石破などにできるはずがない。
 世界を見ればアメリカで住宅バブルが崩壊し、金融恐慌の波が襲っている。制御できない怪物が世界を席巻している。これこそ資本主義の姿だ。
 今、労働者は働いても食べられない。農民もやっていけない。根源は同じじゃないか。だから一緒に闘おうと呼びかけたい。同時に「軍事空港反対」を貫こう。
 暫定滑走路北延伸の狙いは、北に延ばすだけじゃない。頭上40㍍に大型ジェット機を飛ばし、その重圧で東峰の住民を追い出し、滑走路を南側にも延ばして4000㍍近いのを造る、そして三里塚闘争をつぶす。これが真の狙いだ。
 だがわれわれは今こうして「空港内」予定地真ん中で集会をやっている。市東さんも胸を張って大道を歩き、空港反対を唱えている。空港では開港30周年イベントなどやっているが、結局まだ完成なんかしていない。農民と全国の労働者が主導権を握っているのだ。
 三里塚と動労千葉との共闘をもっと結合し発展させ、全国化していくことが必要だ。そして反戦・反核、反差別など、あらゆる階層で闘っている人との結合を求めなければならない。
 国境を越えて闘う労働者・農民、国際連帯の絆(きずな)を作り出すことも急務だ。戸村委員長や羽仁五郎が言ったように「三里塚を労農コミューンに」していこう。
 われわれは来春3月29日に全国集会を開催します。来春に向け彼らも必死に攻撃してくる。現地攻防戦を闘いつつ、裁判闘争支援を大衆的に拡大しよう。やはり数の結集は決定的だ。3月はもう間もない。みなさんそれぞれがもう一人の同志を募って3・29に参加してください。
(事務局次長)