2008年10月13日

市東さん“農地に手をかけたら実力阻止” 10・5三里塚 中山「ゴネ得」発言に怒り

週刊『前進』06頁(2363号4面1)(2008/10/13)

市東さん“農地に手をかけたら実力阻止”
 労農連帯の力に勝利を確信
 10・5三里塚 中山「ゴネ得」発言に怒り

 10月5日、成田市東峰で三里塚芝山連合空港反対同盟主催の全国総決起集会が開催され、1420人の労働者・農民・学生・市民が「市東さんの農地を絶対に守る」「暫定滑走路の北延伸を許さない」という決意をみなぎらせて大結集した。

 第1章 闘いの主導権はわれわれに

 集会会場はそびえ立つ空港のフェンスに囲まれた反対同盟・萩原進さんの畑だ。目の前の空ではひっきりなしにジェット機が爆音を立てて離陸していく。大量動員された機動隊の検問を抜けて会場にたどりつくと、黒い豊かな土の耕作地がこの日ばかりは数多くの人びとの色とりどりのゼッケン、旗・のぼり、横断幕で埋められている。
 正午、婦人行動隊の鈴木加代子さんの司会で集会が始まった。
 関西から千葉県佐倉市に移り住み反対同盟に加わった森田恒一さんが「91歳を迎えた。敵の心胆を寒からしめる闘いを」と力強く開会宣言。
 北原鉱治事務局長が主催者あいさつに立ち、「43年間”空港絶対反対”を貫いてきた。金や物をくれなどと要求したことはない!」と中山前国交相の「ゴネ得」発言を厳しく糾弾した。
 萩原進事務局次長が基調報告を行い、「成田空港はいまだに完成せず、われわれは空港予定地のど真ん中で堂々と集会をやり、闘いの主導権を握っている」と三里塚の勝利性を確認、来春3・29全国集会への大結集を訴えた。ここで、萩原さんの著書『農地収奪を阻む——三里塚農民怒りの43年』が10月24日に発刊されることを伊藤信晴さんが発表し、紹介した。
 動労千葉の田中康宏委員長が特別報告に立った。車の両輪としてともに歩んできた反対同盟との共闘の歴史をふりかえるとともに、4者・4団体路線を怒りを込めて弾劾、11・2労働者集会への大結集を呼びかけた。
 続いて全関西実行委世話人の永井満さんと山本善偉さんが発言に立った。永井さんは「反対同盟と動労千葉の闘いに学んで”いざ鎌倉”というときには駆けつける。代執行当時の実力闘争を再び闘うつもりで農地強奪攻撃を打ち砕く」との決意を表した。
 地元千葉県の北総農民が演壇に立ち、農家が置かれている「このままではやっていけない」窮状を具体的に報告した。さらに「全国農民の闘いは必ず三里塚闘争に合流する。農業は資本主義のアキレス腱(けん)。今の社会を変えるしか農民の生きる道はない。反対同盟と動労千葉が切り開いてきた労農連帯を、全労働者と全農民に拡大し勝利を」と訴えた。
 鈴木謙太郎さんが反対同盟の「農民アピール」を読み上げた。さらに秋田県農民のメッセージが紹介された。
 沖縄から駆けつけた知花盛康さんが発言に立ち「沖縄の農民として、市東さんの土地を奪おうとする攻撃にがまんがならない。沖縄の反基地闘争が示したように、民衆が体を張って闘えば巨大な敵を倒し勝利することができる」と訴えた。

 第2章 市東さん発言NAAを撃つ

 マスコミの注目の中、市東孝雄さんが登壇した。カメラが殺到し、拍手と声援が一段と高まった。市東さんは「NAA(成田空港会社)が私の農地に手をかけてきたら実力で阻止します」ときっぱりと宣言し、万雷の拍手を浴びた。この発言は日帝とNAAを決定的に打ちのめした。
 さらに市東さんとともに大挙登壇した「市東さんの農地取り上げに反対する会」、そして発足したばかりの「群馬・市東さんの農地を守る会」から、それぞれ代表がともに闘う固い決意を表し、市東さんと手をつないで高く差し上げ、連帯と勝利の報告を行った。
 9月25日の現闘本部裁判の前に公務執行妨害で不当逮捕され奪還された太郎良陽一さんが弾圧粉砕の報告を行った。
 裁判闘争報告として、葉山岳夫弁護士を始め反対同盟顧問弁護団5人が登壇し全員が発言。葉山さんは「収用法による裁決が不可能になった今、政府・NAAは裁判所を事実上の収用委員会に仕立て上げ、現闘本部や市東さんの農地を収奪しようとしている」と弾劾、違法不法な土地強奪、反対同盟つぶしの策動を許さない決意を表した。
 婦人行動隊の宮本麻子さんがカンパアピール。
 住民団体として婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さんが「三里塚は労農連帯の実践道場、世界に誇る反戦闘争のとりで」と熱い連帯を表明。8月婦民総会の大成功を報告して「婦人民主クラブ結成の原点に立ちきって闘う」と宣言。11・2への結集を訴えた。さらに反戦被爆者の会・下田礼子さんのメッセージが紹介された。
 共闘団体の発言で全学連の織田陽介委員長は怒りをあらわに、「中山は農民の誇りをかけた闘いを私利私欲と呼んだ。ふざけるんじゃない。サブプライムローンでボロもうけした連中に日銀は大量の資金を投じて救済しようとしている。あいつらこそ私利私欲じゃないか。労働者・農民の実力で打ち倒そう!」と叫び、11・2への1万人大結集を呼びかけた。
 集会の最後に野平聰一さんが中山暴言を弾劾し農地取り上げ攻撃との対決を訴える集会宣言を読み上げ、伊藤信晴さんがガンバローを三唱。ただちに北総大地を揺るがすデモに打って出た。

 第3章 現闘本部まで戦闘的なデモ

 東峰部落を通り、団結街道を北上、封鎖されている天神峰現地闘争本部わきの市東さんの耕作地まで、市東孝雄さん本人を最先頭にデモ行進を貫徹した。この土地が現闘本部建物とともに、暫定滑走路の誘導路を「へ」の字に曲げている。
 畑には緑の作物が並び、あるいはマルチが張られて、きれいに整えられていた。NAAは市東さんに対し10月12日以降にも「賃貸借契約は終わりだ。この畑を明け渡して出ていけ」という提訴を行おうとしている。法も常識も無視した暴挙だ。だがそれこそ敵の焦りと行き詰まりの現れだ。市東さんとともに闘おう! 労農連帯の力で勝利しよう!