2008年10月13日

資本攻勢&労働日誌 2008 9・24〜10・2 労働者派遣法「見直し案」発表

週刊『前進』06頁(2363号2面3)(2008/10/13)

資本攻勢&労働日誌 2008 9・24〜10・2
 労働者派遣法「見直し案」発表

●労働者派遣法の見直し案を建議 労働政策審議会は厚生労働大臣に対して、日雇い派遣の原則禁止を柱とした労働者派遣制度の見直しについて建議した。(9月24日)=要旨別掲
●鉄建公団訴訟、12月に結審 鉄建公団訴訟の控訴審で東京高裁は12月24日に結審することを決めた。来年、判決が言い渡される見通し。(24日)
●生活保護世帯、前年度比2.7%増加 厚労省が発表した社会福祉行政業務報告によると、07年度に生活保護を受けた世帯数は1カ月平均で110万5275世帯と前年度比で2.7%増。(26日)
●労働者派遣の「クーリングオフ」禁止の通達 厚労省は派遣労働者の派遣期間終了後に、企業が3カ月の「クーリング期間」と1日だけ直接雇用し、再度派遣に戻すこと(「クーリングオフ」)を違法とする通達を出した。多くの製造業で09年に最長3年の派遣満了期間を迎えるための措置。(26日)
●中山前国交相が「日教組をぶっ壊す」発言 中山前国交相は宮崎市で「日本の教育のがん(ママ)が日教組。日教組をぶっ壊すために私は火の玉になる」「日教組。全員ではないが、過激な一部が考えられない行動を取っている。教育基本法改正の時も、毎日、何百人という先生が国会議事堂を取り巻いていた」と25日に続き日教組批判の暴言を行った。(27日)
●「名ばかり管理職」厚労省基準に反対続出 連合は厚労省が9日に発表した「管理監督者の新通達」に反対する緊急集会を開催。日本労働弁護団も意見書を発表。これらを受けて厚労省は10月3日に基準を見直した。(29日)
●自治体職員の28%非正規 自治労発表の地方自治体職員の勤務実態調査で臨時雇いや非常勤などの非正規職員が全体の27.8%を占めることが判明。非正規職員の少なくとも67.1%が「年収200万円以下」と見られる。(29日)
●8月の完全失業率悪化 総務省発表の労働力調査だと8月の完全失業率は4.2%で、前月比0.2ポイント悪化。厚労省発表の一般職業紹介状況だと8月の有効求人倍率は0.86倍と前月を0.03ポイント下回り04年9月以来の低水準。(30日)
●銚子市立総合病院が診療休止 銚子市立総合病院が反対の声を押し切って診療を休止した。(30日)
●経団連、消費税の5%引き上げなど提言 日本経団連は社会保障費の財源として消費税率を現行の5%から10%に引き上げると提案。(10月2日)
----------------------------------
 厚労省労働政策審議会の報告書要旨
(1)日雇い派遣の原則禁止
 日雇い派遣や雇用期間が30日以内の労働者派遣は原則禁止。ただし、通訳など18業務は例外として認める。
(2)派遣料金や手数料率の公開
(3)「グループ派遣」の制限
 企業内の派遣会社がグループ企業に派遣する人員を8割以下に制限する。
 報告には、①登録型の規制強化②均等待遇原則の法制化③「みなし雇用制度」  を求める労働側の意見を付記したのみで、派遣労働を増大させた、仕事のある時しか働けない「登録型派遣」への規制強化は見送られている。
 これを受けて厚生労働省は今後、法案要綱作成に入る。