2008年10月 6日

対象地特定できず 農地強奪阻止行政訴訟 県の処分は無効だ

週刊『前進』08頁(2362号7面5)(2008/10/06)

対象地特定できず
 農地強奪阻止行政訴訟 県の処分は無効だ

 9月30日、市東孝雄さんが千葉県を相手取り、農地賃貸借契約の解除許可処分の取り消しを求めた行政訴訟の、第5回弁論が千葉地裁で開かれた。NAAが市東さんが一度も耕したことのない土地を「市東さんの賃借地だ」と誤って決めつけていることを、反対同盟は当初から明らかにしてきたが、被告・千葉県は「それが賃借地ではないなら原告には訴えの利益がない」ととんでもない暴論を主張しだした。耕作地の場所を正確に特定すらできずに、3代90年耕してきた畑を奪おうというのか。恥を知れ!
 弁護団は「訴えの利益がない」との主張が途方もない失当であることを明らかにする準備書面を提出し、陳述を行った。被告・千葉県の代理人弁護士は「検討してから……」と一言の反論すらできないありさまだ。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。冒頭に、中山国土交通相発言に対する反対同盟の怒りの抗議声明が発表され(3面に全文)事務局の鈴木謙太郎さんが読み上げた。
 続いて市東孝雄さんが「この裁判に勝たなくては先に進めない」と不屈の決意を述べた。
 北原事務局長は、群馬での市東さんの農地を守る会の発足を喜びをもって確認し、「モノや金をくれと言ったことは一切ない。軍事空港阻止の闘いを43年非妥協に貫いてきた」と中山発言を痛烈に批判した。
 守る会の発足に奔走した群馬の青柳晃玄さんは、市東さんに学び10・5全国集会に大挙参加すると決意を述べた。
 さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の滝口誠さん、関実の松原康彦さんが次々とあいさつをした。
 萩原進事務局次長が発言に立ち、「NAAは10月11日以降にも市東さんの土地明け渡しを求めて提訴してくるだろう。来るなら来い! われわれは9・25の激突で一歩も引かず勝利した。10・5全国集会で農地を絶対に守ると宣言し、現地をデモ・集会が連日連夜席巻している状況をつくろう」と訴えた。次回弁論は年明けの1月20日。