資本主義は終わった!労働者のための世界をともにつくろう 東京北部集会の基調報告(要旨)
11・2労働者集会 UNITE!
11・2一万人決起で賃上げゼネストへ前進を
資本主義は終わった!労働者のための世界をともにつくろう
東京北部集会の基調報告(要旨)
9月23日、東京・北部労働者集会が66人の参加で開かれました(前号既報)。青年労働者が行った基調報告は、世界金融大恐慌=世界革命の時代に、労働者階級はどう生き、かつ闘うのかを鮮明に提起し、11・2への熱烈な檄(げき)となりました。その要旨を紹介します。(編集局)
第1章 今日はどういう日なのか
報道でも言われているように、麻生が自民党の総裁になった。だけど、そんな生易しいことではない! 金融大恐慌がもう始まった。もっと言えば“資本主義は終わった!”ということです。
資本主義始まって300年の中で、いまだかつて体験したことのない史上最大の危機が到来している。はっきり言ってハンパない状況です!
明日いきなり職を失ってもなんらおかしくない状況になっていることをはっきりさせたい。
グリーンスパン米連邦準備制度理事会の前議長が「1世紀に1度の危機だ」と言っています。今起こっていることは、29年恐慌なんか、へでもないくらいのとてつもない状況だということです。
これに対して国はこの事態についてどうしているのか? 「このままじゃ資本主義が終わる」という恐怖から、日米欧の中央銀行が36兆円もの資金供給を行い、アメリカはさらに72兆円の公的資金を投入しようとしている。日本も同様だ。
公的資金とは、私たち労働者から奪い取っていったものです! ふざけるんじゃない! なんでオレたち労働者が新自由主義の破綻のツケを払わなければならないんだ!
ごく一握りの人間が「もうけるためにどんなことだってしていい」と、民営化や規制緩和、とんでもない貧富の格差をつくりだし、世界中で戦火をばらまき、ありとあらゆることを許し、職場で今のような労働を強いて、オレたちの生活をここまでどん底にたたき落とした新自由主義の破綻に、なぜわれわれ労働者が責任を取らされなければならないのか!
もうガマンできない! オレたちが一体どれだけ必死に働いてると思っているんだ! 金で遊んでいるような、金のために戦争をするような、いきなり首相を退陣するような無責任なやつらの責任を、なんでオレたち労働者が取らなきゃならないんだ! 絶対に許さない!
●世界は革命情勢だ
世界は革命情勢だ。なぜかというと、以上のような状況と、そして私たちが会社では徹底的に物のように扱われている、ということです。労働条件が厳しい、人が足りない、事故を起こしても「自己責任だ」と会社から処分される、労働時間が長い、残業代が出ない、有給だって取りにくい、物価が上がっても賃金は上がらず、むしろ目減りしている。介護保険や後期高齢者医療制度、住民税が上がって、家計は圧迫されている。
働きたくても仕事がなければ「やる気がないニート」と呼ばれ、仕事があってもダブルジョブ、トリプルジョブで命を削って働くしかないワーキングプア……。どっちに転がっても“もう私たち労働者は生きていけない”ということです。それは、この資本主義社会が労働者を食わせていけなくなったということです。資本主義は終わっている。
そして、ただ絶望だけじゃない。この現状に「ふざけるな、生きさせろ!」——そんな思いで世界中の労働者、日本の労働者がストライキに立ち上がっている。そしてここに集まっている人たちがいる。それはどういうことか。
新しい時代が始まろうとしているのです。そしてその新しい社会の主人公は、私たち労働者階級だということです。
第2章 資本主義はどう終わっているのか?
金融大恐慌が始まった。これはサブプライムローンの破綻から始まりました。
サブプライム問題に関して言えば、一つ目にはそれが破綻することは誰の目にも明らかだったということ。二つ目には、危険を承知でサブプライムローンで食いつなぐということが資本主義を維持する上で絶対に必要なものだったということ。三つ目には、そのサブプライムローンの破綻を引き金にして、今まで無理やりとり繕ってきた資本主義の経済システムが芋づる式に破綻しているということです。
それが食料、原油の高騰という形から入り、ついにはリーマンブラザーズを始めとした投資銀行の破産、株価の下落というように、この社会システムの根幹を成す金融にまで打撃を与えているのです。今まで隠しに隠し、無理やりなんとか問題を先延ばしにして回し続けてきた資本主義の構造的欠陥・矛盾が、サブプライムローン問題で一挙に、しかも全世界で噴出した。これは新自由主義の破綻です。
ではこの新自由主義はいつから始まったのか?
1970年代までは、この社会はある程度、私たち労働者を食わせていくだけの余裕がまだありました。資本主義とは本来、資本家が労働者の労働を搾取して、そのもうけで成長していくものであり、放っておけば労働者を死ぬまで搾取を続けてしまう。しかし、あまりにも賃金を下げたり、生活を保障できないと労働者が怒って立ち上がってしまう。だから国が資本の行動に対してある程度の規制をかけ、労働者が生きていけるだけの賃金と福祉を整えたのです。しかし、そんな時代も長く続かなかった。労働者を食わせていけるだけの余裕がなくなったからです。
そこで登場したのが新自由主義でした。国鉄分割・民営化から約20年、小泉内閣以後の「構造改革」攻撃のもとでどうなったでしょうか? 郵政の民営化、タクシーの規制緩和、給食の外部委託、介護保険、有料老人ホーム……。まさに新自由主義のど真ん中にたたき込まれ、徹底的に分断され、労働者の生活も、安全も、労働者の誇りもすべて経営の利潤の名のもとに捨てさせられている。もうこのままでは、労働者は生きていけないところにたたき込まれた。
新自由主義とは、資本主義の本来の、しかも最後の姿——つまり労働者にとってみたら資本主義最後の攻撃だということです。労働者にとって、新自由主義こそが敵だ、ということです。
やつらは私たちになんと言っているか。「職場がうまく回らないのは、あの労働者がさぼっているからだ」「人員がいないなら、その人員でなんとかしろ。それができないのはお前の能力がないからだ」「残業代はつけられない。でも責任は最後まで果たせ」………。
ふざけるな! “人間らしい生活や、職場の安全なんてどうだっていい。とにかく1円でも多くもうければいいんだ”と言ってるんです。だからこそ私たち労働者は、こんなにも激しく怒るのです。
だからこそ言える。福田首相が倒れたのは自ら倒れたのではなく、この新自由主義に「もうガマンならない!」と闘ってきた私たち、日本中の労働者の怒りが倒したのだということです。
●グルジアから見える、世界で戦争が始まろうとしている!
資本主義国家はどうしようもなくなったら必ず戦争という選択をします。他国に侵略しないと自分の国の経済が崩壊してしまう。石油の利権であったり、新たな市場を分捕ろうと思った互いの国が、私たち労働者を使って殺し合いをさせる。
グルジアをめぐってのロシアとアメリカをみればわかります。グルジアを通る石油パイプラインや天然ガスの利権・支配権をめぐって水面下でえげつない駆け引きをしている。イラク戦争も、今となっては石油利権のための戦争だったことは明白です。
第3章 全世界で労働者の反乱が始まった
だがそんな中、黙っていない人たちが世界中にいる。それが私たち労働者であり、労働組合です。今世界中の労働者がゼネストで“生きさせろ、賃金を上げろ、民営化反対”と闘っています。「経済に打撃を与えてこそのストライキだ!」と、ヨーロッパでは鉄道労働者が、郵便労働者が、教職員が、福祉労働者がストライキをバンバンやって、すごい闘いが繰り広げられています。
インドではトラック労働者が300万人でストライキ、アフリカでは食糧暴動、アメリカのディズニーランドのホテルではミッキーや白雪姫の格好をした労働者が「賃金上げろ」と千人規模の抗議を行っています。今やミッキーやピーターパンも「生きさせろ!」と闘っているのです。
そんな中、今年のメーデーですごいことが起きました。それはILWU(国際港湾倉庫労組)というアメリカ西海岸の上から下までを占める労働組合が、「もうイラク戦争なんて認めるか。オレたちを生きさせろ!」とストライキをやりました。するとそれにイラクの港湾労働者が、この勇気ある行動に連帯して、1時間のストライキで応えたのです。
その瞬間、侵略している国・されている国という対立構造が吹っ飛んで、同じ労働者として共通の問題を闘い、軍事物資の輸送を止めてしまったのです。労働者が立ち上がれば戦争は止められるということです。つまり、この世界は労働者が動かしている。だからこそ次の社会の主人公は私たち労働者=労働者階級だということです。
●労働者の闘いを捨てる10・24集会は認められない!
「立ち上がっていないのは日本だけ」——そんなことでもない。現に農民・漁民やトラック労働者が立ち上がっている。その中で本命中の本命、労働者・労働組合の決起が遅れているのです。それはなぜか。
日本の労働組合が立ち上がっていないのは、立ち上がろうとする労働者を徹底的につぶしにかかろうとする連中がいるからです。それが、闘わない体制内組合(御用組合)の執行部だということです。
テレビでは11月にも総選挙だと報じています。では民主党に1票投じることが労働者の選ぶべき道なのでしょうか?
答えはNOです。両方の傘下の連合・全労連の現場での闘いを見ればわかります。本来なら労働者の最先頭で闘うべき人たちが裏切って、しかも闘おうとする人をつぶしにかかる。これが体制内組合の今の姿です。絶対に許せない!
私たちがすべきことは会社のイヌになった御用組合執行部など絶対に認めず、闘う労働組合を取り戻すために絶対に引かない闘いをすることです。それは、国鉄分割・民営化に絶対反対し、解雇された1047名の解雇撤回を掲げて20年以上闘い抜いている国鉄闘争と、その先頭で闘っている動労千葉のように闘うことなのです。
4者・4団体による「10・24集会」は、この国鉄分割・民営化反対闘争を終わらせ、解雇撤回を下ろそうとしています。民営化=新自由主義を受け入れ、これから立ち上がってくるたくさんの青年労働者の希望を絶望にしようとしている。オレたちに人間らしい生活をするなと言っているのだ。そんなことは絶対に認められない!
この国鉄分割・民営化との闘いと青年労働者が結びつけば、ものすごいことになります。しかも民営化反対は全世界の労働者の共通の闘いであり、世界中の労働者とつながる闘いなのです!
とにかく怒れ、激しく怒れ! 本当に資本主義は労働者を食わせていけなくなった! あなたの仲間はたくさんいる。その胸にある怒りを引っ張り出して立ち上がろう!
第4章 まずは職場でガンガン闘おう!
職場を私たち労働者の手に取り戻そう。偉そうなことを言っていた経営はもはや顔面蒼白(そうはく)です。あとはもう虚勢だけ。みんなが絶対に許さないと団結したら簡単にぶっ飛ばせる!
となりの労働者と団結しよう!
職場で起きているすべての矛盾は経営が起こしていることです。それを労働者同士でたたき合っても、向こうの思うつぼです。怒りを向けるべきは労働者ではない、経営だということです。もはや「自分ひとりがよければいい」なんていう時代は終わった。このままじゃ会社に殺されてしまう、というだけじゃなく、“会社のやっていることはおかしい、そんなこと許せるか、ふざけるな!”——その思い、怒りはみんな同じです。だからこそ労働者は団結できるし、ともに闘えるのです。職場で新自由主義に対して闘おう!
北部の職場闘争委員会では、「明日から職場でどう闘っていくか」を話す中で、どういう路線で闘っていくのか、団結するのかをみんなで話して、職場で闘っている。ここで団結しよう。そしてそれだけではなく、この北部地区に影響を及ぼす、強力な労働者の団結、ゼネストをやれるネットワークをつくろうということです。そしてそれで日本中の労働者とストライキで団結して、世界の労働者とゼネストで団結する。それを全世界の労働者と確認するのが、今年の11月集会だ!
第5章 今年の11月集会はすごいことになる
金融大恐慌、民営化、新自由主義。それに対する怒りは私たちだけのものではなく、世界中の労働者がみんな同じ怒りを感じています。だからこそ日・韓・米の労働者が集まる11月2日の全国労働者集会が決定的なのです。ここに来るアメリカや韓国の労働者と出会って5分くらい話をすれば、見ず知らずの、職場や職業が違うだけじゃない、国籍や人種、肌や目の色が違ったって、全世界の労働者とすぐにわかりあえてしまう。
世界中のみんなが今日まで新自由主義のもとでリストラ・賃下げ、過酷な労働で殺されそうになりながら、「いつかみてろよ」と思い、耐えに耐え続けてきた。そんな私たち労働者が会社や国、資本主義社会に対して一斉に“生きさせろ”の声を上げ始めたのです。
闘う労働者には、もはや国境や身分その他あらゆる差別・分断もない。あることはただひとつです。“オレたちを生きさせろ! それができないならオレたちに代われ! オレたちを生かすこともできない資本主義なんか終わらせてやる。なぜならばオレたち労働者がこの世界を動かしているからだ。社会の主人公はオレたちだ!”——これらをキーワードに、すべての労働者と無限に広がる団結をつくっていくために、職場と職場闘争委員会、北部、日本、世界の労働者と団結しよう。
11月2日に世界中の労働者と団結して、新自由主義と、経営と闘い、労働者のための世界をともにつくりましょう!