〈焦点〉 最初から危機に立つ麻生政権 労働者階級に権力よこせ
〈焦点〉 最初から危機に立つ麻生政権
労働者階級に権力よこせ
最初から結果の分かった総裁選に圧勝し、自民党新総裁となった麻生太郎が、9月24日の衆議院本会議で首相に選出され、麻生政権が成立した。しかし安倍、福田と2代続けて辞任に追い込まれた異常な事態が象徴する日帝の未曽有の体制的危機と自民党支配の崩壊を、麻生政権は絶対にのりきることができない。いや日帝の政治的危機はさらに激化し、階級情勢はいよいよ激突を深めていく。
安倍、福田と同様、麻生新政権を絶対的に規定しているものは、小泉政権の構造改革路線—新自由主義攻撃の破綻である。それが生み出した2000万青年労働者のワーキングプア化を先端とする、圧倒的な労働者階級人民の貧困と格差と「生きていけない」現実、それへの激しい怒りだ。それが麻生政権をも直撃する。しかも、自民党総裁選での大々的キャンペーンの思惑を無残に吹き飛ばした世界金融大恐慌の本格的爆発が、日帝と麻生政権を痛撃している。
最初からこうした絶望的な危機の上に立つ麻生は、それゆえに自公政権の枠内で「脱小泉改革」を標榜(ひょうぼう)し、一方ではペテン的に「基礎的財政収支の2011年度黒字化」の先送り、消費税率3年間据え置き、後期高齢者医療制度見直しなどを掲げ、他方では日米同盟の危機突破をかけて、インド洋での多国籍軍への無償給油活動の1年延長に全力を挙げようとしている。
日本経団連会長・御手洗は、日帝ブルジョアジーの階級利害をむき出しに、給油新法延長と、小泉改革の柱だった「基礎的財政収支の11年度黒字化」や「税・財政・社会保障制度の一体改革」、すなわち消費大増税、社会保障制度解体、公務員労働者への大リストラなどを露骨に要求している。
麻生自身は、朝鮮人強制連行・強制労働などで巨富を蓄えた九州の旧炭坑財閥の4代目で、イデオロギー的には「価値観外交」を叫び、「創氏改名は朝鮮人が願ったこと」などと公言してきた極右的政治家だ。この麻生にとって、そもそもまず近い将来、解散・総選挙にうって出ても、必ず勝利できる保証は何もない。また政権を継続できても、小泉改革の破産と労働者人民の怒りに痛撃されてグラグラになりながら、一方で戦争・改憲への策動を、他方では労働者への賃下げ・リストラ・首切りの攻撃を強めると同時に、「景気対策」「積極財政」の推進で、日帝の財政危機をさらに破滅的に拡大させることは不可避である。
しかしそれは、日帝の体制的危機と階級的激突をいよいよ激化させる。だが、今や連合と小沢・民主党が労働者階級の怒りと闘いを抑圧し、日帝の階級支配の最大の「安全弁」となっている。福田辞任情勢が示すことは、自民党支配・ブルジョア独裁の崩壊だ。だから今や自民党か民主党かなどではなく、労働者が団結し、プロレタリア革命に勝利し権力を取ることこそが問題となっているのだ。
11月労働者集会こそ、一切の体制内労働運動、国鉄闘争の4者・4団体路線を粉砕し、階級的労働運動の発展と革命勝利を開く決定的闘いだ。麻生政権打倒をもかけて1万人大結集を実現しよう。