2008年9月29日

道州制−自治体丸ごと民営化絶対反対、公務員200万人首切り阻止、人事評価拒否 革共同自治体労働者委員会 

週刊『前進』06頁(2361号3面1)(2008/09/29)

あらゆる職場と街頭で11・2労働者集会へ結集訴えよう
 道州制−自治体丸ごと民営化絶対反対、公務員200万人首切り阻止、人事評価拒否
 すべての怒りと闘いを11月へ
 革共同自治体労働者委員会 

 すべての怒りを11・2労働者集会1万人結集へ結びつけよう。自治体労働者は秋季賃金闘争—現業統一闘争を「民営化絶対反対! 生きさせろの大幅賃上げゼネストを! 自治労本部打倒!」の旗を掲げて闘おう。世界金融大恐慌の本格的激化と世界戦争危機、国際プロレタリアートのストライキが逆巻く革命情勢の中で闘われる11・2労働者集会1万人組織化のために、闘う自治体労働者は何をすればよいのか。革共同自治体労働者委員会から訴える。

 第1章 4者4団体路線粉砕しよう

 世界金融大恐慌の爆発に全世界のブルジョアジーが震え上がっている。資本主義がついに崩壊する! いったんは想像を絶する階級戦争と侵略戦争が労働者階級に襲いかかる。アメリカの大企業中心の公式統計だけで08年は100万人の首切りだ。一方でイラク、アフガニスタンへの侵略戦争はさらに激化し、グルジアを火点に世界戦争危機が進行している。
 しかし、資本主義の崩壊とは、労働者階級が社会の主人公として躍り出る革命情勢の到来を意味する。全世界の労働者のストライキ決起に続き、日本でも労働者人民の怒りが福田を打倒した。日帝は矛盾の噴出にのたうち回っている。階級意識の大流動は戦後革命期を上回りつつある。国家や資本主義への幻想は根本から壊れ始めている。
 日本階級闘争—日本労働運動は、中曽根による新自由主義攻撃の突破口、国鉄分割・民営化攻撃から89年総評解散—連合結成以来の後退局面を一挙に跳ね返し、動労千葉のように闘って歴史的な総反攻を開始する大転回点を迎えた。
 しかし、労働者階級こそ革命的階級であるというマルクス主義の立場に立てない日和見主義勢力は、帝国主義反動に総屈服し、社会排外主義に転落、動労千葉派への敵対と野合を急速に強めている。これら体制内派を圧倒し、革命情勢を革命に転化する決定的な日として11・2労働者集会1万人結集を実現しよう。

 第1節 国鉄闘争巡る大流動・大再編

 11・2労働者集会1万人結集をかちとるためにいかに闘うべきか。
 第一に、4者・4団体路線を粉砕し、国鉄1047名闘争をめぐる大流動・大再編情勢に勝ちぬくことである。
 国鉄1047名闘争の解体か大発展かの階級攻防が日本階級闘争の大再編情勢の最火点に押し上げられた。国労本部と一部闘争団指導部による4者・4団体路線は「労使関係の抜本的転換、連合との連携強化」を叫び、国鉄分割・民営化攻撃に最終的に屈服し、協力に転換する裏切り路線である。動労千葉を排除し、解雇撤回を投げ捨てて1047名闘争の幕引きを図り、連合への加盟を狙うものだ。国鉄分割・民営化反対闘争を敗北させることで自治労を始め全産別の数万、数十万の労組活動家の階級的心棒をたたき折り、階級総体を敗走に導く転向路線だ。
 この4者・4団体路線との対決は、新自由主義攻撃、〈道州制—自治体民営化—200万公務員労働者首切り攻撃〉への全面屈服を許すのか否かをかけた階級決戦だ。
 4者・4団体路線による解雇撤回の放棄、国労解散—連合化と国鉄闘争支援陣形・全労協などの解体・再編は、「自治労21世紀宣言」路線の物質化、すなわち2010年地公3単産組織統合による新たな公共サービス産別組織の発足、自治労(都市交、全水道)解散・解体の動きと完全に軌を一にしている。民営化への「対応」=協力を結節環に体制内労働組合運動総体が産業報国会化しようとしているのだ。
 4者・4団体路線推進派の多くは、国労や都労連、日教組、自治労を先頭に戦後労働運動、総評労働運動の継承派を自負してきた勢力だ。ところが、そのことごとくが東京清掃の区移管=民営化や東交の民営化、区職(東京23区)の現業民営化など民営化攻撃にすでに屈服してきた。彼らはそれを合理化するために4者・4団体路線派に結集し、1047名闘争解体を推進しているのだ。〈道州制—国・自治体丸ごと民営化〉攻撃への屈服と国鉄1047名闘争解体とは表裏一体だ。
 しかもそれは、連合—自治労本部の小沢民主党政権樹立という「権力闘争」の動きと連動している。革命情勢下にあって、労働組合をブルジョア独裁を本質とする階級支配の一角に組み込み、労働者階級の反乱—プロレタリア革命を圧殺する。それが〈連合—小沢民主党〉政権の本質的役割だ。
 結局、一切の構図は、国鉄分割・民営化絶対反対、解雇撤回の原則を貫く動労千葉を先頭とする闘う労働運動か、国鉄分割・民営化反対と解雇撤回の旗を引き降ろして支配階級と一体化する労働運動解体派か、という対決構造となっている。

 第2章 橋下大阪府政打倒突破口に

 第二に、だからこそ橋下大阪府政打倒の闘いを突破口に〈道州制—国・自治体丸ごと民営化粉砕・公務員200万首切り絶対反対・人事評価制度拒否〉の路線を打ち立て、革命的分岐をつくりだし、情勢の主導権を握ろう。この路線こそ自治労90万、すべての自治体労働者が真に団結することができる旗印である。
 大再編—大党派闘争情勢に勝ちぬくため必要なことは、自治体戦線で闘う革命的共産主義者の戦闘意志を土台に階級的自治体労働運動を路線的に確立することである。
 全国各地で闘われてきた職場闘争の実践がこの路線に魂を吹き込み、路線的確信となってきた。それは自治労千葉大会、橋下大阪府政打倒の闘いを突破口に一個の物質力となって自治労本部派の心臓を射抜き、打倒の恐怖を突きつけている。
 公務員労働者200万人首切りが道州制—国・自治体丸ごと民営化攻撃として始まっている。その最先頭に立っているのが「大阪から自治体革命を」「大阪維新」を呼号する大阪府知事・橋下だ。橋下を下から支えているのが大阪府本部を筆頭とする自治労本部派だ。このことを職場での本部派執行部との激突をとおして明らかにした。この闘いの先頭に大阪を始めとした青年自治体労働者が立ち、階級的団結を強化・拡大している。全国の力で勝利し、全国に波及させよう。
 日帝は、道州制導入—公務員労働者200万人首切り攻撃以外に延命策を持っていない。道州制とは既成の枠組みなどすべてをぶち壊して行われる「丸ごと民営化」だ。戦後的な地方自治を解体し、明治以来150年にわたる国家統治のあり方を根本からひっくり返す「究極の構造改革」だ。国鉄分割・民営化を突破口とする新自由主義攻撃、NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)行革攻撃の集大成が道州制導入攻撃だ。麻生内閣は道州制導入を最大の政策に決めた。

 第1節 現場の怒りを解き放とう!

 この一方で現在、自治労本部の主導権を握っているのは、ブルジョア支配階級に身も心も移行した労働組合官僚どもだ。彼らは、03年に「自治労不祥事」を使った日帝の自治労解体・民営化攻撃に震え上がり、「自治体労働者の階級的使命」を削除し、資本・当局との対決を放棄した新綱領「21世紀宣言」を強行決定した。国鉄分割・民営化反対闘争を反動的に総括し、「国労のようになるな」と民営化攻撃に全面屈服・協力することを誓い、「21世紀宣言」でうたった2010年自治労解散—新たな産別組織結成(地公3単産組織統合批准)に全力を挙げてきた。それは、民主党への「政権交代」論、「質の高い公共サービス」「職の確立」などのイデオロギー攻撃で民営化推進を合理化し、自治体労働運動を現場レベルから変質させ、階級的要素を根絶する攻撃だった。
 今や自治労本部とそれに追随する単組の本部派執行部の動きは、民営化攻撃の激しさに負けているというレベルを超えている。彼ら自らが〈攻めの民営化対応〉などと称して率先して当局に民営化方針を提言している。その連中が4者・4団体路線、10・24集会の先頭に立っているのだ。
 そして、動労千葉のように民営化絶対反対、人事評価拒否・査定給絶対反対で闘って団結しようと訴えた組合員には、当局に対しては一切見せない「戦闘性」を発揮して処分や除名すら策動して襲いかかる。自治労千葉大会で示されたように本部は警察権力、公安警察の導入をためらわない。
 しかし、「労働者階級の団結した力で、資本主義を根本からひっくり返そう、革命をやろう」というマルクス主義と階級的労働運動の立場に立つ指導部=共産主義者が「民営化絶対反対」路線を掲げて登場したならば、一見、資本・当局と労使協調派幹部が支配していたようにみえた職場に分岐が生まれ、現場に渦巻く激しい怒りが爆発的に解き放たれる。この間の職場闘争が実証していることだ。
 本部派は、こうしたわれわれの闘いと、いまだ大会代議員レベルで3分の1を超える「反対派」がいる現状、つまり依然として現場にある戦闘力とが、ひとつに結びつくことを心底恐れている。
 勝負の当面の決着点は11・2集会だ。11・2は、解雇撤回を投げ捨てた4者・4団体の屈服路線か、国鉄分割・民営化絶対反対を貫く1047名闘争の継続か、労働者階級をどちらの思想・路線が獲得するのか、歴史選択を迫る闘いだ。
 われわれが激しい党派性=マルクス主義を貫いて闘うことこそ1万人結集の道だ。動労千葉派の全国1万人結集の中心実体を自治労の中につくりだすことは自治労本部打倒闘争そのものだ。階級的労働運動の白熱的実践は革命情勢を革命へ発展させる水路だ。11・2集会に職場から「民営化絶対反対! 自治労本部打倒!」の怒りに燃えた隊列を登場させよう。

 第3章 青年労働者の組織化を軸に

 第三に、一切の帰結は、青年自治体労働者の組織化を軸とした職場細胞—地区党、産別委員会の建設である。
 一つに、勝利するためには産別の路線をつくり、その路線のもとに全国の同志が固くひとつになって団結していく闘いをやりぬくことだ。われわれは、屈服と裏切りを重ねる自治労本部派執行部に対して、全国で挑戦状をたたきつけてきた。彼ら民営化推進派を一個の”党派”として見据え、組織対組織の総力を挙げた闘いとして構えてきた。だからこそ路線とそのもとでの団結が決定的だ。
 二つに、人生をかけて革命と路線を真正面から討論するオルグへの踏み込みの強化だ。われわれは、職場でひとりであっても、自らが怒りの先頭に立って民営化絶対反対の闘いを開始するところから闘いを始めた。この闘いは決定的な分岐をつくりだしてきた。それを今もうひとつ前に決定的に進めることだ。
 オルグが足りない、まだまだ弱い。ひとりを獲得するために細胞、地区党、産別委員会、種々の闘争委員会が総力を挙げよう。職場での格闘が全労働者階級の獲得、党と産別委員会の団結、路線的な前進の道だ。それによって11・2集会への1万人結集も実現できる。
 道州制—民営化—200万人首切り攻撃を粉砕し、大党派闘争に勝ちぬく数千・数万の職場細胞—地区党建設を軸に、全国単一の強大な産別委員会を建設しよう。