2008年9月29日

橋下打倒の大阪決戦を闘い11月集会に1万人集めたい 関西の教育労働者は訴える

週刊『前進』06頁(2361号2面1)(2008/09/29)

あらゆる職場と街頭で11・2労働者集会へ結集訴えよう
 橋下打倒の大阪決戦を闘い11月集会に1万人集めたい
 関西の教育労働者は訴える

 最末期帝国主義の新自由主義攻撃は、全世界で労働者の嵐のようなストライキ、デモ、食糧暴動を生み出している。世界は革命情勢だ。福田は労働者階級の怒りによって打倒された。だが、こんなもんじゃまだ怒りはおさまらない! 資本家がもうけるために、汚染米を学校給食で子どもたちにまで食べさせる——それを推進したのが政府・農水省だ。農水相・太田が辞任したら済む問題じゃない! こんな腐りきった資本主義は政府もろとも打倒してやる。

 第1章 道州制導入を狙う教育非常事態宣言

 日帝ブルジョアジーは、危機突破のすべてをかけて道州制導入−公務員200万人首切り(2人に1人!)に踏み出した。道州制にすることで地方自治そのものを解体し、戦後労働運動の軸になってきた自治労・日教組を解体しようとしている。それは、労働者の団結を何よりも恐れる日帝による、労働組合と労働運動の根絶攻撃であり、労働者階級全体に対する激しい新自由主義の攻撃だ。
 大阪府知事・橋下は、全国に先駆けて道州制を導入すると宣言し、この攻撃の最先頭に立っている。9月5日の「教育非常事態宣言」は、道州制攻撃そのものだ。
 橋下は、大阪の教育には課題が多いとして、「教育非常事態宣言」を発し、今後の取り組みとして、「①学力向上策を徹底する、②家庭や地域も教育に積極的な責任を持つ、③指導力のない教員への分限免職処分を厳格に適用する、④教員が子どもや保護者をきちんと注意できる環境をつくる」の4点をあげた。
 「学力向上」という保護者が飛びつきそうな言葉をもって、教育労働者同士、教育労働者と保護者・労働者、子どもたち同士を分断し、競争に駆り立てる。なによりも教育労働者の団結破壊であり、教職員組合解体の攻撃だ。
 さらに、現在の教育委員会制度そのものを解体して、「夜スペ」で有名になったリクルート出身の民間人校長・藤原をブレーンに招き、首長直轄の教育支配をつくりあげようとしている。PTAも含めて、地域のあり方そのもの、今までの共同体的あり方を最終的に解体する。そして、教育内容は国家的に統制する一方、教育においても究極の民営化を進める道州制を導入する攻撃だ。
 橋下の「教育非常事態宣言」は、労働者階級、とりわけ教育労働者への挑戦状だ。私たちは、橋下の攻撃との激突の中から教育労働者の強固な団結をつくり出し、青年教育労働者を獲得する。11・2全国労働者集会の1万人結集に全力をあげ、「生きさせろ! 賃上げゼネスト」に攻めのぼる。

 第2章 大幅賃下げ、「ダメ教員」の扇動許さぬ

 橋下は、大阪府の全国学力テストの結果が2年連続で下位だったことを口実にして、「ダメ教員に去ってもらうため、分限免職は厳格に適用する」「集団生活が成り立たないのは、教師が怒れなくなり体罰がなくなったからだ」「全国学力テストを公表しないと予算をつけない」など、言いたい放題のデマ扇動をしている。
 ふざけるな! 何でも教育労働者の責任にするな! 教育労働者が命を削る思いで毎日働いているから学校は回っているんだ! かけがえのない仲間の誰一人に対しても「ダメ教員・不適格教員」などと言わせない。分限免職・解雇など、させるものか!
 低賃金・長時間労働でいつ首になるかわからない不安定雇用。資本主義そのものが破産しているのに、勉強して頑張ったからって未来があるわけじゃない! 競争に追い立て、全国学力テストで上位になったら、子どもたちの未来が開かれるのか!
 希望は、労働者が団結して、腐りきった資本主義を倒すことにある。

 第1節 自己申告票を不提出しよう

 橋下行革によって8月からの賃金は、今までより4万円も下がった(50代教員)。これで3年間も我慢できるか! その先にあるのはさらなる賃下げだ。すでに11年間「財政再建」によって、一人あたりの生涯賃金が1500万円奪い取られてきた。その上、今回の賃金カットだ。
 さらに、一緒に働く非常勤労働者の首切り、評価制度による一時金や賃金昇級の格差付け、評価制度の自己申告票を出さないだけで1回目C評価、2回目D評価相当となり、賃金が下がる——などの攻撃が続いている。
 「指導改善研修−免許更新制」と「不適格教員・D評価は分限免職」という攻撃によって、教育労働者は有期雇用にされ、いつ首を切られるか分からない不安定雇用となった。200万公務員労働者の首切りは教育労働者にかけられた攻撃でもある。
 アメリカでは「落ちこぼれ防止法」によって全国学力テストの成績で学校をランク付けし、それによって教員の評価も決める。基準点未満が続いた学校への公的資金は引き揚げられ民営化される。教育労働者は首を切られ、より低賃金・劣悪な労働条件でしか雇用されない。
 橋下「教育改革」は、全国学力テストの市町村別データの公表や習熟度別授業など、競争と分断の教育だ。現在アメリカで進行している「戦争動員と競争−教育の民営化」そのものだ。
 仲間の首切り絶対反対! 賃金を大幅に下げられた上、評価−能力給を認められるか。「自己申告票を不提出しよう!」と職場の仲間に呼びかけ、不提出を拡大し、評価制度を破産させてやろう。

 第3章 処分攻撃と対決し来春不起立闘争へ

 「日の丸・君が代」強制に従わない、評価制度の自己申告票を出さないなど、橋下「教育改革」に抵抗する教育労働者を狙い撃ちにし、見せしめ的に処分・解雇攻撃で脅すことで、教育労働者全体を従わせようとしている。評価制度は、自己申告票の不提出者の存在によって破綻し続けている。「日の丸・君が代」強制・愛国心教育攻撃は、どんなに脅しても従わない労働者が一人でもいれば破綻するのだ。
 橋下知事のもと、今年の入学式で、大阪府では初めて「国歌斉唱の際、起立すること」という職務命令が、門真市の二つの中学校で出された。徴兵制・核武装論者の橋下の登場で、大阪の「日の丸・君が代」強制をめぐる階級攻防は一変している。来春2〜3月の「君が代」不起立闘争は、職務命令−処分攻撃との激突となる。「日の丸・君が代」攻撃の本質を露わにする強制=処分攻撃と対決して、根津公子さんのように徹底非妥協で闘えば、教育労働者の根底的怒りを引き出し、橋下打倒の労働者の怒りと結びつくことができる。それは青年労働者の怒りと必ず結びつく。職務命令−処分攻撃をチャンスとして、不起立の拡大で職場の団結をつくりだし、橋下「教育改革」をガタガタにしよう。職場の仲間に「一緒に座ろう」と呼びかけ、不起立=40秒間のストライキからゼネストに攻めのぼろう。

 第4章 連合執行部を倒しストライキやろう

 現場労働者は本当に橋下の攻撃に怒っている。6月20日に豪雨の中を7千人が決起し、7月22日に猛暑の中を5千人が府労連闘争に決起したのは、橋下への怒りだ。多くの組合員は「ストライキをやって、橋下に一矢報いたい!」のだ。
 にもかかわらず、大阪教組・連合執行部は、「今はストライキをやる時ではない」「議会に良識ある判断を」と言っている。橋下行革を推進する日教組推薦議員・民主党議員に何を託すというのか! その結果が、たったの0・5%削減緩和と、橋下の「ダメ教員はクビ」のデマ扇動だ。
 世界は革命情勢だ。日本でも労働者の怒りが噴出し始めている。この時、「解雇撤回」を投げ捨て、国鉄闘争を解体し終わらせる動きが出ている。4者・4団体路線だ。大阪教組や日教組・連合執行部は4者・4団体路線を推進している。「労働者は22年間も闘っても勝てない」と敗北主義をまき散らし、労働者の怒りを抑えつけ、組合の団結を破壊しているのだ。資本・政府・橋下の手先となった連合執行部を打倒し、現場からストライキを組織しよう。

 第1節 新自由主義と闘う国際連帯打ち固めよう

 UTLA(ロサンゼルス統一教組)とCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の指導者であるアーリーン・イノウエさんは動労千葉との国際連帯闘争を通じて、「教え子を戦場に送らない」共通の闘いとして「日の丸・君が代」反対闘争に共感した。そして、今年の11・2全国労働者集会へのUTLAの参加を組織しようとしている。
 アメリカ、韓国、橋下の「教育改革」は、まったく同じ新自由主義攻撃だ。新自由主義は、世界中で労働者、子どもたちを競争に追い立て極限的に分断し、生活をとことん破壊している。労働者が国境を越えて、団結して「人らしく生きさせろ!」と立ち上がったら、新自由主義は破綻する。橋下も打倒できるのだ。
 動労千葉と世界の闘い、不起立闘争とアメリカの教育労働者の闘いがつながり、世界革命を戦取する労働運動の胎動が始まっている。だから、11月国際連帯の労働者集会になんとしても1万人集めたい。全力で1万人結集に向かって職場から闘いをつくろう。