2008年9月22日

都教委 「分限指針」粉砕、不起立拡大 革共同教育労働者委員会

週刊『前進』06頁(2360号2面2)(2008/09/22)

都教委 「分限指針」粉砕、不起立拡大 11・2集会の主力として登場を
 革共同教育労働者委員会

 11・2全国労働者集会の1万人結集に向け奮闘している東京の教育労働者からの決意とアピールを掲載します。(編集局)

 第1章 革命をたぐりよせる情勢だ

 安倍政権に続いて福田政権が、またも自ら政権を投げ出しました。あらためて、資本主義の体制そのものがもはや完全に行きづまっていることがはっきりしました。帝国主義は、世界金融大恐慌から世界戦争に突入する以外、延命できない情勢に入っています。
 この情勢の中で日帝は、帝国主義の最弱の環として、まさに対応不能状態に陥っています。誰が政権の座につこうと、たとえ民主党が取って代わろうと、資本家階級と労働者階級の非和解的な激突情勢は、ますます激化します。
 労働者の団結した力が情勢を一変させる時代に突入しています。日本でもいよいよ革命を手繰り寄せる情勢が煮つまってきました。08年の11・2労働者集会を、労働者の団結と闘う労働組合をよみがえらせる大集会としてかちとろうではありませんか。日比谷野音を埋め尽くそう。

 第2章 労働者分断する「分限指針」

 都教委は、7月の再発防止研修を前に「分限事由に該当する可能性のある教職員に関する対応指針」を出しました。直接には、今春の闘いに追いつめられた都教委が、根津公子さん、河原井純子さんの解雇を狙って次なる恫喝の手段として持ち出してきたものです。
 しかし、目的はそれだけにとどまりません。同時にこの指針は、公務員200万人首切り、新自由主義教育改革のために、青年労働者を直撃する攻撃です。今年の人事院勧告では、「人事評価の業績評価がDの者は分限免職の対象にする」とはっきり打ち出しています。つまり管理職による評価次第で、誰でもいつでも「勤務実績不良」として首にできるというとんでもない攻撃です。
 新採のころから官制研修漬け、連日の長時間労働、休日出勤しても仕事が回らない、そして免許更新制。その結果、1年で自主退職に追い込まれる、ストレスをためて病気になる、果ては自死に追い込まれる青年教育労働者が後を絶ちません。職場の実態は過酷を極めています。怒りは充満し、我慢も限界です。
 にもかかわらず都教委は、主幹に続いて「主任教諭」という新職を導入し、秋の都の人勧で新給料表を決めようとしています。これによって年功序列型賃金は一気に解体されます。ただでさえ主幹が不足しているのに、なぜさらに新たな職を導入するのか。労働者を分断し、怒りを抑え込み、団結させないためです。主任、主幹にならないヒラ教員は、生涯賃金が上がらない「ワーキングプア教員」となり、早晩非正規に置き換えられていくのです。
 このようなピラミッド体制を維持するために、競争が持ち込まれ、管理職への絶対服従が強いられます。狙いは戦争・格差教育の強制です。絶対に許せません。

 第3章 東西で不起立闘争の爆発を

 03年「10・23都教委通達」以来5年間、私たちは「日の丸・君が代」強制に絶対反対を貫いて闘ってきました。「不起立者ゼロ」を目指す石原都教委の教育行政は完全に破綻しています。処分・解雇を辞さない労働者の闘いが、都教委の理不尽を暴き、世論を二分しているのです。
 私たちは、分断や見せしめという悪辣(あくらつ)な攻撃を粉砕して、闘う団結をつくり出しています。戦争協力拒否を貫いています。「弾圧すれば黙るだろう」というおよそ労働者をなめきった都教委の方が、追いつめられているのです。
 不起立闘争が闘われている限り、新学習指導要領に基づくさらなる強制は破綻します。逆に膨大な不起立者が登場する情勢に突入しているのです。私たちの闘いは、新教育基本法体制を事実上打ち砕いています。
 こうした闘いの前進に追いつめられて、大阪では橋下が道州制と教育非常事態宣言を振りかざして登場しました。いよいよ来春、東西一斉の不起立闘争の爆発で、石原も橋下も打ち倒す時です!
 「分限指針」が出されてはっきりしたのは、不起立闘争が公務員200万人首切り攻撃に対する絶対反対の闘いとして、最先端の闘いを切り開いているということです。「絶対反対」「処分・解雇を辞さず闘う」、この立場で闘った時、敵の攻撃を粉砕し、階級的な団結をかちとることができます。この地平を都で働くすべての労働者のものにして闘おうではありませんか。

 第4章 民営化に屈服「10・24集会」

 不起立闘争が切り開いてきた地平と、「解雇撤回」「民営化反対」を投げ捨てた4者・4団体の和解路線は、絶対に相いれません。
 7月14日の東京高裁・南裁判長の「裁判外の和解」の提案に始まった国鉄1047名闘争の政治解決の動きの中で、4者・4団体が屈服路線に転落しました。 
 4者・4団体は、情けないことに自ら闘いの地平を放り出し、全国の仲間の支援を裏切り、無責任にも民営化反対闘争の原点である「解雇撤回」の原則を投げ出してしまったのです。国家権力が公務員労働者200万人の大量首切りに乗り出したこの時期に、敵の攻撃に棹(さお)さす、許し難い階級的な裏切り行為です。
 さらに許せないことは4者・4団体が「10・24集会」を国鉄闘争支援陣形に呼びかけ、すでに民営化攻撃に屈服している労働組合も巻き込んで、全労働者を屈服の道に引きずり込もうとしていることです。「闘っても勝てない」という敗北主義をまき散らして、民営化攻撃への屈服を触れ回り、11・2集会の破壊に乗り出しています。
 「民営化絶対反対」「解雇撤回」の路線を堅持することが、闘う労働運動の展望を切り開く唯一の路線です。労働者が「生きさせろ」と資本主義への総反乱を開始した今、ついに国鉄1047名闘争は膨大な労働者の決起と結びつく情勢を手繰り寄せたのです。
 国鉄1047名闘争をめぐる分岐は、日本の労働運動の命運がかかった、闘う路線をめぐる対立です。ここでの激突に勝ち抜いて、11・2集会の大結集を実現しよう。

 第5章 体制内打倒し11・集会へ

 これだけ攻撃が激しいのに、怒りが抑え込まれ、闘いが巻き起こっていないのはなぜか。今の労働組合が闘わないからです。
 都労連も東京地公労も、ストライキの批准投票を行い闘うポーズをとっても、石原が都知事になったその年にストに入っただけで、以来ずっとストライキを放棄してきました。組合執行部は、制度を認めた上でのまやかしの「経過措置」の妥協で屈服を重ねてきました。それが労働者に絶望をもたらし、組合不信・組合離れを生み出してきた最大の理由です。
 職場を動かしているのは私たち労働者です。執行部が闘わないなら、職場から闘いの火の手を上げようではありませんか。
 青年労働者を直撃する制度の導入と闘わず、青年労働者を分断し切り捨ててきた執行部は、当局の手先です。今こそ積もりに積もった怒りを解き放って、怒りの声をあげよう。行動に立ち上がろう。怒れる仲間と団結し、体制内執行部を打倒しよう。
 「解雇撤回」の原則を貫き、被解雇者とともに1047名闘争を牽引してきた動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃以降もずっとストライキ路線を堅持し、運転保安闘争を闘い抜いて団結を守ってきました。一人が起こした事故、一人の不当配転を組合員全員の課題として取り上げ、団結して闘っています。JR体制に怒る青年労働者が、動労千葉に結集し生き生きと闘っています。
 この動労千葉が今、全国の労働者に「生きさせろ!」のゼネストを呼びかけています。「改憲・戦争と民営化・労組破壊に立ち向かう労働者の国際的団結を」と11・2労働者集会への総結集を呼びかけています。ここにはアメリカや韓国からも闘う教育労働者が参加します。正規も非正規も、民間も公務員も、ひとつに団結する集会です。
 みんなで結集し、闘う者の団結で闘う労働運動の潮流をつくろう。労働者の団結で社会を変革しよう。教育労働者こそ階級的労働運動をとことん実践し、11・2集会の1万人結集の主力部隊として登場しよう!