耕作権裁判 土地特定の誤り明白に “不当な訴訟直ちに却下を”
耕作権裁判 土地特定の誤り明白に
“不当な訴訟直ちに却下を”
9月1日、農地取り上げ攻撃と闘う市東孝雄さんの耕作権裁判第8回弁論が千葉地裁で開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟を先頭に90人の労働者・農民・学生・市民が駆けつけてともに闘った。
最初に市東さんが裁判長に申し出て、意見陳述を行った(別掲)。祖父の代から耕してきた土地で農業を続けていたら、「不法耕作だ」と空港会社(NAA)に訴えられ被告席に座らされたことの理不尽を怒りを込めて告発し、訴訟の即刻却下を迫った。傍聴席から大きな拍手がわいた。
今回、反対同盟と弁護団は準備書面を提出し、決定的な事実を明らかにした。それはすでに原告=NAA側から証拠として出されている、旧地主の藤崎が1984年に作成した地積測量図についてだ。この図を子細に検討すると、NAAが市東さんの契約地として特定した「南台41−9」の土地は、石橋政次(元副委員長)が賃借し耕作していた土地であることが明白に示されている。市東さんは一貫して、ここを耕したことはなくNAAの土地特定が誤りであると主張してきた。
この誤認によって、NAAは市東さんの正当な契約地を「不法耕作」として明け渡しを請求していることになる。これは不当な請求だから直ちに却下されなければならない。弁護団は断固として、原告NAA側に再求釈明を突きつけた。
NAAの代理人弁護士は、裁判長に向かって、「もっと早く期日を入れてほしい」と申し出た。すかさず「ふざけるな!」と反対同盟側と傍聴席から徹底弾劾の声が上がった。閉廷直後、市東さんが「ちゃんと釈明を出せ!」と詰め寄ったが、原告の弁護士は卑屈な笑みを浮かべ目をそらし、法廷から逃げるように立ち去った。
場所を弁護士会館に移し、記者会見と集会が行われた。市東さんは最初に「裁判は新しい闘いに入っている。向こうは『早く終わらせてくれ』と逃げ腰になっている。がんばりましょう」と訴え、共感の拍手がわいた。記者や支援者からはいつにも増して活発な意見、質問が次々と出た。
反対同盟事務局次長の萩原進さんは「マスコミは市東さんを“不法耕作している57歳の男性がいる”と報じたが、まったく違うと明らかになった。いわばえん罪であり、こんな裁判は即刻却下であり、もう終わらせろと市東さんは陳述したのだ」と鋭く批判した。北原鉱治事務局長は「裁判はいよいよ佳境。10・5三里塚全国集会への大結集を」と呼びかけた。
市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉の後藤俊哉さん、全関西実行委員会の安藤眞一さん、群馬実行委員会の青柳晃玄さんがそれぞれ、独自の取り組みの報告と支援・連帯のあいさつを述べ、参加者全員が決意を等しくした。
次回期日は12月8日。また、9月25日の天神峰現闘本部裁判は決定的に重要だ。暫定滑走路の誘導路が「へ」の字に曲がっている限り、北延伸は意味をなさない。NAAは市東さんの畑と現地闘争本部の建物の存在に追いつめられ悲鳴を上げているのだ。三里塚裁判傍聴に、こぞってかけつけよう。
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三里塚裁判に結集を
9月10日(水)
暫定滑走路変更認可取消訴訟控訴審(原告/反対同盟) 午後3時 東京高裁
9月25日(木)
天神峰現闘本部裁判(原告/成田空港会社) 午前10時30分 千葉地裁
9月30日(火)
市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟 原告/市東さん)午前11時 千葉地裁