2008年9月 8日

4者・4団体路線粉砕し解雇撤回の原則貫こう 1047名闘争勝利-11月労働者集会へ

週刊『前進』06頁(2358号2面1)(2008/09/08)

4者・4団体路線粉砕し解雇撤回の原則貫こう
 1047名闘争勝利の展望は11月労働者集会への大結集に

 日本の労働運動を根底において支えてきた国鉄1047名闘争は、解雇撤回を投げ捨て、動労千葉を排除した4者・4団体路線のもとで解体に追い込まれかねない重大な危機にある。関西地区生コン支部、港合同、動労千葉の3労組が呼びかける11月労働者集会は、1047名の解雇撤回を真っ向から掲げ、4者・4団体路線と対決する決定的な闘いになった。4者・4団体路線を打ち破ってこそ11月集会1万人結集は実現できる。また11・2労働者集会への大結集こそが1047名闘争勝利への道だ。4者・4団体路線とその「10・24集会」を粉砕して、第2次国鉄決戦爆発の展望を切り開こう。

 第1章 解雇撤回放棄し民営化賛成へと転落した4者・4団体

 福田はついに辞任を表明し打倒された。世界金融大恐慌が本格化し、帝国主義が体制的危機に陥る中で、福田は新自由主義攻撃の破産と労働者階級の怒りにおびえて政権を投げ出した。

 第1節 政権の崩壊で「政治解決」は全面破産へ

 福田の辞任により、4者・4団体の掲げる「1047名問題の政治解決」も完全に破産した。7月14日の鉄建公団訴訟控訴審における裁判長の裁判外和解提案と、翌日の冬柴国交相(当時)の発言を受けて、4者・4団体は政治解決の幻想を一気に膨らませてきた。だが、彼らが頼りにしていた福田政権は、瞬く間に倒壊した。
 福田が打倒されたことに労働者階級はわきたち、今こそ反撃に立とうと決意している。1047名闘争の勝利も、支配階級の危機と分裂を促進し、労働者階級の巨大な反乱をつくり出すことによってのみ実現できる。
 ところが、4者・4団体路線を推進する者たちにとって、福田辞任という事態は、「政治解決」を遠ざける嘆き悲しむべきことでしかない。労働者階級が国鉄分割・民営化以来の攻撃に一大反撃をたたきつけようとしているこの時に、それを総力で押しとどめようとしているものこそ、4者・4団体にほかならない。
 4者・4団体路線の核心は、解雇撤回の原則を投げ捨て民営化攻撃賛成に転落していることにある。労働運動にとって首切り攻撃に対し解雇撤回を掲げて闘うのは当然のことだ。ところが4者・4団体は、その原則を平然と捨て去ったのだ。
 今日、4者・4団体は10月24日の中央集会への結集運動を進めている。この集会は「1047名闘争に有終の美を飾るもの」、すなわち1047名闘争幕引きの集会と位置づけられている。こうして彼らは、二十数年にわたり国鉄闘争を支えてきた数十万人の国鉄闘争支援陣形を、解雇撤回否定の運動に引き入れようとしているのだ。
 その対極に、1047名の解雇撤回を掲げた11・2労働者集会がある。11・2労働者集会1万人結集は、4者・4団体路線と根底的に対決し、これを打ち破ってこそ、実現できる闘いだ。
 そもそも、4者・4団体に「1047名闘争」を語る資格などない。4者・4団体の枠組みは、06年2月16日の大集会を機に形成された「1047連絡会」から動労千葉争議団を排除することによって生み出された。解雇撤回の原則を貫き、JR資本と根底から対決する動労千葉を排除しなければ、解雇撤回を投げ捨て、敵にはいつくばることはできないからだ。
 4者・4団体路線を規定しているのは、1047名の不採用について「JRに責任はない」とした03年12月の最高裁判決と、鉄建公団訴訟の05年9・15判決への屈服だ。9・15判決は、清算事業団による90年解雇の撤回を求める国労闘争団員の訴えを退け、1人あたりわずか500万円の慰謝料でJR不採用に決着をつけるというものだった。しかも、国鉄時代に6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者はJRに採用されなくても当然だとして、慰謝料支払いの対象からも除外した。これは、分割・民営化反対のストライキで不当に処分されJR不採用とされた動労千葉争議団には一切の救済を与えないとする国家意志の表明だった。
 4者・4団体は、これらの反動判決に屈し、もはやJR復帰も解雇の撤回もできるはずがないという敗北主義にまみれ、解雇撤回を引き下ろすことで敵に哀れみを請う惨めな投降に走ったのだ。
 これは、動労千葉争議団はもちろん、国労闘争団員であっても国鉄によって不当に処分された人たちを敵権力に売り渡すことをとおして、なにがしかの金を得て1047名闘争を終結させるということだ。本来、仲間であるはずの1047名を自ら分断し、闘ったからこそ処分された労働者を敵に売り渡す道に自覚的に足を踏み入れた者たちが、4者・4団体路線を推進しているのだ。
 こうした裏切りを押し隠すために、4者・4団体は自己の屈服を「政府に和解解決を迫る闘い」であるかのように描き出す。だが、敵に和解を求めた瞬間、運動のすべては屈従を組織するものになってしまう。
 4者・4団体の運動は、国鉄闘争における裏切りだけにとどまらない。それは、数十万人に及ぶ国鉄闘争支援陣形をたたき伏せる巨大な反動でもある。
 自治労や教労の労働者を始めとする国鉄闘争支援陣形は、1047名闘争を支えるという形をとって、連合による労働者支配の完成を阻んできた。しかし今、民営化と大量首切りの攻撃が激しく公務員労働者を襲う中で、民営化攻撃に屈服した既成労働運動指導部は、4者・4団体路線に飛びつくことで、自分の裏切りを押し隠そうと策している。
 新自由主義の攻撃の切っ先をなす民営化への屈服こそが4者・4団体路線の本質だ。4者・4団体路線との闘いは、4大産別に民営化絶対反対の拠点をつくり出す闘いであり、全産別で体制内労働運動を打ち倒す戦略的闘いに位置している。

 第2章 動労千葉を排除・分断する体制内労働運動を打ち破れ

 革命情勢はあらゆる勢力に厳しい試練を課し、ふるいにかける。情勢が求める自己変革を拒否した者は、たちどころに反革命に転落していくのが、革命情勢の特徴だ。「昨日の友」がたちまち「今日の敵」へと転じるこの情勢に立ち向かわなければ、闘いは一歩も前に進まない。
 かつて4党合意に激しく抵抗した鉄建公団訴訟原告団の一部指導部は、今や国労本部以上に強硬な4者・4団体路線推進派に転じている。毎年10月に開かれる団結祭をめぐっても、彼らはメーンスローガンから解雇撤回を引き下ろし、「4者・4団体を基本に解決を」と叫んで、動労千葉の排除を策している。
 こうした分岐は、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いをめぐって最も鋭い形で現れている。8月23日に開かれた「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会呼びかけ人・発起人・全国代表者会議」は、旧弁護団や松崎被告、そこに反動的に密集した塩川一派、与田−平田派らと、階級的原則を貫き闘う7被告が真っ向から激突する場になった。7被告は、4者・4団体路線に屈した旧弁護団を解任し、松崎被告との弁論分離を実現した闘いが圧倒的に正義であったことを、全面的に明らかにした。5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いは、4者・4団体路線との死活をかけた攻防に勝ち抜く拠点をなしている。
 今や体制内労働運動は、4者・4団体を先頭に、動労千葉と11月労働者集会の破壊に総力を挙げて乗り出してきた。それは、彼らが11・2労働者集会の1万人結集に、自らが打倒される恐怖を見ているからだ。これら反動との闘いは、けっして生やさしくはない。だが、その激突に勝ち抜き1万人結集を実現した時に、日本の労働運動を根底から塗り替え、階級的に再生することができる。11・2は、その展望を圧倒的に切り開く闘いだ。

 第1節 JR資本と闘って勝利を

 日本における新自由主義の攻撃の先駆けをなした国鉄分割・民営化は、徹頭徹尾、国鉄労働運動を破壊するために強行された。20万人の国鉄労働者が職を奪われ、1987年のJR発足に際しては7628人が「再就職先未定者」として国鉄清算事業団に収容された。90年には「再就職対策終了」という名目で1047名が国鉄清算事業団からも解雇された。以来、1047名の解雇撤回闘争は、労働運動史上最大規模の解雇撤回闘争として闘われてきた。
 1047名の解雇が国家意志として強行されたものである以上、解雇撤回を貫くためには、国家権力やJR資本を打倒する不屈の意志と構えが求められる。だが危機に陥っているのは敵の側だ。
 福田辞任が示すことは、敵階級の側が労働者の反乱に恐れおののいているということだ。福田は、労働者の壮大な決起が確実に始まりつつあることを見てとり、本格的な激突が始まる前に政権の座から逃亡した。こんな脆弱(ぜいじゃく)なやつらに、労働者階級が負けるはずはない。
 現に、世界金融大恐慌とインフレが世界を覆う中で、労働者階級は至るところで怒りの反乱に立っている。非正規雇用と貧困を強制された青年労働者は、資本に対する激しい憎悪を燃え立たせている。民営化と200万人首切りの攻撃に対する公務員労働者の怒りは我慢の限界に達している。国鉄1047名闘争が労働者の怒りを束ね、その先頭に立って闘えば、解雇撤回は実現できる。
 安全の崩壊や要員問題の矛盾、JR総連をテコとする労務支配の破産という形でJR体制の破産が突き出されている。動労千葉のように、こうした敵の危機を突き、JR体制と徹底的に対決すれば、1047名闘争は勝利できる。国労本部はもとより、鉄建公団訴訟原告団の一部指導部に一貫して欠けているのは、JR資本と闘い、実力で解雇撤回をもぎりとるという路線だ。
 平成採の青年労働者のJRへの反乱も必ず起こる。動労千葉への平成採の結集は、その予兆だ。資本に屈した国労執行部の裏切りを踏みしだき、資本と立ち向かう現場の国労組合員の闘いも不屈に展開されている。
 11・2労働者集会の1万人結集実現へ、全産別で4者・4団体路線−「10・24集会」と徹底的に対決して闘おう。この攻防の中から階級的労働運動は力強くよみがえるのだ。