2008年9月 8日

自治労大会 動労千葉派が魂つかむ 自治労名称放棄に怒り

週刊『前進』06頁(2358号1面2)(2008/09/08)

自治労大会 動労千葉派が魂つかむ
 自治労名称放棄に怒り
 民営化絶対反対を訴え共感

 自治労第80回定期大会が8月28〜29日、千葉市で開催された。全国から結集した労組交流センター自治体労働者部会のメンバーは、民営化絶対反対派として会場前情宣を完全に貫徹し、警察権力に頼る自治労本部=体制内労働運動を圧倒、大会代議員・傍聴者らと熱い合流をかちとり、勝利した。2日間の闘いで、民営化絶対反対を貫く動労千葉派こそが全労働者を獲得できることが示された。この力で職場生産点での闘いをさらに推し進め、橋下打倒の大阪決戦を闘い抜き11・2月労働者集会1万人結集へ攻め上ろう!
 自治労大会の2日間、自治体労働者部会の闘う労働者は、民営化絶対反対、地公3単産組織統合反対の旗を真っ向から掲げて圧倒的に登場し、自らの路線で勝負した。そして、自治労本部をあらゆる点で圧倒する勝利をかちとった。参加者は全員、やりきった勝利感と自信に満ち満ちている。
 自治労大会での闘いが切り開いた地平は何か。
 まず第一に、動労千葉派の時代認識と路線が多くの大会代議員・傍聴者らの共鳴・共感を呼んだことである。
 大会2日間をとおして11月全国労働者集会への賛同署名が60筆以上寄せられ、チケットが2けた以上販売されたことに示されるように、自治労組合員の中に確実に広く11月労働者集会への支持・共感が生み出されている。「世界は革命情勢」「資本主義は終わっている」「生きさせろ!のゼネストをやろう」「民営化絶対反対」の訴えがストレートに労働者の魂に響いたのだ。
 他方、自治労本部の提出した大会議案書には、資本・当局と非和解で闘う気概が毛頭ないだけでなく、労働組合運動の展望を感じさせるものもまったくない。今の資本主義社会の現実に対する怒りのひとかけらさえもない。「闘えない状況」に対する言い訳が連綿と述べられているだけだ。
 質疑討論でも本部は闘う姿勢を見せない。9月30日の「休止」が決まった千葉県・銚子市立病院の職員190人への分限免職攻撃には、「雇用確保の取り組み」を対置するのみで、反撃の方針はない。社会保険庁解体・被処分者全員不採用・分限免職の攻撃に対しても同じだ。逆に当局と一緒に社保庁改革を進めるというのが唯一の方針だ。人事評価制度導入阻止方針を出せという発言には、本部は制度作りへ組合の関与を強めよと言う始末だ。本部は闘いの抑圧者、当局の先兵だ。
 これに対して労組交流センターの闘う自治体労働者は、「動労千葉のようにストライキで闘おう」「闘うことで公務員バッシングは必ず打ち破ることができる」「ストライキで労働者は団結できる。これが力だ」と訴えると、代議員・傍聴者らは真剣に聴き入った。動労千葉派の路線と時代認識が自治労本部の「路線・党派性」を根底的に打ち砕いたのだ。
 第二に、3単産統合方針案(第3号議案「地公3単産組織統合と名称問題への対応について」)の内容を徹底的に核心的に暴露・批判して闘いぬいたことである。自治労、全水道、都市交通の地公3単産は組織統合で、2010年秋に新産別組織を発足させようとしている。自治労は、この新統合組織において「自治労」の名称を捨て去り、「新しいアイデンティティ」の名のもとに「民営化に反対しない」労働組合、新産別組織へと完全に転換するのだ。民営化=道州制=200万人首切り攻撃への完全屈服だ。ここに3単産統合の核心がある!
 自治労名称の放棄と同時に、これまで自治労が掲げてきた反戦闘争、現業闘争、直営闘争、賃金闘争のすべてを「新しいアイデンティティ」の名のもとに投げ捨てるのである。このことについて自治労組織内の認識はまだまだ立ち遅れている。これ自体は大問題だ。
 しかし、動労千葉派の2日間の情宣によって、3単産統合が組織問題の次元を超え、民営化の是非をめぐる労働組合の路線上の一大闘争であることを明らかにできたといえる。このことは、本部提出の3単産統合方針案への賛成票が出席代議員の3分の2に届かなかったことにも示された。

 第1章 橋下打倒の大阪決戦へ号砲

 第三に、最も重要なことは、「橋下大阪府政打倒」「民営化絶対反対」を掲げて闘う自治体労働者が全国の職場生産点で闘いの火ぶたを切っており、体制内執行部との激突を開始していることである。自治労本部派の拠点、大阪を始め全国で労組交流センター・動労千葉派と本部派・既成体制内派との大激突が開始されている。そして、この〈非和解的〉激突の過程で、まさに職場生産点において動労千葉派への支持・共鳴が拡大し、仲間が増えているのだ。
 労組交流センターが〈台風の目〉となる情勢が生まれつつある。このような闘い、これまでの労働組合のあり方の〈均衡が破壊される〉事態に直面して、自治労本部は心底恐怖している。大会会場にあらかじめ警官が導入・配備されていた事実は、国家権力に頼って絶対反対派・動労千葉派を弾圧する自治労本部の正体を物語っている。
 自治労大会2日間の会場前攻防の構図は、そのまま全国の闘いの縮図なのだ。動労千葉派が本部派=体制内派を圧倒し、情勢の主導権を取れる時代・情勢の到来を示しているのである。

 第1節 青年労働者が闘いを牽引

 第四に、青年労働者が先頭に立って2日間の闘いを牽引(けんいん)したことである。圧巻だったのは、大会1日目の昼休み、会場前決起集会とミニデモ、シュプレヒコール、リレートークだ。千葉労組交流センターの青年労働者が次々と自分の闘いをアピール、闘いへの参加、共闘を訴え、大会代議員・傍聴者の心をとらえた。全国の労組交流センターの職場闘争の最先頭に青年労働者が立っている。そのうねりが大会開催地・千葉に押し寄せたのだ。
 第五に、自治労の中には本部派と対決する軸・勢力が労組交流センター・動労千葉派以外にもはや存在しないことが明白となったことである。
 3単産統合方針案に対する青森県本部など5県本部の提出による補強修正案は、この3単産統合案が自治労の運動と組織の解体であり、路線転換であり、民営化推進への道である、という核心問題に対する認識と批判を決定的に欠いている。本質的には本部と同一の「体制内的」土俵の上での争いにすぎない。かつての「13県本部」(社民党系)は完全に風化し解体している。現場労働者の激しい怒りと完全に遊離している。
 今日、国鉄闘争が重大な危機を迎え、国労本部など4者・4団体が国鉄1047名解雇撤回闘争の屈服和解=敗北的決着へ向け全力を挙げている。この、労働運動の命運を決する情勢下にあって、既成の一切の勢力は、自治労内外を問わず屈服し、雪崩をうって解体へと向かっている。青年労働者を先頭に動労千葉派が圧倒的に打って出るべき情勢なのだ。
 以上、自治労千葉大会における闘いの勝利の核心は、動労千葉派・民営化絶対反対派こそが現場労働者の心をわしづかみにする力を持っている、ということだ。自治労大会会場で起きたことは、職場生産点で必ず起こる! 自らの力に、そして労働者の力に確信を持ち、11月1万人結集へ進撃しよう!