全学連第69回定期全国大会アピール “こんな社会など変えてやる” 仲間は全員集まれ 織田陽介委員長
全国の学生の皆さん! 法大キャンパスで闘い起訴され、現在東京拘置所で闘いぬいている仲間を代表し、訴えたい。あなたにともに闘う仲間になって欲しい。全学連(織田陽介委員長)にこそ勝利の展望がある。10・17法大集会の爆発と、11・2労働者集会の日比谷野音からあふれかえる1万人の結集で世界を変えよう! そのために、第69回全学連定期全国大会(9月13〜15日、東京=要項別掲)をともにかちとろう。300万学生の怒りに火をつける方針を、徹底的に議論しうち立て、全国の大学をストライキで席巻しよう!
第1章 法大キャンパスを絶対に解放しよう
訴えたいことの第一は、法大闘争に絶対に勝利したい! という思いだ。
すべての学生の皆さん。肌で感じて欲しい。私たちの法大闘争にかける熱い思いを! そしてこの闘いの中で作ってきた固い団結の力を! この2年間、たくさんの仲間が逮捕された。退学や停学になった仲間もいる。逮捕されて解雇された仲間もいる。もしくは就職や教育実習をぶっ飛ばして法大キャンパスにかけきった仲間もいる。起訴され、獄中闘争を闘い、保釈されてすぐにまた起訴される。しかし、私たちの闘いは必ず勝利する。私たちは胸を張って言い切れる。闘いに立ちあがることの魅力に、あなたもすぐに魅了されると!
私たちは、雨の日も毎日、ビラを持ってキャンパスに向かい、学生に団結を訴え、ガードマンや暴力職員と激突し、全身全霊で闘いぬいてきた。それは、この法大キャンパスを学生の手に取り戻したい、もしくはこんな社会で生きていけるか! という腹の底からの怒りだ。法大総長・増田が恥ずかしげもなく「自由」と「開放感」をうたい上げるキャンパスの真実。ビラをまいただけでジャージ部隊に殴られ放り出される。ガードマンに阻止されて愛するキャンパスに入ることができない仲間の悔しさ。「人生を棒にふるぞ」と、ともに闘う仲間を裏切らせようとする学生部職員の卑劣さ!
増田、このキャンパスはお前の物ではない!
学生に返せ! 「今の若者は怒りがない」なんてデマは問題にもならない怒りが、自分の中からあふれてくる。自分の怒りの大きさに驚き、そして感情と魂を取り戻したかのような人間らしい自分自身に感動する。暴力職員だろうが、国家権力だろうが、負ける気がしない! これが私たちの闘いの原点だ。
第2章 新自由主義大学を粉砕する大闘争へ
訴えたいことの第二は、新自由主義大学を今こそ粉砕しようということだ。
私たちは、2年半の闘いの中で、大学の支配の真実を暴露してきた。立て看板・ビラまきの禁圧を強行し、200人の公安デカと結託して29人を逮捕した06年3・14弾圧。牢屋にぶち込んでの転向強要にも屈しない学生への退学処分。集会を呼びかければ検問を敷き、キャンパス中央広場を封鎖して集会を圧殺する。大学支配の真実が暴露されるたびに、学生の怒りは爆発し、法大当局を追いつめてきた。
「大学を卒業しないと就職できない」という脅しで学生を競争させ、べらぼうな学費をふんだくる。金がなければ借金させて、未来の賃金まで脅し取る。「若者の5割が派遣労働者」、こんな社会にしたのは一体どこのどいつだ。自民党と資本家連中ではないか!
「資格をとって差をつけよう」? 生きる希望すらないのはその学生の努力不足とでも言うのか! 大学から出ることもできない膨大な学生が、「ポストドクター」として二つも三つもバイトを抱え、未来すら見えない研究員として働かされている。そのうち全国で10万人に上る学生が行方不明になっている。
弁護士が急増して仕事がなく、ワーキングプアになっている事実を隠し、弁護士を年間3000人増やすという幻想でロースクールを開設しボロもうけしている。GPA(グレイド・ポイント・アベレージ)制度の導入で、取った単位の「質」を5段階で振り分けて、就職活動の際に資本に開示し、トコトンまで学生を競わせる! これこそ新自由主義大学だ。大学こそ非正規労働がなければ成り立たないこの社会を支えている張本人だ。増田の言う「自立型人材」とは、団結を破壊し、モノとして扱われる労働者の怒りを奪い、「資格をとろう」と自分から資本にとって都合のいい人間になることだ。資本の鎖につなぎ、仲間を蹴落とさせ、未来を奪う、これのどこが教育なのか!
しかし増田よ! こんな新自由主義大学の学生支配は完全に破産したのだ! もう我慢の限界だ! もうこんな授業ぶっつぶせ! 奨学金なんて返さなくていい! こんな大学が正常に運営されていること自体が異常事態ではないか! この怒りの決起こそ、新自由主義大学の破産だ。そして、サブプライムローンや中国バブルの崩壊、増田がなんとか保ってきた幻想の一片すらも吹き飛ぶ革命情勢の到来だ。
全学連は「授業は支配! デモは解放!」「競争ではなく団結しよう!」と訴えて闘ってきた。授業の幻想がビラで暴露されるやジャージ軍団が暴力的に襲いかかる。これが授業の本質だ。授業も監獄の一部だ。
今年5月の闘いは、マイク使用すら禁止される中で文化連盟と全学連が、ジャージ部隊と激突して実力で集会をかちとり、監獄大学の暴力支配をも崩壊させてきた。ストライキをやろう! 学生が団結すれば監獄大学なんてぶっ飛ばせる!
5・28—29弾圧は、ジャージ部隊の暴力支配が崩壊したことを増田自らが白状する、国家権力を使った大弾圧だった。しかし、団結すれば学生は勝利できる、というこの真実を奪うことはできない。100人以上の公安デカがなだれ込んでの弾圧に、闘う学生の怒りが爆発、公安デカと激突して一時は撃退した。国家権力と激突してキャンパスを学生が支配するストライキとして、ますます学生の勝利性は鮮明になったのだ! こうやって闘ってきたかけがえのない仲間を獄につながれて黙っていられるか。8月14日の3人起訴は、全学連絶滅攻撃の決断だ。敵がやれることが弾圧だけなら、私たちは怒りを爆発させるのみだ。全学連大会の大結集で目にもの見せてやろう。これこそ新自由主義の破産だ!
第1節 仲間との団結が勝利の武器
資本主義社会は、生産力を独占している資本家階級が、生産手段の一切を奪われ労働力しか売るものがない労働者を「自由に」搾取する階級社会だ。労働力は商品化され、労働者は賃金奴隷としてモノのように扱われる。だが、それだけではない。『蟹工船』を見て欲しい。労働者は社会の主人公であり、労働者がストライキをやれば社会が止まる。労働者が団結すれば、労働者の力で食っている資本家なんてぶっ倒せる。これが革命だ。だから私たちは、団結を武器に、団結をただひたすら求めて闘ってきた。のべ88人の逮捕はすべて「仲間を売れ」という公安デカの転向強要に対して完全黙秘を貫く闘いとして貫徹された。「おとなしくしていれば賃金奴隷としてうまく生きていける」という幻想を捨て、この資本主義社会をぶっ倒す仲間との団結にかけきって闘う。ここに法大闘争の勝利の根拠がある。
そして、ついに文化連盟の仲間たちがこの闘いに応えてくれた。「一人の仲間も見捨てない!」 仲間の処分を阻止するために、全員が処分覚悟で立ちあがった。そして7・24法大集会の大成功を受けて、意気軒高と今年後半戦の闘いに立とうとしている。立ち上がれば必ず仲間はできる。学生は立ち上がる。私たちのように闘えば勝てる。だから皆さん、勇気を出して、キャンパスで闘いを開始しよう!
第3章 青年労働者と共に福田政権ぶっ倒せ
訴えたいことの第三は福田を倒して破産した新自由主義にとどめを刺そう! ということだ。
新自由主義政策は、74—75年の恐慌で資本主義の発展が終焉(しゅうえん)するところから始まった最後の延命策だ。いや、延命策ですらない。ロシア革命で労働者が権力を取り、世界の労働者に感動が広がった1917年当時の革命情勢をつぶすために、社会保障や国家独占資本主義政策で労働者の闘いを圧殺しようとした。この政策を続ける力すらなくなった資本主義が、民営化と社会保障解体、そして侵略戦争をくり返す。そこから巻き起こる労働者の闘いにただただ恐怖して労働者の団結を破壊する。教育も賃金も、あらゆるものを破壊する、政策とすら言えない資本主義の支配の破産だ。
私たち学生は、新自由主義とともにこの社会に生まれ、育ってきたと言ってもいい。だから新自由主義を倒すのも私たちなのだ。当時の首相・中曽根が「行革で床の間をきれいにし、立派な憲法を安置する」と87年の国鉄分割・民営化を突破口に、国労つぶしから総評解散—連合結成、社会党の崩壊へと突き進んだ。同時に労働者派遣法の制定。95年には日経連プロジェクト報告で、「9割の労働者を非正規雇用にする」と宣言、今「2人に1人は一生フリーター」「ワーキングプア」などという本当にふざけた社会になった。そして01年9・11を契機にアフガニスタン—イラクへと戦争が始まるという、大激動の時代に私たちは生きている。
今、資本主義の終焉から、私たちの人生より長い年月先延ばしにしてきた全矛盾が爆発している。日本ではバブルが崩壊し、北海道拓殖銀行などが破産、銀行の救済に国家予算が注ぎ込まれ、1000兆円を超える借金を抱えるまでになっている。アメリカと中国への輸出経済へと転換し、なんとかのりきったものの、そのアメリカと中国で、とてつもないバブルの崩壊が始まった。アメリカではITバブルの崩壊を住宅バブルによってのりきったが、ローンを返せない貧困層に住宅を売りつけて経済が成り立ってきたことがサブプライムローンの崩壊で暴露された。最近の米住宅公社2社の破産。550兆円ものローン債権を保障してきた2社の資本は、保障している額のわずか1・6%に過ぎない。これ自体が半官半民で規制を緩和し、詐偽でボロもうけしてきた新自由主義の破綻(はたん)そのものだ。中国バブルもオリンピックを契機に崩壊を開始した。上海株が下がり続け、最高値から6割も暴落している。1929年を超える世界金融大恐慌が始まっている。
そしてこうした事態が世界的なインフレへと転化したのだ。家からはたたき出され、医療は奪われて病院にも行けず、食糧も燃料も買えず、飢餓賃金が強制される。大量の労働者がクビを切られて街頭にあふれかえり、大量の労働者・学生が戦場に送られている。労働者がどれだけ家を造ろうとも、食糧を作ろうとも、住めない、食えない。むしろ戦争という破壊と虐殺のために労働させられている。帝国主義同士の激突を緩和するためのWTO(世界貿易機関)交渉が決裂し、歴史の教科書どおりに世界戦争へ突き進んでいる。グルジアで世界戦争の火の手が上がり、どれだけの労働者が殺されたのか!
第4章 10・17法大集会から11月1万人結集へ
だから、世界はストライキの嵐だ。「生きさせろ!」という怒りの爆発だ。資本主義体制が崩壊し、その墓掘り人としての労働者階級の闘いが巻き起こっている。アメリカILWU(国際港湾倉庫労組)のメーデーストは、イラクの労働者との連帯を生み出し、韓国では100万人が政権打倒を掲げてデモをしている。6・29サミット粉砕のデモが機動隊と激突する姿は、全世界に発信された。韓国の労働者は、「日韓労働者はひとつの組織に」と訴え、まさに時代は「万国の労働者、団結せよ!」だ。
デモ、暴動、ストライキ。こうした闘いはすべて、体制内労働運動を突き破ってかちとられている。日本の闘いの核心は第2次国鉄決戦だ。動労千葉は、国鉄分割・民営化に対し、ストライキ闘争で対決し、団結を守り抜いた。合理化による安全切り捨てという、資本が資本である限り逃げられない矛盾をついて、労働者の団結をつくり上げ闘ってきた。そして、とめどなく屈服する体制内労働運動が、ついに組合員を切り捨て、幹部が生き残る所まで行き着いたことを弾劾し、組織拡大に突き進んでいる。
ここから国鉄分割・民営化に断を下し、新自由主義にとどめを刺す決戦に入ったのだ。闘い以外にいかなる回答もない時代だから、闘わないことが唯一の旗印である運動に、もう労働者の怒りは抑えられない。これが新自由主義が生み出した革命情勢だ。
団結を求めて青年が『蟹工船』を読んでいる。求められているのは体制内労働運動ではなく革命的結集軸だ。この怒りがひとつの行動として爆発したらどうなるのか。この恐怖で昨年安倍が倒れたのだ。新自由主義自らが生み出した破産だ。1万人でいい。この怒りがデモになったらどんなデモになるか。福田なんて一発で倒せる。「生きさせろ!」の賃上げゼネストに打って出る労働者とともに、学生は新自由主義大学粉砕の一大闘争を巻き起こそう。10・17法大—11・2日比谷1万人デモで、新自由主義にとどめを刺そう。
こんな社会は変えてやりたい! この思いに燃えている仲間は全員集まれ。全学連大会への結集を熱烈に呼びかけます。