国労5・27弾圧公判 検事の質問に完全黙秘 富田被告 “4者・4団体と対決”
国労5・27弾圧公判 検事の質問に完全黙秘
階級的原則貫く裁判闘争に
富田被告 “4者・4団体と対決”
8月1日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第92回公判が東京地裁刑事第10部で開かれ、富田益行被告団長への被告人質問が行われた。この公判は、被告団が4者・4団体路線と対決し、第2次国鉄決戦に打って出ることを真っ向から宣言する場になった。また、検察官の質問に富田さんは完全黙秘を貫いた。裁判闘争は、階級的原則を貫く闘争方針を確立して、新たな闘いに突入した。
最初に、鈴木達夫主任弁護人が、旧弁護団の06年冒頭陳述書を撤回し、新弁護団による更新意見を冒頭陳述に差し替えると表明した。弁護側の立証方針は全面的に切り替わったのだ。
続いて富田さんが「本法廷のあり方についての意見」を述べ、「特別傍聴」という形で権力に庇護(ひご)されて法廷に入っている旧弁護団に怒りをたたきつけた。
西村正治弁護人による富田さんへの質問は、国鉄闘争の現状に関することから始まった。富田さんは、1047名闘争をめぐり現在進行している屈服和解策動を「首を切った政府への屈服だ」と厳しく批判した。
前日まで開かれていた国労大会のことに言及した富田さんは、高橋委員長が冬柴国交相に屈した恥ずべきあいさつをしたことを弾劾した。また、傍聴を要求した現場組合員に対し、公安刑事が代議員受付の前まで入り込んで弾圧を策したことを暴露して、「国労本部は5・27弾圧の再現を狙った」と語気を強めた。
富田さんはまた、本件弾圧から今日までの国鉄闘争の経過を説き明かし、旧弁護団の解任も国鉄闘争の路線的分岐の中で必然化したことを説得力をもって語りきった。
特に、鉄建公団訴訟の05年9・15判決をめぐり、これを「解雇撤回を認めず1047名の分断を図る反動判決」と断罪した被告団に対し、旧弁護団は「国鉄の不当労働行為が認定されたことは歴史的成果」とする立場をとったことを明らかにし、4者・4団体路線は9・15判決への屈服から生み出されたことを暴き出した。「旧弁護団を解任しなければ、私たち自身が4者・4団体路線にのみ込まれていた」と富田さんは述べた。
さらに、松崎被告との弁論分離も、彼が4者・4団体路線賛美に転じたことから不可避となったと断言した。
弁護団は最後の質問として、「検察官の反対質問、裁判長の質問には一切、黙秘するのか」と確認した。富田さんは「権力とわれわれは非和解。完全黙秘・非転向を貫く」と宣言した。
検察官は「5月27日、事件現場のホテル前に行ったか」と聞くが、富田さんは一切答えない。検察官が「何も言う気はないのか」と尋ねると、すかさず鈴木弁護人が立ち上がり、「黙秘すると明言している。無駄な質問はやめるように」と検察官を一喝した。検察官の反対質問はわずか数分で終了した。「法廷においても黙秘を貫く」という闘争方針の勝利性は、ここに鮮明に示された。
次回公判は小泉伸被告への被告人質問が行われる。重大な攻防のただ中にある公判の傍聴に集まろう。