高栄運輸で48時間スト 東京西部ユニオン
高栄運輸で48時間スト
東京西部ユニオン 組合差別に怒りの反撃
7月31日、東京西部ユニオン高栄運輸分会は、高栄運輸(立川市)によるA組合員に対する不当な賃金差別と組合無視に抗議して、午前0時から全組合員8人が48時間のストライキに突入した。
組合員に対する賃金差別は、昨年以来のもの。当該の組合員に対して、会社が業務の一部打ちきりを口実に、立て続けに2〜7万円もの賃金カットを強行し、その一方で非組合員には「調整手当」を出すという露骨な賃金差別が行われた。役員が「賃金は下げない」と明示に約束していた経過も反故にしての賃下げだった。
これに対して高栄運輸分会は、1年に及ぶ抗議と3月、5月と2波にわたる全分会員によるストライキを闘ってきた。
しかし会社は、誠実に話し合うとの約束を踏みにじって弁護士を雇い、「いやなら辞めれば?」(役員)などと暴言を吐き、全面的な居直りを決め込んだのだ。
この日、高栄運輸分会の8人の組合員と西部ユニオンの仲間たち30人が、朝から会社前に陣取り門前闘争を展開した。「ストライキ決行中」の横断幕が掲げられ、「労働者をなめるな!」「会社は誠意ある話し合いに応じろ!」とシュプレヒコールが何度もたたきつけられた。
この後、全員が花小金井の社長宅に移動、抗議行動を行い、門前で「組合員への不当な扱いは許さないぞ!」とシュプレヒコール。社長宅はすでに警察が物々しい警備を敷いていたが、これを弾劾し抗議文を突きつけた。
高栄運輸分会の労働者たちは「会社と俺たち労働者は相いれないことがよくわかった。徹底的に闘う」と晴れ晴れした表情で語っていた。
第1章 こんなすごい組合に青年が注目している 東京西部ユニオン青年部 C
7月31日、高栄運輸分会48時間スト突入と併せて、社前、社長宅前での抗議闘争をぶちぬきました。
会社は分会員8人に「誠意ある対応」を約束しながら、それがいま現在も果たされていません。特に一人の分会員に対する賃下げ攻撃は、本当にふざけている。
この8人の決起に、首都圏の青年労働者が注目しています。48時間ストをやるすごい組合が存在するという事実に、みんな注目している。会社はちゃんと知るべきだ。高栄分会だけではなく、決起は広がっていく。社員全員が決起したらどうなるのか?
この8人の決起はすごいとこに来てるんです。動労千葉の田中康宏委員長が「ともに闘おう、連帯しよう!」とメッセージで訴えてくれたとおり、これは関東から全国・全世界に波及する。決起はどんどん広がっていく。
弁護士や、経営コンサルタントに任せたから会社は安泰、そんな事はありえない。もう労働者の怒りは止められないんだ! 常務の横田勇は考えを改めるべきだ。ふざけんなっ!
第2章 賃下げと組合破壊に「もうストしかない」 東京西部ユニオン TK
高栄運輸は昨年4月、長年継続した食品輸送部のオリンピック店業務を打ち切った。A組合員はこの時、会社役員のB部長から「給料は変わらないから(仕事を)続けてほしい」と言われたために異動を受け入れた。しかし、その後会社は2〜7万円も賃金を下げてきた。約束が違うと抗議すると「働いている時間が少なくなったんだから当然だ」と開き直った。
一方で、組合員でない労働者には調整手当てを出しながら、A組合員に対しては「(給料の)調整はできない」と公然たる組合差別の扱いをしてきた。分会は団体交渉を続けたが話にならず、3月第1波、5月第2波とそれぞれ24時間のストライキを打ち、差別賃金と組合無視・組合破壊に抗議の意志を示した。
今回第3波のストライキに踏み切った理由は、7月に常務を呼び、組合三役とこの問題について話し合ったとき、常務は「次週に組合三役と経理部長と5人で話す」と合意した。ところが7月10日の話し合いの場に、会社が雇った弁護士が同席した。この程度の約束も守らないのか! もうストライキしかない!
前日、分会は会社にストを通告した。その直後、組合事務所に会社代理人の弁護士名で「この件でもう組合とは直接話をしない」とのファックスが届いた。許せない!
7月31日朝、8人の組合員と支援者合計30人近くが社前でスト突入集会を行った。「スト決行中」の横断幕と赤旗が翻(ひるがえ)り、街宣車のスピーカーから組合員の怒りが爆発した。「常務! 昨日のファックスは何だ。お前がそんなだから話にならないんだ」と分会長を先頭に分会組合員が次々と抗議の声をあげた。
「会社は"組合は怒鳴るだけ"と言うが、約束は無視だし、声が大きくなるのは当たり前だ。徹底的にやってやる」「弁護士やコンサルタントがいないと何もできない常務! 社員にツケを回すな。社員の生活を少しは考えろ」「俺はあんまり怒る性格じゃないけど、今日は怒っている。労働者をなめんなよ!」「経営が苦しいとか言って、何で2台も高級車を乗りまわしているんだ。従業員の給料を下げる前に役員報酬下げろ!」
前回、あまりうまく言えなかったと、発言内容をメモで準備してきた組合員もいた。結局、常務は一度も出てこない。
社前の抗議集会後、社長の自宅へ抗議闘争に向かった。会社は警察を呼び自宅を警備させ、得体の知れない男女5人を雇って威圧してきたが、組合員は断固として怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
午後、公民館でスト決起集会を行った。各組合員は今までに増して戦闘的な決意を語った。地域の青年労働者同士の連帯も強まった。
今回のスト後、会社は組合三役に「速度超過による戒告」なるデタラメな処分をかけてきた。絶対に許さないぞ! 組合員は直ちに5種類の弾劾ビラや報告ビラを準備し、反撃している。本当の闘いはこれからだ。