8・8長崎反核集会 “労働者が平和の中心に” アーリーンさんが訴え
8・8長崎反核集会 “労働者が平和の中心に”
アーリーンさんが訴え
被爆63周年長崎反戦反核労働者集会が8日午後、長崎勤労福祉会館で開かれ、115人が結集した。集会には国鉄や自治体、民間の労働者を中心に長崎・福岡の教育労働者が多数参加。11月労働者集会に向けた九州総決起集会となった。
集会は、アメリカのCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表のアーリーン・イノウエさんを迎え大高揚。
アーリーンさんは、両親と祖父母を含めた日系アメリカ人が戦争中に収容所に入れられた歴史が、戦後生まれの自分の存在をも規定しており、それが「平和への強烈な切望」を自分に与えているという。そして「私の今を正しく認識し、一人の日系アメリカ人女性としての存在に喜びを感じられるようになった」と振り返った。「『私ってすごいかも』という表現で私たちの直接行動主義に確信を持っていることを表現してきた」と明らかにした。
さらに、「落ちこぼれ防止法」のもとで、教育現場で募兵が公然と行われている状況を許さないためにCAMSの運動が始まり、それが「数百人の若者の入隊についての考えを変える意思表示」をかちとったと報告した。そして「今こそ労働者が、平和と正義のための闘いで中心的役割を演じる時なのです」と訴え、「皆さんこそが世界を変える!」と日米の労働者の国際的団結とその勝利の展望を強調した。
会場との質疑応答をつうじ、日韓米労働者の団結と闘いを一層強めていくことが確認された。
アーリーンさんの発言を受けて「日の丸・君が代」被処分者の河原井純子さんが発言。今年の春の「不起立」闘争と根津公子さんの解雇を許さない闘いの広がりを「とってもうれしい共闘」と評価し、「これで世界を大変革できる」と述べ、東京教組の米山良江さんも含めたその後の闘いの経過などを報告した。参加者は、日米の教育労働者の連帯した運動の重要性をあらためて認識した。
第1章 ミサイル開発と原発は一体
日本や世界の原発などの核被害を自ら調査している元慶応大学教授の藤田祐幸さんは「迎撃ミサイル配備と日本の核武装」と題して、日本の核武装計画が最初からミサイル開発と一体的に進められていることを明らかにした。また藤田さんは、8月1日に明るみに出た佐世保での原子力潜水艦の放射能漏れ事件に対して「政府は安全だと言っていたが、そもそも安全か否かをチェックする機能さえなかったことがはっきりした」と、徹底的に弾劾した。 被爆2世の労働者は、連合主導下で変質を深め闘わなくなっている原水禁(原水爆禁止日本国民会議)を弾劾し、「私たちは単なる生き証人ではない。労働者として、核と核戦争に対決して闘う主体である」と宣言。「祈りではなく、怒りの長崎として闘おう!」と檄(げき)を発した。
国労小倉地区闘争団事業部で国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告の羽廣憲さんが発言し、「4者・4団体」の中で闘争団の中からも出てきている和解と屈服の動きと対決して、新たな国鉄闘争としてあくまで「解雇撤回・民営化反対!」「新自由主義打倒」を掲げて闘うことを宣言した。
教育労働者は、式場から排除する攻撃を断固打ち破り「日の丸・君が代」強制に不起立を貫いた闘いを報告した。さらに自治体労働者は、職場で進む人事評価制度導入を自らの決起で阻止した闘いを報告した。
これらの発言を主導したのは青年労働者だ。体制内労働運動によって闘わない勢力になり下がっている原水禁の現状を厳しく批判し、「核も戦争もなくすためには革命しかない。その先頭に若者が立つ。青年労働者がこの世界を変える」と高らかに宣言した。動労千葉特別執行委員の滝口誠さんがまとめを提起し、「動労千葉は11月労働者集会1万人結集に命運をかける」と決意表明。集会は大成功した。