2008年8月 4日

11月1万決起で世界革命へ マル青労同・マル学同1千人組織建設で革命勝利の勝負をかけよう 「生きさせろ!」の賃上げゼネストを

週刊『前進』10頁(2354号7面1)(2008/08/04)

11月1万決起で世界革命へ
 マル青労同・マル学同1千人組織建設で革命勝利の勝負をかけよう
 「生きさせろ!」の賃上げゼネストを

 第1章 Ⅰ 「日本に世界革命派あり」と宣言

 権力奪取、共産主義への道は、はるか彼方の不確定の未来の問題ではなくて、日々の階級的実践のなかで準備されていく。マルクスは『共産党宣言』でこういう主旨のことを述べている。08年前半、世界中の労働者は生きるための闘いに立ち上がり、それは全世界を覆う巨大なエネルギーとなって、国際階級闘争の新局面を切り開きつつある。そして、ストライキ、ゼネスト、暴動に立ち上がる中で、自らの革命的能力を自覚し、社会の主人公としての自信を一挙に深め、さらに前進しようとしている。
 今や世界金融大恐慌と悪性インフレの爆発過程が始まった。このただ中で、マルクスの『共産党宣言』は数億、数十億のプロレタリアートの武器になり、「万国のプロレタリア、団結せよ!」のアピールが世界にとどろいている。その最先端の職場生産点で、大学キャンパスで、階級的労働運動路線を白熱的に実践してきた日本階級闘争の大地から、サミット粉砕決戦が爆発した。5・28〜29法大決起と6・29渋谷大デモは、プロレタリア世界革命への戦闘宣言だった。
 08年前半、青年労働者・学生54人の逮捕、17人の起訴攻撃を逆に革命的号砲として、階級的団結が豊かに発展した。新自由主義とその大破綻(はたん)の中で、階級的団結論が生きたマルクス主義として全面的に再生され、日本階級闘争を塗り替えた。青年労働者・学生の英雄的決起が、2000万の青年労働者、6000万の全労働者をわしづかみにする時代が到来した。08年11月1万人大結集への橋頭保ははっきりと築かれた。「全世界の労働者階級を代表して、獄中で闘う」と宣言している獄中の若き革命家たちの存在が、日本革命—世界革命の現実性を象徴している。
 08年前半の日本階級闘争の到達地平に揺るぎない確信を持って、11月1万人大結集の実現へと突き進もう。

 第1節 (1) 全世界にとどろき渡った6・29サミット決戦の爆発

 08年前半決戦の総括として確認したいことの第一は、6・29を頂点にしてサミット粉砕決戦に大勝利し、階級的労働運動路線とプロレタリア世界革命への巨大な地平を押し開いたということである。
 世界史的な革命情勢が炎のように燃え上がり、全世界を覆いつくしている。この中で、首都東京—日本におけるサミット粉砕決戦は、全世界のプロレタリアートと被抑圧民族プロレタリアート人民の注目と期待を一身に担っていた。それに対し、空前のサミット厳戒体制—デモ禁圧攻撃をうち破り、一丸となって進撃するスクラムデモ=団結の力がアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国など全世界に向け衝撃的にとどろきわたった。
 6・29サミット粉砕労働者集会を呼びかけた動労千葉の田中康宏委員長は、「もう社会の隅々まで燃料は山積みになっている。これに火をつけ、団結をつくりあげることがわれわれの仕事だ」と、声を限りにアピールした。新自由主義攻撃の緒戦としての国鉄分割・民営化に対し世界で唯一、2波のストライキで闘い、団結を守り抜いた動労千葉がサミット粉砕決戦のまさに先頭に立った。
 そして、職場生産点や大学キャンパスで非和解的な絶対反対の闘いを貫いてきた青年労働者・学生を先頭に、全参加者が世代をこえて一緒にスクラムを組み、怒とうの進撃で権力の圧制と暴力をズタズタに粉砕した。「革命と権力打倒を掲げたデモを身体を張って貫徹したことで生まれた団結と感動! 老若男女全員が傷つきながら、逮捕者を出しながら、眼鏡を破壊され、靴が脱げて裸足になっても、機動隊との激突の圧力で気絶しそうになりながらも、デモを貫徹したのです」(ワーカーズアクション実行委の提起)
 6・29には、マルクス主義とレーニン革命論の神髄が凝縮されている動労千葉労働運動と階級的労働運動路線の威力が脈うっている。サミット粉砕決戦—6・29は、労働者の団結という、ただこの一点を武器に闘ったスクラムデモで、日本階級闘争の歴史を塗り替えた。6・29は、さらに7・6札幌現地闘争に受け継がれた。道内2万1千人のサミット厳戒体制をうち破って、札幌市内を席巻する戦闘的デモがうち抜かれたのだ。
 サミット決戦を、階級的労働運動路線の白熱的実践の烈火の死闘の中で、階級的団結論で武装して、職場・生産点からの決起を基軸とし土台としてうち抜いたことで、11月への偉大な突破口はこじあけられたのだ。

 第1項 6・29の血路開いた5・28〜29法大決戦

 第二は、5・28〜29法大決戦が、サミット粉砕決戦の血路を切り開き、6・29に象徴される日本階級闘争の一挙的な革命的変化を生み出したということである。
 5月29日、法大包囲第2波デモの当日、法大生を先頭にした全国の学生は、全面封鎖された校舎に実力で突入し、キャンパスデモに決起した。そして校舎の中心部で、国家権力と大学当局の襲撃に対して、内乱的・暴動的な闘いをたたきつけた。それは、監獄大学をうち破ろうとする若き革命家たちの命がけの渾身(こんしん)の決起だった。学生たちの壮絶な闘いの前に、大学は完全にストップした。最高のストライキがうち抜かれたのだ。
 新自由主義大学の象徴・法政大において、06年3・14決起以来、88人の逮捕、19人の起訴、退学・停学処分の乱発、そのことごとくを革命的団結の糧に転じて闘い抜き、ついに戦後学生運動史上最強の革命家集団を生み出したのである。
 95年の日経連のプロジェクト報告と時を同じくして、新自由主義大学というあり方がばっこしてきた。自治会、自治寮、学生会館、サークル、クラスなど、学生が団結する紐帯(ちゅうたい)のすべてを破壊し、最末期帝国主義の生き残りをかけて、1%という文字通り一握りのブルジョアエリートを育成する一方で、大学は労働力製造工場と化すにいたった。
 しかし、06年3・14から08年5・28〜29へとのぼりつめた闘いは、「7・24法大弾圧ぶっとばせ!全国集会」の大成功をもって、全社会的大反撃にうってでた。そして法大3万学生を始めとして、未来を奪われた全国300万学生の根底からの怒りを解き放とうとしている。
 マルクス主義と階級的団結論で自己を武装し、革命を豊かに宣伝・扇動し、組織する学生運動の威力が、300万学生のみならず、6000万労働者の魂をつかもうとしている。ついに、新自由主義攻撃をうち破る日本学生運動の革命的再興を、法大での2年余の死闘戦を通して戦取したのだ。

 第2節 (2) 動労千葉が日本と世界の労働運動牽引する主軸に

 第三は、動労千葉労働運動と階級的労働運動路線が、全世界の革命的情勢と結びつき、その牽引(けんいん)軸として登場したことである。
 21世紀の初頭情勢において、世界金融大恐慌過程に国際プロレタリアートの闘いがかみ合い、歯車のように回転し始めた。日本では『蟹工船』ブームと青年労働者・学生の団結を求めてやまない決起とが結合を開始した。こうした革命的情勢の中で、革命の具体的綱領と現実的路線、それを実践する生きた組織こそが、何よりも希求されている。
 1917年ロシア革命の前夜、レーニンは体制内派=日和見主義者との激しい党派闘争を闘いつつ、『帝国主義論』で、帝国主義は社会主義への「過渡的な」「死滅しつつある資本主義」であり、「プロレタリア革命の前夜」であると喝破した。帝国主義は革命後の社会建設の物質的条件を完全につくり出している。労働者がプロレタリア革命をやって権力をとる条件は成熟しきっているのだ。
 レーニンはこうした最高の革命的扇動で労働者を革命へと組織した。08年前半戦で、レーニン革命論を継承した階級的労働運動路線の実践を、プロレタリア独裁実現に向け、職場生産点における階級的団結の形成として本格的に着手した。階級的労働運動路線に包含されている階級性と革命性が、サミット決戦を頂点にして開花しているのだ。
 しかも今や情勢はレーニンの時代の比ではない。帝国主義の生産力は、共産主義社会建設の条件を完全に成熟させている。「労働運動の力で革命をやろう」「直ちに労働者に権力をよこせ」というイデオロギーと路線のもと職場支配権をうち立て、日本と全世界の労働者階級の勝利の現実性を開示してきたのは、まさに動労千葉労働運動である。
 米ILWU(国際港湾倉庫労働組合)の5・1メーデーストとイラクの労働組合の連帯スト、大統領府まで手の届く100万デモやゼネストの先頭に立つ民主労総ソウル地域本部の闘いは、動労千葉労働運動との結合・団結の中から誕生した。そして動労千葉は、08年JR体制下で20年余の団結を守り抜いた地平と革命的激動の中で、奇跡的ともいえる組織拡大を実現した。
 いよいよ動労千葉を軸とする階級的潮流が、日本労働運動の主軸として登場する情勢が到来した。第2次国鉄決戦を軸とする4大産別決戦と、医療福祉労働者委員会、合同・一般労組委員会の新たな建設と闘いは、青年労働者が屹立(きつりつ)することで、革命をめざす労働運動への跳躍を開始した。

 第3節 (3) 7月テーゼの本格的実践が生み出した闘いの地平

 第四は、07年7月テーゼが文字どおり階級闘争の大地に根づき、本格的な実践を開始し、偉大な前進を実現していることだ。とりわけ4〜5月入管闘争の階級的な発展と、西郡闘争を最先端とする部落解放闘争の苦闘と躍動にみちた革命的再確立の闘いである。
 そもそも7・7思想とは、マルクス主義の革命的再確立によるプロレタリア世界革命論であり、資本主義・帝国主義の労働者階級への分断攻撃に対する、国際的階級的団結論である。7月テーゼこそ、この7・7思想を、マルクス主義・レーニン主義の思想として21世紀のプロレタリア世界革命の大発展の土台にすえきったのだ。
 革命的情勢の急速な接近は、この階級的原則と実践をめぐって、党と階級にすさまじい実践的飛躍と決断を求める。またそれをめぐって、さらに動と反動の分岐を不可避とする。塩川一派こそ、この飛躍と実践を拒否し、そればかりかそうした日和見主義を合理化し開き直ることで、小ブル自由主義を満展開させた集団である。そして行きついたものが、革共同破壊、動労千葉破壊を唯一の目的とするイデオロギーと行動であり、その必然的帰結としてのマルクス主義の徹底的解体だ。
 これとの分岐と激突は、革命的情勢の急接近のもとで、マルクス主義で武装して立ち向かう党と階級に、生き生きとした革命的歴史的生命力をそそぎこむ闘いへと転化する。それは今日、7・7思想の歴史的歪み、すなわち血債主義・糾弾主義を克服し、マルクス主義—共産主義を階級的労働運動路線として、革命的に確立し、実践していく闘いである。
 4〜5月入管闘争の歴史的飛躍は、まさに血債主義・糾弾主義を克服し、階級的労働運動路線の発展の中に内在化した新たな入管闘争が、動労千葉との生きた国際連帯と結びつくことで、いかに巨大な階級的奔流をつくり出すかを実証した。この闘いは間違いなく、サミット決戦の国際階級闘争としての歴史的爆発をうみだす原動力にもなった。
 部落解放闘争において、西郡闘争は、その対極にある「広島差別事件」の捏造(ねつぞう)をふみしだき、新自由主義のもとでの極限的な差別分断攻撃と対決する階級的団結論の豊かさを、その実践をもって示している。西郡闘争は、狭山闘争と両輪となって、階級的労働運動と固く団結する新たな部落解放闘争の階級的発展を切り開いている。
 重要なのは、「党の革命」で打倒された与田による反マルクス主義の部落解放闘争論を根底的にのりこえる綱領的路線的再形成の核心において、部落差別が資本主義・帝国主義による〈階級分断攻撃>であることを、綱領的、転換的に明確化したことの意義である。それは、部落解放闘争を始めとする「諸戦線」の闘いを、階級的労働運動路線の中に生き生きと内在化させるものとなり、豊かな革命的実践を可能としているのである。

 第4節 (4) 沖縄闘争と三里塚闘争の新たな発展を切り開く

 第五は、階級的労働運動路線の白熱的実践と一つのものであり、帝国主義戦争を内乱に転化し革命に勝利する闘いの重要な柱として、沖縄闘争と三里塚闘争の新たな発展を切り開いていることである。
 沖縄基地撤去と労働者階級の解放は完全に一体のものだ。沖縄と本土の労働者が分断を打破し、団結して立ち上がるならば、日米安保体制は根幹から吹き飛ぶ。07年9・29と今年の3・23県民大会の地平を発展させ、沖縄労働者階級の自己解放闘争をたぐり寄せるものこそ、動労千葉のような階級的労働運動だ。3・16—5・15沖縄闘争をもって、動労千葉派の労働運動が沖縄に登場した。あらゆる分断を打ち破り、沖縄—本土の労働者の不抜の団結をつくりだす闘いが始まっている。
 こうした闘いこそ、日帝打倒に直結し、米帝の世界支配を危機にたたき込む闘いだ。沖縄は世界革命勝利への火薬庫である。
 三里塚闘争は、日本革命の労農同盟の拠点であり、沖縄と並ぶ戦略的位置を持っている。040 43年間の三里塚闘争は、今も国策空港の完成を阻み続けている。そして今、日帝の「アジア・ゲートウェイ構想」と「航空自由化」政策をもってするアジア勢力圏化攻撃と対決して、暫定滑走路北延伸工事と「年間飛行回数の30万回化」「暫定滑走路の3500㍍化」を粉砕する闘いに決起している。
 とりわけ、敷地内天神峰の市東孝雄さんに対する農地強奪攻撃こそ、新自由主義のもとでの農民圧殺攻撃の最先端であり、三里塚闘争破壊の画歴史的攻撃だ。反対同盟はこの攻撃と全力で対決して闘っている。日本の300万農民にとって、日帝を打倒し、革命に勝利する以外に生きていけない時代が到来している。三里塚闘争は、全国の農民の怒りのマグマを結集し、労農同盟を強化し、その壮大な爆発をかちとる決定的な闘いなのだ。

 第1項 弾圧粉砕・裁判闘争の階級的飛躍を実現

 第六は、階級闘争の革命的激動的発展が、獄中闘争と裁判闘争の新たな展開と階級的前進を押し開いているということだ。
 獄中33年、不屈・非転向で闘う星野文昭同志に対し、7月14日に最高裁第6小法廷は特別抗告を棄却した。確定判決の中心部分が、再審弁護団の提出した新証拠によって崩されていることを認めながら、再審は棄却するという許しがたい暴挙だ。星野同志は「真実はわれわれの側にあります。われわれがめざすものの大きさを権力が圧殺しようとするのは無理です。われわれの正しさに確信をもち、力を数倍、数十倍にして、第2次再審で勝利しよう」と熱いアピールを発している。
 08年前半の闘いの巨大な地平をふまえ、階級的労働運動の広大な発展と一体のものとして星野同志奪還へ総決起しよう。
 1988年の千葉県収用委会長せん滅戦闘のデッチあげ弾圧裁判で、3月に水嶋秀樹同志の完全無罪確定の歴史的勝利をかちとったことは決定的だ。
 さらに6月23日から開始された迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の差し戻し審に、司法権力の反動的あがきを粉砕して絶対に勝利しよう。
 そして、今現在の階級的労働運動の爆発的前進のカギを握る国労5・27臨大闘争弾圧裁判と四つの法大裁判闘争が、階級的原則を貫き、革命をめざす裁判闘争として、新しい地平を切り開きつつ闘い抜かれている。
 こうした裁判闘争は、完黙・非転向の不屈の前進と一体でかちとられている。2年余の法大決戦、とりわけ5・28〜29法大決起、6・29サミット決戦の全過程での100人の逮捕者全員が、完黙・非転向を貫いた地平は決定的だ。これを支えている弁護士戦線の広大な闘い、そして革共同中央救対の献身的決起と指導性の貫徹は、特筆されるべきことである。
 今年2月の日弁連会長選挙において、「憲法と人権の日弁連をめざす会」代表の高山俊吉弁護士が、弁護士激増政策、裁判員制度、刑事司法改悪に反対し、改憲阻止を鮮明に掲げて43%を得票し、勝利まであと一歩という階級的地平が切り開かれたことは重大である。
 6月13日に、「裁判員制度はいらない! 全国集会」が日比谷公会堂に1500人を結集して闘いとられた。司法改革を推進する日弁連執行部への怒りと弁護士攻撃に対する危機感が充満し、司法改革そのものを吹き飛ばす闘いが弁護士の広範な決起として開始されている。とりわけ「弁護士だってワーキングプア」という若手弁護士の怒りと決起は、青年労働者と学生の闘いと結合しながら、急速に拡大している。弾圧粉砕闘争、裁判闘争での新しい革命的地平は、階級的団結を求めて決起する弁護士の闘いと一体だ。

 第2項 地区党建設の前進と職場闘争委員会設立

 以上のような08年前半の画期的前進は、マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟の1000人組織建設、産別委員会建設、地区党建設が全一体で推進されてきた中で実現された。とりわけ、地区党建設の新たな発展が、本格的な労働者党建設を求める<党の革命〉として始まった。地区党建設が<党・労働組合・ソビエト〉によるプロレタリア独裁権力をかちとる闘いとして、階級的労働運動路線の実践と一体で進行している。
 この地区党建設と階級の指導部建設の闘いが職場闘争委員会を生み出した。そして労働学校が全国・全地区で一斉に開設された。マルクス主義を唯一の労働者の思想(=理論)として獲得すること。さらに生きたマルクス主義としての動労千葉に学ぶこと。労働学校は青年労働者獲得の宝庫だ。地区党建設と職場闘争委員会、労働学校が位置づき、豊かに発展することが、無数の労働者細胞建設、職場細胞建設を可能にするのだ。
 08年前半の全過程をとおして、「革共同破壊に転落した塩川一派打倒し、階級的労働運動の白熱的実践かちとれ」(1・1アピール)の方針を貫き、プロレタリア世界革命、日本革命への偉大な前進を切り開いたことを、圧倒的に確認しよう。

 第2章 Ⅱ 革命的情勢が全世界的に成熟へ

 11月労働者集会の1万人結集の実現に向かって、今まさに労働者階級が迎え撃ち、切り込もうとしている内外情勢の基調は、全世界的な革命情勢の成熟ということだ。
 一方では、帝国主義の基本矛盾の全面的爆発として世界金融大恐慌が本格的に激化し、イラク・アフガニスタン侵略戦争がイランへの戦争拡大をはらみつつ危機的泥沼的に継続されている。他方では、最末期帝国主義の新自由主義による政治支配・階級支配が完全に破産し、全世界で労働者階級と人民のストライキや暴動が激発している。
 「明日に確信を持っている」帝国主義はひとつもなく、あらゆる政府が「噴火山上」に生きている。

 第1節 (1) 世界金融大恐慌への突入とインフレ爆発の重大性

 何よりも世界金融大恐慌が現実に爆発しつつあることが、決定的に重要だ。資本主義・帝国主義はけっして永遠に続く体制ではない。金融大恐慌の爆発は、その歴史的命脈がすでに尽きていること、労働者階級は資本主義・帝国主義を打倒して革命(世界革命)をやれるのだということ、その可能性と現実性を確信できる重大情勢だ。
 07年8月の「パリバ・ショック」をもってサブプライム危機が爆発し、世界金融大恐慌が現実化した。バブル経済の格好の手段としてサブプライムローン(住宅ローン)の証券化商品が世界経済に地雷原のように組み込まれてきたが、住宅バブルの破裂でその不良債権化が一気に進み、金融機関の損失と信用収縮が雪だるま式に拡大した。そして08年3月、ついにベアー・スターンズの破綻で基軸国・米帝の金融中枢が恐慌に突入した。
 この間、ブルジョアジーは「金融不安は一段落」したかのように宣伝してきた。しかし現実には、住宅市場の崩壊も、損失拡大も、信用収縮も止まらず、危機の底はまったく見えていない。ゴールドマン・サックスなど米金融独占ブルジョアジー自身が、「10年まで住宅市場の回復は見込めない」「米銀の損失計上は09年1〜3月にピークを迎える」「信用収縮は09年まで長期化し、米銀は650億㌦規模の追加資本増強を迫られる」などとレポートせざるを得ないのが現実だ。
 3〜5月期決算では米証券大手3社の一角、リーマン・ブラザーズが上場以来初の27億㌦という赤字を出し、60億㌦の緊急増資が必要になり、会社売却(吸収合併)説も浮上した。この「リーマン・ショック」は3月のベアー破綻の悪夢の再来だった。
 金融大恐慌の本格化を示す重大事態の第一は、米大手銀行・証券9社の4〜6月期決算だ。これでシティグループが、新たに116億㌦(約1兆2400億円)の損失を出し、最終損益は25億㌦の赤字。メリルリンチも97億㌦(約1兆300億円)の追加損失により、最終損益は46億㌦以上の赤字。さらに大手銀ワコビアが最大の120億㌦(約1兆2700億円)という損失を計上した。これらはあくまで対外的に発表された数字で、実態はもっと巨大なはずである。住宅価格の下落が続く中で、米金融機関の損失拡大は「収束の兆し」がまったく見えていないのだ。
 FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が7月8日、銀行・証券の大型破綻に備え公的な受け皿銀行(ブリッジバンク)の活用を可能とする法整備を訴えたことは、金融大恐慌の第二ラウンド突入に備えた「臨戦態勢」に入ったことを示している。現実にも7月11日には、「オルトA」で業績を拡大してきた米地銀・住宅ローン大手のインディマック・バンコープが破綻に追い込まれた。  
 さらにより決定的な重大事態の第二は、米住宅金融公社2社(ファニーメイとフレディマック)が、事実上の経営破綻に陥ったことだ。この民営化された半官半民の住宅公社が保有・保証する住宅ローン担保証券の合計は、実に米国債(約500兆円)を上回る約550兆円(5兆2000億㌦)で、米住宅ローン関連資産総額の半分に近い。これが住宅価格下落が止まらない中で経営危機に突入したのだ。両社の株が急落しただけでなく、7月11日のニューヨーク市場は株・ドル・債券の「トリプル安」に見舞われた。
 米財務省は公的資金注入方針や「国有化」の検討を打ち出した。だが規模が余りに大き過ぎて「国有化」は不可能だ(政府自体が破綻する!)。またさらに重大なことは「米国債並みの信用」を売り物にした2社の米住宅公社債を、全世界の中央銀行や金融機関が総額160兆円(ポールソン財務長官)も保有していることだ。具体的な額は、07年6月末時点で最大保有国の中国が約40兆円、2番目の日本が24兆円に達する。
 まさに2公社の破綻は、国際的な金融危機とドルの信認崩壊—ドル暴落へと転化し、昨年8月のサブプライム危機爆発に続く、世界金融大恐慌の新段階を意味するのだ。
 住宅バブルは最末期帝国主義の新自由主義とグローバリズム、野放図な民営化と規制緩和がつくり出したもので、バブルの崩壊はその破産だ。そして今、金融大恐慌がアメリカを始め世界の労働者階級人民に強制しているものこそ、インフレとリストラの嵐だ。
 インフレの爆発は人民の生活を痛撃している。特に原油・鉄鉱石・石炭や小麦・コメ・トウモロコシなど主要な食糧の価格は昨年以来、あるいはこの数年で2〜3倍となり、インフレ率は実に100〜200%だ。それがアフリカ、アジア、中南米などの労働者人民の生活をもろに破壊し、食糧暴動となっている。日本でも年初来、原油・食糧の暴騰が価格上昇に転化され、消費者物価指数は1・9%(08年6月)だが、ガソリンや灯油は20〜40%超、小麦などが原料の食料品や乳製品は軒並み20〜30%を超えるインフレだ。
 この原油や食糧の暴騰をもたらしている元凶は、金融大恐慌下の投機マネーである。昨年来、FRBやECB(欧州中央銀行)は恐慌対策として数度にわたり巨額の資金投入を行い、金利も引き下げてきた。金融危機への帝国主義のカンフル注射が超低金利と増資だ。これでだぶついた資金が、ドル安の進行の中で、原油と食糧に投機マネーとして流れ込み、実際の需給と関係なく価格をつり上げている。原油の場合、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった名だたる投資銀行が、価格変動による利ざやを狙って価格騰貴を誘導し、膨大な利益をあげている。実際に需給関係からみた原油価格は1バーレル70㌦程度で、それを超えた上昇分はすべて投機なのだ。
 リストラの嵐もすさまじい。金融大恐慌の震源地アメリカでは、金融、自動車、航空を始め、全産業で人員削減が強行され、GMなどビッグスリー(自動車)は、毎月のように工場閉鎖や追加リストラを発表している。金融大恐慌の深刻化は、実体経済の全面的な景気後退・大不況化を相互促進的に激化させ、インフレとリストラの嵐が、労働者階級人民の生活をいよいよ破壊していく。それは革命情勢をいよいよ成熟させるのだ。

 第2節 (2) イラク・アフガン情勢とイラン情勢の戦争的緊迫

 イラク・アフガニスタン—イラン情勢も、世界金融大恐慌の現実化とともに帝国主義の基本矛盾の爆発の発火点であり、国際帝国主義は米帝を先頭に相互の対立・争闘戦を激化させながら、侵略戦争—世界戦争への過程を破滅的に突き進んでいる。
 イラク侵略戦争は完全に石油争奪戦だ。石油を支配するために米帝ブッシュはイラク戦争を強行し、フセイン政権を転覆した。この間、米英の大資本がイラクに食い込んで6カ所の油田改修の入札をとった。来春から開始される新油田開発についても、これに巨大石油資本が一斉に群がっている。石油が目的だから、米帝はいかに敗北・敗勢を深め泥沼化していても、イラクから絶対に撤退できない。マリキ政権を含めイラクの全勢力から占領軍は出ていってくれと言われても、絶対に撤退しないのだ。
 現在、米帝は今年末で失効するイラク駐留のための国連安保理決議に代わる二つの協約案をシーア派主導のマリキ政権と協議中だが、その中身は、米軍と警備保障会社(傭兵部隊)の「治外法権」的な権利、恒久的な米軍基地建設と使用、領空の排他的使用権などであり、まさにイラクを半永久的に植民地化する内容だ。カイライのマリキ政権もこれをのむことなどできず、交渉はデッドロックにぶち当たっている。
 こうした米帝の石油支配と植民地化攻撃に対し、ひとつはイラクの石油労働者が立ち上がっている。石油のために主権が奪われ、何十万人ものイラク人民が虐殺されていることへの怒りが噴出している。フセイン時代にも非合法で闘ってきた南部のバスラを中心とする石油労働者の決起が、今後のイラク情勢で重要な位置をもつことは間違いない。今年の5・1メーデーでILWUの港湾ストと連帯して決起したことは決定的だった。
 他方、イラクの武装解放闘争は、アルカイダ的、部族的、サドル派など宗派的なものや、ファルージャの戦いのような全住民を組織したパルチザン戦争的なものなど、さまざまな系列の戦いがある。この6〜7月にはバグダッドを始め、アルカイダ系などの大規模な爆弾ゲリラ、自爆ゲリラが相次ぎ、米帝・治安部隊による掃討作戦の展開にもかかわらず、不屈の戦いの継続を示した。やはり米帝に対し現に武装闘争で決起していることをぬきに、イラク人民の闘いを語ることはできない。
 イラクの武装解放闘争は、現在的にはさまざまな歪みを抱えているとしても、けっしてプロレタリアートの闘いと無縁ではなく、そのひとつの発現形態である。労働者は一方ではそうした武装闘争を戦い、他方では石油労働者のように階級を基本的なところから組織しようとしている。そういうものとして統一的にとらえていくことが必要だ。ファルージャのような部族の壁を越えたパルチザン的な武装解放闘争が発展していくことと、石油労働者などの闘いとが結合してこそ、米帝を追い詰めていくことを展望できるのだ。
 さらにイラン情勢が緊迫している。この間の米英帝やイスラエルのさまざまな動きを見ると、この秋から米大統領選過程と年末にかけて、イスラエルによるイラン爆撃や米帝自身によるイラン侵略戦争の発動が、完全にありうる情勢なのだ。6月上旬にはイスラエルが東地中海で、100機以上の戦闘機を投入した大規模なイラン爆撃訓練を行った。またイスラエルのモファズ副首相兼運輸相(元参謀総長・国防相)が6月6日、「イランが核兵器開発を続ければわれわれは攻撃する」と公言していることも重大である。
 イスラエルという存在の反革命的バネの大きさを見なければならない。米欧帝は何かあれば「イスラエルを守れ」となる。しかもイスラエルはものすごい危機だ。米帝もイラク・アフガニスタン情勢を反革命的に突破する必要に迫られている。北朝鮮へのこの間の米帝の融和的対応は、東西で同時に戦争が爆発することを避けることが基本にあるのだ。

 第3節 (3) 福田政権の絶望的な危機

 金融大恐慌の爆発と世界戦争への攻撃の激化という情勢下で、日帝・福田政権のどうしようもない「最弱の環」ぶり、末期的弱体ぶりがさらけ出されている。
 小泉構造改革の「骨太方針Ⅵ」は2011年までにプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化するとして、社会保障費を5年間にわたって毎年2200億円削減し、公務員の大量首切りや公共投資の削減などを打ち出したが、恐慌と不況に直撃され、今や吹き飛んでいる。そして何よりも医療・福祉破壊の攻撃などに労働者人民の怒りが爆発し、「ねじれ国会」で政策は遂行不能となり、政権はさらに危機を深めた。日帝ブルジョアジーは司令塔を欠き、ボナパルティズム的体制の福田政権は漂流している。すべてが行きづまっている。
 こうした中で日帝・福田がやろうとしていることは、一方で「骨太方針Ⅵ」の反革命的骨格は継続し、医療・福祉の切り捨てや公務員を200万人規模で削減する攻撃を貫き、消費税も大増税することであり、他方では宇宙基本法制定や派兵恒久法の策動が示すように、米欧帝国主義に伍(ご)して、外への侵略戦争に突き進むことだ。こうした点での福田の反労働者性・反革命性は、小泉・安倍と同様まったく許し難いものである。
 これだけ危機と反動を極める福田政権を支えているのは、民主党などの野党と連合・全労連などの体制内労働運動の腐敗・堕落だ。彼らは2000万青年労働者などの根底からの怒りを抑圧し、階級的労働運動に全面的に敵対している。民主党や連合は福田を打倒すること自身に恐怖し、グラグラのブルジョア政権を支えている。
 11月労働者集会に向け、階級的労働運動が今こそ「福田政権打倒!」を真っ向から掲げて総決起する時だ。

 第4節 (4) 全世界でスト・暴動が爆発

 「世界は革命情勢」という場合、今ひとつ決定的なことは、新自由主義攻撃の破産の中で、帝国主義国でも新植民地体制諸国でも、ストや暴動が激発していることだ。
 帝国主義がこれだけバブル経済を継続して延命してきたのにインフレにならなかったのは、中国や旧スターリン主義圏の東欧が資本主義にのみ込まれ、その超低賃金労働力を帝国主義が搾取してきたことが背景にあった。しかし帝国主義国の10分の1、20分の1という低賃金にもう我慢ならないという怒りが爆発し、中国でも東欧でも賃上げ闘争が起き、実際に2桁(ふたけた)の要求をかちとっている。中国では今年1月から施行の「新労働契約法」をも武器に、どんどん労働争議が爆発している。上海では07年の第1四半期に6000件であったものが、08年第1四半期には1万2000件と倍増している。
 今や経済大国化した中国で、この労働者のストの激発に、全土での農民の暴動やチベット・ウィグルでの民族的反乱が結合して、残存スターリン主義・中国における「第二革命」のような大動乱に発展する情勢が現実化しているのだ。東欧でもチェコやルーマニアなどで、本格的なストライキが起きている。
 帝国主義国でも、ドイツの機関士労組や公共サービス労組の大ストライキ、フランスのサルコジ改革と激突する公務員労組、公共企業労働者、学生・高校生などの闘い、イギリスの郵便労働者や教育労働者のストなど、EU帝国主義を揺るがす闘いが爆発している。どこでも大幅賃上げが要求の軸であり、特にドイツでは「ストライキ共和国」と言われるほどストの波が全国を覆い、あのドイツ労働者が再び歴史の前線に登場してきている。
 さらにアフリカなどの食糧暴動や、原油暴騰に痛撃される漁民たちが、ヨーロッパや日本で大規模な休漁ストに立ち上がっていることも、新自由主義への歴史的反乱だ。
 こうした全世界的なストや暴動の最先頭に、動労千葉を軸とした日韓米3国連帯の闘いがあり、5・1メーデーでのILWUのストとイラク労働者の連帯決起、そして韓国・民主労総の7・2ゼネストなどの闘いがある。11月労働者集会がいよいよ決定的となってきているのだ。

 第3章 Ⅲ 階級的労働運動と重要な路線問題

 第1節 (1) 階級的団結論とマルクス主義復権の決定的な意義

 世界が革命情勢であるということは、社会の真の主人公である労働者が、資本家階級の支配を転覆し、全権力をその手に握る世界革命の時代が、再び来たことを意味する。
 「労働運動の力で革命をやろう」という階級的労働運動路線は、まさにこの革命の時代の到来に真っ向から応える唯一無二の路線だ。それは革命への最短距離である。労働者階級の日々の闘いの中からプロレタリア権力の実体を主体的・戦略的・現実的に準備し、育て上げることをとおして、プロレタリアートによる権力奪取への道を真一文字に切り開いていくものが階級的労働運動路線である。
 それは、プロレタリア革命の主体である労働者階級の本質的な革命性をとことん信頼し、そこに一切を依拠して革命をやりぬく路線だ。すべての体制内的な思想と決別し、職場生産点を軸に資本・権力・当局との絶対非和解の闘いを徹底的に貫いて、そこに形成される階級的団結とその拡大を一切の土台にすえて闘う。そして労働者階級による職場生産点の支配をテコに、帝国主義のもたらすあらゆる搾取・収奪・抑圧と闘うすべての諸階級・諸階層の人民をも労働者階級のもとに総結集して闘う。そういう路線だ。
 それは、労働者階級自己解放の思想としてのマルクス主義の完全な復権である。ロシア革命を変質させたスターリン主義によるマルクス主義・レーニン主義の歪曲を最終的にのりこえて、労働者階級の自己解放闘争の中にこそ全世界を変革する力があり、全人間の普遍的解放への道があるというマルクス主義の核心中の核心を、21世紀の現代に実践的によみがえらせる革命的路線である。
 階級的労働運動路線は、動労千葉労働運動の長期にわたる不屈の闘いが切り開いてきた地平に学び、さらに今日の青年労働者の、現体制の根底的変革を求める魂の叫びと結合する中でつかみとられたものである。その核心は、絶対反対論と階級的団結論の確立と、その実践にある。
 第一に、労働者は資本と絶対非和解であり、労働者階級は救済の対象ではなく、この資本主義社会を転覆する革命の主体である。このことを徹底的に明確にして闘うことだ。
 今日の新自由主義とその破綻は、この社会が労働者階級に対する残酷きわまりない賃金奴隷制の上に成り立っていることを、あらゆるベールを取り払って赤裸々に示している。労働者は人間ではなく使い捨てのモノとして扱われ、すさまじい搾取と強収奪によって最低限の生存すら困難な状態にどんどん追いやられている。とりわけ青年労働者をとりまく状況は、現代の「蟹工船」そのものだ。労働者階級は、この資本の搾取と日々全力で闘わなければ生きられない。
 これまで労働者は、帝国主義とそれに屈服した体制内勢力の流す虚偽のイデオロギーのもとで、資本のもとへの富の蓄積が増大すれば自分たちの生活も少しは良くなるかのように思い込まされてきた。だがそんな幻想は今や完全に消し飛んだ。賃金奴隷の鎖を実力で引きちぎる以外に、労働者階級の未来はない。そして労働者階級は実は、団結して闘うことによってこの革命をやりぬける力を持っている。そして自らを解放するだけでなく、階級対立と階級そのものの存立条件を廃絶し、人間の普遍的解放を実現していくのだ。
 資本・権力との絶対非和解を貫き、一人ひとりの労働者が本来持っている階級的な自己解放の力を徹底的に解き放って闘うこと。ここに階級的労働運動路線の神髄がある。08年前半の闘いの前進は、それを文字どおり実践することによって切り開かれたのだ。
 第二に、あらゆる分断支配を打ち破り、労働者が団結を拡大し、自己を階級として組織すること、この中に一切がある。団結とその拡大にすべてをかけきって闘うことだ。
 帝国主義の支配はそもそも、労働者階級を幾重にも分断し、バラバラにして互いに競争させ、階級としての団結をとことん破壊することで成り立っている。新自由主義はそれを極限まで推し進めた。だがそのことは逆に、そこがブルジョア支配の致命的な弱点になっており、まさに「団結すれば勝てる」ことを意味している。法政大での闘いや6・29渋谷のように、全員が逮捕・処分覚悟の団結をもって決起した時、敵権力のどんな分断攻撃も、暴力支配も一瞬にして無力化する。逆に階級の無限のエネルギーが解き放たれる。
 「労働者が団結すれば社会を変えられる」。この確信が労働者をひとたびとらえた時、ものすごい力が一人ひとりの労働者の中に湧き起こってくるのだ。団結それ自身が新たな団結の拡大を求め、新たな革命的行動を求めてやまないプロセスが始まるのだ。
 労働者階級にとって団結とは、資本家階級に対抗して資本との日常的ゲリラ戦を闘いぬくための不可欠の手段だ。しかし、そこにとどまるものではけっしてない。資本・権力との非和解の激突をとおして形成される「仲間を絶対に裏切らない」という本物の階級的団結は、それ自身が資本の支配を実際にぶち破り、人間的共同性を実力で奪い返していく闘いの決定的な拠点を築くのだ。職場生産点におけるこの団結の組織化につぐ組織化、徹底的な拡大、そして地域・産別・国境をこえた発展こそがプロレタリア権力への道を現実に準備し、世界革命をたぐり寄せるのだ。
 第三に、一切の体制内的な思想と運動の壁を根底から突き破って闘うことである。
 今や、すべての労働者が「こんな世の中はもう我慢できない」と感じ、体制変革を心の底から求めている。にもかかわらず、旧態依然とした支配体制がなおも続いている原因はただひとつだ。民主党・社民党や連合の労働貴族、日本共産党スターリン主義を始めとしたあらゆる体制内勢力が、帝国主義の「最後の防波堤」となって労働者階級の決起を抑え込むことに全力を挙げているからだ。
 プロレタリア革命に恐怖して現体制にしがみつくこれらの勢力はすべて、資本主義を永遠に続くものと美化し、資本家階級との融和を説き、あるいは労働者階級には何の力もないかのように思わせてきた。それらは支配階級の思想そのものだ。「会社がつぶれれば労働者も終わりだ」「国が滅んでいいのか」が彼らの殺し文句だ。これに対し「こんな国や会社などつぶして当然」という立場に立ち切って団結を組織した時、労働者階級の反乱を抑え込んできた堤防は完全に決壊する。
 第四に、団結した労働者が革命的行動にうって出ること、体制内政党に代わる本物の労働者階級の党をつくりだし、労働組合を革命への団結体に変え、闘いの中で階級の指導部へと自己を形成すること、そして職場支配権を資本の手から奪い取り、自らの職場と地域を革命の拠点に変えて闘うこと——これらのことをとおして、敵階級との最後の決着をつける一斉武装蜂起とプロレタリア独裁権力樹立への道を現実に切り開いていくことだ。
 革命とは、労働者階級がその意思を団結した力をもって全社会に刻印し、強制する行為である。今日の支配階級であるブルジョアジーは、自らの意思をあらゆる暴力装置をもって他の全階級に押し付けている。これを転覆し、労働者階級が支配階級となって全社会を再組織するのが革命だ。プロレタリア革命が本質的に暴力革命であるというのは、搾取階級の抵抗を粉砕するためだけではない。旧社会の解体と階級社会の最終的な廃絶=共産主義社会の建設は、プロレタリアートの独裁とそのもとでの解放的で革命的な手段と闘いをとおしてしか達成できないからである。
 「団結の究極の拡大が革命」とは、このプロレタリア独裁の樹立にほかならない。まさに、そこへ向かっての団結を組織し、組織し、組織しぬく中に一切があるのだ。この道を断固として、確信を持って突き進もう。

 第2節 (2) 〈労農同盟論〉の今日的な革命的再確立のために

 階級的労働運動路線の白熱的実践をさらに闘いとっていくために、7月テーゼの一層の深化発展をかちとらなければならない。ここで決定的に必要なのが、労農同盟論の革命的再確立と国際連帯論の深化である。
 とりわけ労農同盟の新たな発展を切り開くことは、21世紀の革命にとってきわめて重要な位置を持っている。1917年ロシア革命の勝利を切り開いたレーニンとボルシェビキ党は、その勝利を実現する上で、労働者階級による職場生産点の支配とともに、労働者階級と農民の同盟をプロレタリア革命の成否を決する重要な階級的基礎として提起した。今日、最末期帝国主義の新自由主義攻撃とその総破産のもとで、この問題はむしろレーニンの時代以上に決定的なものとなりつつある。
 (1)何よりも、資本主義・帝国主義は農業・農民問題をけっして解決できないことが、今日の現実の中であらためて衝撃的に突き出されていることである。
 今日、世界金融大恐慌のもとでの急激なインフレの爆発は、都市の労働者階級を耐えがたい生活苦にたたき込んでいるだけではない。農民や漁民にもこのままでは農業や漁業自体が成り立たないという大変な危機として襲いかかっている。全世界で、労働者のストライキと並んで食糧暴動や農民や漁民の決起が続々と起きている。最末期帝国主義の新自由主義とその破産が食糧危機の爆発をもたらすと同時に、他方で農業を破壊し、膨大な農民を破産にたたき込もうとしている。
 そもそも資本主義は、その歴史的発展の内部において農業・農民問題を根本的に解決できない。帝国主義段階への突入はそのことを明確にした。すなわち、帝国主義のもとでは土地問題のブルジョア革命的解決はもはや不可能と化し、逆に農業と農民への金融資本による収奪が限りなく強められ、農村は労働者階級と農民全体の貧困化を推し進めるための潜在的過剰人口のプールと化した。
 第2次大戦後の帝国主義は、プロレタリア革命圧殺のために労働者と農民を分断し、国独資政策のもとで農民への一定の「保護政策」を打ち出すことで支配の安定を図ろうとした。だがそれが完全に行き詰まる中で強行された新自由主義への転換は、帝国主義の矛盾の一切を農民に押し付け、農業と農村を徹底的に破壊しつくすものとなっていった。とりわけ日帝がこの間やってきたこと、やろうとしていることは、実に恐るべきことだ。 
 FTA(自由貿易協定)・EPA(経済連携協定)の締結を水路とした日帝によるアジア勢力圏化や道州制導入の攻撃は、金融資本・独占資本の利害のために日本の農業と農村を根底的に破壊し、農業・農民を抹殺していく攻撃である。小経営では成り立たない状態を強制して、耕作地放棄に追い込まれる農民を大資本が徹底的に食い物にする。他方で中国やアジアの農村から食糧を略奪する構造をつくっていく。さらに大都市圏と地方(農村)を対立させ、地方の過疎地化を促進して住民丸ごと棄民化する。日帝ブルジョアジーは今やこれを、自らの延命をかけてとことん推し進めようとしている。
 今や日本の農民は、生きるためには労働者階級と連帯して、ともに帝国主義を打倒しプロレタリア革命を実現する闘いに立ち上がる以外にないところにきている。これは全世界的にも同じだ。世界革命をめざすプロレタリアートへの巨大な援軍が、全世界的な農民・漁民の大反乱として登場してきている。
 (2)このことは、労働者階級とその党に重大な歴史的任務と責任を提起する。すなわち、労働者階級は、資本主義・帝国主義がもたらした一切の社会的諸矛盾の根本的な解決をかけて、プロレタリア革命の完遂に本当に責任をとりきらなくてはならない。ここに、労働者階級自身の解放だけでなく、農民を始めすべての勤労諸階級人民の生活と未来の一切が、全人民の解放が、掛け値なしにかかっているということである。
 そのためにもプロレタリアートは、決起した農民を帝国主義の打倒と新社会の建設をともに担う主体として、プロレタリア革命の戦略的な同盟軍として獲得し、ともに闘うために全力を挙げる義務を負うのだ。この労農同盟は、資本家階級の打倒のために不可欠であるだけでなく、革命後の共同社会のもとでの農業・農民問題の究極的な解決、労働者と農民の新たな関係の創出、都市と農村の対立の最終的な止揚などを闘いとっていくためにも不可欠なのである。
 (3)三里塚闘争は、まさにこの労農連帯・労農同盟をその43年間の不屈の闘いをとおして、日本階級闘争の中に不動の柱として打ち立ててきた。日本の農民が今、日帝への新たな総反乱を開始しようとする時、その中心に立つのは何よりも三里塚だ。
 三里塚反対同盟の農民が、成田軍事空港の建設という日本帝国主義の第一級の国策と真っ向から激突して闘い、空港の完成を半世紀近くにもわたって阻み続けてきたことは、人民の反戦・反権力、反帝国主義の闘いの金字塔である。それは何よりも、敷地内を始め反対同盟農民の全人生をかけ、農民魂をかけた不撓(ふとう)不屈の決起によって切り開かれてきた。
 と同時に、三里塚現地での激戦激闘をわが革共同を始めとする全国の労働者や学生が反対同盟とともに文字どおり血を流し、生死をともにして闘う中で築き上げてきた、労農学の〈血盟>によって支えられている。そしてこの血盟の軸となっているのが反対同盟と動労千葉との労農連帯だ。この血盟はどんなことがあっても守られなければならない。
 とりわけ動労千葉が1977年から81年にかけ、成田空港へのジェット燃料貨車輸送阻止闘争を4人の解雇者を出しながらも決然と闘いぬいたことは、歴史的で決定的意義を持っていた。帝国主義打倒の革命に向けた労農同盟の不抜の柱、その原型がここにあった。
 労農同盟の発展は、7月テーゼの実践の最重要の柱のひとつである。階級的労働運動と三里塚闘争のさらなる発展をかけて、全力でその新たな力強い前進を切り開こう。

 第3節 (3) 労働者の国境越えた団結

 プロレタリア革命は本質的に世界革命である。新自由主義攻撃との対決は、これを現実に闘いとる諸条件を今や圧倒的に成熟させた。今日、全世界に広がるストライキの波は、帝国主義国でも新植民地主義体制諸国でも、労働者階級が「生きさせろ!」という同じ要求を掲げ、同じ敵に向かってまったく新たな決起を開始したことを示している。それは、既存の体制内運動の枠を下から突き破る階級本来の荒々しい決起としてますます発展しつつある。
 重要なことはこの闘いが、帝国主義による抑圧民族と被抑圧民族への世界の分断を根底から打ち破る、プロレタリアートの国際的団結回復への巨大な突破口となっていることだ。
 労働者階級は国際的に単一の階級であり、帝国主義による民族分断と民族抑圧は、労働者階級の国際的団結を解体することにその最大の核心がある。労働者階級への不信を組織する血債主義・糾弾主義ではなく、「万国の労働者、団結せよ!」という『共産党宣言』の言葉を文字どおり実践することこそが、この分断を打ち破ることを可能にする。このことをはっきりさせたのが7月テーゼだ。5・1メーデーでの米・イラク労働者の国際連帯はその正しさを実証した。
 帝国主義国内に広がる移民労働者の存在と闘いは、「世界の労働者はひとつ」の団結をつくりだす上で決定的な位置を持っている。滞日・在日の労働者人民との団結形成を、この立場から真剣にやりぬくことが重要だ。
 さらに、危機に立つ帝国主義がくりだす国益主義や排外主義の扇動に対し、“敵が労働者階級の間に国境による分断のくさびを打ち込もうとするならば、われわれ労働者は国境を廃止する!”と宣言して闘おう。独島問題で動労千葉が発した日韓労働者の連帯を呼びかける声明は、その最先頭に立つものだ。
 イラク人民の武装解放闘争を始めとする民族解放・革命戦争をも、被抑圧民族プロレタリアートの闘いのひとつの発現形態としてとらえ返し、その階級的発展をプロレタリア世界革命の内側に包摂し、連帯して闘うことが重要だ。7月テーゼの深化を実践的にかちとる闘いとして、日韓米3国連帯を先頭に国際連帯闘争の圧倒的発展を切り開こう。

 第4節 (4) 「現代のカウツキー」=塩川一派を革命的に打倒せよ!

 最末期帝国主義の未曽有の危機の爆発、革命的情勢の急接近は、これに革命を本気で対置して闘うのか否かをめぐって、これまでのあらゆる党派や運動を容赦なくふるいにかけている。昨日まで帝国主義の攻撃との「対決」を口先では掲げてきた者が、今日はまったく別のものに変質していることがいたるところで起こっている。
 かつて、第1次大戦時に、当時のドイツ社会民主党を始めとした第2インターナショナルの指導部は、「戦争反対」をいとも簡単に投げ捨てて祖国防衛主義・社会排外主義に転落するという大裏切りに走った。今日起きていることもこれと同じだ。帝国主義の危機が世界金融大恐慌として爆発し、市場と資源と勢力圏をめぐる争闘戦がすさまじい勢いで激化する中で、あらゆる体制内勢力が日帝ブルジョアジーのもとに結集し、「労使は運命共同体」などとかつての産業報国会のスローガンを叫び始めている。
 だが労働者階級は、こんな流れに丸ごと流されるような存在ではない。体制内指導部による労働者支配は、職場に「動労千葉派」が一人でもいて激突を恐れず真っ向から反乱を開始すれば、その瞬間にガタガタになる。階級的労働運動路線の実践が労働運動の内部に体制内派によるむきだしの敵対を呼び起こしていることは、動労千葉派=革命派の団結を拡大していく決定的チャンスだ。いま始まった革命情勢下の一大党派闘争を全力で闘い、勝ちぬき、今や帝国主義の完全な手先に転落したあらゆる体制内派を打倒して、革命をたぐり寄せていこう。
 ここにおいて、最も悪質な体制内派、現代のカウツキーとして登場してきたのが塩川一派だ。階級的労働運動路線と7月テーゼに対する塩川一派の憎悪と敵対の本質は、帝国主義の危機と内乱・革命の現実性への恐怖である。それを象徴的に示すものが、動労千葉労働運動への公然たる敵対と、青年労働者・学生の決起に対する許せない罵倒(ばとう)と嘲笑(しょうちょう)だ。
 ロシア革命に敵対したカウツキーは、社会排外主義に転落した第2インターナショナル指導部との断固たる決別と非妥協的闘争を呼びかけたレーニンに反対し、逆に彼らとの「融和・統合」を主張した。またプロレタリア独裁に対し「独裁ではなく民主主義」を掲げて最も頑強に反対した。カウツキーが実際に果たした役割は、ドイツ革命の指導部であったローザ・ルクセンブルグとカール・リープクネヒトの虐殺に手を貸し、ドイツ革命を圧殺し、帝国主義と一体となってロシア革命の世界革命への発展を阻止することだった。
 現代の塩川一派がやっていることは、このカウツキーとまったく同じだ。階級的労働運動路線が「体制内との決別」を掲げ、職場で実際に資本や体制内労働運動との非和解の激突を開始することに、彼らは猛然と反対する。逆にあらゆる勢力を総結集した「広範な闘争陣形」の構築をなどと主張する。
 だがこれは、要するに日教組本部や自治労本部への批判はするな、体制内指導部と闘うな、国鉄1047名闘争での4者・4団体路線を認めよ、ということだ。階級的原則を投げ捨てて、帝国主義との妥協や取引に走る連中の軍門に下れということだ。帝国主義と非妥協的に闘うためではなく、労働者の革命的決起を圧殺するための「統一戦線」の主張なのだ。彼らは今や4者・4団体路線を公然と賛美するところまで行き着いている。
 最も悪質なのは、塩川一派が労働運動と革命運動の間に万里の長城を設けていることだ。塩川一派は、動労千葉の闘いを「普通の労働組合にはできない」と言って、動労千葉から学ぶことを拒否し続けてきた。彼らにとって労働組合とは、労働者の改良的諸要求の実現のために資本と交渉する組織でしかなく、あくまで体制の枠内にとどまるべき存在でしかない。資本・当局との妥協は当然、非和解の闘いなど最初からありえないのだ。
 そもそも塩川一派は、プロレタリア革命は労働者階級自身の事業であることを口では認めるが、実際には「普通の労働者」に革命をやる力があるとはまったく思っていない。革命とは、特別に訓練された、労働者階級の上に立つ職業革命家の集団=党がやるものと思っている。だがこの「党」は実際には、労働者階級と切り離された小ブルインテリの集団だ。彼らには処分や逮捕を覚悟で闘うつもりも毛頭ない。したがって塩川一派は、これもカウツキーと同様に、プロレタリア独裁を本質的に嫌悪し、否定する。7月テーゼへの彼らの執拗(しつよう)な攻撃の核心はここにある。
 「帝国主義国の労働者は、差別主義・排外主義にまみれていて糾弾の対象であり、革命の主体になれない」という血債主義・糾弾主義は、そもそも労働者階級の革命性を否定することで、プロレタリア革命とプロレタリア独裁へ向けた闘いと実践から逃亡することを本質としていた。しかしそれは、マルクス主義の核心である労働者階級自己解放の思想を真っ向から否定するものとなり、今日ついに公然たる反マルクス主義へと転落したのである。
 旧与田派、平田派、結柴・新城グループなども、その本質はすべて同じだ。彼らは今や反革共同・反動労千葉の一点で反革命的な野合を開始している。だが、そんな野合の中にはもはや何の生命力も積極性も存在しない。
 だが、だからこそ塩川一派らは今や体制内勢力の一番後ろにくっついて、革共同や動労千葉への破壊攻撃の最先兵を買って出ることを唯一の延命の手段にしようとしている。どこまで腐るつもりなのか! こんな塩川一派、反革命野合集団のすべてを怒りを込めて打倒しよう。階級的労働運動路線と7月テーゼをさらに断固として貫き、発展させよう。
 体制内指導部との激突に勝利し、「プロレタリア革命派」「動労千葉派」が日本階級闘争の主流に躍り出る時代を切り開こう。

 第4章 Ⅳ 11月1万人組織化が一切を決める

 08年の11月総決起は、全労働者の団結の力で、命脈が尽き果てた資本主義・帝国主義に、最後の断を打ち下ろす闘いだ。
 11月総決起で、革命勝利の展望を何がなんでもわが手に握りしめよう。そのために、あくまでも職場生産点からの青年を先頭とする決起をかちとり、その怒りの叫びを街頭の決起へと結びつけ、1万人の団結と大隊列を圧倒的に登場させよう。
 あの6・29渋谷デモで誰もが思った、「1万人が結集すれば何でもできる」という階級的実感こそ、2000万青年労働者からわき起こる革命への激しい希求と一体である。1万人結集が実現されれば、革命勝利をめざしたあらゆる飛躍と可能性を、本当に一挙に解き放つことができるのだ。
 では、このような11月1万人決起を、現実にいかにかちとっていくのか。

 第1節 (1) 組織拡大と革命的指導部建設を一体で推進しよう

 第一に、青年労働者・学生の総決起を先頭として、動労千葉労働運動を軸に、階級的労働運動路線をあくまで白熱的に全面的に実践し抜くということである。
 何よりもまず、11月1万人決起は、マル青労同・マル学同のそれぞれ1000人組織建設の力強い発展の度合いによって、かちとることができる。マル青労同・マル学同の決起と団結こそ、2000万青年労働者、300万学生とひとつに結びついた怒りと団結の体現だからだ。
 マル青労同・マル学同の組織建設には、階級的労働運動の路線と実践が貫かれ、その核心には動労千葉労働運動がある。動労千葉は資本との非妥協的対決に勝ぬくことで、労働者一人ひとりの持つすばらしいエネルギーと自己解放性、その戦闘性を引き出しながら闘いぬいている。
 こうした動労千葉の、それ自身が資本との苛烈(かれつ)な闘いである平成採の青年労働者の獲得と組織化の闘いは、6・29サミット決戦を爆発させた最も根底的な土台になり、青年労働者・学生の総結集を先頭にかちとられる11月1万人決起への地殻変動的な情勢を切り開いている。動労千葉は、職場生産点での資本との非和解的対決をかちぬいた階級の指導部が屹立することによって、すばらしい組織拡大を実現している。しかもこうした組織拡大の努力と闘いの中から、また新たに階級の指導部を生み出しているのだ。
 マル青労同・マル学同の1000人組織建設とは、動労千葉のように職場生産点で資本・体制内指導部との非妥協的な闘いをやりぬくことをもって、組織拡大と革命的指導部建設を、一体的かつ相乗的にかちとろうということである。
 さらに11月1万人決起は、革命的情勢の急接近に対し、レーニンの言う「革命的行動」を階級的労働運動の実践として縦横無尽に展開することによってかちとられる。革命的情勢を革命そのものへ引き寄せていく「革命的行動」とは、労働者階級による職場生産点を拠点にしたストライキと街頭での戦闘的デモの展開など、職場生産点と街頭が限りなく一体となった闘いだ。国際階級闘争で今まさに激発しているストライキ、ストライキ、ストライキ。デモ、デモ、デモ。そういう闘いを実現しようということである。
 同時に、こうした「革命的行動」は、階級的労働運動の実践においては、組織拡大と階級的指導部建設と完全に結びつけて推進されなければならない。これはまさにレーニンの言う組織、組織、組織、ということだ。
 11月1万人決起を、何よりもまず以上のような闘いのうなりをあげた推進と前進によって、絶対にかちとろうではないか。

 第2節 (2) 第2次国鉄決戦突破口に6大産別の職場で勝負を

 第二に、11月1万人決起へ、今こそ第2次国鉄決戦を突破口として、6大産別決戦の革命的爆発をかちとろうということだ。
 何よりも4大産別決戦を不屈に発展させ、プロレタリア日本革命—世界革命への階級的基盤を徹底的にうち固めなければならない。その場合、国鉄、教労、全逓、自治体という国家権力機構の中に位置する4大産別に、医療・福祉、合同・一般労組の2大産別が加わることで、プロレタリア独裁実現の戦略的基盤と配置を拡大していく重大な攻防に突入していることの意義を確認したい。
 この6大産別決戦こそ、今日の最末期帝国主義が繰り出す新自由主義攻撃と真っ向から激突する「戦場」そのものであり、その攻撃の粉砕をとおして、帝国主義打倒のプロレタリア革命を引き寄せる闘いなのである。
 今日、新自由主義は、民営化・規制緩和と労組破壊という具体的攻撃をとおして、職場生産点でそのおぞましいばかりの破綻とそれゆえの凶暴な姿をさらしている。しかし逆に職場生産点にこそ、新自由主義攻撃を餌食としながら階級的力関係を転覆していく「戦場」があるということなのだ。
 だが新自由主義が、どんなにむきだしの賃労働と資本の階級支配を貫こうとも、その非人間的な搾取と分断への労働者の階級的怒りの噴出は、ほかならぬ職場生産点から絶対に不可避である。まさに21世紀の資本主義の墓掘り人は職場から大量に生まれるのだ。
 問題は、新自由主義への怒りと、大量の墓掘り人を獲得し組織していく革命的行動と革命的組織が、断固として登場することにある。そうすれば、新自由主義攻撃はどんなに強大で激しかろうとも、音をたてて崩壊する。新自由主義は、そのむきだしの末期的支配を貫くために、攻撃の方向を労働者階級の徹底的分断と団結の解体においている。さらに連合・全労連など体制内労働運動や翼賛勢力、つまり階級内部の裏切り者を使って、この分断を徹底的に促進しようとしている。
 それゆえ新自由主義攻撃との闘いは、資本と体制内労働運動に対決する徹底的に非和解的な闘いであり、職場生産点での階級的団結の拡大のために「絶対反対」を貫く職場実力闘争そのものである。この職場実力闘争は、いったん開始するや、あくまでも職場支配権の奪取をめざして、一枚の個人ビラに始まる職場での「均衡破壊」を生み出す豊かな原則的な闘いとして展開されるのである。
 11月1万人決起に必要なのは、新自由主義攻撃と徹底対決する革命的な路線形成と、職場実力闘争の一体的な貫徹だ。これこそ階級的労働運動の白熱的展開そのものである。

 第1項 1047名闘争再生と平成採の総反乱を

 第三に、こうした4大産別プラス2大産別の攻防を決するのが、まさに第2次国鉄決戦だ。日本における新自由主義攻撃は、サッチャー、レーガンと並ぶ中曽根の国鉄分割・民営化攻撃として襲いかかったが、動労千葉の2波のストライキ決起によって根底から打ち破られた。1047名闘争が生みだされ、基本的に歴史的破産をとげた。今日、動労千葉が労組的団結を強化し、力強く闘い続けていることによって、日本階級闘争は、新自由主義を基本的に破綻させ、その歴史的勝利の地平をもって革命的情勢を迎えている。
 このことは実に偉大である。まさに最末期の危機にのたうつ、後のない帝国主義が最後にすがった新自由主義を、さらに国鉄決戦の爆発で徹底的に破綻に追い込み、革命的情勢の接近を一挙に革命へ転化していこうということだ。この第2次国鉄決戦は今、重大な決戦局面に突入した。東京高裁の和解勧告、冬柴国交相の談話をとおして、1047名闘争解体策動が全面的に激化しているのだ。
 だがこれは、サミット決戦の爆発に恐怖し、さらには6・29デモの根底的土台をなす動労千葉の組織拡大の前進に震えあがった日帝権力の激しい危機感を示している。6・29に示された階級的労働運動の革命性・戦闘性が、動労千葉を先頭に第2次国鉄決戦として爆発し、6大産別決戦の全面的発展を切り開くことを必死で阻もうと狙っているのだ。
 それゆえ日帝権力は、4者・4団体路線を1047名闘争解体と労働者階級の闘いの圧殺のために、徹底的に使おうとしている。7・30〜31国労大会で自ら1047名闘争の解体にかじを切らせ、さらには全労働者階級に全面屈服を迫ってきているのだ。
 だがこの1047名闘争の解体の危機は、逆に1047名闘争再生の絶好のチャンスでもある。4者・4団体の裏切りを粉砕し、JR体制打倒への総決起をかちとるなら、平成採を始めとして、闘争団やJR本体にかかわらず国鉄労働者の激しい分岐が起こる。それは平成採の総反乱と、JR体制を打倒する動労千葉派の急速な拡大をつくりだす。分割・民営化と新自由主義攻撃を根底的に粉砕し、帝国主義打倒へ迫っていくことができる。
 国労共闘、闘争団、5・27被告団を先頭に、国労本部を怒りの決起で打倒し、「和解策動」と4者・4団体路線を徹底的に粉砕しよう。ライフサイクルとの闘いを始め、あらゆる職場決起を爆発させ、JR職場に動労千葉労働運動を圧倒的に拡大していこう。
 教労戦線は、今日の新自由主義の破綻と凶暴化の両面が最も激しくあらわれている。国際連帯を発展させ、不起立闘争を教労の階級的団結の要にますます位置づけて闘おう。
 全逓は、郵政民営化攻撃の嵐の中で、しかも民営化自身が早くも破綻の極にたたき込まれていて、職場をめぐる民営化絶対反対の最大の攻防局面に突入している。
 自治体では、新自由主義攻撃を粉砕する労働運動の革命論的構築が求められる。その実践的突破口として、大阪で橋下府知事打倒へと総決起し、民営化・公務員制度改革、道州制に対し非和解的闘いを貫き、自治体労働運動の階級的爆発を全力でかちとろう。
 さらに医療・福祉産別では、新自由主義攻撃のおぞましい弱肉強食の論理が最も徹底的に襲いかかってきている。そして合同・一般労組産別でも、派遣労働に典型的なように、新自由主義攻撃との闘いが労働現場でいよいよ決定的になってきている。

 第3節 (3) 国際連帯闘争の大発展へ

 第四に、11月1万人決起は、プロレタリア世界革命へと向かう国際連帯闘争の、例年にも増したすばらしい発展として闘われる。
 特筆すべきことは、今日、全世界で激発する労働者階級のストライキ、デモの巨大なうねりの中心に、動労千葉との3国連帯の当事者である米・韓の労働者同志たちが存在し、文字どおり国際的な階級的指導部として、今日の国際階級闘争の発展を直接的に切り開いているということである。
 とくにアメリカ西海岸の5・1メーデーと2万6千人のストライキは、アメリカ労働運動において、8時間労働制の制定をめざした1886年のシカゴのストライキとデモ以来(この闘いがメーデーを生み出した)の歴史的決起だった。この闘いは11月集会の際に、「ブラザー」と呼びあって固いスクラムと団結を結んだILWUローカル10のランク・アンド・ファイルの同志たちが生み出したのだ。
 この闘いは、イラク労働組合の連帯したスト決起を生み出した。侵略国と被侵略国の労働者の連帯と団結は、資本という共通の敵と徹底的に闘う中から形成される。11月に向けてこの団結は、イラク・イラン—アフガニスタン情勢における米帝の侵略戦争の泥沼的拡大の激しい進行と対決し、まさに11月派がイラク・イラン労働者と連帯し、侵略戦争の激化と階級的に闘い、阻止するために、さらに深く濃密に、意識的に発展させ拡大していかなければならない。
 韓国階級闘争の100万人規模のデモやゼネストの爆発、それを牽引する民主労総ソウル本部、あるいは金属労組の戦闘的労働運動の展開もまた、まさに動労千葉とともに闘ってきたかけがえのない、尊敬し合った労働者同志たちの闘いだ。この国際連帯は、新自由主義の資本と非和解的に対決する双方の闘いによって、お互いを貪欲(どんよく)にたかめあい、変革しあい、学びあいながら、前進している。
 それは必然的に、マルクス主義の労働者自己解放の思想と路線、そこから生み出される最高の階級的団結へと発展していくのだ。
 動労千葉、ILWUローカル10、民主労総ソウル本部のような団結は、今や全世界に無数に拡大している。ドイツやフランスやイギリスでも、会えば国境と時間を越えて、今すぐにでも心をひとつに団結できる労働者同志が闘っている。
 そこに貫かれているのは、動労千葉が体現しているような、労働者一人ひとりの力を信頼し、そこに徹底的に依拠するところの、全世界の労働者に共通なランク・アンド・ファイル、すなわち階級的団結の力だ。今やこの階級的団結が、国際連帯の質的発展の中で、国際的であると同時に最高の階級性をもって、11月へ向け大量の労働者の信じられないような一挙的な変革と飛躍をもたらすのだ。ここに徹底的に依拠して11月を闘おう。

 第1項 宣伝・扇動の革命を

 第五に、革命的情勢が急速に接近しレーニンの「三つの義務」の貫徹が求められる中で、革命的な宣伝・扇動の飛躍が、11月1万人決起にとって決定的だということだ。
 一つは『蟹工船』情勢、「秋葉原情勢」において、2000万の青年労働者の怒りと団結する宣伝・扇動の革命である。宣伝・扇動とは物事をただ解説することではなく、階級の怒りの先頭に立ち、ともに資本主義・帝国主義を弾劾し、階級とともにその打倒を訴え闘うことである。とくに今日、街頭宣伝は階級と団結し闘うひとつの大闘争であり、一個のデモンストレーションである。
 いま一つは、階級の中に身を投じ、労働者階級に本当に役立つ宣伝・扇動を展開することだ。マルクス主義は労働者階級の理論である。階級社会の歴史では、理論や思想はすべて支配階級の独占物であるが、資本主義の時代において初めて、被支配階級である労働者階級がマルクス主義という自分の理論をもった。宣伝・扇動は労働者階級の理論であるマルクス主義の武器を駆使する闘いである。
 さらに、宣伝・扇動とは党派闘争であり、党派選択を訴える闘いだ。それはプロレタリア革命そのものをめぐって、階級に巨大な路線的分岐と激突を大胆につくりだす闘いである。今日、青年労働者・学生の決起と獲得をめぐって、いかなる革命をめざすのか、いかなる党を建設するのか、すなわち階級的労働運動路線をめぐる鋭い党派的激突がある。とくに日本共産党との闘いは、11月への青年の獲得と決起にとって決定的である。

 第4節 (4) 日帝・福田政権打倒、一律大幅賃上げかちとろう!

 第六に、11月労働者集会1万人決起によって、危機にのたうつ日帝・福田政権を今こそ絶対に打倒しようということだ。
 福田政権はボロボロである。それは新自由主義の破綻のもとで、昨年7月参院選での安倍打倒の2000万青年労働者の決起が、その後もさらに日帝政治委員会を決定的に追い詰めている結果である。帝国主義の危機によって「上層」も「下層」も今までどおりにはやっていけなくなり、労働者階級が貧困と窮乏の激化の中で「自主的な歴史的行動」に決起していく、まさにレーニンの言う「革命的情勢」として日帝・福田の危機はある。
 福田政権の「脆弱(ぜいじゃく)性」も「反動性」も革命的情勢における激烈な過渡性の表れだ。労働者階級は、この帝国主義政権と新自由主義の危機を絶対に逃さず、11月に向けて日帝・福田政権打倒へ総決起していく時である。
 今日、世界金融大恐慌が爆発し、激しいインフレが襲っている。とくにインフレは、ストライキとデモの激発、賃金闘争の革命的爆発を不可避とする。今こそ全産別で、職場から一律大幅賃上げと最低賃金の全面的引き上げを求めて、賃金闘争とストライキの爆発をかちとろう。とりわけ青年労働者を先頭に「生きさせろ!」のゼネストを絶対に実現しよう。そして福田政権打倒、11月1万人決起へ怒濤(どとう)の進撃を!
 マルクスは「団結は労働者階級を(階級的に)結合させるための手段であり、その階級対立を含めて、旧社会を根底から覆すための準備手段である」と言っている。それは賃金闘争が、革命へと労働者階級を団結させる最も決定的闘いであるということである。
 日本の戦後革命は、悪性インフレに対する賃金闘争を基軸にして、革命的爆発をとげた。とりわけ2・1ゼネストは、賃金闘争そのものであった。インフレはストライキの爆発をとおして、賃金闘争を最大の階級決戦に押し上げる。それは不可避に革命か反革命かの激突となり、革命的情勢を激化させる。
 今日の新自由主義攻撃のもとでは、賃金闘争そのものが、分断と団結破壊攻撃の最大の攻防点になる。賃金そのものが分断攻撃の手段となる中で、賃上げ闘争こそが階級的団結をかちとる最重要の闘いとなる。
 新自由主義のもとでは資本が賃上げを認めることは基本的にありえない。賃金闘争は資本との非和解的激突となる。09春闘は今から完全な階級決戦である。いやむしろ従来の春闘という戦後55年体制によって成立した枠を取り払って、まさに11月1万人総決起をかちとる中心的闘いとして、4大産別を先頭に民間も含めた全産別の賃金闘争をストライキをもって爆発させなければならない。さらに賃金闘争の爆発は、連合、全労連など体制内や翼賛勢力との真っ向からの激突となる。戦後革命の時のように、日共スターリン主義を先頭に体制内勢力は賃上げ闘争の抑圧者として必ず登場する。
 今や世界金融大恐慌とインフレの爆発の中で、完全に青年労働者を先頭に一律大幅賃上げを掲げ、「生きさせろ!」のゼネストに決起するべき情勢だ。賃金闘争の爆発と11月1万人決起で福田政権を打倒し、09春闘の革命的爆発への突破口を切り開こう。

 第5節 (5) 三里塚・沖縄始め全戦線での階級的前進きり開け

 第七に、11月に向け8・6広島—8・9長崎反戦反核闘争と8・15闘争を闘い、そこから新自由主義攻撃粉砕・日帝打倒の今秋決戦へと直ちに突入することを訴えたい。
 ひとつは全国300万学生の総決起をかけ、法大キャンパス解放の10・17法大集会の成功へ、階級の決起のうねりと結んで進撃することだ。日帝ブルジョアジーは堤防決壊的情勢に突入している法政大を「守る」ために総力をあげてきている。監獄大学への怒りは2000万青年労働者の「生きさせろ」の怒りとひとつだ。獄中の同志と団結し10・17法大集会の戦闘的爆発をかちとろう。この攻勢的闘いが獄中同志を奪還する道である。
 さらに10・5三里塚全国集会の総結集へ闘おう。10・5三里塚闘争こそ、新自由主義のもとでの農業破壊、農民切り捨て、農民と労働者の闘い(労農同盟)への分断の持ち込み、団結破壊攻撃を粉砕する闘いである。
 沖縄・辺野古をめぐる基地建設絶対反対の攻防は、日米安保体制の根幹を揺さぶる闘いであり、イラク・アフガニスタン侵略戦争とイランへのその拡大にのめり込む帝国主義との全面的決戦である。沖縄県民の怒りは階級の怒りだ。青年労働者を先頭に、今こそその階級的根源的な力を発揮して闘いぬこう。
 新自由主義攻撃は社会の全面でその破綻をあらわにしている。とりわけ自衛隊内部の矛盾は極限に達している。自衛艦の中で起きている意識的な事故や放火事件は、2000万青年労働者の矛盾と怒りが自衛隊内部にも充満していることを示している。新自由主義と闘う階級的労働運動の発展の中に、反軍闘争の巨大な前進もある。
 さらに、入管闘争、部落解放闘争、女性解放闘争、「障害者」解放闘争をめぐって、巨大な分岐と闘いが起きている。その核心は、労働者階級の闘いに絶望し、労働者階級の解放の中に普遍的全人間的解放があることを認めない、旧与田派や塩川一派の反マルクス主義への転落との徹底対決ということだ。 
 入管闘争では、階級的団結の発展へ、民族・国籍・国境を越えた闘いが開始された。全国連・西郡支部の闘いは、絶対反対の立場から応能応益家賃制度の攻撃と闘っている。それは狭山闘争を発展させる路線的根拠を形成し、激しく闘いぬかれている。
 今やプロレタリア世界革命の情勢が到来している。このことをはっきり確認し、体制内思考を脱却し、体制内労働運動を打倒して、11月1万人総決起へと一路邁進(まいしん)しよう。

 第5章 Ⅴ 青年・学生は革共同に入り闘おう

 第1節 あらゆる職場で自分に続く一人の同志を

 6・29を頂点としたサミット決戦の地平を継承し、階級的労働運動を爆発的に発展させる闘いこそ、11月1万人結集とプロレタリア日本革命の勝利の道だ。
 サミット決戦爆発の熱気の中から、青年労働者・学生が、今や全国で積極的にマル青労同・マル学同に結集しつつある。6・29で青年・学生が組織と党に入ってくる条件は圧倒的につくり出された。何よりも動労千葉は、ライフサイクルに怒る平成採の青年労働者の獲得で、重大な勝利を切り開いている。この闘いに学び、続く時だ。
 2000万人の青年労働者が資本主義・帝国主義に怒り、闘いに決起し始めている。そこには革命のロマンがある。マル青労同はこの2000万人と一つである。青年労働者と学生が圧倒的に党に入ってくること、ここに革共同の未来、日本革命の展望がある。
 青年労働者と学生よ。非正規雇用化で搾取と収奪の限りを強制されている2000万人の青年労働者よ。今こそマル青労同・マル学同に結集しよう。ともに革命をやろう。
 あらゆる職場で一人の決起、自分に続くもう一人の同志をつくり出そう。さらには集団的な決起と結集を大胆に呼びかけよう。今やその条件は圧倒的にある。
 マル青労同・マル学同を全力でつくることが、革命をやれる地区党を建設するエネルギーであり、動力だ。また同時に4大産別・6大産別でマル青労同をつくることが、体制内労働運動を打ち破って、階級的労働運動を前進させ、革命を開く最短・最良の道だ。
 4大産別・6大産別決戦を、マル青労同1000人建設の実現に特化して闘おう。
 サミット決戦の歴史的爆発を、今こそ組織建設決戦へと転化しよう。

 第2節 「党の革命」「地区党の革命」を推進しよう

 プロレタリア革命での青年・学生の役割を、レーニンは一貫して極めて重視し、位置づけてきた。1905年1月にロシア革命が勃発した時にレーニンは、2月段階で次のように熱烈な檄を発している。
 「若い力が必要である。私だったら、人がいないなどとあえて言うような人間をその場で銃殺するよう、率直に忠告するだろう。ロシアにはいくらでも人がいる。ただ、青年をおそれることなく、もっとひろく大胆に、もっと大胆にひろく、もう一度ひろく、もう一度大胆に、青年をつのることが必要である。時は戦時である。青年が、学生や、それ以上に青年労働者が、闘争全体の結末を決定するであろう。遅鈍、地位の尊重、等々のあらゆる古い習慣をすてよ。青年からフペリョード〔前進〕派の数百のサークルをつくり、彼らをはげまして力いっぱい働かせよ」
 革命は青年・学生の特権だ。革共同は革命の党、未来の党であり、未来は青年・学生のものだ。青年・学生の結集にこそ、革命の展望、革共同の明日がある。
 塩川一派は階級的労働運動路線とマルクス主義(7月テーゼ)に反対しただけではない。青年労働者と学生が続々と決起し、党の革命的指導部として登場し、「労働運動の力で革命をやろう」と、闘いを牽引し始めたことに恐怖して、党から脱落・逃亡したのだ。
 ロシアのソビエトは、1905年革命の10月ゼネストの爆発の鉄火の中で生まれた。それは半ば「蜂起の序曲」ともなりうる「革命的自治組織」であり、半ばゼネストを組織する工場労働者の委員会(500人に1人の代表を選出)であった。レーニンは当時、これを「臨時革命政府の萌芽」となるかもしれないと位置づけ、12月モスクワ蜂起の貫徹に向けて全力で闘った。
 今年、階級的労働運動路線の白熱的実践と「地区党の革命」の中で生まれた「職場闘争委員会」は、体制内指導部と激突して職場闘争を推進し、階級的労働運動が職場支配権を握り、横への地区労的な役割も担っていく闘争機関である。それはまたソビエトとプロレタリア革命を展望して、革命情勢に切り込んでいく新たな戦闘組織である。
 レーニンは、第1次世界大戦の勃発と革命的情勢の全世界的な成熟の中で、背教者・カウツキーを始め、「労働貴族」層—日和見主義・改良主義・社会排外主義に対する批判と闘いを強化し、帝国主義打倒(「帝国主義戦争を内乱へ!」)と労農同盟論を基礎とするプロレタリア革命の立場と路線を鮮明にしながら闘い、勝利を切り開いた。
 体制内指導部と激突し、階級的労働運動路線の爆発的発展をかちとるマル青労同を先頭とする現在のわれわれの闘いこそ、レーニンの実践の革命的継承である。この闘いの勝利のためにこそ、「党の革命」「地区党の革命」をさらに熱烈に推進しよう。

 第3節 階級の団結と党こそが革命勝利の武器だ

 『共産党宣言』で明確なように、党は階級そのものである。プロレタリアートは団結の拡大によって階級へと組織され、それとともに政党(革命党)へと組織される。また党は「階級の党」であり「労働者階級の先進部隊」である。そういうものとして党は団結の最高形態なのだ。またレーニンも言うように、党(=組織)こそはプロレタリアートが権力獲得のために闘うにあたっての唯一最強の武器である。労働者階級は勝利の武器として、まさに団結と党を持っているのだ。
 帝国主義権力と闘い革命をやる党は、塩川一派が言うように「自立した共産主義者」(それは塩川一派の実態が示しているように、バラバラな小ブルジョア的諸個人ということでしかない)なるものの連合党でも統一戦線党でもなく、民主集中制に立脚した全国単一の党、不抜の労働者党でなければならない。それはレーニンがメンシェビキと必死に闘ってつくり上げたように、「党の綱領を承認」するだけでなく、「物質的手段によっても」「党組織の一つにみずから参加することによっても」(『一歩前進、二歩後退』)、この党を支持して闘うものの規律ある団結体・結集体なのである。
 それを現実に保証し体現するものこそ、革共同が歴史的につくり上げ、階級闘争の中で検証されてきた「党活動の3原則」(会議・機関紙・財政)である。3原則の厳格で原則的な貫徹によってこそ、党は党たりえるし、体制内指導部や権力・資本との激突にうち勝って労働者階級は勝利できるのだ。

 第4節 労働学校・党学校をさらに発展させよう

 マル青労同の実践綱領は、単純明快に<マルクス主義の学習と職場闘争〉である。動労千葉は闘いの基礎に、マルクス主義と革命的な時代認識・情勢認識を圧倒的に据えている。また動労千葉の実践そのものが、生きたマルクス主義なのである。
 このことが示し、またレーニンも強調してきたように、「革命的理論なしには革命的闘争もありえない」ことは、余りにも明白だ。全世界的な激動の時代、革命的情勢の成熟の時代に、労働運動の実践と党活動にとって、革命的なイデオロギー活動は、いよいよ重要になってきている。
 プロレタリア世界革命への闘いは生きたマルクス主義と不可分一体であり、その実践そのものである。この点では、党を「学習会の体系」(革共同6回大会第一報告)としても圧倒的に建設していくことが重要だ。
 この間、動労千葉に続いて全国で労働学校がつくられ、多くの労働者が実践的にマルクス主義を学んでいること、また同時に党学校が生きたマルクス主義の学習と討論の場として活性化し、発展していることは、きわめて決定的なことだ。労働学校、党学校でのイデオロギー活動をさらに強化し、世界革命情勢に勇躍切り込んでいこう。
 機関紙を階級的労働運動の白熱的実践と結合し、さらに大胆に改革していこう。
 宣伝・扇動こそは、革命運動と党の生命線だ。2000万人の青年労働者、6000万人の全労働者階級、そして全国300万人の学生に、革命とマルクス主義を真正面から訴え、提起する宣伝・扇動戦に、今こそ突入しよう。革命的情勢とは革命の訴えが、違和感なく大衆的に受け入れられる情勢だ。今やその時はきた。
 そして具体的には何よりも、職場、キャンパス、街頭で、貪欲に機関紙『前進』の購読を提起し、数万の読者網を絶対につくり出すことである。さらにこの闘いと一体のものとして、財政活動の改革と飛躍をかちとることが死活的課題だ。
 最後に、全国の青年労働者と学生に、熱烈に訴えたい。マル青労同・マル学同にどんどん入ろう。革共同に結集しよう。そしてともに革命をやろうではないか。
 4大産別を先頭に、マル青労同・マル学同の1000人組織建設に向けて驀進(ばくしん)しよう。これこそ11月労働者集会の1万人結集を実現していく勝利の大道だ。