2008年7月28日

 4〜5月入管闘争の画期的地平 革共同入管闘争委員会

週刊『前進』06頁(2353号5面1)(2008/07/28)

国際連帯の輪がつながった!
 4〜5月入管闘争の画期的地平
 7月テーゼの勝利性示す
 革共同入管闘争委員会

 われわれはただ一点、階級的団結を総括軸とする闘いにかけ、08年冒頭からサミット粉砕決戦を貫き、5・29法大決戦—6・29渋谷デモへ上りつめた。「処分・弾圧など恐れるに足りない。労働者に失うべきものは何もない。獲得するのは全世界だ」——世界の革命情勢と鋭く呼吸しながら、階級の大地にプロレタリア革命の花を咲かせようと、ひたすら実践・団結、団結・実践の日々を闘いぬいた。それが6・29渋谷デモに結実した。ここに階級的労働運動路線の到達地平が凝縮している。こうした闘いの中で4・20京大、5・11横浜で行われた関西—全国の「外登法・入管法と民族差別を撃つ研究交流集会」(4〜5月入管闘争)は、階級的労働運動路線の前進とサミット決戦の勝利にとって決定的役割を果たした。支配階級による差別・抑圧の分断を打ち破り、民族・国籍・国境を越えて全世界の労働者人民と団結して闘おう。これこそがプロレタリア革命に内在する本来の入管闘争であり、新自由主義と闘って勝利する入管闘争である。われわれは血債主義・糾弾主義と決別し、塩川一派を打倒して、階級的団結の入管闘争へ決定的な路線転換的飛躍をかちとったのだ。

 第1章 自分の職場での闘いが国際連帯闘争そのもの

 この4〜5月入管闘争の成功をもって階級的労働運動路線—7月テーゼの勝利性は完全にはっきりした。集会そのものが民族・国籍・国境を越えた団結をつくり出す場となり、自らの職場の闘いが世界とつながっていることを誰もが実感した。
 動労千葉・田中康宏委員長は「最も困難な闘いは自分の職場で隣の労働者を組織すること。職場で地域で真剣に立ち向かわない限り、国際連帯は絶対できない。この思想こそマルクス主義だ」と訴え、民主労総は移住労働者との連帯闘争を踏まえて「労働者は国境を越える。万国の労働者は団結せよ!」と高らかな宣言を発した。
 さらに革命の団結に生きる飛躍、人生の決断をかけた基調報告は参加者の魂をわしづかみにし、在日・滞日労働者人民、アジア—世界の労働者と団結して日帝を打倒し、世界革命に勝利しようと誓いあうものとなった。
 何よりもプロレタリア自己解放の息吹と感動の中で新たな革命家・組織者を生み出し、階級的労働運動路線—サミット決戦への揺るぎない確信を組織した。ここに最も重要な総括点がある。
 こうした4〜5月入管闘争—サミット粉砕決戦の地平を鮮明にさせて、ひたすら階級的労働運動路線を実践し、11月労働者集会1万人結集にむかって闘いぬこう。

 第1節 独島の略奪を許すな!

 洞爺湖サミットは、労働者を食わせることも生かすこともできない帝国主義のボロボロの姿をさらけ出すと同時に、イラク侵略戦争の泥沼的継続とイラン、北朝鮮への軍事包囲網の形成など強盗会議としての正体を明らかにした。
 新自由主義が破産し、ブルジョアジーは労働者をますます競争・分断に駆り立てて搾取を強化し、階級対立を激化する以外にない。帝国主義の矛盾が侵略戦争—世界戦争として爆発する情勢が進展している。だが、全世界での「貧困・格差・戦争」の拡大は労働者の怒りをさらにかきたて、ストライキ、デモ、食糧暴動を拡大するものにしかならない。
 とりわけ、米ILWU(国際港湾倉庫労組)が5・1メーデーストライキに立ち、港を封鎖して軍事物資輸送を止め、それにこたえた交戦国のイラク労働者が連帯ストに決起した闘いは画期的である。重要なことは、動労千葉とILWUが11月労働者集会—国際連帯をとおして、こうした闘いを「一緒に議論して、一緒につくってきた」(5月11日、田中委員長)ということだ。
 黒人、ラティーノ、アフリカン・アメリカンなどさまざまな民族・国籍の労働者が多数を占めるILWUは、支配階級がつくり出した差別・抑圧の分断を打ち破り、このストライキで「移住労働者の正義と権利を守れ」というスローガンを掲げた。「戦争を止めるためには労働者が自分の職場から行動を起こす以外にない」と、動労千葉とILWUが白熱的に議論し、それを労働者が自分の職場で実践し、一挙に分断をのりこえて団結したのである。
 こうした中で日帝・福田政権は7月14日、中学校の新学習指導要領解説書で朝鮮領・独島(トクト)を「日本固有の領土」と教えることを求めるという、許しがたい領土略奪、国益主義・排外主義の攻撃に出た。
 これは7月3〜4日、サミット粉砕に決起した韓国労働者・農民の代表団の日本への入国を拒否した入管弾圧の暴挙と一体であり、日韓労働者階級の団結を破壊しようとするものであり、新たな朝鮮侵略戦争に向かう攻撃だ。
 かつて日帝は朝鮮植民地支配に向かう過程で独島を暴力的に略奪し、中国—アジア侵略戦争に突き進んだ。福田政権はこれとまったく同じ攻撃を加えている。
 独島を「日本の領土」とするのは略奪・戦争によって生き延びようとする支配階級の利害であり、労働者階級の利害とは非和解である。「国益」絶対反対の立場を貫き、日韓・日朝連帯で日帝を打倒することこそ労働者階級の回答である。
 他方、韓国・イミョンバク政権も、米国産牛肉輸入問題を契機に爆発し、政権退陣に向かっている韓国労働者人民100万人決起の矛先を、ブルジョア民族主義的に歪曲・動員することで延命しようと、独島領有を声高に叫んでいる。
 だが、4〜5月入管闘争をとおしてより強固な団結を固め、さらに6〜7月サミット決戦をとおして結合した日韓労働者の団結はこんな攻撃で打ち砕かれるものではない。全員逮捕を辞さず、G8強盗会議粉砕へ怒りを解き放った6・29渋谷デモは、韓国の闘う同志たちを限りなく激励するものとなった。
 ソウル本部のイジェヨン本部長は、「動労千葉のように闘わなければなりません。われわれ両国の同志のこの数年間の交流は、こういう闘いをするためのものだったと私は確信しています」と、熱いメッセージを動労千葉に寄せている。
 日帝の独島略奪攻撃に対して福田とイミョンバクを串刺しにする日韓労働者の共同闘争をたたきつけよう。

 第2章 プロレタリア革命から脱落した塩川派打倒へ

 階級的労働運動路線—7月テーゼのもと、われわれが革命の現実性をつかんで実践的に大前進する一方、塩川一派は路線的破産をさらけ出し、ますます反動化している。彼らの機関誌『展望』に関西入管闘争委員会名で出された論文は、そのことを鮮明に示している。06年3・14で自ら打倒したはずの旧与田一派に「自己批判」し、「広島差別事件」のデッチあげに加担するという醜悪極まりないものだ。
 関西入管闘争委員会は昨年11月、塩川一派が革共同から脱落する際、「7月テーゼ批判」として「賃労働—資本関係の廃絶だけでは階級の廃絶はもちろん、差別や民族的抑圧の廃絶にもならない」などと主張し、反マルクス主義への変質を示した。今回の論文でもここに触れ、「労働者階級が自己の特殊利害・特殊的解放の追求に自己限定することによっては自己解放はできない」「普遍的解放と切り離して特殊的解放や特殊的利害に固執することは経済主義であり、組合主義であり、労働者階級の世界史的使命を否定することだ」と述べている。
 よくぞ言ったものだ。彼らにとって労働者階級と被差別・被抑圧人民はまったく別の存在であり、特殊=普遍の関係も労働者階級と被差別・被抑圧人民の並立関係の中でしかとらえない。「普遍的解放と切り離された特殊的解放」という表現にも塩川一派の反マルクス主義への純化が鮮明に突き出されている。
 また帝国主義論—世界革命論においても著しい空洞化を示している。
 レーニン帝国主義論は、眼前で第1次世界大戦が進行し、戦争と革命が真正面から問題となる時代において、第2インターナショナルが屈服・転向する中で、これと非妥協的に対決して帝国主義の強盗戦争を世界革命に転化することをロシア—全世界の労働者に訴えるために出された。それは普遍的内容をもって、今の時代にも同じ問題を提起している。
 7月テーゼは、抑圧民族と被抑圧民族のプロレタリアートの国際的=階級的団結を土台として、民族解放闘争をプロレタリア世界革命の普遍性・根底性のもとに統一して連帯・結合・一体化を闘いとっていくという世界革命論を明確にした。
 これに対して塩川一派は「帝国主義と民族=植民地問題が欠落している」「民族解放・革命戦争論を撤回した」などと述べている。この主張は、生きた階級闘争からかけ離れた地点で「帝国主義国はプロレタリア革命、植民地国は民族解放闘争。両者の結合・合流が世界革命だ」という平板な二元論である。
 そもそも塩川一派は革命情勢を否定し、動労千葉労働運動が切り開いた11月労働者集会—国際連帯闘争の地平、プロレタリア世界革命に向かう具体的実践に敵対して脱落した小ブル日和見主義集団である。彼らは、マルクス主義のプロレタリア自己解放が動労千葉の闘いに脈打っていることを認めず、革命からの逃亡を合理化し、労働者階級への絶望を組織する血債主義・糾弾主義へと純化した。
 また、塩川一派が行った「5・18入管集会」の基調で、4〜5月入管闘争に対して「民主労総と連帯しても外登法や入管法、民族差別は撤廃できない」「入管闘争は団結をつくり出すことが目的ではなく、入管体制を打ち破ることが目的」などとケチをつけている。
 一昨年の11月労働者集会で民主労総ソウル本部のキムチャンソプ氏は「国境を廃止して闘う」と宣言した。これは文字どおり、入管体制粉砕を内包した闘いである。
 塩川一派は、4〜5月入管闘争が民主労総との国際連帯闘争を闘う地平にまで前進したことに打撃を受け、これを分断させるために悪罵(あくば)を投げつけているのだ。
 入管体制とは、歴史的に見ると、敗戦直後の戦後革命期において革命直前にまで行き着いた労働者人民の階級的決起に恐怖した日帝が、闘いの主体として登場した在日朝鮮人・中国人労働者と日本人労働者を分断するために築いたものだ。
 したがって、入管体制を打ち破る闘いとは、分断を打ち破って階級的団結を取り戻し、日本プロレタリア革命に勝利すること=「入管体制粉砕・日帝打倒」である。この闘いは朝鮮革命・中国革命と不可分一体のものとしてある。
 そして、この闘いの主体である「日帝の侵略戦争と植民地支配の生き証人」としての在日朝鮮人・中国人は、日帝による治安管理と退去強制の攻撃(分断・同化・追放)を許さず、今日まで存在し闘いぬいている。
 だがプロレタリア革命から逃亡した塩川一派は、差別・抑圧問題を革命から完全に切断して超階級的に扱い、民族差別の諸実体をめぐる民主主義的権利要求の総和で「入管体制を打ち破る」としているのだ。
 また塩川一派は在日朝鮮人・中国人を革命の主体と措定せず、他方で日本人労働者は「差別・抑圧と闘うことをぬきに団結はつくり出せない」存在だとして両者を徹底的に分断している。
 そして、彼らは「在日・滞日外国人と日本の労働者民衆との団結を阻んでいる最大の問題は入管法24条の退去強制」だと主張している。これは許しがたいデマであり、屈服の思想であり、在日・滞日の闘いをおとしめるものである。

 第3章 11月大結集へ−階級的団結で入管闘争推進を

 4〜5月入管闘争は日本労働者階級との団結を求め、入管法24条と正面から闘ってきた故・林歳徳さんを始めとする在日朝鮮人・中国人との共同闘争の歴史である。
 また、帝国主義の新自由主義によるアジア—全世界での侵略・侵略戦争の中で生み出された膨大な難民が、迫害から逃れ日本にやって来る。そして入管収容所に収容され、退去強制攻撃と闘いながら難民認定を求めている。この人びとと、牛久を始めとする入管収容センターでの地道な面会活動を重ねて信頼と団結をかちとってきたのだ。
 さらに「不法就労」「不法滞在」の排外主義キャンペーンのもと、年間5万人が退去強制される現実を前に、これを打ち破って日本に実力渡航して闘うアジア人労働者への支援・防衛の闘いに取り組んできた。
 われわれはこうした4〜5月入管闘争の歴史を踏まえ、「排外主義に汚染された日本の労働者階級は自己批判しない限り革命の主体にはなりえない」などと、労働者への絶望を組織し、プロレタリア革命と入管闘争を切断する血債主義・糾弾主義と決別し、到来した革命情勢をプロレタリア世界革命に転化するために新たな決起を開始した。それがマルクス主義のプロレタリア自己解放に確信をもって動労千葉のように階級的団結で闘う入管闘争への飛躍である。
 革命の隊列から脱落・逃亡し、血債主義・糾弾主義に純化した塩川一派、旧与田一派らの敵対を粉砕しよう。8・3革共同集会に大結集し、8・6ヒロシマ〜8・9ナガサキ、8・15靖国闘争を爆発させ、11月1万人結集に突き進もう。在日・滞日労働者人民とともにマルクス主義で武装した単一の革命党を建設しよう。地区党建設の巨大な前進をかちとろう!