2008年7月21日

爆取差し戻し審 裁判長忌避 “証人調べは無意味だ”

週刊『前進』06頁(2352号6面5)(2008/07/21)

爆取差し戻し審 3同志が裁判長忌避
 “証人調べは無意味だ”

 7月16日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判、差し戻し審第4回公判が東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で行われた。3回廷を使った冒頭手続きが終わり、事実審理の開始である。
 この日、冒頭から午後5時の時間切れまで、検察官と一体化した裁判所に対して、被告・弁護団の激しい弾劾の闘いが展開された。対決と激突が始まったのだ。
 検察官は前回までの冒頭手続きにおいて、起訴状の要旨を2〜3分読み上げただけで、冒頭陳述も証拠意見も述べなかった。本差し戻し審において、何をどのように立証するのかさえ明らかにできないまま、ただ「従前どおり」の一言で済ませ、「証拠」採用だけを要求するという、ふざけきった態度をとった。
 それに対し、林裁判長は卑劣にも、公開の法廷ではなく、密室における期日外の決定という形をとって、検察官請求の「証人」を採用し、早速この法廷で2人の警察官証人の尋問に入ろうとしてきた。
 しかし、検察官が請求してきた橿原借家関係、関之沢林道関係、金沢借家関係の3「証拠」群は、差し戻し前の一審において、実に1年半もかけて求釈明−釈明の攻防を経て、裁判所が「関連性なし」として採用を却下した証拠群でしかない。被告とも、本件両事件とも、まったく関係のない証拠なのだ。とりわけ関之沢林道関係「証拠」なるものは、その「発見」の経過からして警察による証拠の捏造(ねつぞう)が強く疑われる、とんでもない代物なのである。
 須賀武敏・十亀弘史・板垣宏の3同志と弁護団は、そのような3「証拠」群にかかわる証人調べなど、まったく無意味であり違法だ、絶対に認めない、として次々に異議をたたきつけた。異議の中で、あらためて控訴審判決の違憲・違法・不当性を全面的に明らかにし、差し戻し審はまずその誤りを正すべきだと強く迫った。その迫力の前に、それまで一見物わかりの良さを振りまいていた林裁判長は、メガネを替えて六法全書をめくるなど動揺し始め、異議申し立てに対する却下を連発した。ついにその正体を現した! 断じて許せない。
 3同志は、裁判長の忌避を突きつけ、追い打ちをかけた。裁判官席に一番近い須賀武敏同志が怒りを全身で表し、裁判長の態度表明を厳しく求めた。それに対し裁判長は、一時判断停止状態に陥ったあげく、須賀同志に退廷命令を発した。
 16年にも及ぶ一審裁判をとおしてつねに攻勢をとり、不屈非妥協で徹底的に闘いぬき、無罪判決をもぎりとった3同志と弁護団は、今また新たな激闘を開始した。2人の証人尋問を予定していたが、結局、岡田鎮也という大阪府警公安(現在は退官)の主尋問をようやく終えるだけにとどまった。
 裁判所は次回、7月23日に警視庁公安・吉田喜平の主尋問に入ろうとしている。吉田は岡田と同じく橿原借家関係証人であり、事件とも被告とも無関係の証人である。無意味な証人調べを許してはならない。裁判を傍聴し、3同志とともに怒りの声を上げよう。