“漁に出れん!” 燃料代が5年で3倍 20万隻が一斉スト
“漁に出れん!”
燃料代が5年で3倍 20万隻が一斉スト
日本階級闘争史上初の事態だ。全国漁業協同組合連合会(全漁連)などが15日、燃料高による漁業の危機的状況を打開するため、全国一斉ストライキに立った。国内で稼働する漁船約20万隻が各地の港にとどまった。
東京・日比谷公園では、全国から結集した漁師ら約4000人が「漁業経営危機突破全国漁民大会」を開催し、官庁街をデモ隊列で席巻した。
宣伝カーには「漁に出れん!」「全国一斉休漁中!」のスローガン。漁師の黄色いゼッケンにも「漁に出れん!」「燃料高騰対策を」。「漁業者はもう限界をこえている!」は横断幕。大漁旗もはためいた。
シュプレヒコールは「赤字で漁に出られないぞ!」「国は漁業を守れ!」「国は食料の安定供給を確立しろ!」などだ。不慣れなシュプレヒコールに初めは戸惑う参加者も、すぐに自分たち流に「オー」と気勢をあげ、足並みをそろえた。
「漁業がなくなっちゃう」「政府かえたいね。総理大臣はクビ。クビだ」とデモ参加者は怒りを露わにする。60代男性は、ストライキに決起した思いを「政府に思い知らせてやる」と語る。
この5年で3倍にふくれあがった燃料の重油代。「投機マネーを追い出せ!」のプラカードも目立つ。漁師の敵もはっきりしている。資本家階級であり、G8に集まる帝国主義強盗どもだ。
全国一斉ストライキに至る過程では、各業種や地方レベルでのストライキや抗議集会が積み重ねられた。今年6月18日には、全国の小型イカ釣り漁船が一斉ストライキに突入。7月12日には福岡県でも約7000隻が県内一斉ストライキ。全国各地でも数百人規模の決起集会が開かれた。そういう情勢の中で6月25日、全漁連が全国一斉ストライキ方針を確立したのだった。
そしてこの日の集会。全国からの結集だ。岡山からは70人が新幹線で、函館からは120人が飛行機で駆けつけた。労働組合では全日本海員組合が参加。また、全国集会と連帯して北海道各地区でも200人から800人規模の集会・デモが行われた。
全世界的な原油・食糧高騰への暴動・ストライキが、日本にも波及している。漁民ストは日本のゼネストの夜明けだ。福田政権は漁師の怒りを押さえ込もうと必死だが、世界金融大恐慌の現実を前にした帝国主義には解決不能だ。まさに革命情勢だ。 (水森健介)