2008年7月 7日

団結ひろば 投稿コーナー

週刊『前進』08頁(2350号8面1)(2008/07/07)

団結ひろば 投稿コーナー

 第1章 ●6・29渋谷デモを闘って サミット粉砕団結・勝利! 反戦団体A&U大阪 ユメウツツ

 集会の会場からデモの出発点まで、すでに長いスクラムの列がうねうねと連なりました。スクラムを組んでいる一人一人の顔がイキイキとして見えます。
 すごく感動的でした。過去も現在も、世界中の労働者が同じ思いで闘っている。自分の生きている歴史はそういう歴史だったんだな、と感じました。また、法政大学で逮捕された39人の学生がこのスクラムを生み出したと思いました。起訴され今なお勾留されている仲間と、このスクラムでつながっていると感じました。
 さあ、デモに出発です。最初は足並みがそろわない状態だったけど、段々とうまく歩けるようになってきて、「サミット・粉砕! 団結・勝利!」のリズムにあわせて足を進め、ひとつの長〜い動物みたいになってきました!
 長い動物は渋谷の街をグングン進み、雨と汗によって目に見える湯気を出しながら、同じ数ほどいる機動隊を押し返して渋谷の街を実力で解放していきました。
 自分でやっていて、こんなデモがやれるのはすごいと思いました。一人一人が自分で考え抜いて、逮捕まで覚悟して「不許可」のデモをやっている。だから、全員が全員を守るためにスクラムを組んでひとつになる。
 こういう団結の前には、競争をあおる資本家も、「合法」をさけぶ日共も、「個性を大事に」と言いながら団結を否定する考えも、弱いな、と思いました。
 今回、スクラムやって、「労働者の力は強いんや」「サミットなんか粉砕や」と“渋谷の中心で団結をさけんだ!”
 デモは警察当局の狙いをふきとばしました。本当に、団結が拡大した勝利のデモだったと思います。

 第2章 ●6・29渋谷デモを闘って スクラムデモ戦術アップを 青年労働者 折辺達吉

 先日の6・29デモは警備規制を振り切り、ここ数年来で最も戦闘的なデモを行い、大勝利をかちとった。学生、労働者、老若男女問わず、すべての力を『団結』という2文字にして、一気に阻止線を打破したのだ。
 しかし、その反面、慣れないスクラムデモで将棋倒しになったり、胸部圧迫で酸欠になるなどトラブルが相次いだ。無論、規制を張る権力に問題があるのだが。
 しかし、もう一度、原点に戻り、基本的なスクラムデモのやり方をここで学ぶべきじゃないだろうか。せっかくデモらしいデモができたのだから、このままではもったいない。
 参加者全員思っているはずだ。われわれは、やればできるのだ。戦術をもっとアップして大衆実力闘争の先頭に立とう。そして、われわれの力で帝国主義を打倒しよう。
 《追伸》デモ指揮者、先導者の指示にしたがおう。後方伝達を速くする。われわれの不注意で仲間を犠牲にしたくはないので。
 逮捕された仲間の1日も早い奪還を!!

 第3章 ●6・29渋谷デモを闘って 英文ビラ配りエールを交換 東京 江杉堅

 渋谷、パルコ前。顔をひきつらせた機動隊員が盾を並べて駅への道を必死になってブロックしている。沿道を埋めた群衆は、かたずをのんでデモ隊を待っている。報道陣がカメラの放列をしく。やがて坂の上の方から、デモの隊列の先頭が見えてくる。遠くからでも感じられるすごい熱気だ。緊張が街頭に走る。部厚いスクラムが機動隊と激突する。沿道とデモ隊の合流を阻止しようと、警官が黄色いテープをもってあたふたする。
 渋谷街頭をゆるがすこの怒りを、世界に発信するささやかなパイプとして、英文のビラ配りをすることを決めた。
 高まる興奮の中で、外国人の姿を探す。「このデモのビラです」と、早口に話しかけると断わる人はいない。すすんで手を出し「何のデモか」と聞いてくる。「サミット反対のデモです。駅前に出ることを警察が不当に禁止しました。私たち労働者は、戦争、民営化、失業、分断、貧困に反対するために闘っています。ともに闘いましょう」と呼びかける。ロンドンから来たという若者たちは、「すごいデモだ」と目を輝かす。
 ヒスパニック系の労働者に、「ブッシュなどの来るサミットに反対しているんです」と声をかけると、「おお、俺たちはブラジルから来た。ブッシュを倒そう!」とこぶしを振り上げた。苦々しくにらむ私服の目の前でエールの交換だ。
 彼らの手に握りしめられたビラが、彼らの新しい闘いの武器になることを願いつつ、デモの隊列との一体感の中でビラまきをやりぬいた。

 第4章 ●6・29渋谷デモを闘って “大丈夫、君ならできる”と 派遣労働者 真田進

 今回のデモは僕が参加した中で一番楽しかった。最初はデモに許可がおりないことを知り「これはもしかしたら……」と思いました。一緒に行った人が「これは大暴動や」と言ってました。
 公園の出口で僕らを機動隊が渋谷の街に行かせないために、盾を構え守っていました。「さあどうなる」と思いました。
 すると動労千葉が武器も持たずに先鋒(せんぽう)で突っ込みました。しばらくすると動労千葉が僕らと分断されました。「武器がないなら仕方ないなあ」と思いました。
 そして次は僕ら青年らの番です。初めはうまく押し合いをできず、呼吸困難になりました。「僕には無理だ」と思い、デモから抜けようと思いました。そんな時、誰かの声がしたような気がしました。誰かに「逃げずに戦おう、大丈夫、君ならできる」と言われたみたいになりました。
 その声は海の向こうで戦っている労働者の人たちの声と、僕が尊敬するアイヌのシャクシャインの声だと思います。僕はその声を胸にひめ、仲間と共に機動隊に突っ込みました。そのうち、僕はすごく楽しくなりました。それと同時に機動隊が後ずさりしていきました。
 敵どもが僕らの仲間を武器で殴りました。大変卑怯な行為に対して、すさまじい怒りを感じました。
 デモが終わった後に、「日本の機動隊は弱いなあ、次はフランスデモできるなあ」と思いました。

 第5章 ●6・29渋谷デモを闘って 法大のように闘おうとデモ 広島大学 ジョン滝川

 6・29闘争は、今この時代に私たちが何をし、どう生きるべきなのかを鮮明に示しました。デモに参加した仲間は一人の例外もなく、誰もが「法大のように闘おう!」と固くスクラムを組み、「日本の労働者ここにあり」と世界に示しました。
 6・29で組んだスクラムとは、5・29で組んだスクラムです。今も獄中に捕らわれている同志とのスクラムです。世界で新自由主義と闘う仲間とのスクラムです。
 私たちはひとつでした。権力というひとつの敵に対し、全員が怒りをひとつにして立ち向かった。秋葉原事件を引き起こしてしまった青年に私たちの声は届いているだろうか。敵が誰なのかをハッキリさせ、誰と団結するのかを明確にした時、私たちは本当にひとつになれるということを。労働者同士がいがみあい、殺しあわなければならない世の中をつくったのは一体誰なのだと。私たちが、この時代にすべきことは、今こそ怒りをひとつにして新自由主義に立ち向かうことだと、6・29闘争は明確に示していた。
 私たちは本当にひとつになれた。新自由主義と闘う世界の仲間たちと本当にひとつになれた。青年がもっている、人間としての怒りと本当にひとつになれた。あらゆる分断をぶっ飛ばして、全員が逮捕覚悟で闘い、一人の仲間も見捨てなかった。心の底から「法大のように」と自己を奮い立たせた仲間に私は涙した。そして、その情勢を最先頭で切り開いてきた獄中の同志たちに私は偽りのない言葉を投げかけたい。愛している!と。
 私たちは歴史に刻印しました! 労働者という存在を。労働者のもつ無限の力を。
 振り向けば、汗と雨にまみれた仲間と立ち上る水蒸気。あたりは一面真っ白になっていた。

 第6章 内田君が裁判で堂々と陳述 東京 高橋沙樹

 学生が教室でビラをまいたり、集会の参加を呼びかけることが建造物侵入で起訴になるという、許しがたい弾圧が続く最中、6月18日に東京地裁で行われた内田晶理(てるまさ)君の裁判は歴史的な場となった。
 不当逮捕・起訴された内田君が逮捕の不当性を訴え、最近起きた5月28〜29日に起きた弾圧を弾劾する意見陳述を読み上げた。ジャージ軍団が学生を暴力で弾圧し続けていること、内田君以降も次々と逮捕者が出ている事実を突きつけられて、半田裁判長は「本件とは関係ない!」と顔をゆがめ、必死になってやめさせようとした。「最後までなぜ聞かないんだ」と傍聴席から怒りの声が上がると、次々と退廷命令を出す裁判長。視線が宙に浮いたまま、「退廷!」「発言をやめなさい!」と繰り返すのみ。完全に破産している。最後は、どうしようもなくなってとうとうあきらめた。
 堂々たる内田君の勝利だ。傍聴者たちは感動でいっぱいになり、思わず拍手が巻き起こった。権力との力関係がひっくり返った瞬間、突き抜けた瞬間だった。圧迫感のある支配から解き放たれる時がやってくる。それは自分たちでつくり出すんだ!! そういう気概が内田君からみんなへとひろがっていった。
 「俺たちはそういう力を持っている。つまり、体制を転覆する力だ」。この感動は、『蟹工船』のワンシーンと重なる感覚かもしれない。
 「留置場は、怖い所ではない。こっちが取り調べている気分で刑事を観察していた」「獄中は、出たり入ったりする所」。出獄した仲間から、次々と突き抜けた発言があった。そうした勢いが、6月29日の大デモを実現させる大きな基盤となったと、心から実感する。

 第7章 ●『蟹工船』インタビュー 団結したら手を出せない 30代・男性 教育労働者

 『蟹工船』を漫画で読みました。古い時代の話というイメージがあったんだけど、今と変わらない内容で、こんなに今の状況と近いというのに驚きました。労働者は命まで資本家にさしだしたらいかんなと。殺されるぐらいなら、資本家を団結してぶっ倒そうと熱いものを感じました。
 印象に残ったところは、浅川監督をやっつけたところです。1回目はやられて、2回目立ち上がった。最初は分断されてダメになったけれども、団結したら一切資本は手を出せないんだと。団結をつくることが大事だと思いました。

 第8章 ●『蟹工船』インタビュー 革命をめざす思いは同じだ 20代・男性 全逓労働者

 古い作品だと思っていたけれども、本当に労働者の団結を訴えているという作品だと初めて知って感動して、当時の革命をめざす人たちの思いは今とまったく同じなんだなと、その思いを実現したいなと思います。

 第9章 ●『蟹工船』インタビュー ひとつの侮辱も許せぬ怒り 20代・男性 全逓労働者

 我慢のダムが決壊する時がすごい。みんな団結して部屋まで詰め寄って、ピストル向けられるんだけどボコボコにするみたいな。もうもうこれ以上、ひとつの侮辱も許せないみたいな、そういう怒りだよね。それが今の日本の状況と同じだと思う。
 これ以上、雇い止めなんてされてたまるかとか、これ以上、上司に侮辱されてたまるかと。この怒りは満ちていて蟹工船ではそれは許さないぞと立ち上がった時に、みんなも立ち上がってくる。そういう時代になっているんだなって。
 「どう闘ったらいいかわからない」という人に言いたい。どう闘うのかは後から出てくる。こういう方針を提案してみんながそれで行きますかと来るわけではなくて、「俺は許せないぞ」と、それで話しかけて「俺も許せないぞ」となった時に、自然とこうしてやろうああしてやろうというのが出てくる。
 労働組合をつくって状況を変えるという時に、「これは絶対許せない」「誰にもこんな思いさせたくない」「反乱おこそうぜ」というのが大事だと思う。
 ストライキは苦痛に満ちたものでも非痛感のものでもなくて、超楽しいんだ。ストライキすることによって、やっぱり気づく。俺たちが動かしているんだ、所有するにふさわしい存在じゃないかと。逆に当局とか管理職の方がちっぽけな存在なんだと。
 僕は言ってやったけどね。「俺たちが全員でストライキやったら俺たちの言うこと聞くしかないんだぞ」って。楽しいよ。すごく。

 第10章 ●『蟹工船』インタビュー 団結して共通の敵と闘う 10代・女性 青年労働者

 『蟹工船』の映画をみて、共通の敵と闘う、一致団結して闘う、最初は団結も何もない状態からストライキをワーとやってしまうという力が戦前からあったんだというのがすごい感動した。今もずっとつながっていることだなと実感した。『蟹工船』最高です。
 小林多喜二さんが共産党で獄死したことが生々しく印象に残った。団結してやっているというのじゃなくて、最初はびびってなかなか立ち上がれない中で、やっぱりどんどん仲間が殺されていってしまうという中で、労働者たちが気づくシーンがよかった。