2008年7月 7日

8・6広島-8・9長崎反戦闘争へ 世界戦争・核戦争へ突き進む帝国主義を団結の力で倒そう

週刊『前進』08頁(2350号6面1)(2008/07/07)

8・6広島-8・9長崎反戦闘争へ
 世界戦争・核戦争へ突き進む帝国主義を団結の力で倒そう
 08年反戦反核闘争アピール 村上秀彦

 6・29サミット粉砕渋谷大デモは、法政大決戦の革命的な質をわがものとした2150人の密集した階級的団結の力で、警視庁機動隊の壁をぶち破り、労働者階級人民のあふれる自己解放のエネルギーを解き放った。もはや何者もこの力を押しとどめることはできない。6〜7月サミット決戦で解き放たれた青年労働者・学生を先頭とする階級の怒りと力を、職場で、街頭で、もっともっと組織し、8月広島・長崎反戦反核闘争に総結集しよう。被爆者への分断・差別と抹殺の上に核武装政策を推進する福田の祈念式典出席に対し、6・29渋谷を引き継ぐ戦闘的大デモをたたきつけよう。全世界に貧困、失業、飢えをまき散らしながら世界戦争・核戦争へ突き進む帝国主義を打倒しようの呼びかけを、ヒロシマ・ナガサキから全世界の労働者階級に発しよう。

 第1章 世界で拡大する反乱と今夏反戦闘争の重大性

 帝国主義は新自由主義攻撃の結果として、世界金融大恐慌を爆発させ、労働者階級を食わせていくことも、生きさせることもできなくなっている。そうした中でブルジョアジーどもは、労働者階級へのあくなき搾取と収奪を追求し、世界で10億人を貧困と飢えにたたき込みながら、石油や食料を投機で暴騰させ、ボロもうけを続けている。
 だがそれはついに世界的な悪性のインフレの火をつけ、帝国主義経済自体を破滅へと投げ込もうとしている。歴史上ここまで腐り果て、社会の全面的崩壊をもたらし、反動の極致にいたった体制は存在しない。
 この帝国主義の支配に対して全世界で巨大な革命的反乱が始まった。そしてわれわれはついに日本において、動労千葉の闘いや法政大決戦、そして青年労働者の決起を生み出し、革命的情勢を実力でこじ開けつつある。全世界の帝国主義支配階級は、打倒される恐怖に打ち震えている。彼らの選択肢は、結局のところ労働者階級に対するさらなる収奪と治安弾圧、外への侵略と戦争の拡大以外にない。滅亡の危機に立つ最末期帝国主義は、まさに今、1929年の大恐慌から第2次帝国主義世界戦争突入、そしてヒロシマ・ナガサキにいたった、かつての歴史的プロセスを再びたどろうとしているのだ。
 イラク、アフガニスタンにおける米、EU、日本の帝国主義的侵略戦争は、ますます激化・泥沼化し、敗北・敗勢の危機に陥っている。ここでの帝国主義の軍事的敗北と撤退は、米帝の没落を促進し、帝国主義間争闘戦を激化させ、帝国主義世界体制の決定的な崩壊の危機を引き寄せずにはおかない。さらに「テロ」や「核開発」を口実とするイランなどに対する帝国主義的介入と侵略戦争拡大の策動、アフリカの資源をめぐる古典的とも言える植民地再分割戦、さらにチベット問題、四川大地震、バブル崩壊、労働者・諸民族の大反乱に直面する中国スターリン主義の危機など、まさに世界中に戦争の火種がまき散らされている。
 この時代に軍事力を行使できず、戦争ができない帝国主義は、滅び去るしかない。だからこそ日帝は必死に、イラクとインド洋に自衛隊を派兵し続け、スーダン派兵や派兵恒久法の制定を策動し、世界(核)戦争に対応する「宇宙基本法」の制定を強行したのだ。さらに横須賀への米原子力新空母配備、沖縄・全土の基地強化を、ますます臨戦的に進めている。青森での「核サミット」では環境問題を口実にして原発増設、核燃料サイクル強行を打ち出し、日帝独自の核武装策動は一気にエスカレートしている。まさに今、3度目の帝国主義の基本矛盾が爆発し、世界戦争・核戦争の危機が具体的な姿をもって切迫しているのだ。
 労働者階級を生きられないようにし、青年を貧困と絶望のどん底に突き落として「軍隊」「監獄」以外への出口を封じ、侵略戦争の戦場に送り込む、この帝国主義を打倒しないかぎり、またヒロシマ・ナガサキの再現にまで行き着くのだ。どんなに被爆の悲惨さを確認し、どんなに「平和」を祈っても、それでは何も変わらない。戦争は止められない。あらゆる分断をうち破り、階級的団結を形成して、核戦争をも不可避とする帝国主義の支配をうち倒す以外にないのだ。生産手段と社会を労働者階級の手に奪い返すプロレタリア革命こそが、唯一の出口なのである。
 今夏、8月広島・長崎反戦反核闘争を、侵略と戦争—再度のヒロシマ・ナガサキへの道に突き進む帝国主義の打倒へ向け階級的団結を強化し拡大する闘いとしてかちとろう。青年労働者・学生を先頭に大結集を実現しよう。

 第2章 体制内指導部を打倒し青年・学生の総決起を

 広島・長崎への原爆投下による労働者階級の皆殺し、被爆から63年たった今も続く被爆者と被爆2世・3世、つまり被爆プロレタリアートの苦悩こそは、帝国主義と労働者階級の対立の絶対的非和解性を示している。だが、帝国主義支配階級のみならず、日共スターリン主義、あらゆる体制内の労働運動指導部、既成原水禁などの全勢力が、この階級対立の絶対的非和解性を徹底的に覆い隠してきた。そして被爆プロレタリアートを先頭とする労働者階級の核と戦争に対する根源的な怒り、帝国主義を打倒せずにはやまない自己解放の闘いを抑圧し、圧殺し続けてきたのだ。
 日本共産党は、被爆労働者に対して、原爆を投下したアメリカ帝国主義軍隊を「解放軍」として歓迎することを強要し、占領下でのプレスコード(原爆に関する報道・出版の禁止)に従わせた。60年代にはスターリン主義国家の原水爆実験に賛成して原水禁運動を分裂させ、今日では「核廃絶」を帝国主義支配階級の「理性」にゆだねている。被爆者を先頭とする労働者の階級的団結の力、自己解放の闘いよりも、「米帝占領軍」「ソ連・中国の核兵器」「帝国主義政府の理性」を信用し、労働者階級の闘いを圧殺する——これがスターリン主義の本性だ。
 4大産別などの体制内労働運動指導部もまた、労働者階級の闘いの戦闘化を徹底的に抑圧し、闘う労働者を「団結破壊者」として弾圧してきた。そして今や帝国主義の手先と化した連合中央が支配する原水禁は、「北朝鮮の核無能力化」などという帝国主義と同じスローガンを掲げている。彼らは「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」を、「核開発阻止」を口実とする帝国主義の侵略戦争翼賛のスローガンにしようとしているのだ。
 この日共スターリン主義と、連合の体制内労働運動指導部による労働組合支配・職場支配こそは、警視庁公安・機動隊の国家暴力と並ぶ日本帝国主義の支配の支柱であった。これを職場と街頭でたたき折れば、実は世界帝国主義の「最弱の環」である日帝の支配体制は、ガラガラと崩壊するのだ。そしてすでにわれわれは、5・28〜29の法政大決起と6・29渋谷大デモで、あの傲岸不遜(ごうがんふそん)な警視庁公安部のデカどもをしたたかにたたきのめし、機動隊の壁を突き破ったのだ。
 「資本・国家あっての労働者、労働組合」という幻想で労働者を支配してきた体制内労働運動指導部もまた、資本・国家がただひたすら労働者の生活と生存を破壊するだけの存在になった今、完全にグラグラになっている。「法政大のように闘おう」「動労千葉、米ILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国・民主労総のように闘おう」と6・29渋谷大デモを闘いぬいた2千余の革命的戦闘的な労働者が、『蟹工船』ブームや「秋葉原情勢」の中で噴火口を求める2千万青年労働者、6千万全労働者階級の怒りのマグマと結合したとき、体制内指導部の組合支配・職場支配は瓦解(がかい)し、革命的情勢は一気に現実の革命に転化する。
 70年決戦後のカクマル反革命との戦い以来、長らく日本の労働者階級は「最も闘えず」「最も遅れている」かのように見えた。しかしその間、国鉄分割・民営化攻撃をはね返し、新自由主義攻撃にうち勝ってきた動労千葉を先頭とする日本労働者階級の苦闘は、ついに生きたマルクス主義としての階級的団結論を確立するにいたった。そして法政大決戦と6・29渋谷大デモを歴史的突破口に、いよいよ青年・学生を先頭とする日本プロレタリアート全体を獲得し、世界の階級闘争の最先頭に躍り出るときがやってきたのだ。
 この5〜6月の決戦が切り開いた地平をとことん押し広げる闘いとして、8月広島・長崎反戦反核闘争を闘おう。何よりもプロレタリア革命の最大の主力である、4大産別の青年労働者と全国の学生を組織しよう。

 第3章 与田残党や塩川一派の敵対を断固粉砕しよう

 「党の革命」に敵対し、プロレタリア革命とマルクス主義から逃亡し転向するために「広島差別事件」をデッチあげた血債主義・糾弾主義の旧与田派残党が、8・6広島集会を呼びかけている。ここに塩川一派や平田派、結柴・新城などあらゆる革共同除名・逃亡分子も寄り集まって、8・6広島反戦闘争に敵対しようとしている。彼らは現情勢を差別と反動の「暗黒時代」に描き上げ、革命的情勢の到来を否定し、革命への絶望と労働者階級への不信をあおり、とことん階級的団結を破壊し、分断を持ち込もうとしている。「反革共同」の一点で野合する旧与田派残党・塩川一派・平田派らの敵対を断固粉砕しよう。
 すでに「広島差別事件」なるものの反階級的な政治目的は、広島を始めとする全国の闘う労働者、学生、部落民大衆によって完全に見抜かれ、打ち砕かれている。「今の時代は物取り主義では闘えない」「完黙の原則は絶対に譲れない」——この階級的原則的発言を「差別」とデッチあげ、自らの体制内的あり方や党内における「特別な地位」を認めさせようとしたのが石嶺・八木ら旧与田派残党である。
 だが、全員が完黙・非転向で闘いぬいた法大38人の学生の決起を見よ。6・29渋谷大デモの最先頭で闘ったマル青労同・マル学同の同志たちを見よ。日帝・国家権力の憎しみと弾圧を一身に引き受け、逮捕・起訴をも階級的団結の拡大・強化に転じて闘う若き青年・学生同志らと、旧与田派残党や塩川一派の転向した姿とを比べて見よ、ということだ!
 われわれは、青年・学生の若き革命的指導部を続々と生みだしている。ここにこそ革命の勝利と未来がある。しかし、塩川一派や旧与田派残党どもは、絶対にこうした闘う青年・学生層を獲得することができない。彼らは体制内労働運動、体制内の解同本部派らの後を1周も2周も遅れて追いかけ、歴史のくずかごに投げ捨てられた存在にすぎない。
 血債主義・糾弾主義の最大の犯罪性は、プロレタリアートへの不信をあおり、真の対立が全世界の帝国主義ブルジョアジーと労働者階級・被抑圧民族プロレタリアート人民の間にあることを、徹底的に覆い隠すことにある。7・7自己批判と7月テーゼのマルクス主義的核心は、世界革命に向けた労働者階級と被抑圧・被差別プロレタリアート人民の階級的・国際的団結を実践的に形成し、強化していくことにある。その実践とは自国の帝国主義資本・権力に対して、職場と街頭で徹底的に非和解で闘うことである。
 動労千葉はまさにこの実践をとおして、「加害」と「被害」の分断を革命的に止揚した日韓米プロレタリアートの階級的・国際的団結を実現しているのだ。韓国のハンギョレ新聞の特派員は6・29渋谷大デモを見て「デモ隊は、日本警察に対し激しい肉弾戦を辞さなかった」と報道した。サミット決戦はイミョンバク打倒の連日連夜の大闘争に決起している韓国の民主労総や学生に届いたのだ。真の国際連帯はここにこそ生まれている。
 「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」は、再び「パンと平和」を掲げて世界革命に立ち上がる全世界プロレタリアートの共通のスローガンだ。
 イラク港湾労働者と連帯し、イラク反戦のメーデー・ストを闘った米ILWUや、軍募兵官追い出しを闘うアーリーン・イノウエさんら米教員労働組合の闘い、韓国・民主労総の決起と団結し、国際的反戦闘争として8月広島・長崎を闘い抜こう。動労千葉を先頭とする3国連帯の陣形をうち固め、ヒロシマ・ナガサキに総決起し、11月1万人大結集と世界革命への展望をたぐり寄せよう。