2008年7月 7日

〈焦点〉 自衛隊アフガン・スーダン派兵 強盗戦争に参戦狙う日帝

週刊『前進』08頁(2350号5面2)(2008/07/07)

〈焦点〉 自衛隊アフガン・スーダン派兵
 強盗戦争に参戦狙う日帝

 G8洞爺湖サミットを前に、日帝・自衛隊の海外派兵への動きが急速に強まっている。福田首相は6月30日、パンギムン国連事務総長と会談し、スーダン南部に展開しているPKO(国連平和維持活動)である国連スーダン派遣団(UNMIS)の司令部に、自衛隊要員を派遣する方針を伝えた。日帝は最終的には司令部要員にとどまらず部隊派兵を狙っている。
 同時に政府は、アフガニスタン本土に展開するNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)に対し、後方支援作戦などでの自衛隊派兵を強行する方針を固めて、すでに6月18日に政府調査団による予備調査を終えた。現在イラクで空輸作戦を展開中の航空自衛隊C130輸送機部隊を、アフガン向けに派兵・展開する拠点候補地もすでに策定中である。
 さらにこれらと時を同じくして6月24日、政府の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安倍政権時に発足)が、集団的自衛権の行使の「容認」を提言する報告書を福田首相に提出したことも重大だ。
 アフガン情勢は、2001年の開戦から7年目に入っているが、復活したタリバンの攻勢のもとで、イラク戦争での米帝の決定的敗勢に連動するように、国際帝国主義による軍事作戦が崩壊の危機に直面している。昨年1年間の戦闘での死者は、民間人を含め8000人以上とされている。米軍は約3万5000人が展開しブッシュ政権は増派を検討中だが、イラクと同様に泥沼的危機にある。
 米帝と分裂・対立してイラク戦争に参戦しなかったフランスやドイツも、NATO軍としてアフガン侵略戦争には参戦している。まさに日帝を含めたすべての帝国主義が相互に争闘戦を繰りひろげながら、競うように侵略戦争を展開しているのだ。アフガンはイラクとともに、国際帝国主義の世界戦争攻撃の最前線の位置にある。
 一方で米帝がイラク戦争の泥沼的敗勢の突破をかけ、イランへと戦争を本格的に拡大しようとしている中で、日帝がこのアフガン本土への部隊派兵に動きだしたことは、歴史的事態である。
 スーダン派兵問題も、サウジアラビアを上回る埋蔵量とも言われる石油資源をめぐる国際帝国主義の争奪戦が背景にある。スーダンのSPLA(人民解放軍)とスーダン政府軍との内戦は石油資源をめぐって始まったが、欧米帝国主義がSPLAを支援したのが内戦勃発のきっかけだった。この間隙(かんげき)をぬって中国スターリン主義がスーダンでの石油掘削権を獲得、むきだしの資源争奪戦の戦場と化した。スーダンへのPKO派兵は、国際帝国主義の強盗戦争への日帝の参戦そのものであり、超重大事態なのだ。
 帝国主義の「最弱の環」たる日帝は、一方で労働者階級への階級戦争を激化させながら、外への侵略戦争へといよいよ本格的に動き出しつつある。宇宙基本法の制定や派兵恒久法の策動も、戦争・改憲への決定的攻撃だ。サミット粉砕決戦の地平に立ち、労働者は日帝・福田政権打倒へ闘おう。