『蟹工船』あらすじ
週刊『前進』08頁(2350号4面2)(2008/07/07)
『蟹工船』あらすじ
「おい地獄さ行ぐんだで!」——全国から集められた労働者を乗せて蟹工船「博光丸」が函館を出る。「帝国海軍」に護衛されてカムチャツカ半島水域で操業する。漁夫、雑夫は、農民や坑夫、織工、土工出身の季節労働者だ。「糞壷(くそつぼ)」と呼ばれる船底に詰め込まれる。蟹工船には航海法も工場法も適用されない。過酷な労働と粗末な食事、不衛生。浅川監督は、作業の遅い漁夫や雑夫をピストルで脅し、棍棒(こんぼう)でたたきのめす。
行方不明になった川崎船(母船から降ろされて漁をする小船)はカムチャツカの岸に打ち上げられる。漁夫たちはロシア人の家庭で2日間生活、団結して闘えば勝てるとロシア人に教えられて帰ってきた。
脚気にかかった漁夫が放置されて死ぬ。労働者の怒りは頂点に達し、漁夫、雑夫、火父、水夫ら300人が団結してストライキに立ち上がった。窮地に陥った会社側は駆逐艦に助けを求めた。労働者は「帝国軍艦万歳!」を叫んで歓迎したが、武装した水兵が代表者9人を連行した。
国家権力の本質を知った労働者は再び団結を固め、一人も残らず引き渡される覚悟でストに決起した。