2008年6月30日

JP労組札幌大会「生産性運動」綱領を弾劾 産業報国会と化す労組中央

週刊『前進』06頁(2349号4面2)(2008/06/30)

JP労組札幌大会「生産性運動」綱領を弾劾
 産業報国会と化す労組中央と民営郵政を団結の力で倒そう

 6月18日から始まったJP労組大会は、全逓と全郵政が組織統合して最初の定期大会となった。全国労組交流センター全逓労働者部会を先頭とする闘う全逓労働者は、「生産性向上運動」を公然と掲げて完全な産業報国会になり下がったJP労組中央を徹底的に弾劾し、大会会場を包囲するデモと情宣を行った。(前号に速報)
 会場となった札幌は、洞爺湖サミットを目前にして、街中いたるところに警察権力が徘徊(はいかい)し、戒厳令下だ。貧困と格差と飢餓、戦争と民営化、労組破壊の新自由主義政策を推進してきた帝国主義の強盗どもが集まるG8サミット。このサミットを前に、その北海道で、帝国主義と資本に「労働組合」が忠誠を誓い、これを救済するための大会を行うなど許せない。闘う全逓労働者は、6・29東京・代々木の全国労働者総決起集会とデモに断固として決起することを訴えた。さらに7・6札幌現地闘争に、再びこの北海道の地に結集し、サミット粉砕に立つことを宣言した。

 第1章 唯一の闘う勢力

 今回の全国大会闘争では、これまで登場していた勢力や党派が完全に姿を消した。労組交流センター全逓部会に結集する闘う労働者こそが、民営郵政資本と一体のJP労組中央と闘う唯一の勢力として登場した。腐り切ったJP労組中央の労働貴族を打ち倒す現場労働者の圧倒的な怒りを代表しているのは、この隊列なのだ。全逓をはじめ4大産別決戦を先頭にした階級的労働運動路線こそが、唯一の闘う路線であり、それなくしては一切闘えないことが示された。
 全逓戦線で塩川一派へと脱落・逃亡していった者は、今回の大会代議員選挙に立候補すらしなかった。そして代議員選挙闘争から大会当日にいたる大会闘争のすべてから逃げ去り、体制内運動に埋没した。
 一方、階級的労働運動路線を堅持して闘う全逓労働者は、全国各地で代議員選挙を闘い、これまでよりも得票を大きく伸ばすなど善戦した。JP労組中央が、どんなに全逓労働運動を解体し、現場組合員に屈服を迫ろうと、闘う全逓労働者の階級的魂は生き続けていることを示したのだ。
 今回の大会でJP労組中央は「郵政各社が一流企業として成長するための競争力の強化(!)」を「経営協議会に提起する」方針を公然と確認するなど、「労働組合」がみずから生産性向上運動の先頭に立って現場労働者の生きる叫びを圧殺することを公然と宣言した(議案書)。昨年10月の全逓解散・全郵政との統合時に打ち出した「左右の全体主義を排除する」という御用第二組合・全郵政の産業報国会路線と綱領を、統一JP労組の中央指導部方針として明確にしたのである。
 今大会の採決結果は、第1号議案・08年度運動方針案に対し、有効投票426票のうち賛成396票、反対30票であった。(出席代議員429人、無効3票)
 この数字は、民営化とともに全国の職場で進行している大規模な人員削減・合理化による極限的な労働強化と業務破綻(はたん)のなかで、現場労働者の圧倒的大多数に広がる怒りや要求の大きさと完全に切断された数字である。この「採決結果」自体が、全国の職場で現場労働者の反乱がもはや避けられなくなっていることを示しているのだ。資本と一体の全郵政綱領で郵政職場を制圧することなど断じてできない。
 いま全国の郵政の現場で怒りが渦巻いている。慢性的な人員不足と超勤の連続。深夜勤などの過酷な現実によって生まれる事故や早期退職。健康破壊による現職死亡や自殺までが相次いでいる。そして非常勤労働者の使い捨てや派遣労働者の導入などが常態化している。圧倒的な現場労働者が「何が問題か」を知り、怒りを蓄積させている。JP労組中央と本部派が抑えこもうとすればするほど、「もう我慢ならない」「生きさせろ!」という怒りが噴出しつつある。反マル生・越年物ダメ闘争や、全郵政と非和解的に激突して闘った時代を知らない若い世代にも、そうした怒りと闘いの機運が急激に高まっている。現に闘いは各地で始まっている。

 第2章 破綻する民営化

 民営郵政は、その出発点から破綻している。ひたすら民営郵政の手先となったJP労組中央と本部派が、現場労働者に矛盾を押しつけ、犠牲を強要し、業務の破綻を取り繕っているにすぎない。「会社とグルになっているやつらこそが労働者の敵だ」という声が、大会闘争を前後して全国の職場でわき起こっているのだ。
 労働者が生きるためには、民営郵政を打倒するしかない。死すべきは民営郵政の方だ。倒れるべきはJP労組中央だ。すでに破綻している民営郵政を、本当に破綻にたたき込む闘いを開始しよう。現場から超勤拒否で闘おう。物ダメ・ストライキこそ全逓労働者の闘う方針である。社会の主人公は労働者なのだ。郵政の現場を動かしているのは労働者なのだ。この事実を実力をもって突きつける闘いである。
 世界は革命情勢だ。ドイツを始め世界中で郵便労働者がストライキに立ち上がっている。世界の労働者階級は一つである。全世界の労働者の闘いと連帯し、サミット粉砕を闘いぬき、全国の郵政の現場から闘いを巻き起こそう。職場に新たな団結をつくりだし、民営郵政打倒の闘いに立ち上がろう。