2008年6月30日

“1人の涙にスト! それが俺たちの魂じゃん” 「雇い止め」と闘う青年労働者の訴え 希望は団結!反乱起こそう!

週刊『前進』06頁(2349号4面1)(2008/06/30)

闘わない労組幹部は現場労働者の敵だ
 “1人の涙にストライキ! それが俺たちの魂じゃん”
 「雇い止め」と闘う青年労働者の訴え 希望は団結! 反乱起こそう!

 4月に仙台市S局で雇い止め通告を受けた青年労働者A君が、6月18日、JP労組第1回定期大会(札幌)でまいた個人署名ビラを紹介します。A君は代議員たちに「泣き寝入りはしない!」「希望は団結」「郵便局から革命を起こそう!」と訴え、雇い止め攻撃を取り上げようともしないJP労組中央を弾劾・追及した。(編集局)

 第1章 1カ月で雇い止めなんて認めない!最終日ストライキ

 知らない仲間が立ち上がる! 「処分よりも義理人情」に感動した!
 俺は4月28日、三集課長に呼び出され「雇い止め」を通告された。「俺は生きちゃいけないのか」「何のために地図を覚え、走ったんだ」。涙が止まらなかった。ペットボトルじゃないんだぞ。簡単に捨てられてたまるかよ。俺が引いたらこれが常識になってしまう。だから30日、職場の仲間と声を上げた。
 30日、朝、職場の人たち全員に、ビラを渡し、朝礼で課長を追及し、大騒ぎした。
 「理由を説明しろ」「雇い止めは絶対認められない。撤回しろ」「俺たちを人間扱いしていないんじゃないか?」「俺のようにみんなをいつでも首切るつもりか」「お前なんて大したことないんだ。俺たちがストライキしたら、言うことを聞くしかないんだぞ」
 課長も集まってきた管理職も誰も答えられない。課長がただひたすら「理由はいっただろ『こちらの判断だ』」と繰り返すのみだ。そんなことに黙って従えるか。
 周りの人たちも「何で彼が雇い止めなんだ」「ようやく一人前になってきたところじゃないか。ふざけんな」と一緒に課長を追及。俺を止めるために襲いかかる総務課長を、話したこともない人が腕をつかんで阻止したりと、ものすごい事態になった。気持ちが通じてうれしかった。労働者は一つだと分かった。
 俺は「抗議して今日はストライキする」と宣言。正社員の仲間も「こんな状況で働けるか。俺もストだ」と欠勤届けを出した。処分されても一緒に闘うという覚悟だ。俺の班からは「まかしとけ! がんばれ」と檄(げき)が飛んだ。肩をたたいて「負けるなよ」と力づけてくれる人がいた。あったかい。また泣きそうになった。
 一日中、追及行動をし、夕方に職場集会を開催した。管理職の監視に負けず、多くの労働者が集まってきた。「あいつらまたやりやがった」「俺も追及に付き合いたかったんだ」「友達も昔、前日に言われ雇い止めにされた」「支店長の口癖は『やめろ』『やめさせろ』だ。どうかしている」。現場は怒りに満ちている。ものすごい団結ができるし団結すれば変えられると実感した。

 第2章 泣き寝入りはもうさせない! 門前闘争をはじめる! 5月1日から、門前闘争を始めた。ビラをまき、マイク演説をして「使い捨ての職場を変えよう!」「反乱起こそう!ストライキをしよう」と訴えている。職場や周りの友達が一緒にプラカードを持って立ってくれ、他の郵便局の人も話を聞いて駆けつけてくれている。バイクで出勤する仲間、配達に出かける仲間が「がんばれよ」「負けるなよ」と声をかけてくれてすごい感激する。楽しすぎる。

 管理職が勢ぞろいして監視しているが、あいつらは反乱が起こることに恐怖しているんだ。びびっているんだ。なぜならば、職場を動かしているのは俺たち労働者だからだ。みんなで団結して一斉にストライキでもすれば、管理職はあわてふためいて俺たちの言うことを聞くしかないからだ。一人の首切りだってできないし、支店長だって追い出せるんだ!

 第1節 時給アップでごまかすな!

 俺たちの闘いは当局を追い詰めている。あせった当局は、5月19日の朝礼で「契約社員の時給を50円アップします。契約社員はかけがえのない存在です」と発言した。笑っちゃうよ、なんだこの上から目線。ハガキ1枚の涙金で「かけがえのない存在」とは、恩着せがましいにもほどがある。もっと我慢して働けとせかしているんだ。こいつらは「かけがえのない」と言った同じ口で言うんだよね。「来月から来なくていい」ってさ。本当に「かけがえのない」と思うなら、非正規のみんなを正社員にしたらどうなのか? どうして支店長は「かけがえのない」俺を迎えに来ないのか。
 「明日からあっちの班へ行ってくれ」「○○の穴埋めに深夜勤をしてくれ」って、いつもこっちの気持ち無視して命令する。命令ひとつ銭金いくらで動かして、いつでも使い捨てにできる「かけがえのない存在」だってことか。労働者をなめるな。当局の都合で動かされてたまるか! 俺たちには俺たちの心がある。

 第3章 パイプ作りよりも大切な隣の仲間!闘うための組合だ

 なぜ時給を上げる? なぜ「雇い止め」で脅す? 民営郵政が破綻しているからだ。反乱が起こることにびびっている。これはチャンスだ。処分を恐れず闘ったら、そこに団結ができる。団結すれば必ず勝てる。
 俺が今一番むかついているのは、職場の組合支部長だ。相談に行ったら「契約満了だろ」「組合員でもないのに部屋入るな」って切れてきた。泣き寝入りを勧めてどうするんだよ。支店長と飲むことばかり考えて、パイプつくって自分だけ生き残ろうとする。こういう奴が、現場の組合員には生産性向上で会社に貢献しろと言っているんだ。
 会社に貢献して俺たちが生きられるわけないだろ。秋葉原事件が物語っているじゃないか。毎日まじめに車の塗装の点検作業をやっていても、たった一言で解雇。アパートまでたたき出された。彼は掲示板に書いた。「それでも人が足りないから来いと電話が来る。おれが必要だからじゃなくて人が足りないから。誰がいくかよ」「友達が欲しい。恋人が欲しい」
 これが生きた人間に対する仕打ちか! 青年からすべてを奪い取り、そうやって搾取した金でトヨタは2兆円の利益をあげ、資本家連中は笑っている。こういうやつらとグルになっている労組執行部こそ過労死や事故の最大の原因じゃないか。こいつらが秋葉原で7人殺したんだ。ふざけるな。腐った執行部は現場の団結でぶっとばそう。
 なぜ俺たち労働者が隣の仲間と生存競争をしたり、泣き寝入りしなければいけないのか。ペットボトルのように簡単に捨てられたり、誰にも知られずたった一人で死んでいく道を選ばされているのか。俺たちはそんなにちっぽけな存在か? 絶対違う。俺たち労働者が社会を動かしている。みんな「かけがえのない存在」じゃないか。みんなバラバラになるのはイヤだ。団結したい。ストライキがしたいんだ。一つになって反撃を開始しよう! ストライキのできる労働組合に変えよう!

 第4章 常識ひっくり返す団結をつくろう!郵便局から革命を

 俺は今回の件で痛いほど分かった。俺たち労働者と資本家連中とは共存できないんだということ。そして隣の労働者がどれだけあったかくて「かけがえのない存在」なのかということ。それがハッキリした。
 世界は革命を求めている。俺も革命をしたい!
世界中で起こるストライキや食糧暴動は、俺たちの闘いと一体だ。みんな生きるために本当の団結づくりを始めている。
 戦争当事国のアメリカとイラクの港湾労働組合が一緒にストライキをしている。これが労働者の力だ。労働者に国境はない。戦争だって止められる。俺たちはすごい。自信をもっていいんだ。俺たち労働者の団結こそ希望だ。サミットなんて幻想に過ぎない。資本家のプログラムを労働者のプログラムで塗り変える時代がやってきたということじゃないか。
 その中で、民営化と闘う俺たち郵便労働者は、決定的な位置を占めている。破綻した民営郵政をつぶしたとき、この社会が変わるんだ。革命なんだ。処分を恐れない団結づくりを一緒にやろう。絶対できる!